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HUEを再度取材「グラナド・エスパダ」最新バージョンを見てきた
2005/05/13 15:26
 日立製作所と韓国ハンビットソフトの合弁会社,ハンビットユビキタスエンターテインメント(以下,HUE)が現在日本語ローカライズ中のMMORPG,「グラナド・エスパダ」(原題 Granado Espada。以下,GE)。ここ最近は連日,日本のGE公式サイトで,4月19日に韓国で開催された「プレス懇親会」の模様や最新ムービーなどが公開されており,韓国でのクローズドβテストを前に,日本でも徐々に盛り上がりを見せてきているタイトルである。

 そんな中,つい先日HUE事業推進部部長の平田氏より「また(※)新しいバージョンを見てみませんか?」との連絡が入ったので,早速HUE事務所にお邪魔して,氏に話を聞きつつ,GMが操作する(まだ触らせてもらえない)最新のGE日本語版を見せてもらった。

※……以前も平田氏から同じような連絡があり,HUEにお邪魔したことがある(記事は「こちら」

 ちなみに今回見られたのは,我々も韓国プレス懇親会で公開されたゲームムービーを見て初めて変更に気づいた画面インタフェース,そして4月末に発表された新クラスの一つ「マスケッティア」のグラフィックスだ。
 実はこの日見られたGEクライアントは,取材班が現場に到着する"ほんの30分ほど前"にアップデートされたばかりの"超"最新バージョン。平田氏らHUEスタッフもまだテストしていないという作りたてホヤホヤのプログラムということで,途中で何度か中断しながらのデモとなったが,それでもいくつかの発見があった。



■アップデート直後の最新クライアントで見た,
新インタフェースと,クラス「マスケッティア」

 まずは,最新の画面インタフェースについて。
 以前の取材記事「こちら」の時点で画面左側に集まっていたポートレートやHP,スキルなどのキャラクター情報が,すべて画面下部に移動している(HUE公式サイトのムービーを見ていた人は,すでに気づいているだろう)。画面上部左と下部右に分かれていたパラメータ(HP/SP/EXP)と操作アイコン(スタンス/スキル)が,キャラクターごとにまとまった形だ。またチャットウィンドウは透化処理されて基礎情報の左上に移動,そして画面下部右にはミニマップが表示されていた。
 まぁ"最新インタフェース"とはいえ,表示されている"情報"はそれほど変更されておらず,スキルスロットが7個から8個に増えているぐらいである。キャラクター情報が一か所にまとまったことで,視線とマウスの移動量が減り,プレイアビリティが高まったというところだろうか。
 ただ平田氏によれば,インタフェースは"まだ変更の可能性がある"とのこと。ミニマップにどういった情報を表示するかといった仕様も未決定のようだし,ここはもうしばらく様子を見よう。

 さてその新インタフェースを紹介しながら見せてくれたのが,新クラス「マスケッティア」だ。
 マスケッティアは4月22日に韓国のGE公式サイトで発表された新クラスで(まだ開発中のタイトルの追加クラスを"新"と呼ぶのも違和感があるが……。関連記事は「こちら」),キャスター系の「ウォーロック」(Warlock)と共に追加された遠距離攻撃系のクラス。銃の扱い,とくに射程の長い長銃の扱いに長けており,キャスターの魔法が届かないような遠方の敵を相手にできる。
 マスケッティアのスタンスやスキルは未実装で,見られたのはドレスルームとフィールドでのグラフィックスのみだが,女性バージョンの中世ヨーロッパ調+ヘソ出しという際どい(?)グラフィックスや,通常攻撃時に銃の短/長によって変わる"構え"を見るだけでも,このクラスの魅力が伝わってくる。浮遊型のモンスターをパスパスと撃っているだけでもサマになるし,"短銃を二つ持って両手をクロスする構え"などもいい。平田氏も,スタッフと共に「イイでしょ? イイなぁ。うんイイ」と,かなりお気に入りの様子だ。

 ただこれを見てちょっと気になったのは,チームメンバーのAIについて。
 プレイヤーは,チームに属する3体のキャラクターのうち,基本的にはリーダーだけを操作する。その間ほかの2キャラクターはAIで制御されるわけだが,遠距離攻撃を行うMasketeerなどは,ターゲットの指定などをある程度プレイヤーで行えないと,いわゆるモンスターの"横殴り"が多発するであろうことは容易に想像できる。
 以前聞いたキム・ハッキュ氏の構想では,"回復重視""一番近くの敵を攻撃"という単位でAIを切り替えられるようにする,というものだったが,平田氏は「好みのAIを購入できると面白いかもしれませんね」と,もう一歩"先"の段階でのアイデアを披露してくれた。その販売形態が,ゲーム内ショップになるのかアイテム課金になるのかは分からないが,ちょっと面白いアイデアである。現時点でそういった機能が実装されるかどうかは決まっていないとはいえ,ここは日本側からの提案として,ぜひ進めてほしいものだ。

 この日にちょうど行われていたテスト用プログラムのアップデートは,韓国から日本へ"ゾーン単位"で行われているらしい。(詳しくはお伝えできないが)GMの操作や平田氏の言葉から察するに,現時点で日本側でテストできるゾーンはおそらく全体の20%程度だと考えられる。先はまだまだ長いということだ。
 現在HUEでは,今回の社内テストバージョンで追加された"インタラクティブNPC"の調整中とのこと。GEのNPCといえば"仲間にできる"というのが特徴のひとつで、"ペット"などと同様に複数のキャラクターを操作するGEならではのシステムとなるはずなので,こちらも情報を追っていきたい。



■クローズドβテストの話題もチラホラ……

 ……と,ここまで見ていて気づいた人もいると思うが,現時点ではグラナド・エスパダは,オリジナルの韓国版ですら,仕様の固まっていない部分が多い。NPC/インスタンスダンジョン/トレードといったGEの気になるシステムに関して具体的にお伝えできないのがちょっと残念なところだ。

 とはいえ"なにかしら情報を"ということで,平田氏に日本でのクローズドβテストについて,いくつか教えてもらった。

 まずクローズドβテストの日付けは,当初予定していた6月から若干後ろにズレて,夏休み前の7月になりそうとのこと。以前「こちら」で少し触れたユーザーカンファレンスは"βテスト開始後に行う"ということなので,これも夏休み中の開催となるだろう。
 GEのクローズドβテストは,"戦闘システムのテスト"や"負荷テスト"といった具合に,いくつかのフェイズに分けて行われる。その中でも最初に行われるテストは"最も基本的なシステム"の部分となり,募集人数も200〜300人,多くて500人と小規模なものになるという。
 そうなると気になるのはテスターの"選考方法"だが,この部分に関しては平田氏は,

「クローズドβテストには,"愛をもって厳しい意見の言える人"に,ぜひ参加していただきたいですね。あと,今回のクローズドβテスター募集で私が個人的に決めている選考基準は,ズバリ"ファンサイトを運営している人"です。早くからGEの情報を追っていただいている人が参加できないのとか,ちょっとイヤですよね? これはぜひ優先したいと思っています。そのほかにも,ファンサイトの掲示板やブログにコメントやトラックバックをしてくれた人や,公式サイトのスタッフBlog(近日公開予定だとか)にトラックバックしてくれたブログ所有者など,ファンサイト管理人以外にも,なんらかのテスター優先基準を設ける予定です」

 とのこと。当たり前といえば当たり前だが,平田氏は「HUEスタッフは,ファンサイトにはいつも感服しています」と言っていたので,運営者は期待していいかも。
 ちなみにクローズドβテスターの予定のべ人数は,2000〜3000人とのこと。GE日本公式サイトのページビューが"そろそろ1000万ヒットに届く"という平田氏の言葉を聞くと,βテスター募集はかなり狭き門のような気もしてくるが,GEを調べるなりファンサイトを作るなりして,ぜひチャレンジしてみよう。(Gueed)

※掲載したゲーム画面は,すべて本作のムービー(のちほど掲載予定)からキャプチャーしたものです


グラナド・エスパダ
■開発元:IMC Games
■発売元:ハンビットユビキタスエンターテインメント
■発売日:2006/07/21
■価格:基本プレイ料金無料,アイテム課金
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.05/20050513152618detail.html