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ATI Radeon HD 5800公式サイトへ
  • AMD
  • 発表日:2009/09/23
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印刷2010/03/23 11:34

レビュー

遅れて登場したHD 5800シリーズの最下位モデルは,絶妙の“スキマGPU”となれるか

XFX RADEON HD 5830 1GB DDR5 HDMI DISPLAYPORT PCI-E 2.1(HD-583X-ZNFV)

Text by 宮崎真一


XFX RADEON HD 5830 1GB DDR5 HDMI DISPLAYPORT PCI-E 2.1」(HD-583X-ZNFV)
メーカー:Pine Technology(XFX)
問い合わせ先:シネックス(販売代理店)問い合わせ窓口
実勢価格:2万6000〜2万9000円(※2010年3月23日現在)
ATI Radeon HD 5800
 2010年2月25日の記事でお伝えしているとおり,同日,AMDは,ATI Radeon HD 5800シリーズの下位モデル,「ATI Radeon HD 5830」(以下,HD 5830)を発表している。

 リリースから約1か月が過ぎようとしているタイミングではあるが,Pine Technologyの販売代理店であるシネックスの協力により,XFXブランドの「XFX RADEON HD 5830 1GB DDR5 HDMI DISPLAYPORT PCI-E 2.1」(型番:HD-583X-ZNFV,以下型番表記)を試す機会が得られた。そこで今回は,新製品のパフォーマンスと立ち位置をまとめ,PCゲーマーが手を出す価値のあるGPUなのかどうかを考察してみたい。

HD-583X-ZNFVをカードの後方,そして裏面から撮影したカット。ATI CrossFireX用のブリッジコネクタは二つ用意されている
ATI Radeon HD 5800 ATI Radeon HD 5800


HD 5850からシェーダプロセッサ数を削減

その一方で消費電力&カードサイズは大きく


HD 5830 GPU
ATI Radeon HD 5800
 さて,結論めいたことから述べると,HD 5830は,「ATI Radeon HD 5850」(以下,HD 5850)と「ATI Radeon HD 5770」(以下,HD 5770)の間を埋めるモデルである。HD 5770のレビュー記事で指摘したように,HD 5850とHD 5770のパフォーマンスギャップは大きく,価格差もかなりあったため,その間を埋める“ハイパフォーマンスかつ手頃な価格のGPU”を求める声は少なくなかった。そして,その声に応えるべく,当初のラインナップになかった新モデルとして追加されたのが,今回のHD 5830である。

 シェーダプロセッサ「Stream Processing Unit」(以下,SP)数は1120基。ATI Radeon HD 5800&5700シリーズは,80SPで1基の「SIMD Engine」を構成するので,SIMD Engine数は14基ということになる。HD 5850は18基,HD 5770は10基なので,見事“真ん中”に収まっているわけだ。
 このほか,競合の「GeForce GTX 275」(以下,GTX 275)も含めたスペック比較は表1にまとめたが,動作クロックがHD 5850を超える800MHzである一方,メモリ出力周りを司るROP(Rendering Output Pipeline,またはRaster Output Processor,AMDはRender Back-Endともいう)数はHD 5770と同じ16基に抑制。しかも,公称の最大消費電力はHD 5850を超えてしまっているという,なんとも後から追加された中間モデルらしい,いろいろな事情が透けて見えるスペックになっている。


ATI Radeon HD 5800
外部出力インタフェースは4系統
ATI Radeon HD 5800
GPUクーラーは,片面8枚実装のメモリチップと接触しておらず,アクティブなエアフローによって冷却する仕様だ。また,電源部にも小型のヒートスプレッダが取り付けられている
ATI Radeon HD 5800
Radeon BIOS Editorから「Fan settings」をチェックしたところ
 消費電力については後ほど検証するとして,まずはカードを概観しておこう。
 HD-583X-ZNFVは,容量1GBのGDDR5チップをグラフィックスメモリとして搭載。外部出力インタフェースはDVI-I×2,HDMI×1,DisplayPort×1で,DisplayPort出力を含めた場合は,最大3画面出力を実現する「ATI Eyefinity」も利用可能だ。

 GPUクーラーは2スロット仕様の内部排気仕様。銅製のGPU接触部から2本のヒートパイプが伸びて,扇状に広がった二つの放熱フィンを貫き,その中央に72mm角相当の冷却ファンを搭載する。

 TechPowerUp製のBIOS設定ツール「Radeon BIOS Editor」(Version v1.25)でチェックしてみると,ファンの回転数は,GPU温度が55℃を超えるまでは22%で抑えられ,そこから102℃まで,温度が上がるにつれて回転数も上がる設定になっているようだ。
 実際に聞いてみた筆者の主観になることを断りつつ書き進めると,3Dアプリケーションを実行してGPU温度が上昇し,ファン回転数が60%程度まで上がると,多少なりとも風切り音が耳につく。ただ,バラック状態で「多少耳につく」程度なのも確かだ。PCケースに組み込んでしまえば,まずもって問題ないのではなかろうか,というレベルの動作音である。

PCI Express用6ピン補助電源コネクタを2系統用意。両方に適切な電力を供給しなければ起動しない
ATI Radeon HD 5800
 カード長は実測257mm(※突起部含まず)。最大消費電力の上昇に伴って電源部を強化する必要があったためか,同241mmとなるHD 5850のリファレンスカードより長くなってしまっている。また,HD 5850リファレンスカードだと,マザーボードに対して垂直方向に6ピン×2の給電コネクタが用意されていたのに対し,HD-583X-ZNFVでは水平方向になっているので,PCケースによっては,PCI Express外部給電ケーブルがドライブベイなどと干渉する可能性がある。

左は,MSI製の「ATI Radeon HD 5870」搭載カード「R5870-PM2D1G」と,右はZOTAC International製のGTX 275搭載カード「ZT-275E3KB-FSP」と並べてみたところ。シングルカード最長クラスの製品よりは若干短いのだが,それだけに,外部給電コネクタの向きが気になる
ATI Radeon HD 5800 ATI Radeon HD 5800

ATI Radeon HD 5800
 搭載するメモリチップは,Samsung製の「K4G10325FE-HC04」(0.4ns品)。TechPowerUp製のGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.3.9)からGPUコアとグラフィックスメモリの動作クロックを確認すると,順にリファレンスどおりの800MHz,4GHz相当(実クロック1GHz)だったので,グラフィックスメモリには1GHz相当(実クロック250MHz)のマージンが設けられている計算だ。
 なお,「ATI Catalyst Control Center」の「ATI Overdrive」によれば,アイドル時の動作クロックは,コア157MHz,メモリ1.2GHz相当(実クロック300MHz)まで低下していた。

GPU-Z実行結果(左)と,ATI Catalyst Control Centerからアイドル時の動作クロックをチェックしたところ(右)
ATI Radeon HD 5800 ATI Radeon HD 5800


AMDから入手した“HD 5830対応版Catalyst 10.2”で検証

仮想敵・GTX 275との比較も実施


 テスト環境は表2に示したとおり。HD 5830とHD 5770の搭載カードを用意するのは当然として,2010年3月23日時点の店頭価格が比較的近い,GTX 275も用意している(※HD 5830が2万4000〜3万円程度,GTX 275は市場在庫が少なめだが,おおむね2万4000〜3万1000円程度)。


 テストに当たっては,CPUがボトルネックとならないよう,「Core i7-975 Extreme Edition/3.33GHz」を用意した。ただし,テストするタイミングなどによって「Intel Turbo Boost Technology」の効果に違いが出てしまうのを避けるため,同機能はBIOSから無効化している。
 ATI Radeonのテストに当たって利用したグラフィックスドライバ「8.703-100210a.095560E」は,AMDの公式Webサイトからダウンロード可能なもの。バージョン表記からすると,「ATI Catalyst 10.2」をベースに,HD 5830への対応を実現したものという理解でよさそうだ。

 なお,テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション9.0準拠。また,とくに断りのない限り,文中,グラフ中とも,GPU名で表記を行う。


「HD 5770以上HD 5850未満」の順当な性能

ただ,高負荷&高解像度では弱みを見せる


 まずは,グラフ1,2の「3DMark06」(Build 1.1.0)の結果から見ていこう。HD 5830のスコアは「標準設定」の1280×1024ドット時にHD 5850の約12%引き。しかし,高解像度になったり,4xアンチエイリアシングと16x異方性フィルタリングを適用した「高負荷設定」を選択したりするとスコア差は広がっていき,最大では24%までギャップが大きくなる。
 ROP数が16基同士で同じHD 5770に対しては安定して5〜9%の差を付けているので,「ROP数が上位モデルの半分」というハンデは決して小さくない印象だ。
 GTX 275との比較では,わずかに低いレベルに留まった。


 続いて,3DMark06のデフォルト設定,標準設定の1280×1024ドットにおける「Feature Test」から,Fill Rate(フィルレート),Pixel Shader(ピクセルシェーダ),Vertex Shader(頂点シェーダ)のテスト結果をまとめたものがグラフ3〜5
 Fill Rateを見ても,HD 5850と比べて,テクスチャユニット数が2割強削減され,ROP数が半減した影響は小さくない。一方,Pixel ShaderのスコアはGTX 275と同等レベルの,Vertex Shaderは,コアクロックの高さを武器に,HD 5850を上回るスコアをそれぞれ示せている。


 Shader Model 3世代における汎用演算性能を見る「Shader Particles」(シェーダパーティクル)や,長いシェーダプログラムの実行性能を見る「Perlin Noise」(パーリンノイズ)も,総合スコアをおおむね反映した結果になっているといえる(グラフ6,7)。ただ,どちらでもHD 5830がGTX 275に大きな差を付け,最新世代のアーキテクチャを採用したGPUらしいところを見せている点には注目しておきたい。


 では,実際のゲームアプリケーションを前にすると,どういった特性を見せるのか。グラフ8,9に示した「Crysis Warhead」のテスト結果だと,HD 5830はHD 5850比で8割強のパフォーマンスを発揮。GTX 275には若干置いて行かれるが,グラフィックス描画負荷が高まるにつれ,その差は縮まる。


 続いてグラフ10,11は,「Left 4 Dead 2」のテスト結果だが,端的に述べて,傾向は3DMark06と同様。グラフィックス描画負荷が高まるにつれ,HD 5830とHD 5850のスコア差は8%から22%へと拡大していく。
 興味深いのは,HD 5830のスコアが標準設定でGTX 275のそれを上回るのに対して,高負荷設定では逆転されていること。HD 5830の持つROP数がATI Radeon HD 5700シリーズと同程度という足枷は,グラフィックス描画負荷が高い状況において,やはり大きい。


 一方,Crysis WarheadやLeft 4 Dead 2と同じFPSでも,「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4)だと,HD 5830のスコアは奮わない。本タイトルは,シェーダプロセッサ,そしてテクスチャユニットの性能がスコアを左右しがちなので,HD 5830のスコアは,HD 5850とHD 5770のちょうど中間に入ってもいいようなものなのだが,実際は,“HD 5770+α”程度のスコアしか示せていないのである。
 ドライバの最適化がまだ進んでいないのか,ROPユニット数の制限によるものか,この数字だけで断言するのは難しいが,この「アプリケーションによってパフォーマンス傾向が大きく変わる」といったあたり,ハイエンドGPUのモデルナンバーが与えられているものの,実際にはミドルクラスGPU的な特徴を持ったGPUだといえそうだ。


 「バイオハザード5」の結果をまとめたグラフ14,15は,全体として3DMark06と似た傾向。HD 5850より8〜15%低く,HD 5770より11〜17%高いというあたり,存在意義から見たとき,HD 5830のスコアは見事というほかない。


 「ラスト レムナント」のスコアは,Call of Duty 4と同様(グラフ16)。HD 5850&GTX 275には大きく置いて行かれている。


 最後に「Colin McRae: DiRT 2」(以下,DiRT 2)から,グラフ17,18はDirectX 9モード,グラフ19,20はDirectX 11モードでのそれぞれテスト結果になるが,いずれにおいても,HD 5830はHD 5770+α程度のスコアしか発揮できていない。
 なお,DirectX 9モードのグラフで,GTX 275のバーの色を変えているのは,不可解なスコアが出たためだ。どうも,「AMBIENT OCCLUSION」が有効になっていない印象を受けるので,ATI Radeonと比較するのはお勧めしない。場合によってはベンチマークレギュレーションを改訂する必要もあるだろう。



HD 5850とほぼ同じ消費電力のHD-583X-ZNFV

カード仕様の違いを加味すると,消費電力はやはり高い


 本稿の序盤で紹介したとおり,HD 5830の公称最大消費電力は175Wで,HD 5850の同151Wより高い。では,実際にはどの程度増えているのか。ログを取得できるワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を計測して,比較してみよう。

 テストに当たっては,OSの起動後,30分間放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,各タイトルごとの実行時と設定。その結果をまとめたものがグラフ21になるが,アイドル時,アプリケーション実行時とも,HD 5830の消費電力はHD 5850とほぼ同じである(※厳密に言えば,前者のほうが若干高めだが)。

HD-583X-ZNFVはDriver MOSFETを採用した4層の電源回路を採用
ATI Radeon HD 5800
ATI Radeon HD 5800
 ただ,このスコアを額面どおり受け取るのは危険だ。というのも,HD 5850リファレンスカードがデジタルPWMを採用しているのに対し,HD-583X-ZNFVは電源部に,電力効率の高さに定評あるルネサス テクノロジ製Driver MOSFETを採用しているという違いがあるためである。「SIMD Engine数で4基も異なるHD 5830とHD 5850をカードレベルで比較した結果がほぼ同じ」である以上,ASIC(=GPU)レベルの消費電力は,HD 5830のほうが高いと見るべきだろう。
 かつて,「ATI Radeon HD 4730」(以下,HD 4730)というGPUが,「ATI Radeon HD 4870」をベースに,大幅なスペックダウンを経て登場し,モデルナンバー上の上位モデルよりも高い消費電力値を示したことがあった。あれと同様,今回のHD 5830も,「HD 5850の下位モデル」というよりは,「HD 5870をベースに,(HD 5850としては製品化できないASICを)スペック引き下げによって良品としたGPU」と見るほうがより正しそうだ。

 なお,Pine Technologyは,HD-583X-ZNFVの利用にあたり,定格出力が500W以上の電源ユニットを推奨している。


 最後にグラフ22は,室温20℃のテスト環境においたバラック状態におけるGPU温度をチェックしたものだ。ここでは,3DMark06の30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,GPU-Zからスコアを取得した。
 GPUクーラーが異なる以上,横並びの比較にはまったく向かないため,あくまでも参考値として見てほしいが,HD-583X-ZNFVのGPUクーラーは,GPUを問題なく冷却できているといえよう。



いまならHD 5830よりもHD 5850を選びたい

HD 4730よりは意味があるので,価格が下がれば……


製品ボックス。「Aliens vs. Predator」の英語フルバージョンを入手できるダウンロードクーポンコードが付属する
ATI Radeon HD 5800
 ざっくりまとめるなら,HD 5850とHD 5770の間という,たいへん順当なところに,HD 5830のパフォーマンスは落ち着いている。ただ,ROP数が上位モデルから半減し,ATI Radeo HD 5800シリーズに期待される,ハイエンドGPUらしい特徴が失われているのは無視できない。とくに,ゲームによっては,HD 5770とほとんど変わらないスコアにまで落ち込んでしまう点は非常に気になった。

 さらに,2010年3月23日時点の話をすると,ブランドや搭載クーラーを問わなければ,HD 5850カードが2万8000円程度から購入できる点も,HD 5830には不利だ。さすがに大勢は3万円超だが,それでも価格差は3000〜5000円。このクラスのGPUを考えているなら,少し予算を足してHD 5850を選ぶべきだ。
 HD 4730ほどの“どうしようもない感じ”はないので,課題は一にも二にも価格設定。2万円台前半,できれば,HD 5770の高価格モデルを“喰う”レベルまで実勢価格が下がって,そのときにまだ現行製品であれば,魅力も出てくるだろう。

  • 関連タイトル:

    ATI Radeon HD 5800

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