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インディーズゲームの小部屋:Room#363(番外編)「2014年 人気タイトルベスト10」
妖怪“年末進行”のせいで今週2度めの更新となった「インディーズゲームの小部屋」の第363回は,番外編として「2014年 人気タイトルベスト10」をお届けする。番外編なのに番号振ってるじゃないかという今さらなツッコミは受け付けません。
今年は計49タイトルを紹介してきたが,今日初めてこの連載のことを知ったという人でも,この記事を読めば2014年に高い注目度を集めたゲームがばっちり分かってしまうというのだから,これはもうエコというほかないだろう。筆者も記事を再利用できるので,大変助かっている。ちなみに,よく聞かれる質問なのであらかじめお答えしておくと,このランキングは掲載記事のPV数に基づいて作成している。さあ,まずは第10位からいってみよう!
第10位「REVOLVER360 RE:ACTOR」
第10位は,クロスイーグレットの横スクロールSTG「REVOLVER360 RE:ACTOR」。進行方向を軸にステージ全体をぐるりと回転させることで,一見すると避けられそうにない弾幕を回避したり,ひとまとめにしてレーザーで薙ぎ払ったりというゲームシステムが特徴だ。前作「REVOLVER360」と比べてグラフィックスやゲームモードが大幅に強化されているだけでなく,ステージの途中に分岐要素が導入されるなど,繰り返し遊べる要素が満載。まさに隙のない完成度に仕上がっている。今ならSteamからも購入できるので,STGファンはぜひどうぞ。
クロスイーグレット公式サイト
第9位「Dungeon of the Endless」
第9位は,ローグライクとタワーディフェンスを組み合わせたような,一風変わったゲームシステムが特徴の「Dungeon of the Endless」。プレイヤーは予期せぬ攻撃を受けて謎の惑星に不時着した囚人達を操作して,地下迷宮のような施設を探索することに。エネルギー供給源である“クリスタル”を守りながら次のフロアへのエレベーターを探すのがゲームの目的で,モンスターの迎撃や囚人達のバックアップを行うための,さまざまなモジュールを部屋の中に設置できるのが面白い。難度は高めだが,ついついまた遊びたくなる中毒性がある。
「Dungeon of the Endless」公式サイト
第8位「The Old City: Leviathan」
第8位は,PostMod Softworksの一人称視点アドベンチャー「The Old City: Leviathan」。海外では“walking simulator”などと呼ばれる,探索だけをメインにしたゲームで,謎解きや戦闘などは一切なし。プレイヤーは大昔に放棄された無人の都市“The Old City”を,主人公のモノローグを聞きながら歩き回ることに。ストーリーや設定は非常に難解で謎めいており,筆者にはさっぱり理解できないが,幻想的で美しいグラフィックスがもたらす雰囲気は抜群。何より,クジラのインパクトが強すぎる。英語が苦手でもプレイする価値ありだ。
「The Old City Leviathan」公式サイト
第7位「Shovel Knight」
第7位は,シャベルを持った騎士が冒険を繰り広げるYacht Club Gamesのアクションゲーム「Shovel Knight」。シャベルは武器として使えるのはもちろん,床や壁を掘って通路を切り開くのにも大活躍。レリックと呼ばれるアイテムを手に入れれば,杖の先から炎を飛ばしたり,トゲの上を歩けるようになったりといった魔法も使える。8bit風のグラフィックスと豊富なステージギミックが魅力的で,PlayStation ExperienceではPS4/PS3/PS Vitaでの発売もアナウンスされている。とても楽しく遊べるオススメの一本だ。
「Shovel Knight」公式サイト
第6位「Blade Symphony」
第6位は,Puny Human Gamesの「Blade Symphony」。ゲームには,鎧武者のようなJudgement,フェンシングスタイルのPhalanx,素早い動きが特徴のRyoku,そして唯一の女性キャラクターPureの4人が登場し,好きなキャラクターを操作してオンライン対戦が楽しめる。4人のキャラクターはそれぞれ,ファースト,バランス,ヘビーという3種類のスタンスを持っており,対戦中に任意のタイミングで切り替えられるのが大きな特徴だ。オンライン対戦でポイントを稼ぎ,さまざまな見た目の武器や衣装をアンロックするといったカスタマイズ要素も用意されている。
「Blade Symphony」公式サイト
第5位「This War of Mine」
第5位には,占領下の都市で無力な一般市民となってサバイバル生活を行う「This War of Mine」がランクイン。プレイヤーは架空の都市“Pogoren”を舞台に,数名の避難民に指示を出して,昼間は建物の補強やアイテム作成を行いつつ,夜になったら人目を忍んで周辺の建物を探索して物資を集めていく。最終目標は終戦まで生き残ることだが,そう簡単にはいかない。時には生き残るために他人を襲わなければならず,極限の状況で人間はどうあるべきかという,重いテーマを突きつけられる。やればやるほど気分がどんよりしてくるが,本作は筆者の今年のベストインディーズゲームだ。レッツ,生存!
「This War of Mine」公式サイト
第4位「Strike Vector」
第4位は,Ragequit Corporationのオンライン対戦型FPS/TPS「Strike Vector」。ジェットモードとホバーモードという2種類の形態に変形できる可変戦闘機Vectorを駆って大空を飛び回り,爽快感抜群の空中バトルが楽しめる。空中に浮かんだ石油プラントや工場を思わせるマップは細部までとことん作り込まれており,圧倒的なまでのクオリティで描かれた超美麗なグラフィックスには思わずため息がこぼれるほど。機体のカスタマイズ要素も充実しており,左右それぞれの武器の組み合わせや,どんな特性を持たせるかを自由に決められる。メカ好きのゲーマーは要チェック!
「Strike Vector」公式サイト
第3位「Transistor」
第3位は,Supergiant GamesのSFアクションRPG「Transistor」。言葉をしゃべる不思議な剣“The Transistor”を手に入れた主人公のRedが,都市を支配するロボット軍団と戦う本作。The Transistorには,死んだ人間の意識や記憶を取り込む能力があり,これによって“ファンクション”と呼ばれる攻撃スキルを入手できる。また,時間を止めて行動を予約し,停止を解除すると同時に高速で実行する“Turn()”システムが大きな特徴で,敵の動きを予測して背後に回り込み,ファンクションを駆使して一気に畳み掛けるといった華麗な戦い方が可能だ。
Supergiant Games公式サイト
第2位「アスタブリード」
第2位は,えーでるわいすのマルチスクロールシューティング「アスタブリード」。人型メカに乗り込み,マルチロックオンが可能な2種類のショットと,特定の敵弾を打ち消せるブレードを使った近接攻撃を使い分けて,人類の敵“ファイルーン”に立ち向かうべし。最大の特徴は,1つのステージで縦,横,奥と目まぐるしくスクロール方向が変化するステージ演出にあり,プレイ中にフルボイスで行われるキャラクター同士のやりとりやカットシーンも見どころだ。2015年にはPS4版も発売予定だが,現在はSteamでも購入できる。今すぐ遊びたい人はチェックしてみよう。
えーでるわいす公式サイト
第1位「Sakura Spirit」
そして栄えある第1位は,Winged Cloudのノベルゲーム「Sakura Spirit」。異世界に飛ばされてしまった主人公となって,狐耳の女の子とイチャコラするというストーリーの本作だが,そうかー,みんなそんなにおっぱいが好きかー。もちろん筆者も好きだ。まあ,それはそれとして,純粋にノベルゲームとして見ると,どこかで見たような設定を次から次へと持ってきては使い捨てるガバガバな設定と言い,ツッコミどころしかないストーリーと言い,内容的には相当アレだ。しかし,そんなところを一切気にせず絵だけを見れば楽しめる。本作はそんな人にオススメの一本だ。
「Sakura Spirit」Steam紹介ページ
さて,そんなわけで2014年最後の「インディーズゲームの小部屋」をお届けしたわけだが,この年末年始に遊ぶゲーム選びの参考にしていただければ幸いだ。それでは,また来年お会いしましょう。よいお年を!
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