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ゲーム用Androidタブレットの新しい選択肢となり得る実力派。BungBungame「KALOS 2」レビュー
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印刷2016/07/20 00:00

レビュー

ゲーム用Androidタブレットの新しい選択肢となり得る実力派

BungBungame KALOS 2

Text by 小西利明

 ゲーム用途でAndroidタブレットを導入しようと考えたとき,2016年7月時点では,選択肢があまりないことをご存じだろうか。
 スマートフォンでは大手であるソニーモバイルコミュニケーションズは,XperiaブランドのAndroidタブレットから撤退してしまったし,Samsung Electronics(以下,Samsung)のAndroidタブレットは,最新モデルが日本では正式販売されていない。それ以外でゲームに向いたハイスペックなタブレット端末といえば,NVIDIAの「SHIELD Tablet K1(※以下 SHIELD Tablet)か,GoogleのNexus 9」,AcerのPredator 8」ぐらいだ。ただ,SHIELD TabletやNexus 9は2014年発売の製品で,性能面はともかく,今から買う製品として選ぶのは気が進まないという人もいるだろう。

KALOS 2
メーカー:BungBungame
問い合わせ先:TEL 0120-160-067(月曜〜金曜 11時〜18時)
価格:6万円台前半(2016年7月20日現在)
画像集 No.002のサムネイル画像 / ゲーム用Androidタブレットの新しい選択肢となり得る実力派。BungBungame「KALOS 2」レビュー
 そんな状況の中で,ゲーマー向けAndroidタブレットにおける新しい選択肢として注目を集めるかもしれない製品が,台湾BungBungameの「KALOS 2」(カロス ツー)だ。2015年のCOMPUTEX TAIPEI 2015で披露された製品で,Androidスマートフォン「Galaxy S6 edge」にも使われたSamsung製のSoC(System-on-a-Chip)Exynos 7420」を搭載するという,珍しい特徴を備えている。

 Exynos 7420は2015年のハイエンドSoCであるので,性能面では現時点でもそう見劣りするものではないと期待できる。このSoCを搭載するKALOS 2は,ゲーム用途のAndroidタブレットとして選ぶ価値のある製品となっているのだろうか。じっくりとチェックしてみた。

KALOS 2の製品ボックスと同梱物。充電用のUSB Type-Cケーブルは付属しているが,ACアダプタは同梱されていない点に注意
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高級感のある外観は所有欲をくすぐる


 まずは外観を見てみよう。KALOS 2は,表面がガラスパネルで覆われた白いボディの四辺を,シャンパンゴールドのアルミ合金製フレームで囲むというデザインを採用している。ガラスパネルの前面および背面は完全にフラットであるため,似たようなボディを特徴としていたXperiaブランドのタブレットを思い出す人もいるかもしれない。ボディのデザインは上品で,高級感のある外観と言って差し支えないだろう。

本体前面。表面はガラスパネルで覆われており,四辺を金属のフレームが囲んでいる
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本体背面。こちら側もガラスパネルで覆われている。上側面側の中央やや右に800万画素のアウトカメラがあり,そこはガラスパネルがごくわずかに出っ張っている
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右側面にあるmicroSDカードスロットは,付属の細いピンを押し込んで引き出すタイプだ
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 ボタンやインタフェース類は少なめだ。ボタン類は,右側面側にある音量調整ボタンと[電源/スリープ]ボタンだけ。細いピンを押し込んで引き出すSIMカードスロットのようなmicroSDカードスロットも,右側面にある。残念ながらSIMカードスロットはない。

本体右側面(上)の中央に見えるのがmicroSDカードスロットで,その右側に[電源/スリープ]ボタン,音量調整ボタンの順に並んでいる。左側面には何もない(下)
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 本体の上側面には,右寄りに3.5mmミニピンのヘッドセット端子と,Type-C形状のUSB 3.1 Gen1(いわゆるUSB 3.0)ポートが並ぶ。また,ステレオスピーカーの開口部も上側面側にある。
 なお,KALOS 2の製品ボックスには,充電用としてUSB Type-C−Type-A変換ケーブルは付属しているものの,ACアダプタ自体は付属していない。ケーブルの長さも1mと短いので,別途必要な長さを備えたUSB Type-C−Type-A変換ケーブルを調達したほうがよさそうだ。ただ,市販のUSB Type-C−Type-A変換ケーブルには,USB 3.1の仕様に従っていないケーブルも多数存在するので,購入前にはこちらのレビュー記事を参考に製品を選ぶことをお勧めする。

本体上側面(上)。左から3.5mmミニピンのヘッドセット端子,USB 3.0 Type-C,右側スピーカー,赤外線センサー,マイク孔,左側スピーカーが並んでいる。下側面(下)にはなにもなし
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背面にはNFCのマークがあり,NFCを使ってペアリングを行い,Bluetoothでデータを送受信するデータ転送機能「Android Beam」や,NFCによる電子決済機能「Android Pay」を利用できる。おサイフケータイには対応していない
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 KALOS 2のサイズは,実測で247(W)×176(D)×6.5(H)mm。重量は436gだった。9.7インチタイプの「iPad Pro」が,240(W)×169.5(D)×6.1(H)mmで437gとほぼ同じなので,KALOS 2のサイズや重量は,10インチ級としてはごく一般的な程度といったところか。念のために記しておくと,防水機能は備えていない。

 ボディの表と裏がつるつるしたガラスパネルで,額縁部分も狭いKALOS 2のデザインは見栄えが良いものの,手に持ってゲームをプレイするときに取り落としやすいのではないかと懸念を持つ人もいそうだ。実のところ筆者もそうだった。
 ところが,実際に手に持って両手の指を使うゲームをいくつかプレイしてみたところ,握りにくかったり,指が滑って落としそうになったりということはなかった。とはいえ,グリップや滑り止めがあるわけではないので,電車の中で立ったまま使うという不安定な状況では,ちょっと恐いかもしれない。


有機ELディスプレイパネルの画質は良好


有機ELディスプレイパネルの解像度が高いため,小さな文字の表示も見やすく,Webブラウジングも快適だ
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 KALOS 2の大きな特徴は,ディスプレイに有機ELディスプレイパネルを採用していることだ。サイズは10.5インチで,解像度は2560×1600ドット,アスペクト比16:10,コントラスト比は10万:1というスペックを備えるという。単純計算すると,精細度は288ppiとなる。有機ELディスプレイパネル採用と聞けば,ゲーマーとしては応答速度の速さに期待したくなるものだが,残念ながら応答速度の数値は公表されていない。
 SHIELD TabletのIPS液晶パネルは,1920×1080ドットのアスペクト比16:9なので,ゲームにはともかく,普段使いのタブレットとしては,いささか横長すぎる点が気になっていた。その点ではKALOS 2のほうが,縦方向が長いので扱いやすく感じる。

 KALOS 2の製品情報ページには,「自然界の色彩を94%再現できる」という色域の広さを示す文言が書かれているのだが,この94%というの数字が何を基準にしたものかは明言されていない。
 そこで,同じ写真や映像を,KALOS 2とSHIELD Tablet,およびiPad mini 4で表示して見比べてみたところ,確かにKALOS 2の色域は,液晶ディスプレイを使った他の2製品よりも広いように見える。並べて見比べると,KALOS 2のほうが赤色や緑色をした植物の階調表現が豊かであることが見てとれるだろう。この写真を撮影したカメラマンも,発色の良さに感心していたほどである。

左から,KALOS 2,SHIELD Tablet,iPad mini 4で同じ写真を表示した様子。いずれも輝度は最大で,色補正機能があるものはオフにしている
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ストレージ容量の多さがゲーム用途には嬉しい


 スペックもチェックしてみよう。
Exynos 7420
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 冒頭でも触れた搭載SoCのExynos 7420は,「Exynos 7 Octa」と呼ばれることもあるプロセッサだ。Samsungの14nm FinFETプロセスで製造され,名前にOcta(8の意味)とあるとおり,CPUコアとして最大動作クロック2.1GHzのARM製CPUコア「Cortex-A57」を4基と,同1.5GHzの「Cortex-A53」を4基ずつ搭載する8 CPUコアのSoCである。
 統合されているGPUコアは,ARM製のGPUコアIP「Mali-T760」だ。OpenGL ES 3.2やVulkan,Direct3D 11に対応するという。
 SoCそのものにしろCPUコアやGPUコアにしろ,2016年7月現在では,どちらも最新鋭のハイエンドというわけではない。とはいえ,1年ほど前のハイエンドスマートフォンに採用されたSoCだけあって,性能面では現在でも見劣りするものではないと期待できる。

 SoC以外のスペックは,メインメモリ容量が3GBで,内蔵ストレージ容量は64GB,容量200GBまでのmicroSDXCカードに対応するmicroSDカードスロットも備えている。
 無線LAN機能はIEEE 802.11ac対応で,Bluetooth 4.1にも対応。アウトカメラ側が約800万画素,インカメラは約500万画素の撮像素子を搭載するカメラ機能も備える。内蔵バッテリー容量は5800mAhとのこと。

 スペックで重要なのは,64GBという容量の大きな内蔵ストレージだ。
 ゲーム用タブレットであるSHIELD Tabletの場合,国内で販売中の製品は内蔵ストレージ容量が16GBしかない。Nexus 9も16GBまたは32GBと,決して多いほうではない。3Dグラフィックスを利用するゲームの場合,必要なストレージ容量が1GBを超えるものも少なくないので,16GB程度では数本ゲームをインストールしただけで,容量不足にみまわれる。SHIELD TabletはmicroSDカードに対応しているので,アプリをmicroSD側に逃がすという手もあるが,なるべくなら高速な本体側ストレージにインストールしておきたいもの。
 その点,64GBというKALOS 2のストレージ容量は,多数のゲームをインストールしても余裕のあるもので,安心して使えるだろう。PCのように後からメインストレージを増設したり交換したりはできないAndroid端末だけに,ここは重要なポイントといっていい。

 搭載OSはAndroid 6.0(Marshmallow)。国内での販売を担当するSACによると,Bungbungameでは次期Android OSである「Android Nougat」へのアップデートも検討しているとのことなので,今後も長く使える製品となりそうだ。


ベンチマークテストで性能検証

SHIELD Tabletには及ばないがiPad mini 4を上回る


 それではお待ちかねのベンチマークテストを実行して,KALOS 2の実力を検証してみることにしよう。今回の比較対象に選んだのは,ゲーム用途では直接競合するSHIELD Tabletだ。また,一部テストではiPad mini 4とも比較している。スコアを比較した3機種のスペックはのとおり。

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 まずはグラフィックス性能のテストとして,「3DMark」から始めよう。今回は,OpenGL ES 2.0世代のIce Strom Unlimitedプリセットに加えて,OpenGL ES 3.0/3.1世代のテストである「Sling Shot」でも測定している(関連記事)。なお,iOS用の3DMarkは,Sling Shotが別アプリである「3DMark Sling Shot Benchmark」となっているので,そちらを使用した。

 まずグラフ1は,Ice Storm Unlimitedプリセットのスコアをまとめたものだ。SHIELD Tabletは圧倒的に高い総合スコアを記録し,KALOS 2は後塵を拝しているが,iPad mini 4との差はわずかだ。Graphics scoreとPhysics scoreを見ると,GPU性能で比較対象に及ばず,CPU性能ではiPad mini 4よりも優れるという傾向が見えてくる。

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 グラフ2は,OpenGL ES 3.0世代のSling Shotプリセットを使ったテストの結果で,1920×1080ドットでレンダリングした画像を画面解像度にスケーリングする処理が入るという,実ゲームにやや近いテストだ。続くグラフ3は,Sling Shot Unlimitedプリセットのスコアをまとめたもので,画面解像度やOSによる影響を廃して,CPUとGPUの性能を見ることに重点を置いたテストである。
 グラフ2,3ともスコアの傾向は共通しており,SHIELD Tabletが他を圧倒する一方で,KALOS 2はiPad mini 4よりも高い総合スコアとPhysics scoreを記録していた。とくにPhysics scoreは,SHIELD Tabletとの差は10%程度だ。Graphics scoreではiPad mini 4のほうが上であるものの,Ice Storm Unlimitedよりもスコアの差は縮まっているのが分かる。

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 続くグラフ4,5は,OpenGL ES 3.1世代のSling Shot Extremeプリセット,およびSling Shot Extreme Unlimitedプリセットを使ったテストの結果だ。Sling Shot Extremeプリセットのレンダリング解像度は2560×1440ドットとなり,最も負荷の高いテストとなっている。
 SHIELD Tabletが圧倒的である点に違いはないものの,KALOS 2がiPad mini 4を,全項目で上回っているのがポイントだ。OpenGL ES 3.1世代のグラフィックスレンダリングにおいては,iPad mini 4よりも,KALOS 2のほうが高い能力を有するらしいという傾向も見えてきた。

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GFXBench 4.0に含まれるCar Chaseテストのイメージ
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 続いては,マルチプラットフォーム対応のグラフィックスベンチマークプログラムである「GFXBench 4.0」によるテスト結果を見てみよう。GFXBench 4.0は,OpenGL ES 3.1/3.0/2.0ベースのテストに加えて,OpenGL ES 3.1とGoogleのグラフィックス拡張機能セット「Android Extension Pack」を組み合わせて利用するという,高負荷なテスト「Car Chase」が含まれているのが特徴のベンチマークプログラムである。
 なお,iOSにはAndroid Extension Packがないので,Car Chaseを含まない「GFXBench 3.1 Metal」で計測している。

 グラフ6がテスト結果をまとめたもので,SHIELD Tabletが他を圧倒する傾向に変わりはないが,KALOS 2はiPad mini 4に対しては,ほとんどの項目で優位に立っているのがポイントだ。また,3DMarkよりも,オフスクリーンレンダリングを行うテストで,SHIELD TabletとKALOS 2の差が縮まるという傾向も見られた。

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 iPad mini 4に対しては優位であったものの,グラフィックス性能ではSHIELD Tabletには敵わなかったKALOS 2だが,それ以外の性能はどうだろう。次のグラフ7は,Qualcomm製のAndroid用総合ベンチマークテスト「Vellamo Mobile Benchmark」(バージョン3.2)のテスト結果をまとめたものだ。「Browser」はAndroid版「Chrome」を使ったWebブラウジング関連テスト,「Metal」はCPUの演算性能を計測するテスト,「Multicore」はマルチコアCPUの演算性能計測を行うテストである。
 結果はなかなか面白いもので,BrowserではSHIELD Tabletが圧勝したものの,CPU演算性能を見る2つのテストでは,KALOS 2が逆に上回ったのだ。

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 KALOS 2のExynos 7420がCPUコア8基を搭載するのに対して,SHIELD TabletのTegra K1はCPUコアが4基と少ないことと,Exynos 7420はCPUコアがARMv8世代のCortex-A57/A54なのに対して,Tegra K1は1世代前のARMv7-Aであることといった違いが影響していると考えられる。

 実アプリによる性能に近い動作で検証するAndroid版「PCMark」によるテスト結果をまとめたのがグラフ8だ。
 総合成績ではSHIELD TabletがKALOS 2を上回っているのだが,その差はあまり大きくない。SHIELD Tabletが圧倒した項目は,テキストレンダリングの速度を見るWriting scoreくらいで,Video Playback scoreは,KALOS 2が逆にSHIELD Tabletに大差を付けているくらいだ。

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 グラフ9,10は,PCMarkのストレージ性能計測テストである「Storage test」の総合スコアと,内蔵ストレージに対する逐次,およびランダム読み書きの結果をまとめたものだ。見てのとおり,ストレージ性能計測ではKALOS 2がSHIELD Tabletを上回っている。とくに逐次読み込み(Internal sequential read)と逐次書き込み(Internal sequential write)で大きな差が付いており,サイズの大きなゲームアプリの起動で威力を発揮しそうだ。

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 ベンチマークテストではないが,最後にタッチパネルの連打応答性を計測するために,連射測定アプリケーション「ぺしぺしIkina」による連打テストを行ってみた。
 以前にNexus 9のテストレポートでも同じことをしたが,筆者は安定した高速連打ができないので,HORIの指装着型連射装置「オレコマンダー ブラック」を付けて,連打速度を最低段階にセットした状態で,人差し指で画面に触れて連打するという方法で計測している。

 テストの様子を撮影した動画を下に掲載しておくが,何回かやってみたところ,10秒間で130〜140程度のスコアを安定して記録した。動画では,叩き出しの直後に一瞬飽和したように見えているが,これは単に指がうまく触れていなかっただけ。78タップめに飽和が見られる以外,安定してカウントできているのが分かるだろう。



ゲーマー向けの新しい選択肢として十分な性能を持つタブレット


画像集 No.020のサムネイル画像 / ゲーム用Androidタブレットの新しい選択肢となり得る実力派。BungBungame「KALOS 2」レビュー
 それではまとめに入ろう。
 グラフィックス系のベンチマークテストではSHILED Tabletに敵わないものの,KALOS 2はiPad mini 4と同等以上の性能を有しており,一般的なアプリを主体とした用途でも高い性能を発揮していることが分かった。
 実際に,「World of Tanks Blitz」や「OZ Chrono Chronicle」といった3Dゲームをプレイしてみたところ,快適なプレイができることを確認している。ゲーマー向け最強タブレットではないものの,実効性能では大きく劣ることはないので,普段使いからゲームまで,快適に利用できるだろう。

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 またSHIELD Tabletは,搭載SoCのTegra K1を採用する端末が他にほとんどないこともあってか,ゲームアプリがリリース直後の段階では動作対象端末になっていないことがあり,インストールできないこともある(※リリース後,検証が済めばインストール可能になるが)。その点,KALOS 2が搭載するSoCは,NTTドコモやKDDIから主力商品として発売されたGalaxy S6 edgeと同じものなので,SoCに関してはSHIELD Tabletのような問題が生じにくいというのも,KALOS 2の利点と言っていい。

 店頭価格は6万円台前半と,決して安価な製品ではない点は人を選ぶが,ゲーム用途から普段使いまでストレスを感じることなく使える,Xperiaタブレットのような高性能Androidタブレットを求めている人にとっては,有力な選択肢となる製品といえよう。

●KALOS 2の主なスペック
  • メーカー:BungBungame
  • OS:Android 6.0.1(Marshmallow)
  • ディスプレイパネル:10.5インチ液晶,解像度2560×1600ドット
  • プロセッサ:Exynos 7420(8 CPUコア,最大CPU動作クロック2.1GHz)
  • GPU:Mali-T760
  • メインメモリ容量:3GB
  • ストレージ:内蔵(容量64GB)+microSDXC(最大200GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約800万画素
  • インカメラ:有効画素数約500万画素
  • バッテリー容量:5800mAh
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
  • Bluetooth対応:4.1
  • 本体サイズ:246.6(W)×176(D)×6.7(H)mm
  • 本体重量:約430g

KALOS 2 製品情報ページ

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