7月15日の夕方,Activision主催のプレスイベントが開催され,同社の有望な新作タイトルが複数発表された。この中には,ミリタリー系FPSでは群を抜く人気となったCoDシリーズ第5作「
Call of Duty 5: World at War」のほか,「
James Bond 007: Quantum of Solace」や「
Wolfenstein」など,これまでほとんど情報のなかった,PC版も発売予定の新作が含まれている。Activisionは,E3 Summit 08そのものには直接参加していないものの,このイベントにより,メディア関係者へ効果的に話題を振りまいておきたかったのだろう。
今回イベントの進行を務めたのは,俳優でありコメディアンでもあるネルソン・ディアス(Nelson Diaz)氏。彼はかなりのゲーム好きで,Xbox 360のゲームスコアは4万5000ポイントほどもあるらしい。その彼のアナウンスで登場したのが,Activision社長のマイク・グリフィス(Mike Griffith)氏である。
グリフィス氏は,「Guitar Hero: World on Tour」を左手に持ったまま壇上に上がり,まずは同作DS版だけでも,約1800万曲がダウンロードされていることを発表。さらに,去年1年間だけでも「Call of Duty」ファンは2倍に,「Guitar Hero」ファンは4倍になっていることを挙げ,Activisionがいかにファン層を拡大させているかを示した。
続けてグリフィス氏は,Activisionが現在最も力を入れている,ライセンスもののゲームについて語った。現在発売中の映画「カンフー・パンダ」のゲーム版がヒットしているのに加え,今後も「Marvel Ultimate Alliance 2 Fusion」や「X-Men Origins: Wolverine」など,強力なタイトル群を開発中であることを紹介していく。そして,現在マイケル・ベイ監督が撮影中の映画,トランスフォーマーの最新作「Transformers: Revenge of the Fallen」のゲーム化にも着手し始めたことを発表した。
思えば,Guitar Heroも「ライセンスもの」であることに違いない。一昔前までは映画などのライセンスゲームの多くは「クソゲー」などと皮肉られていたものだが,今では胸を張れるほどの価値を帯びているということなのだろう。
それでは,今回Activisionが発表した本年度末リリース予定の作品の中から,PC版もリリースされそうなタイトルを3作紹介しておこう。
「Call of Duty 5: World at War」
4人までのCo-opを搭載
今回は,「訓練所では習わないようなことを俺は見てきた」というセリフと,火炎放射器を用いた攻撃や処刑シーンといった激しいアクションが印象的なトレイラーが冒頭で公開されたため,それ以上の新情報は公開されないものかと思ったのだが,壇上に立ったTreyarchの開発者マーク・レミア(Mark Lemia)氏から,いくつかの新事実が発表された。
「これまでの第二次世界大戦もののFPSの中では,最もリアリスティックなものになる」とレミア氏が説明するCall of Duty 5: World at Warでは,タンクも利用でき,Perksシステムはさらに洗練されたものになる。さらにCo-opモードの発表があり,スプリットスクリーンで二人プレイが楽しめるだけでなく,最大4人のオンラインモードも用意するという。
その後,スプリットスクリーンでのゲーム映像が公開され,ジャングルの川の流れに沿って歩く一団が墜落した戦闘機に近付いた際,アンブッシュを食らったり,平地でタンクにロケットランチャーを撃ったり,火炎放射器でカモフラージュしている日本兵を攻撃したりという描写が続いた。
とくに平地のシーンでは,グラフィックスが「Call of Duty 4」と変わり映えしないようにも見えたものの,その迫力はいい意味でシリーズらしさを残している。日本兵を焼き殺すという,あまりにも過激な描写があるので,日本での正式リリースには若干の問題が出るかもしれない。
「James Bond 007: Quantum of Solace」
ボンドらしからぬ派手なアクションが満載
映画「ジェームズ・ボンド」シリーズと言えば,色男が羽目を外さない程度の,洗練されたアクションを披露するという昔ながらのイメージが付きまとうが,前作「カジノ・ロワイヤル」では,原作小説を考えればあり得ない金髪のムキムキ俳優,ダニエル・クレイグが主役に抜擢され,しかも見事に成功させた。その反響を受けて,ジェームズ・ボンドシリーズの版権の一切を握るマネージメント会社Danjaqは,ゲームとのタイアップを推し進めることを決定し,Activisionとの提携が実現した。
ジェームズ・ボンド映画の新作「James Bond 007: Quantum of Solace」は,すでに撮影が終了しており,映画の封切りを前後する11月中にはゲーム版が発売される予定だ。ダニエル・クレイグ氏をモデリングしたキャラクターを操作し,状況によってカメラ視点が一人称/三人称に切り替わるようなアクションゲームとなる。内容は,Quantum of Solaceのストーリーに沿ったものになるが,ゲーム前半にはカジノ・ロワイヤルにちなんだイベントがいくつか含まれているという。
ゲームエンジンは,Call of Duty 4と同様のものを使用しているが,ゲームプレイ自体は「Tom Clancy's Splinter Cell」や「Gears of War」を連想させる。本作のPC版に関するアナウンスはされなかったものの,トレイラーの最後にはPLAYSTATION 3やXbox 360に混じり,Games for Windows Liveのタグもあった。PC版の開発が行われることはもとより,何らかのオンライン機能が存在するということだろうか。
「Wolfenstein」
異次元への扉を開けようとするナチスとの戦い
「Electronic Artsのイベントで,皆さんがジョン・カーマック(John Carmack)にしたのと同じくらいの拍手をしてくださいよ!」と登場した,id Software社長トッド・ホーレンスヘッド(Todd Hollenshead)氏。id Softwareが,新作「Rage」をElectronic Artsから販売すると決定したことは,Activisionにとっては残念なニュースだったに違いないが,それはそれ,これはこれである。「DOOM」より先に制作されたことから「FPSの元祖」とも言われるウルフェンシュタインシリーズ久々の最新作は,現在のところ「Wolfenstein」というタイトルだけしか決まっていないが,Activision傘下でありid Softwareの弟分ともいえる,Raven Softwareが開発することになった。id Softwareは,そのプロデュースおよび監修を行うことになる。
同作の詳細は,7月末に行われるQuakeConで改めて発表されるとのことで,今回は30秒に満たないほどの短いトレイラーだけが公開された。ホーレンスヘッド氏によると,これまでのシリーズ同様,ナチスが敵となり,異次元世界Shrillへの扉を開こうと暗躍するナチスに対し,我らがヒーロー“BJ”ブラスコウィッツが立ち向かう。今回は,これまでのWolfensteinに見られた単独行動ではなく,レジスタンスの仲間達との連携プレイが楽しめるらしい。
ナチスドイツという史実に則った要素に,奇抜なサイエンスフィクション要素を加味した,ファンにはおなじみの世界観が魅力的だ。ただし,これまでのid作品とは異なり,ストーリー性を前面に押し出したゲームプレイを実現するとのこと。なお,シングルプレイ専用ゲームというわけではなく,マルチプレイモードの存在もホーレンスヘッド氏はほのめかしていた。