連載
インディーズゲームの小部屋:Room#211(番外編)「2011年 人気タイトルベスト10」
前回で2011年最後のつもりだった「インディーズゲームの小部屋」の第211回は,急きょ予定を変更し,番外編として「2011年 人気タイトルベスト10」をお届けしよう。チクショー,どうして今日は水曜なんだ!
さて,2011年は全46タイトルを紹介してきたわけだが,我ながら今年もよく頑張ったと思う。今回はその中から,人気のあった作品を10位から順にどーんと発表してしまおうという寸法だ。全体の約5分の1とか,ちょっと多すぎる気がしないでもないが,気にせず行ってみよう。さすがに,ここで紹介する全部の作品をプレイした人は少ないと思うので,遊びそこねていたタイトルがある人は,年末年始にぜひどうぞ。
第10位「Cthulhu Saves the World」
まず第10位にランクインしたのは,みんな大好き邪悪の化身・クトゥルフ様が世界を救うために旅をするというRPG「Cthulhu Saves the World」。地上を侵略しようと長き眠りから覚めたものの,何者かに力を封じられてしまったクトゥルフ様。力を取り戻すためには“真のヒーロー”になるしかないというわけで,旧支配者の威厳もそっちのけの冒険を繰り広げることに。ミスカトニック大学やダンウィッチといった,クトゥルフゆかりの名称がたくさん登場する,愉快な一本だ。
Zeboyd Games公式サイト
第9位「ヒノカケラ Chaotic Eclipse」
続く第9位は,Reddish Regionの3D対戦格闘ゲーム「ヒノカケラ Chaotic Eclipse」。人口の99%が滅ぼされた世界で,異能の力を身につけた12名+αのキャラクターが激しい戦いを繰り広げるという本作。各キャラクターには,攻め重視の「アサルト」と立ち回り重視の「テクニカル」という2種類の戦闘スタイルが用意されており,ド派手なエフェクトと共に繰り出される技を駆使した熱い攻防が楽しめる。また格闘ゲームとしては珍しい,ノベルゲーム風の「ストーリーモード」が用意されているのも特徴だ。
Reddish Region公式サイト
第8位「テール島の迷宮」
第8位は,monochrome monauralのファンタジーRPG「テール島の迷宮」。蓄えも尽きて途方に暮れていた主人公のロゼッタと従者であるクリスの元に,ある日,ロゼッタの父親から手紙が届く。二人はその手紙に書かれた「テール島の洞窟の最深部に行ってほしい」という言葉に従い,海を渡ってテール島に向かうが……。戦闘はおなじみのターン制バトルだが,ダンジョンに入るたびに内部の構造が変化するのが特徴だ。また,絵本のような独特のタッチで描かれたイラストも,本作ならではの大きな魅力となっている。
monochrome monaural公式サイト
第7位「Crimzon Clover」
第7位は,2011年の初っ端を飾った四ツ羽根の弾幕系シューティング「Crimzon Clover」。本作の特徴はなんと言っても,これでもかと飛んでくる大量の弾幕をかいくぐりながら,強力な“ブレイクモード”による攻撃で敵を撃破していく爽快感にある。さらに,ブレイクモード中に再度ブレイクモードを発動させることで“ダブルブレイクモード”に突入すると,画面全体を覆うほどの超強力なショットで一気に敵を殲滅できる。撃って撃って撃ちまくる,シューティングの楽しさを凝縮させたような一本だ。
四ツ羽根公式サイト
第6位「花咲か妖精フリージア」
第6位は,ツルペタ妖精のフリージアが頑張る,えーでるわいすのアクションゲーム「花咲か妖精フリージア」。リタの森に眠る霊石“アムルの石”を狙ってやって来る魔物や人間を,パンチやキックでぼっこぼこに叩きのめしていくアクション性の高さが魅力の本作。難しいことを考えずに,ただボタンを連打しているだけで,敵を吹き飛ばして爽快なコンボ攻撃を繰り出せるのが癖になるほど楽しすぎる。フリージアのライバルとなるもう一人のツルペタちゃん,プラムも個人的に見逃せない。ツルペタ万歳!
えーでるわいす公式サイト
第5位「NEO AQUARIUM -甲殻王-」
第5位は,伊勢海老とズワイガニが海中で火花を散らす,Nussoftの「NEO AQUARIUM -甲殻王-」。本作は,急激に進化してしまったエビやらカニやらフジツボやらが,レーザーやミサイルを撃ち合って戦うという,前代未聞の海洋生物アクションシューティングなのだ。いくらなんでも進化しすぎじゃなイカ? ゲームに登場するエビやカニの妙にリアルなモデリングと,何ともぶっ飛んだ設定の組み合わせがシュールな本作だが,海洋生物らしさをうまく残しつつ,これまでになかったアクションゲームに仕上がっている。
「NEO AQUARIUM -甲殻王-」公式サイト
第4位「ヤタガラス4」
第4位は,PDW:HOTAPENの2D対戦格闘ゲーム「ヤタガラス4」。「ストリートファイターIII」シリーズを彷彿させるブロッキングシステムと,格闘ゲームコミュニティで有名なこくじん氏による実況システムや,こくじん氏,総師範KSK氏,ときど氏による応援/煽りシステムなどが特徴の本作。「THE KING OF FIGHTERS」シリーズなどを手がけたコタニ:トモユキ氏による美麗なイラストとドット絵も魅力的。登場キャラは8名とやや少なめだが,完成度の高さは折り紙つきだ。
「ヤタガラス4」公式サイト
第3位「Universe Sandbox」
いよいよベスト3の発表だが,純粋なゲームではないにも関わらず第3位にランクインしたのは,Giant Armyの宇宙物理シミュレータ「Universe Sandbox」。本作は,思いどおりの宇宙を丸ごと自分のPCの中で再現してしまおうという,ロマン溢れる一本だ。やっぱり宇宙は良いよね! 本作では,何もない暗黒の空間に一から銀河系や惑星を配置してオリジナルの宇宙を作ることはもちろん,あらかじめ用意された環境をちょこっといじって,シミュレーションの結果を確認したりもできる。宇宙の不思議をたっぷりと堪能しよう。
「Universe Sandbox」公式サイト
第2位「Minecraft」
第2位には,β版の売り上げだけで軽く100万本を突破したという大ヒット作,「Minecraft」がランクイン。本作は,岩や木などのブロックを積み上げてさまざまな物を作成していく,箱庭型ゲームだ。ゲーム中に登場するモンスターとの戦いといった要素もあるが,こちらはあくまでスパイス。メインとなるのは,40億9600万平方kmもの広さを持つ無限の大地で,自分だけの世界を作り上げること。シンプルな操作性と,シンプルなグラフィックスからは想像できないほど中毒性が高く,ひたすら穴を掘るだけで時間を忘れてのめり込める。2011年11月についに製品版が発売されたので,未プレイの人はこの機会に“Crafter”デビューしてほしい。
「Minecraft」公式サイト
第1位「Terraria」
そして,上記の「Minecraft」を抑えて第1位に選ばれたのは,2D横スクロール版Minecraftとでもいうべき「Terraria」。本作もMinecraftと同様,ランダム生成される世界で自分だけの物づくりを楽しめる作品だが,最大の違いは2Dグラフィックスであるという点。基本的には,穴を掘ったり木を切ったりして材料を集め,家なりお城なりを作っていくという内容だが,Minecraftよりもモンスターとの戦闘やアイテム集めといったハック&スラッシュ要素が高く,アクションRPGとしても楽しめる。穴掘り職人を自認するゲーマーなら,Minecraftとセットで遊んでおきたい作品だ。
「Terraria」公式サイト
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