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MSI「GeForce GTX 1070 Ti GAMING X 8G」レビュー。GTX 1070 TiはオーバークロックでGTX 1080に迫れるのか
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印刷2017/11/29 00:00

レビュー

オーバークロックでGTX 1080に迫る性能を見せられるのか

MSI GeForce GTX 1070 Ti GAMING 8G

Text by 宮崎真一

GeForce GTX 1070 Ti GAMING 8G
メーカー:MSI
問い合わせ先:エムエスアイコンピュータージャパン MSIお客様ご相談窓口 supportjp@msi.com
実勢価格:7万円前後(税込,※2017年11月29日現在)
G Series
 去る2017年11月2日に発表となった,NVIDIAの新型GPU「GeForce GTX 1070 Ti」(以下,GTX 1070 Ti)。
GeForce GTX 1080」(以下,GTX 1080)と「GeForce GTX 1070」の間を埋めるプロセッサとしての存在価値はあるものの,実勢価格が最大のネックであるというのが,発表時点における評価だった。

 そんなGTX 1070 Tiだが,仕様面でとても興味深いのは,NVIDIAの指示により,カードメーカーオリジナルモデルの動作クロックがリファレンスと変わらない値に固定されているところだ。実際には「製品ボックス付属のソフトウェアツール」という“裏技”を使ってメーカーレベルのクロックアップ動作を実現している例もあるが(関連記事),いずれにせよ,そういう指示を行っている以上,NVIDIAは「クロックアップ版GTX 1070 Ti」がGTX 1080を“喰う”ことを,本気で心配しているということなのだろう。
 では,本当にGTX 1070 Tiは動作クロックの引き上げによって下克上を果たせるのか。MSIから「オーバークロックしてもいいですよ」という特別な許可とともに,オリジナルデザインのGTX 1070 Tiカード「GeForce GTX 1070 Ti GAMING 8G」(以下,GTX 1070 Ti GAMING)の貸し出しを受けることができたので,今回は主に「GTX 1080超えが可能かどうか」をチェックしてみたい。


「Gaming APP」による簡単クロックアップには非対応

ベースクロックは+130MHzの1738MHzで動作


G Series
 GTX 1070 Tiの詳細についてはレビュー記事を参照してもらうとして,通常であればカードそのものの外観からチェックしていくところだが,今回は,先にGTX 1070 Ti GAMINGの仕様から見ていきたい。
 GTX 1070 Ti GAMINGは,MSIのゲーマー向け製品ブランド「G Series」に属するグラフィックスカードである。動作クロックは,ベースクロックが1607MHzで,ブーストクロックが1683MHz,メモリクロックは8008MHz相当と,当然のことながらリファレンスと同一だ。

 「とはいえMSIのグラフィックスカードには『Gaming APP』があるから,事実上,クロックアップ動作できるでしょ?」(関連記事)と考えた読者は鋭いが,結論からいうと,GTX 1070 Ti GAMINGでGaming APPは利用できない。MSIによると,「NVIDIAからの指示で,工場出荷時にメーカー側がグラフィックスカードにオーバークロック設定を用意できないため,現状のGaming APPは利用できないようにした」のだそうだ。つまり,(他社とは違い)MSIは指示にしっかり従っているというわけだが,結果としてGTX 1070 Ti GAMINGには,メーカー保証の範囲内で動作クロックを変更する手段が用意されないということになる。
 もっとはっきり言うと,動作クロックを変えたい場合,メーカー保証外の行為であるオーバークロック設定を行うしかないということだ。

Afterburnerからオーバークロックを行っている様子。今回は,Core Clockを130MHz上げた状態が安定動作する上限だった
G Series
 ユーザーレベルで手動のオーバークロックを行うためのツールとして,MSIは,同社の専用ページからダウンロードできるユーティリティソフトウェア「Afterburner」を用意している。筆者が確認した限り,バージョン4.4.0.19はGTX 1070 Ti GAMINGに対応しているので,今回はこのバージョンを用いて,GTX 1070 Ti GAMINGのGPUベースクロックとコア電圧,それにメモリクロックを高めるという方法でテストを進めることにした。

※注意
グラフィックスカードのオーバークロック設定は,GPUやグラフィックスカードメーカーの保証外となる行為です。最悪の場合,グラフィックスカードやマザーボードなど,構成部品の“寿命”を著しく縮めたり,壊してしまったりする危険がありますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。本稿を参考にしてオーバークロック動作を試みた結果,何か問題が発生したとしても,メーカー各社や販売代理店,販売店はもちろん,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。


 今回は,4Gamerのベンチマークレギュレーション20.1で採用するテストがすべて問題なく完走することをもって「安定動作」と判断することにしたが,試行錯誤の結果,今回テストに用いたカードでは,消費電力の上限を設定する「Power Limit」を120%に,GPU温度の上限を設定する「Temp. Limit」を88℃として(Thermal Design Power,熱設計消費電力)の枠を広げ,その状態で,「Core Voltage」(コア電圧)を「+20%」まで上げたところ,GPUコアのベースクロックは+130MHzの1738MHz,メモリクロックは+200MHzの8208MHz相当(※Afterburner上の表記は「4104MHz」)まで上げた状態で,すべてのテストが完走した。

 ちなみにベースクロックを+140MHzにすると,コア電圧を+30%にしても安定動作はしなかった。また,メモリクロックを+110MHz相当にした場合も,しばしばテスト環境がフリーズしてしまう。入手したGTX 1070 Ti GAMINGのオーバークロック耐性は,あまり高くない印象である。

 なお,Afterburnerで工場出荷時状態とオーバークロックを行った場合のテスト中における動作クロックを追ってみたところ,前者はブースト最大1847MHz,後者は同1999MHzまで上昇していた。それぞれの差が,ベースクロックで設定した130MHzよりも開いたのは,オーバークロック設定時にTDPの枠を広げたことが奏功していると考えていいだろう。

工場出荷時状態の場合,ベースクロックは1847MHzまで上昇していた(左)。一方,オーバークロックを行うと,ベースクロックは1999MHzまで上昇したことを確認している(右)
G Series G Series


GPUクーラーには2スロットサイズのTwin Frozr VIを搭載


GTX 1070 Ti GAMINGのカード長は279mm。Founders Editionよりも12mmほど長い
G Series
 それではカードそのものを見ていこう。
 GTX 1070 Ti GAMINGのカード長は,実測で279mm(※突起部含まず)だった。GTX 1070 Tiの「Founders Edition」が同267mmなので,それより12mmほど長い。
 GTX 1070 Ti GAMINGは,マザーボードへ差したときの垂直方向へ,基板とクーラーがI/Oブラケット部分から約34mmはみ出ており,さらにPCI Express補助電源コネクタもやはり垂直方向に実装されている点も押さえておきたいところだ。利用には,マザーボードの垂直方向に十分な空間を確保できるPCケースが必要だろう。

外観は黒色を基調に赤色のアクセントという,GAMINGの名を冠するグラフィックスカードでお馴染みのもの(左)。本体背面に竜のイラスト入り補強板があるのもこれまでどおりだ(右)
G Series G Series

 ただ,底面積を大きくしたことで,カードの厚みが増すことは避けることができており,クーラーは2スロット仕様で収まっている。2.5〜3スロット仕様のカードと比べれば,小型PCケースに搭載できる可能性は高いはずだ。

2スロット仕様となるGTX 1070 Ti GAMING。厚みは実測約38mm(※突起部除く)だった
G Series

 補助電源コネクタは8ピン+6ピンという構成で,8ピン×1という仕様のFounders Editionと比べると供給能力が強化されている。

補助電源コネクタ周辺に寄ったところ(左)。右は外部出力インタフェースで,DisplayPort 1.4×3,HDMI 2.0b(Type A)×1,Dual-Link DVI-D×1という構成になっている。これはFounders Editionと同じだ
G Series G Series

エッジの傾斜が異なるブレードを交互に配置するTorx Fan 2.0仕様のファン
G Series
 ここまで掲載してきた写真でピンときた読者も多いだろうが,搭載するクーラーは「Twin Frozr VI」だ。Twin Frozr VIは,エッジの傾斜が異なる2枚のブレードを交互に配置した構造の空冷ファン「Torx Fan 2.0」を採用しており,従来のファンに比べて風圧が22%高まり,静音性も向上しているとMSIは主張している。
 また,GPUの温度が60℃以下になると,ファンの回転を停止させる「Zero Frozr」機能も備えているのだが,GTX 1070 Ti GAMINGの場合,Zero Frozrは無効化できない。Zero Frozrの有効/無効切り替えはGaming APPから行う仕様なので,Gaming APPを利用できないGTX 1070 Ti GAMINGでは,Zero Frozrの設定変更も行えないというわけである。

 なお,GPUクーラーのカード側面のMSIロゴと竜のシンボルマーク部に埋め込んであるカラーLEDの変更機能を司るのは「Mystic Light」という別ユーティリティなので,こちらは問題なく変更が可能だった。

Mystic Lightのメイン画面(左)。選択可能な発光パターン(LIGHT EFFECT)は,常時点灯の「No animation」,ゆっくりと明滅を繰り返す「Breathing」,速い点滅の「Flashing」,2回点滅を繰り返す「Double Flashing」,色がランダムで変わる「Random」,サウンドの強弱に合わせて点灯する「JAZZ」の計6通りだ。メイン画面の「COLOR」欄にある7つのマークのどれかをクリックすると,色設定のサブ画面が表示されて,任意の発光色を選択できる(右)
G Series G Series

Mystic Lightを使ってLEDイルミネーションの色を変更したところ。工場出荷時設定は赤色(左)だが,ここでは白(中央)や緑(右)に変えてみている。クーラー前面にある赤色LEDのラインは,発光パターンの変更には対応する一方で,色の変更は行えない
G Series G Series G Series


Twin Frozr VIや基板の構成は,既存の「GTX 1070 GAMING」と変わらない


 外観のチェックに続いて,GPUクーラーや基板の構成を確認してみたい。
 言うまでもないが,GPUクーラーの取り外しはメーカー保証外の行為であり,クーラーを取り外した時点で,メーカー保証は失効する。それを踏まえたうえで,今回はレビューのために取り外して,GPUクーラーと基板を詳しくチェックしてみたい。

背面側の補強板を取り外したところ
G Series
 さてそのTwin Frozr VIクーラーだが,見る限り,既存のGTX 1070搭載製品である「GeForce GTX 1070 GAMING X 8G」(以下,GTX 1070 GAMING)が採用するTwin Frozer VIクーラーとまったく同じもののようである。8mm径が1本,6mm径が4本という,計5本のヒートパイプにより,コアプレートから放熱フィン部に熱を伝える仕組みや,GPUクーラーとは別に,メモリチップを冷却するヒートスプレッダ兼用の補強板を取り付けているところ,電源部に放熱フィン付きのヒートシンクを備えるところは,どれもGTX 1070 GAMINGと同じに見える。
 熱設計面では,GPUがGTX 1070 Tiになっても大きな違いはないということだろうか。

Twin Frozr VIクーラーを取り外した状態。クーラー自体はもちろんこと,ヒートスプレッダやヒートシンクの構造にも違いは見当たらない
G Series G Series

GTX 1070 Ti GAMINGの基板全景。GPUの左下,PCI Express x16端子の上に,「V330 VER:6.0」のシルク印刷が見える
G Series
 基板に目を移そう。電源部は10フェーズ構成で,こちらもGTX 1070 GAMINGとの目立つ違いはなさそうだ。PCI Express x16端子のすぐ近くにあるシルク印刷は「V330 VER:6.0」となっており,「V330 VER:5.0」だったGTX 1070 GAMINGから,バージョン番号が1だけ上がっているのが分かる。

 電源部の部材は,MSI独自の品質規格「Military Class 4」に準拠したもので,この点もGTX 1070 GAMINGと変わらない。搭載するクーラーだけでなく,基板もまた,GTX 1070 GAMINGのマイナーチェンジ版と見ていいだろう。

10フェーズ仕様の電源部(左)。高いエネルギー効率を誇るHi-c CAPコンデンサや日本メーカー製の固体コンデンサ,それに電源効率が極めて高い「Super Ferrite Choke」など,Military Class 4に準拠した部材が並んでいる。GPUの真裏には,470μFのチップタンタルコンデンサが2つ実装されていた(右)。これはFounders Editionと同じ仕様だ
G Series G Series

フェーズコントローラの「uP9511P」(左)。Founders Editionが搭載していたのと同じものだ。右は,Micron Technology製GDDR5メモリチップ「MT41J256M32-80」(8Gbps品,チップ上の刻印は「7QA47 D9TCB」)で,これもFounders Editionが採用するのと同じもの。1チップあたりの容量は1GBなので,計8個で総容量8GBとなる
G Series G Series


GTX 1070 Ti GAMINGの性能をGTX 1070 TiおよびGTX 1080のFounders Editionと比較


 それではテスト環境のセットアップに入ろう。
 今回,比較対象には,GTX 1080とGTX 1070 Tiの両Founders Editionを用意した。GTX 1070 Ti GAMINGのオーバークロックでGTX 1080にどこまで迫れる(もしくは逆転できる)かを調べつつ,Twin Frozer VIの効果でGTX 1070 Tiに対してスコア差を付けられるかもチェックしてみようというわけである。
 テストに用いたグラフィックスドライバは「GeForce 388.13 Driver」。テスト開始後に「GeForce 388.31 Driver」が登場しているが,テスト開始時の最新版が388.13だったということでご了承を。


 テスト内容は4Gamerのベンチマークレギュレーション20.1に準拠。ただし,GTX 1070 Tiのレビュー時と同様に,21.0を先取りする形で以下のテストを追加した。

  1. 3DMark「Time Spy」の「Extreme」テスト
    〜テスト方法は“無印”のTime Spyに準拠する
  2. 「Middle-earth:Shadow of War」(以下,Shadow of War)テスト
    〜「Superposition Benchmark」を差し替え。ゲーム側の公式ベンチマークモードを利用し,描画負荷が最も高くなる「ウルトラ」プリセットを採用する

 なお,テスト解像度は,GTX 1070 Tiがハイエンド向けということもあり,3840×2160ドットと2560×1440ドット,1920×1080ドットの3つを選択している。


オーバークロックでGTX 1080に迫るGTX 1070 Ti GAMING


 以下,文中,グラフ中とも,オーバークロック状態のGTX 1070 Ti GAMINGを,「GTX 1070 Ti GAMING(OC)」と表記することをあらかじめお断りしつつ,まずは3DMark(Version 2.4.3819)から見ていこう。グラフ1は,3DMarkの「Fire Strike」における総合スコアを,グラフ2は,GPUテスト結果である「Graphics score」をそれぞれまとめたものだ。
 どちらのテストでも,GTX 1070 Ti GAMINGとGTX 1070 Tiのスコア差は約1%。GTX 1070 Ti GAMINGのほうが,GPUクーラーの冷却性能が高く,それによって動作クロックが伸びたことで,Founders Editionを若干上回ったということなのだろう。
 さて,そんなGTX 1070 Ti GAMINGに対するGTX 1070 Ti GAMING(OC)のスコア向上率は2〜6%程度だ。GTX 1080比で96〜98%程度まで詰めてはいるものの,上回るまでには至っていない。


 続いてグラフ3は,3DMarkから「Time Spy」の総合スコアを,グラフ4はTime Spyにおける「Graphics score」をまとめたものだ。Time SpyもFire Strikeの結果をほぼ踏襲しているが,GTX 1070 Ti GAMING(OC)がGTX 1080比で98〜100%程度と,Fire Strikeと比べてスコア差を詰めているのは評価していいのではなかろうか。


 以上の傾向を踏まえたうえで,ゲームタイトルによるテスト結果を見ていこう。
 「Prey」でのスコアを解像度別にまとめたものがグラフ5〜7だ。Preyの場合,1920×1080ドット条件ではCPUがボトルネックとなるため,スコアが頭打ちになってしまった。
 そこで,それ以外の解像度におけるスコアを見ていくと,GTX 1070 Ti GAMING(OC)はGTX 1070 Ti GAMING比で3〜7%程度高いスコアを示し,GTX 1080に並びかけているのが分かる。3840×2160ドット条件ではわずかながらGTX 1080を上回ってすらいるが,これは実プレイでのテストであることを考慮するに,誤差程度の違いと見るべきだろう。GTX 1070 TiとGTX 1080の間には厳然たるメモリバス帯域幅の違い――256GB/s対320GB/s――があり,GTX 1070 Ti GAMING(OC)におけるメモリのオーバークロックも焼け石に水だが,PreyではPower Limitを緩めた効果で,GTX 1070 Ti GAMING(OC)がGTX 1080と同等のスコアを示せている,くらいに理解するのが適切だと思われる。


 一方,「Overwatch」の結果をまとめたグラフ8〜10では,ある意味妥当なスコアになった。GTX 1070 Ti GAMING(OC)の平均フレームレートは,GTX 1080比で93〜97%程度なので,GPUクロックをいくら高めても,メモリ周りが異なれば,高負荷条件で離されるという,分かりやすい結果になっているわけだ。
 なお,GTX 1070 Ti GAMINGとGTX 1070 Tiは,ほぼ横並びの結果となっている。


 グラフ11〜13は「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」の結果だが,GTX 1070 Ti GAMING(OC)は,GTX 1070 Ti GAMINGから平均フレームレートを3〜5%伸ばし,GTX 1080に迫る勢いを見せている。GTX 1080比では,1920×1080ドットで約97%とやや離された一方,2560×1440ドット以上で肩を並べているが,こちらも実プレイによるテストであることを考慮すると,Preyと同じようにPower Limitを緩めた効果が出ていると見るべきではなかろうか。


 Shadow of Warの結果をまとめたのがグラフ14〜16となる。GTX 1070 Ti GAMING(OC)の平均フレームレートはGTX 1080比で93〜97%程度なので,Overwatchと似た傾向だと言える。GTX 1070 Ti GAMINGとGTX 1070 Tiのスコアが等しい点も,Overwatchと似た傾向である。


 グラフ17〜19は,「Tom Clancy’s Ghost Recon Wildlands」(以下,Wildlands)の結果だ。Wildlandsでは,GTX 1070 Ti GAMING(OC)はGTX 1070 Ti GAMINGから平均フレームレートを約5%伸ばしてはいるものの,GTX 1080比は97〜98%程度で,スコア差を詰め切れていない。
 とは言っても,GTX 1080と比べたフレームレートの差は,ワーストケースでも1.3fps下回るだけなので,実際のゲームプレイで性能差を体感することはまずないだろう。


 「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」(以下,FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチ)の総合スコアをまとめたものがグラフ20である。
 ここで面白いのは,GTX 1070 Ti GAMING(OC)のスコアが,3840×2160ドットと2560×1440ドットの両条件でGTX 1070 Tiの2条件よりも高い一方,1920×1080ドット条件ではほとんど変わらないスコアになっていることだが,これはグラフィックスメモリ負荷が高まる状況において200MHz程度のオーバークロックが効いているという理解でいいように思われる。ただ,メモリクロックが効くということは,GTX 1080が有利になるということでもあり,GTX 1070 Ti GAMING(OC)はGTX 1080に置いて行かれている。


 グラフ21〜23は,FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチにおける平均フレームレートと最小フレームレートの結果だが,総合スコアを踏襲したものになっている。


 「Forza Horizon 3」の結果がグラフ24〜26だが,そのスコア傾向はPUBGとよく似ている。GTX 1070 Ti GAMING(OC)の平均フレームレートはGTX 1080比で98〜100%程度だ。



消費電力は高め

Twin Frozr VIの冷却性能と静音性はともに優秀


 GTX 1070 Ti GAMINGの消費電力はどうなっているのだろう。とくにオーバークロック動作では,消費電力の増大が懸念材料となりがちだ。GTX 1070 Tiと比べたときの消費電力に違いがあるのかも気になるところである。
 そこで,「4Gamer GPU Power Checker」(Version 1.1)を用いて,FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチ実行時におけるカード単体の消費電力推移をまとめたものがグラフ27となる。
 GTX 1070 Ti GAMING(OC)の消費電力推移を見ると,300Wを超えることが多く,350Wを超えて400Wに迫ろうかという様子も見られた。また,オーバークロック動作をしていないGTX 1070 Ti GAMINGの状態でも,300Wを超すことが多く見られるため,GTX 1070 Tiに比べて消費電力は全体的に高い傾向にある。

※グラフ画像をクリックすると拡大版を表示します
G Series

 その傾向は,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を利用して,システム全体での消費電力を取得したグラフ28でも確認できる。
 テストにあたっては,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値が記録された時点を,タイトルごとの実行時としているが,GTX 1070 Ti GAMING(OC)のスコアは明らかに高い。GTX 1070 Ti GAMINGの時点でGTX 1080より高めという傾向が出ているのも気になるところだが,GTX 1070 Ti GAMING(OC)ではプラス8〜24Wなので,オーバークロックの代償は相応に払わされるという理解でいいようだ。


 お次はTwin Frozr VIの冷却性能である。ここでは,温度24℃の室内において,テストシステムをPCケースに組み込まない,いわゆるバラック状態から,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,「GPU-Z」(Version 2.5.0)から温度を取得することにした。
 その結果はグラフ29のとおり。GTX 1070 Ti GAMINGとGTX 1070 Tiでは,GPUクーラーだけでなく,温度センサーの位置や温度の制御方法も異なるので,横並びの評価にあまり意味はない。それを踏まえて見てみると,GTX 1070 Ti GAMINGは高負荷時で67℃,GTX 1070 Ti GAMING(OC)でも70℃に収まっているので,Twin Frozr VIの冷却性能は十分高いと言っていいだろう。
 なお,GTX 1070 Ti GAMINGのアイドル時における温度が高めなのは,前述のとおりファンが停止するためだ。


 最後はGTX 1070 Ti GAMINGの動作音だ。今回は,カメラをカードと正対する形で30cm離した場所に置き,PCをアイドル状態で1分間放置した状態から,FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチを最高品質の3840×2160ドットで4分間実行するという,合計約5分間の動画を用意した。
 テスト開始後の1分間はファンが停止しているため,聞こえてくるのは電源ユニットやCPUクーラーのファンの動作音,それに周囲の環境音程度。1分後にFFXIV紅蓮のリベレーター ベンチを実行すると,その40秒後(ファイル冒頭から1分40秒後)ほどでファンが回転を始めるものの,その動作音はかなり小さいのが分かる。ベンチマーク開始3分後あたりでも,動作音の大きさはあまり変わっておらず,静音性は高いと言ってよいだろう。



GTX 1080搭載カードより高い価格がネック。妥当な金額にさえなればオーバークロックも魅力的だが……


G Series
 以上のテストから,GTX 1070 Ti GAMINGは,オーバークロックにより,GTX 1080をやや下回る程度の3D性能が得られると結論づけられる。正直,メモリ周りのスペックが大きく異なるので,NVIDIAはメーカーレベルのクロックアップ禁止までしなくてもよかったのではないかとも思うが,テストによってはオーバークロック状態のGTX 1070 Ti GAMINGがGTX 1080と互角のスコアを示すケースは確かにあったので,NVIDIAとして,それは看過できないということなのだろう。

 そんなGTX 1070 Ti GAMINGだが,問題はまたしても価格である。GTX 1070 Ti GAMINGの実勢価格は6万8000〜7万2000円程度(※2017年11月29日現在)であり,ブランドを選ばなければ普通にGTX 1080カードが買えてしまう。というか,GTX 1070 Ti GAMINGより安価なGTX 1080カードの選択肢は1つや2つではない状況だ。「オーバークロックしてやっとGTX 1080に迫る」性能のカードが,一部とはいえGTX 1080より高価となれば,残念ながら選ぶ理由はないと言わざるを得ない。
 結局,GTX 1070 Tiのレビュー記事でも述べたように,GTX 1070 Ti GAMINGの店頭価格がGTX 1080カードを確実に下回って初めて,オーバークロック云々という話に価値が出てくると思われる。あとはそれが年内かどうかといったところであろう。

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