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印刷2014/07/11 00:00

レビュー

「ゲーマー向けIPS液晶ディスプレイ」の最新作は何が新しい?

EIZO FORIS FS2434

Text by 米田 聡


FORIS FS2434
メーカー:EIZO
問い合わせ先:EIZOコンタクトセンター
実勢価格:4万4000〜4万8000円程度(※2014年7月11日現在)
FORIS
 2014年7月11日,「FORIS」(フォリス)ブランドの新型となる23.8インチワイド液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」(以下,FS2434)がEIZOから発売となった。
 液晶テレビ製品に端を発するFORISは現在,コアゲーマー向けのFGシリーズと,ゲームむを含んだエンターテイメント向けとなるFSシリーズに分かれているが,製品型番からも想像できるとおり,今回のFS2434は,エンターテイメント向けシリーズの新モデルとなる。

 2012年7月13日発売の「FORIS FS2333」(以下,FS2333)から,2年ぶりのモデルチェンジとなったFSシリーズの新型は,何が新しくなったのか。発売に先立ってEIZOから実機サンプルを入手できたので,さっそくテスト結果をお伝えしていきたい。


デザイン一新で「本当の狭額縁」になったFS2434


 FS2434のパネル解像度は1920×1080ドットで,垂直リフレッシュレートは60Hz。このスペックはFS2333から変わっていないが,ぱっと見て分かる最大の違いは,FS2434における狭額縁デザインの採用にある。
 というのも,FS2434において,ディスプレイ上辺と左右辺の額縁は公称約6mmしかないのだ。しかも,ノングレア(非光沢)の表面を実現するために貼られた樹脂製保護シートは上辺と左右辺の端から実測約2mmのところまで広がっているため,体感的には公称値よりも狭額に感じられる。

上辺と左右辺の額縁は公称,実測とも約6mm。ノングレアの保護シートが画面より一回り大きく,筐体外装との間に若干の非表示領域を生んでいるが,それでもこの狭額ぶりはインパクトがある
FORIS
 しかも,さらに重要なことは,狭額縁仕様を謳う従来のゲーマーおよびエンターテイメント向け液晶ディスプレイの大多数が,「実際には額縁が保護シートの下に隠れているだけで,画面を表示させると,物理的な額縁と表示エリアの間に,幅10mmを超える“謎の非表示領域”が生まれる」見栄えになっていたのに対し,FS2434にはそれがなく,上辺と左右辺の非表示領域は全長6mmの額縁分だけだということだ。

表示領域はこの広さ
FORIS

 そのためFS2434は,FS2333よりも対角線長にして0.8インチ(≒20mm)長い(=大きな)液晶パネルを採用していながら,ディスプレイ全体の横幅はFS2333の545mmから539.4mmと,5.6mm縮んでいる。
 EIZOはFS2434の発表会で,本製品を3台並べたトリプルディスプレイ構成を行っても額縁があまり気にならないとアピールしていたが,下に示した写真でも分かるとおり,確かに3画面構成時におけるメリットは大きい。
 また,FS2434に慣れてから別のディスプレイを見ると,額縁の存在がけっこう気になった。なので,額縁が“薄い”メリットは,1台で使うときにも相応にあると言うことができそうだ。

発表会で披露されたトリプルディスプレイのデモ。画面の画面の間にある額縁が気にならない,といったら嘘だが,鬱陶しさや違和感はかなり低減されている
FORIS

 狭額縁化されていない下辺は保護シート端からの実測で約38mmの幅があり,そこには左右に1基ずつ埋め込まれた0.5W+0.5W仕様の2chスピーカーと,中央の4ボタンが配されている。ボタンは電源と音量上下,入力切り替え用で,必要最低限しかないが,OSDメニューの操作や各種設定は付属のリモコンや後述するWindows用ツール「G-Ignition」(Gイグニッション)から行えるので,本体側のボタンが少なくても困ることはない。

FORIS
下辺部の額縁は分厚く,ここにスピーカーと操作ボタンが用意される。スピーカーは手っ取り早く音を出すには便利だが,低音が乏しい“この手のスピーカーによくある音”なので,音質にはあまり期待しないほうがいい
FORIS
OSDメニュー操作用のリモコン。サイズは112(D)×43(W)×10(H)mmとコンパクトだ。リモコン自体はFS2333に付属していたのと同じもののようで,主要機能はワンボタンで呼び出せるようになっている

FORIS
本体と台座,リモコンとケーブルバンド。ケーブルバンドについてはすぐ下で紹介する
FORIS
台座を取り付けたところ。付属の蝶ネジで固定するだけというシンプルなスタイルは従来製品を踏襲する
 ここまで額縁の話ばかりしてきたので,ハードウェアの基本的な部分もここでまとめておこう。
 FS2434は本体と台座による2ピース構成で,これはFS2333と同じ。ディスプレイ本体側が狭額縁化したためか,全体の公称重量はFS2333より約400g軽い約5kgとなった。少なくとも重くはないので,場所さえ確保できれば,組み立ては容易だ。

 回転台座による±172度(合計344度)のスイーベル(左右回転)機構,上を向くように最大25度倒せるチルト(上下回転)機構,そして最大約60mmの高さ調節機構は,FS2333から変わらず受け継がれている。
 なお,台座の奥行きは約200mmあり,設置にあたってはその分のスペースが必要となるので,この点は押さえておきたい。

FORIS FORIS
チルトは上側にのみ最大25度倒せるというのが公称だが,実際には手前にもわずかに倒せた
FORIS FORIS
本体の高さは高さは実測で397〜460mmある

FS2434に付属のケーブルバンドは,おそらくFG2421に付属のものと同じ。なお,写真で左に見えているのは,スタンドから伸びるアーム部の長さ調整機構ストッパーである
FORIS
 ちなみに台座部へ取り付けられる付属の赤いケーブルバンドは,FSシリーズとしては初だが,アイデアとしてはFGシリーズ初の製品となった「FORIS FG2421」(以下,FG2421)から引き継いだものだ。本体前面と背面に赤いラインが入り,また,背面側の赤いライン部は持ち運ぶときに使える取っ手になっているあたりからも,製品の基本コンセプトをFGシリーズに近づけようとするEIZOの意志のようなものが感じられる。

FS2333だと,「カラーシート」と呼ばれる付属シールによって,本体下部に入るラインの色を赤と青,灰から選べたが,FS2434では赤で固定となった。背面の取っ手部が赤い部分も含め,全体的なデザインはFG2421に近い印象を受ける
FORIS FORIS

 ビデオ入力インタフェースはDual-Link DVI-D×1,HDMI(1.4,Type A)×2の3系統で,HDMI入力時はサウンドを内蔵スピーカー,3.5mmミニピンのアナログヘッドフォン出力端子,あるいは3.5mmミニピンのライン出力端子から出せるようになっている。DVI接続時にスピーカーも利用したい場合は,3.5mmミニピンのアナログサウンドライン入力を利用することも可能だ。
 また,USB 3.0の2ポートハブ機能も用意されている。ハブ機能がUSB 3.0対応になっているのは,イマドキの製品らしいところといえるだろう。ちなみにこのUSB 3.0ハブは,先ほども名前を挙げたG-Ignitionのインタフェースと共用なので,G-Ignitionを使う場合は,ハブ機能が不要であっても,PCとUSB接続する必要がある。

接続インタフェースもろもろ。ヘッドフォン出力は本体向かって左側面下部に用意されている
FORIS FORIS FORIS


機能面ではおおむね従来製品を踏襲するも

Smart Insightは「2」にバージョンアップ


 IPSパネルは,一部の低コスト品で不自然なギラツキが確認されたりするが,FS2434のそれにそういう不自然さはなく,発色は良好だ。
 また,公称左右178度とされる視野角は十分に広い。表面にノングレア加工されたシートが貼られている関係で,斜めから見ると,壁の色や光の拡散などによって若干白っぽく見えることはあるものの,ノングレア加工された液晶ディスプレイ特有の白っぽさはむしろ抑えられている印象で,個人的には高評価である。

正面から見た状態(左)と,傾けた状態(右)。斜めから見ても,ノングレア加工された液晶ディスプレイにつきものの白っぽさはかなり抑えられている
FORIS FORIS

Smart Functionsはリモコンの[Smart]ボタンから一発で呼び出し,設定できる
FORIS
 EIZOのFSシリーズを語るうえで欠かせないのが,同社独自の映像エンジンによってもたらされる機能群「Smart Functions」(スマートファンクション)だ。EIZOはFS2434において「Smart Insight 2」(スマートインサイト2)と「Smart Resolution」(スマートレゾリューション),そして「Smart Detection」(スマートデテクション)を推しているが,順に見ていこう。

 まずSmart Insight 2だが,これは,FS2333でも採用されていた「Smart Insight」の改良版という位置づけになっている。
 Smart Insightとは,EIZO独自の映像エンジンを用い,画面の暗部のみを明るく浮き上がらせる機能のこと。つまり,画面全体が暗いシーンやタイトルで,その「暗いところ」の視認性を上げようという,最近のゲーマー向けディスプレイにおける定番の効果を狙ったものだ。

 その選択肢は,「オフ」「RTS(Low)」「RTS(Medium)」「RTS(High)/FPS(Low)」「FPS(Medium)」「FPS(High)」の6つ。オフを除くと,RTS Lowの“効き”が最も弱く,FPS(High)が最も強い。このあたりはFS2333とまったく同じという理解でいい。

 ただ,実際に適用させてみると,FS2333の場合,RTS(High)/FPS(Low)よりもFPS(Medium)のほうが暗く見えた(関連記事)。これが不思議だったのだが,下に示したFS2434のテスト結果だとそういうことはなく,RTS(Low)からFPS(High)に向けて,「暗い部分の浮き上がり方」は,直線的に強くなっていく。その意味では,効果のほどが分かりやすくなり,また,設定しやすくなったといえるだろう。「2」と謳うほどインパクトのあるアップデートかというと疑問は残るが,意義はあるとまとめておきたい。

PlayStation 4用タイトル「KILLZONE SHADOW FALL」の1シーンをFS2434に表示し,それをデジタルカメラで撮影したところ。もちろん,カメラの設定は変更していない
(C)Sony Computer Entertainment Europe. Published by Sony Computer Entertainment Inc. Developed by Guerrilla
FORIS FORIS FORIS
FORIS FORIS FORIS

 続いてはSmart Resolutionだが,これは見かけ上の解像感を向上させる超解像機能で,実際の効果としては,輪郭をはっきりさせるエッジエンハンス的なものを期待できる。
 強度は「オフ」と「1」〜「5」の計6段階。5まで上げてしまうとエッジにリンギング(Wringing,波打った状態)のような不自然さが現れるが,効果としては分かりやすい。
 下に示したのは,FS2434のデモモードを使って比較したところで,いずれも画面の左側がSmart Resolution有効,右側が無効である。輪郭強調の度合いが変わっていっているのが見て取れるだろう。ただ,「2」となっていないことから想像できていたことではあるのだが,FS2333のSmart Resolutionと,機能的に変わっていない印象も受けた。

こちらもKILLZONE SHADOW FALLから。縮小画像では,デモモードの左右中央線周辺の一部を切り出している。必要に応じて拡大画像もチェックしてもらえれば幸いだ
(C)Sony Computer Entertainment Europe. Published by Sony Computer Entertainment Inc. Developed by Guerrilla
FORIS FORIS FORIS
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 なお,Smart Resolutionにはサブメニューとして「肌補正」と「文字補正」という設定がある。Smart Resolutionの副作用で肌色の表現に違和感が生じたり,文字の表示に違和感が出たりするのを補正するための設定項目で,選択肢はいずれも「有効」「無効」の2つだ。いずれも,Smart Resolutionを有効にするときは,合わせて有効にしておいて問題ない。

 最後にSmart Detectionは,「Smart Insight 2やSmart Resolutionの対象となる画面領域をどこにするか」を決定する項目だ。
 Smart Insight 2とSmart Resolutionはいずれもゲームやビデオといった広義の映像向け機能なのだが,たとえばウインドウモードでゲームをプレイするときに両機能を有効化すると,対象となるゲームのウインドウだけでなく,デスクトップ全体で画面が明るくなりすぎたり,輪郭が不自然に浮き上がってしまったりする可能性がある。
 それに対応するのがSmart Detectionで,選択肢は「フルスクリーン」「動画」の2つ。前者を選べば画面全体,後者では映像エンジンが表示領域を解析し,ゲームが動作しているウインドウや再生中のビデオにだけSmart Insight 2とSmart Resolutionを適用することになる。

 「動画」の適用例を下に示しておくが,これもFS2333から変わっていない印象だ。ウインドウモードでPCゲームをプレイすることが多いのか,フルスクリーンでPCゲームやコンシューマゲームをプレイすることが多いのかで選べばいいだろう。

Smart Detectionを「動画」,Smart Insight 2を「FPS(High)」,Smart Resolutionを「5」にして,ウインドウモードでPC版「Battlefield 4」を起動したところ。メニューのような場面でも,ウインドウ内にだけSmart Insight 2とSmart Resolutionの効果が入り,一方でデスクトップには効果が適用されていないことが分かる
(C)2013 Electronic Arts Inc. Trademarks belong to their respective owner. All rights reserved
FORIS

カラーモードに追加されたGame(Dark scene)とGame(Light scene)。輝度やコントラストなどの設定値は共通だが,Smart Insight 2の設定が異なっていた
FORIS
FORIS
 以上,Smart Functionsだと,3つのうち1つだけマイナーアップデートがあった,といった感じになるが,それとは別に,色や輝度などを用途別プリセットにした「カラーモード」(※EIZOの一部製品では「ファインコントラストモード」ともいう)に拡張が入った点はお伝えしておきたい。
 FSシリーズでは,ビデオ再生に適するとされる「Cinema」や,Windowsデスクトップ表示に適したsRGBの色域に設定する「Web/sRGB」,白地に黒文字のドキュメントを読むときに目が疲れにくい色合いにする「Paper」といったプリセットのほかに,ユーザーが自由に設定できる「User1」「User2」,そしてゲーム向けの「Game」が用意されていたのだが,FS2434では,Gameプリセットが「Game(Dark scene)」と「Game(Light scene)」の2つに分かれたのだ。

 Game(Dark scene)は暗いシーンが多いゲーム向けとされており,このカラーモードを選択するとSmart Insight 2が「FPS(High)」に切り替わる。一方のGame(Light scene)は明るいシーンが多いゲーム向けカラーモードとされ,選択するとSmart Insight 2が「RTS(High)/FPS(Low)」に切り替わるようになっていた。ほかの設定は共通だったので,違いはSmart Insight 2の設定だけだという理解でよさそうだ。
 カラーモードの変更はSmart Detectionの設定には影響を与えないので,Smart Insight 2の設定がこの2つで事足りる場合はプリセットされたカラーモードが便利に使えそうだ。


ディスプレイの設定をWindowsから行える

G-Ignitionは,非常に使いやすい


G-Ignitionのメインメニュー。今回テストに用いたのはバージョン1.0.0である
FORIS
 本稿の序盤で何度か登場したG-Ignitionだが,これは何かというと,FG2421のレビュー時に「ScreenManager Pro for Gaming」という名前で紹介したツールのことである。
 EIZOは,自社ディスプレイ向けに,Windows上から利用できる設定ツール「ScreenManager Pro for LCD」を,以前から提供していた。これは,前出のカラーモード切り替えをアプリケーションの起動と紐付けたり,プリセットをカスタマイズしたりできたツールだ。

 FG2421をリリースするときにEIZOは,そんなScreenManager Pro for LCDに,FG2421専用の機能や,3画面で使う人に向けた設定など,ゲーマー向け機能を追加して,その名をScreenManager Pro for Gamingとしていた(関連記事)。それが,いつの間にやらG-Ignitionへと改称されたようである。
 EIZOのサポートページでは,G-IgnitionがScreenManager Pro for Gamingの後継とされているので,今後,FORIS用の設定ツールはこの名でいくということでいいのではなかろうか。

 で,G-Ignitionだが,そういった出自のため,基本的な使い勝手はFG2421のレビュー時にScreenManager Pro for Gamingとして紹介したときと変わらない。もちろんFG2421専用の項目「Turbo 240」はグレーアウトしているが,違いはその程度と述べていいように思う。非常に使いやすいツールなので,利用を勧めておきたい。

割り当てたいホットキーの入力欄をマウスでクリックし,その後,割り当てるキーを押すとホットキーを登録できる。ただし,Windowsが標準で使っているキーコンビネーションは登録不可だ
FORIS
 ざっと紹介しておくと,G-Ignition自体は「ホットキー」「カラー調整」「オートカラー」という3つの設定タブを持つツールだ。ホットキータブは電源のオン/オフやカラーモードの切り替えなどといった機能を利用するためのもので,前段で紹介したSmart Insight 2の有効/無効切り替えもホットキーに登録できる。
 カラー調整タブは,カラーモードのプリセットを手動で切り替えたり,カラーモードの詳細設定をカスタマイズしたり,これまた前出のSmart系機能を調整したりできる。OSDメニューとリモコンから行える設定はここからも全部行えるという理解でいい。設定内容は書き出しと読み込みに対応しているので,FG2421のときのように,今後,プロゲーマー監修の設定ファイルが公開される可能性はあるだろう。

カラー調整タブではOSDの同名メニューに相当する設定が行える。FG2421専用のTurbo 240など,利用できない項目はグレーアウトしてあるので,紛らわしさを感じることはまずないはずだ
FORIS FORIS FORIS

「オートカラー」タブでアプリケーションにカラーモードを関連付けられる。プルダウンメニューで選択できるアプリケーションは,G-Ignition常の駐後にユーザーが起動したアプリケーションに限られるという,少し変わった仕様だ
FORIS
 オートカラータブは,先ほども簡単に紹介した,アプリケーションの実行にカラーモードを関連づけるための設定メニューだ。たとえば,あるゲームタイトルではカラーモード「Game(Dark scene)」を,別のタイトルではフルカスタマイズした「User1」を使いたいといった場合は,あらかじめ関連づけておけば,ゲームの起動後にリモコンで切り替えたりせずとも,自動的に切り替わってくれるのである。
 ただし,これはFG2421のレビュー時にも指摘したが,ここで選択できるアプリケーションは,G-Ignitionの常駐開始後にユーザーが起動させたものに限られるという,少し変わった仕様がある。最初は戸惑うかもしれないので,ここは注意してほしい。


最速クラスの速度性能は持たないが

表示遅延周りは優秀


FORIS
 最も気になる速度性能だが,先にスペック周りの話を済ませておくと,FS2434の場合,中間調(gray-to-gray)応答速度は4.9msで,表示遅延は0.05フレーム――垂直リフレッシュレート60Hzで0.8ms――となっている。FS2333だと順に3.4ms,0.05フレームだったので,応答速度はFS2333の「IPSパネル搭載機としては高速」から,FS2434で「IPSパネル搭載機として,決して遅くはないが,目立って速いわけでもない」レベルになったといえる。
 なぜこうなったのか,その理由は明らかになっていないが,パネルサイズが異なっている以上,パネル自体も異なるはずで,スペックが変わるのは致し方ないといったところか。

 というわけで,実際のところをチェックしてみたい。まずは応答速度からだ。
 FS2434には,液晶パネルの応答速度を向上させる「オーバードライブ」設定が用意されており,選択肢は「オフ」「普通」「強」の3つ。標準の設定はカラーモードに関わらず「普通」である。そこで今回は,オーバードライブ設定の違いも含めて,応答速度をチェックしてみたいと思う。

 テストにあたっては,Gefen製のDVIスプリッタ「1:2 DVI DL Splitter」(型番:EXT-DVI-142DL)を使ってPCからのディスプレイ出力を2系統に分け,FS2423と,4Gamerのディスプレイレビュー用リファレンス機であるBenQ製ゲーマー向けディスプレイ「XL2410T」に接続。この状態で,EIZOが配布している「Motion Blur Checker」(β)を使い,4Gamer独自のロゴ壁紙を1フレーム単位でスクロールさせ,それをカシオ製のハイスピードカメラ「HIGH SPEED EXILIM EX-FH100」(以下,EX-FH100)から240fps設定で録画し,結果の比較を試みる。

 XL2410T側のカラー設定は「FPSモード」で,パススルーモードに相当にする「Instant Mode」も有効という,最も低い表示遅延を期待できる設定とした。それとFS2434を比較すれば,相対的な違いが分かるであろうというわけだ。
 一方のFS2434側はカラーモードを「User1」にしたうえで,Smart Insight 2,Smart Resolutionとも無効化し,オーバードライブ設定のみ3段階に切り替えている。

 その結果が下のムービーとなる。
 左側がFS2434,右側がXL2410Tだ。XL2410Tの応答速度は中間色(gray-to-gray)が2ms,白黒が5msというスペックで,大雑把に,FS2434の半分弱と考えていい。それを踏まえてムービーをチェックしてみると,FS2434側のオーバードライブ強度を上げるほど,横スクロールの動きがシャープになるものの,「強」であってもXL2410Tよりは多少遅れるようだということ分かる。XL2410Tに対して応答に2倍の時間がかかる以上,納得できる結果といったところだ。


 ところで,ムービーではXL2410Tだけちらついて見えるのに気づいたと思うが,これはFS2434がフリッカーフリー仕様で,XL2410Tがそうでないからだ(※BenQの名誉のために断っておくと,最新世代の同社製ゲーマー向けディスプレイはフリッカーフリー仕様になっている)。FS2434は,FSシリーズで初めてフリッカー(flicker,ちらつき)の出ないモデルとなったのである。
 下に示したのは,画面を白一色にし,最もちらつきの出やすい最低輝度に設定したうえで,EX-FH100を使って近接から240fpsのハイスピード撮影を行った結果だが,FS2434とXL2410Tの違いは一目瞭然といえるだろう。なお,FS2434でも画面左上が若干ちらついて見えるが,これはEX-FH100でハイスピード撮影時に生じるエンコードノイズなので,FS2434側に“何かがある”わけではない。


 少し話が逸れた。続いては,内部遅延0.05フレームが謳われる表示遅延のほうをチェックしていこう。
 接続設定と録画設定,XL2410T側の画面設定は先ほどと同じで,テストに使うツールを「LCD Delay Checker」(Version 1.4)に変更する。FS2434ではSmart Functionsをいくつか切り替えているので,映像エンジンによる処理を使った場合とそうでない場合とで表示遅延がどう変わるかがチェックすべきポイントとなる。なお,ここでのオーバードライブ設定は標準の「普通」だ。

 結果は下に示したムービーのとおりで,Smart Insight 2やSmart Resolution,Smart Detectionの設定に伴う表示遅延の違いは見られない一方,全体としてFS2434側の数字やインジケーターの表示はXL2410Tと比べて若干遅れているように見える。
 ただ,先のオーバードライブのテストも加味すると,応答速度の違いが,数字やインジケータの表示に影響を与えているのではないかと思われる。露骨な遅れは確認できていないので,表示遅延自体はFS2434とXL2410Tとでほとんど変わらないという理解でいいのではなかろうか。


 というわけで,応答速度性能はTN方式の液晶パネルを採用した高速なディスプレイ製品と比べると一歩譲るが,垂直リフレッシュレート60HzのIPSディスプレイとしては,ゲーマー向けモデルを謳うに足る性能を持っていると言ってよさそうだ。
 速度関連のスペック的にはFS2333から落ちたFS2434だが,体感性能に数字ほどの違いはないと述べてもいいのではなかろうか。


革新はないが,着実な進化を遂げたFSシリーズ最新作

狭額縁に惹かれたなら買って損はない


FORIS
 以上のテストから,FS2434が持つディスプレイとしての性能で,FS2333からびっくりするような進化はないということが言える。この点は,はっきりさせておくべきだろう。
 ただし,4.9msと前世代比で後退した応答速度性能が,それほどマイナスの印象を抱かせないのも確かだ。同時に,G-Ignitionの採用により,用意された各種機能の使い勝手が飛躍的に向上し,また,従来比で圧倒的に狭額縁化し,画面の没入感が上がって,また,マルチディスプレイ向けになったという,明らかなプラス材料もある。

 FS2333が登場した当時とは異なり,現在のEIZOは,速度性能やシャープな映像にこだわる人向けの有力な選択肢となるFG2421を持っている。とことん性能重視のユーザーにはそちらを……という棲み分けができるからこそ,EIZOは,FS2434で使い勝手やデザイン面の向上を重視したという可能性はありそうだ。個人的には,狭額縁に惹かれたとか,狭額縁を活かして3画面環境を組んでみたいと思ったのであれば,“突撃”して後悔することはないと思う。

 そんななかで懸念があるとすれば価格だろうか。FS2434の実勢価格は4万4000〜4万8000円程度(※2014年7月11日現在)。23〜24インチクラスでIPSパネル搭載のディスプレイは,ブランドや機能を問わなければ2万円くらいから購入できるので,そこをどう見るか,ということになるはずである。

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EIZOのFORIS FS2434公式情報ページ

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