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ATI Radeon HD 4800公式サイトへ
  • AMD
  • 発表日:2008/06/19
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印刷2008/11/14 10:30

レビュー

ATI Radeon HD 4850を2基搭載したグラフィックスカードの価値はどこにあるのか

SAPPHIRE HD 4850 X2 2GB GDDR3 PCIE

Text by Jo_Kubota

»  ATI Radeon HD 4850搭載カードの価格が順調に下がっている2008年11月に,“2枚分の価格”を大きく超過する価格設定で登場することになった「ATI Radeon HD 4850 X2」を,Jo_Kubota氏が検証する。遅れてきたデュアルGPUソリューションは,年末商戦を直前に控えたこの状況にあって,どんな価値を持つだろうか。


SAPPHIRE HD 4850 X2 2GB GDDR3 PCIE
メーカー:Sapphire Technology
問い合わせ先:アスク(販売代理店) info@ask-corp.co.jp
実勢価格:5万5000円前後(2008年11月14日現在)
ATI Radeon HD 4800
 日本時間2008年8月12日の時点で最上位モデル「ATI Radeon HD 4870 X2」(以下,HD 4870 X2)と同時発表されながら,長らく搭載製品の登場していなかった「ATI Radeon HD 4850 X2」(以下,HD 4850 X2)。「ATI Radeon HD 4850」(以下,HD 4850)GPUを1枚の基板上に2基搭載する,デュアルGPU仕様のグラフィックスカードだが,11月になってSapphire Technology製品,「SAPPHIRE HD 4850 X2 2GB GDDR3 PCIE」(以下,SAPPHIRE HD 4850 X2)がようやくの登場と相成った。
 HD 4850搭載カードの価格が十分にこなれ,1万円台で入手することすら難しくなくなってきているこのタイミングにあって,国内初登場となった本製品の実勢価格は5万円超。お世辞にも「コストパフォーマンスが良い」とはいえないデュアルGPUソリューションの価値は,果たしてどこにあるのだろうか。Sapphire Technologyの販売代理店であるアスクの協力で,SAPPHIRE HD 4850 X2をテストする機会が得られたので,本稿ではその結果をお届けしていきたい。


オリジナルデザインを採用。

HD 4870 X2より長くなったSAPPHIRE HD 4850 X2


 テストに先立って,カードを概観しておこう。
HD 4870 X2(右上)およびHD 4850カードとの長さ比較。明らかに長い
ATI Radeon HD 4800
 カードはSapphire Technologyオリジナルの青色PCBを採用しており,その長さは実測283mm。なんと,上位モデルとなるHD 4870 X2リファレンスデザインの同270mmより長い。
 ただ,そのおかげかどうか,全体的にゆとりのあるカード設計になっているのも確かだ。最大の違いはその重量にあり,カード裏面の放熱板がなくなっているほか,デュアルファン構成を採用したことでクーラーユニットも小型化を実現しており,重量はHD 4870 X2リファレンスカードの実測1.25kgから,SAPPHIRE HD 4850 X2では同752gと,大幅な軽量化を果たした。「GeForce GTX 280」リファレンスカードの同910gと比べても相当に軽く,取り付け先となるマザーボードへの負担は少なくて済むだろう。

ATI Radeon HD 4800
HD 4870 X2リファレンスカード(上)と,カード裏面を比較。HD 4870 X2はカードの表と裏に1GPU当たり4枚ずつGDDR5メモリチップを搭載しているため,裏面にもヒートスプレッダとなる金属板を装着しているが,SAPPHIRE HD 4850 X2はご覧のとおり
ATI Radeon HD 4800
カバー兼GPUクーラーを取り外したところ。GPUクーラー以外の熱源にはアルミ製ヒートスプレッダが装着されている。2基のGPUに挟まれているのはPCI Expressブリッジチップだが,ヒートスプレッダが取り外せなかったので,製造メーカーは分からない

搭載するGPUは2008年35週製造(と思われる)。見た限り,HD 4850そのもののようだ。メモリチップはSamsung Electronics製の「K4J10324QD-HJ1A」(1Gbit GDDR3,1.0ns)が組み合わされていた
ATI Radeon HD 4800 ATI Radeon HD 4800

電源は6回路。PCI Express外部給電コネクタは6ピン+8ピン仕様で,これはHD 4870 X2リファレンスカードと同じだ。カード裏面のヒートスプレッダを取り外すと見えるのはuPI Semiconductor製の「uP6207A1」で,「ATI PowerPlay」を実現するのに欠かせないVRMコントローラIC
ATI Radeon HD 4800 ATI Radeon HD 4800

ATI Radeon HD 4800
 「ATI Catalyst Control Center」によると,コアクロックは625MHz,メモリクロックは1.986GHz相当(実クロック993MHz)で,HD 4850のリファレンス仕様とまったく同じ。文字どおり「HD 4850を2基搭載したグラフィックスカード」という理解でいいだろう。省電力機能であるATI PowerPlay有効時,つまりアイドル時の動作クロックはコア500MHz,メモリ1.5GHz相当(実クロック750MHz」まで下がっていた。


HD 4850のATI CrossFireX構成や

価格帯で競合するGTX 280と比較


 SAPPHIRE HD 4850 X2のテストに当たり,比較対象として用意したのは,HD 4850の2-way ATI CrossFireX構成(以下,HD 4850 CF)およびシングルカード構成と,「ATI Radeon HD 4870」搭載カード。これらはSAPPHIRE HD 4850 X2と同じく,アスクの協力で用意している。
 また,価格帯で競合する「GeForce GTX 280」搭載グラフィックスカード,そして,16レーン動作するPCI Express 2.0 x16スロットを2基搭載したCore 2対応マザーボードを用意するに当たっては,ASUSTeK Computerの協力を得た。

ATI Radeon HD 4800
SAPPHIRE HD 4850 512MB GDDR3 PCIE Super LoiLoScope
動画編集ソフト同梱&静音仕様がウリ
メーカー:Sapphire Technology
問い合わせ先:アスク(販売代理店) info@ask-corp.co.jp
実勢価格:3万円前後(2008年11月14日現在)
ATI Radeon HD 4800
SAPPHIRE HD 4870 512MB GDDR5 PCIE Silent Efficiency
オリジナルの静音GPUクーラー搭載
メーカー:Sapphire Technology
問い合わせ先:アスク(販売代理店) info@ask-corp.co.jp
実勢価格:3万3000円前後(2008年11月14日現在)

ATI Radeon HD 4800
ENGTX280 OC/HTDI/1G
クロックアップ版のGTX 280カード
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:ユニティ(販売代理店) news@unitycorp.co.jp
実勢価格:6万円前後(2008年11月14日現在)
ATI Radeon HD 4800
Maximus Formula Special Edition
ゲーマー向けのIntel X38マザー
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:ユニティ(販売代理店) news@unitycorp.co.jp
実勢価格:3万2000円前後(2008年11月14日現在)

 ENGTX280 OC/HTDI/1Gは,コア625MHz,シェーダ1350MHz,メモリ2.28GHz相当へとクロックアップされたモデルだが,今回のテストに当たってはNVIDIAコントロールパネルからリファレンスクロックへ落として利用する。念のため,テストに用いたGPUの主なスペックを表1へまとめてみたので,参考にしてもらえれば幸いだ。


 このほかテスト環境は表2のとおり。「ATI Catalyst 8.10」がSAPPHIRE HD 4850 X2をサポートしていなかったため,今回の検証には,SAPPHIRE HD 4850 X2付属のドライバCD-ROMに含まれていたバージョン「8.542」を使うことにした。ATI Catalyst 8.10だと,Display Driverのバージョンは8.541なので,これよりも新しいようだ。
 なお,テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション6.0準拠となる。



GTX 280に完勝する例もあれば,自爆しての惨敗も。

スコアに揺れの目立つHD 4850 X2


 では,ベンチマークスコアをチェックしていくことにしよう。
 グラフ1,2は,「3DMark06 Build 1.2.0」(以下,3DMark06)の実行結果である。HD 4850 X2とHD 4850 CFの間に違いはほとんどなく,かつGTX 280のスコアを安定的に上回っている。高負荷設定の1920×1200ドットなどは,これぞATI CrossFireX(以下,CrossFireX)のメリットが出ている例といえるだろう。


 3DMark06のデフォルト設定となる,「標準設定」の1280×1024ドット時における「Feature Test」実行結果をまとめたのがグラフ3〜5だ。いずれのテストにおいてもHD 4850 X2はHD 4850比で2倍近いスコアを叩き出している。


 CrossFireXが3DMarkシリーズに最適化されていることはよく知られているが,実際のゲームタイトルではどうだろうか。
 グラフ6,7は,「Crysis Warhead」のテスト結果だ。Crysis WarheadはマルチGPUの効果が出にくいタイトルで,果たせるかな,HD 4850 X2は高解像度でなんとかHD 4870のスコアを上回るというレベルで,シングルGPU最速のGTX 280にはまったく歯が立たない。HD 4850 CFは高負荷設定の高解像度でエラーによる強制終了に見舞われるあたり,Crysis Warheadに対するドライバの最適化が進んでいない印象も受ける。


 続いてグラフ8は「Unreal Tournament 3」(以下,UT3)の結果だ。ハイエンドGPUにとって“軽すぎる”タイトルということもあって,CPUが相対的にボトルネックとなってしまい,解像度ごとのスコア差はあまり出ていないが,傾向そのものはCrysis Warheadと同じ。HD 4850 X2やHD 4850 CFは,グラフィックス負荷の高い状況に強いCrossFireX構成らしさを高解像度で見せているが,GTX 280のスコアには届いていない。


 続いては「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,CoD4)の結果である(グラフ9,10)。HD 4850 X2はデュアルGPUカードであるメリットを発揮しているが,全体としてGTX 280には届いていない印象だ。描画負荷の低いタイトルでは,フィルレート性能で上回るGTX 280が有利,とも換言できそうだ。
 HD 4850のテクスチャユニット数は40基,GTX 280は同80基なので,HD 4850 X2やHD 4850 CFならスペック上はGTX 280と同じになるが,デュアルGPU構成の調停が必要な分だけ,GTX 280と比べて不利になっていると思われる。


 さて,ここまでとはうって変わって,HD 4850 X2(やHD 4850 CF)がGTX 280を圧倒するのが,「デビル メイ クライ 4」(以下,DMC4)のテスト結果だ(グラフ11,12)。DMC4は,マルチGPUに最適化されているが,その影響がほぼそのまま,スコアに表れているといっていいだろう。
 高負荷設定のテスト結果を見ると,HD 4850 CFのほうが明らかにHD 4850 X2よりスコアが高いが,これはHD 4850 CFだと2基のGPUがそれぞれ16レーンのPCI Express 2.0インタフェースで接続されるのに対し,HD 4850 X2だと16レーンを2基のGPUが“取り合う”ことに起因するものと思われる。DMC4のように,高負荷設定でも200〜300fpsを数えるような(特殊な)ケースにおいて,PCI Expressブリッジやレーン数の違いなど,ボトルネックとなる要素が複合的に作用したのではなかろうか。


 グラフ13,14は,「Company of Heroes」のテスト結果である。傾向はCoD4とほぼ同じで,HD 4850 X2はマルチGPU構成らしいスコアを見せているが,GTX 280には一歩及ばない。
 HD 4850 CFとHD 4850 X2の間に少なからぬスコアの開きがあるのは,DMC4の高負荷設定と同じ理由だろう。


 最後にレースゲームの「Race Driver: GRID」では,CrossFireXが“轟沈”した(グラフ15,16)。
 HD 4850 X2,HD 4850 CFともスコアが60fps前後で固定されてしまっていることから,垂直同期をオフにできないバグがあるのが窺えよう。なお,HD 4850 CF構成時に高負荷設定の1920×1200ドットを選択すると,ゲームがクラッシュする問題もあった。



2枚差し時と比べて明らかなメリットがある

HD 4850 X2の消費電力


 消費電力変化のログを取得できるワットチェッカー,「Watts up? PRO」を用意して,システム全体の消費電力測定を試みた。
 システムの起動後,30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,各タイトルの実行時とし,スコアをまとめた結果がグラフ17だ。

 HD 4850 X2とHD 4850 CFを比べると,いずれのケースでもHD 4850 X2のほうが消費電力は低く,2基のGPUがカード1枚に収まっていることのメリットをはっきりと確認できる。また,高負荷時におけるHD 4850 X2の消費電力が,GTX 280と同程度に収まっている点も注目したい。マルチGPUというと,「暴力的な電気食い」というイメージを持ちがちだが,HD 4850 X2の消費電力値は(高いといえば高いものの)かなり実用的な範囲にあるといえるだろう。


 最後に,3DMark06を30分間連続実行した時点を「高負荷時」として,「HWMonitor Pro」(Version 1.02)から,GPU温度計測を試みた。
 HWMonitor Proでは,マルチGPU構成時にはマスター側の温度を返すことになるため,HD 4850 CFについては,

  • 編集部で用意したリファレンスクーラー採用HD 4850カード「SAPPHIRE HD 4850 512MB GDDR3 PCIE」をマスターにした状態:HD 4850 CF(A)
  • Sapphire Technologyオリジナルクーラーを採用した「SAPPHIRE HD 4850 512MB GDDR3 PCIE Super LoiLoScope 」をマスターにした状態:HD 4850 CF(B)

と,グラフを二つに分けているのでご注意を。
 また,いずれもファン回転数はグラフィックスカード側の自動制御に任せているため,横並びの比較は行えない。一概にどれが優れていると断ずるためのものではなく,あくまでざっくりと傾向を見るのだということを,理解しておいてほしい。

 以上を踏まえてグラフ18を見てみると,HD 4850 X2のスコアは,2基のGPUを搭載していることを考えれば十分に低いといえるスコアになっている。冷却能力に疑問符が付くほど静音に振っているHD 4850のリファレンスクーラーと比べると,HD 4850 X2の動作音は(ファンを2基搭載することもあって)大きいが,それでも十分静音指向といえる範囲内だろう。
 なお,本題とは関係ないが,オリジナルクーラーを採用したHD 4850およびHD 4870のGPU温度はさすがの一言。とくにHD 4870が搭載する大型クーラーは,今回テストしたなかでは最も動作音が小さかったにもかかわらず,高負荷時の温度も42℃に収まっており,極めて優秀といってよさそうだ。



ドライバの改善を前提とすれば悪くない性能

問題は,一にも二にも登場のタイミングか


ATI Radeon HD 4800
SAPPHIRE HD 4850 X2は,4系統のDVI出力を持つ
ATI Radeon HD 4800
製品ボックス
 SAPPHIRE HD 4850 X2は,AMD製のマルチGPUソリューションにありがちな(ドライバレベルの)不安定さを,まだまだ内包している様子。また,なぜか市場からほとんど姿を消してしまい,一説には製造が終了したとも伝えられるHD 4870 X2に代わる製品としては,インパクトを欠く点も否めない。だが,ドライバのアップデートによる問題の解決を前提にすれば,HD 4850 GPUを2基搭載したカードに求められる性能をきちんと発揮できているのは確かだ。また,2基のGPUを1枚のカードに収めたことで,消費電力を最適化できている点もポイントが高い。

 ――価格を無視すれば,SAPPHIRE HD 4850 X2の評価は上のようなものになるだろう。おそらく,HD 4870 X2と同じタイミングでこの製品が登場していれば,このようなまとめを行うことになったと思う。

 しかし現実には,それこそHD 4870 X2をはじめとするATI Radeon HD 4800シリーズという“衝撃”により,GTX 280搭載カードの価格は大きく下がり,一方で発売後に市場で揉まれ続けたHD 4850搭載カードの価格も,冒頭で述べたとおりの状況となっている。そんな2008年11月時点において,SAPPHIRE HD 4850 X2の価格は,やはり高すぎる。
 現時点で,GTX 280を差し置いて勧めるほどの魅力を欠くことを考えても,HD 4850 X2は登場時機を逸したと述べるほかない。年末商戦に向けて店頭売価が大きく――できれば1万円近く――下がれば,十分に魅力的なハイエンドの選択肢となり得るだけに,今後の動向に注目したいところだ。
  • 関連タイトル:

    ATI Radeon HD 4800

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