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印刷2012/08/13 00:00

レビュー

「先生」の廉価版を丸裸にしたら,1つの事実が見えてきた

SteelSeries Sensei[Raw]

Text by BRZRK


SteelSeries Sensei[Raw]
メーカー:SteelSeries
問い合わせ先:窓口一覧ページ
実勢価格:7200〜8000円程度(※2012年8月13日現在)
SteelSeries
 今回は,SteelSeriesから2012年7月27日に国内発売となったワイヤードマウス「SteelSeries Sensei[Raw]」(以下,Sensei Raw)を取りあげたい。
 2011年に登場した多機能マウス「SteelSeries Sensei」(以下,Sensei)の廉価版にして,コアゲーマーが必要とする機能だけを採用したという,“生(Raw)のSensei”のポイントはどこにあるのか。今回は,Senseiだけでなく,形状が似ている「SteelSeries Diablo III Mouse」(以下,Diablo III Mouse)とも比較し,その立ち位置を明らかにしていきたいと思う。


Senseiと完全に同サイズだが重量は約13g軽い

ケーブルはDiablo III Mouseと同じく硬め


Sensei Rawは標準で2モデルが用意される。メインボタンと一体化されたカバーの表面加工以外に違いはない
SteelSeries
 Senseiは金属コーティングされたカバーとラバーコートされた側面のコントラストが目を引く製品だったが,Sensei Rawの場合は,カバーがラバー加工された「Rubber Surface」(ラバーサーフェス)と光沢加工された「Glossy Surface」(グロッシーサーフェス)の2モデルが標準で用意されている。

 Rubber Surfaceのほうは,さらさらとした表面になっており,指先にひっつくような感覚がない。一方,Glossy Surfaceのほうは,ベトつきやすく指紋も残るが,指先がマウスにひっつくようなグリップ感がある,といった具合だ。側面はいずれもラバーコート済みで,デザイン上の違いは存在しないため,見た目とフィット感の好みで選んでしまってまったく問題ないだろう。

Rubber Surface(左)とGlossy Surface(右)。上面カバー部の違いによって,手に持ったときのフィーリングが大きく変わる。筆者はピタッとしたフィット感を好むため,Glossy Surfaceのほうが気に入ったが,これは完全に好みだ
SteelSeries SteelSeries
LEDイルミネーションが採用されており,後述する設定ツールから明示的に消灯しない限り,スクロールホイールの側面と本体手前側のSteelSeriesロゴが白く光る(※色の変更は不可)。本体底面は2モデルとも半透明になっていて,点灯時は底面からも光がわずかに漏れる
SteelSeries SteelSeries SteelSeries

 本体サイズは実測で68.3(W)×125.5(D)×38.3(H)mmとなっており,端的に言えば,SenseiおよびDiablo III Mouseとまったく同じだ。Senseiの廉価版なので当たり前といえばそれまでだが,3製品――もっといえば,Senseiのベースとなった「SteelSeries Xai」も――で金型は同じということなのだと思われる。

SteelSeries
 気になる実測重量はケーブル込みで約133g。後述するように,今回はマウスを分解したのだが,分解時にケーブルを本体から取り外した状態で計測したところ,実測重量は約88gだった。
 この約88gというのは,Senseiの同101g(※ケーブル込みでは153g)より約13g軽く,Diablo III Mouseの同85g(※ケーブル込みでは128g)より3g重い。3製品で一番軽いのがDiablo III Mouseというのはちょっと面白いが,ともあれ,底面に液晶パネルを搭載するSenseiよりはSensei Rawのほうが確実に軽量といえる。

4Gamerの比較用リファレンス「G5 Laser Mouse」(型番:G-5T)と並べてみたところ。縦横高さのすべてでSensei Rawのほうが若干小さい
SteelSeries SteelSeries
SteelSeries

 ボタン構成はSenseiと同じく,計8個だ。左右メインとセンタークリック機能付きスクロールホイール,CPI変更用,左右サイド各2となっている。

SteelSeries
 押下する機会が最も多い左右メインボタンは,押し込むときに多少の硬さを感じるものの,ゲームプレイに負の影響を及ぼすほどではない。クリック音が大きめで,スイッチがオン/オフされる様子を聞き取りやすいので,いわゆるタップ撃ちのリズムをクリック音で調整しやすい。
 もっともこのあたりは「SenseiやDiablo III Mouseと変わらない」と述べたほうが正確であるようにも思われるが。

重量やホイール,上面カバーの加工によって,微妙にSenseiやDiablo III Mouseとのフィーリングは異なる。しかし,それ以外の点は同じと断言して構わない
SteelSeries
SteelSeries
 スクロールホイールは横幅が実測約7mmあり,ラバーコートされたカバーに1mm間隔で長さ2mmの溝が彫られている。Senseiの場合,ラバーコートされたカバーには1mm間隔で長さ1mmの溝が彫られていたのだが,Sensei Rawでは,溝が大きくなったことで指先に引っかかりやすくなり,あまり力を入れなくても手前や奥に回転させられるようになった。

 一方,ホイールクリックはSenseiよりも硬めで,Diablo III Mouseと同程度の硬さといった印象だ。後ほど確認するが,おそらくSensei RawとDiablo III Mouseは同じスイッチを採用しているのだろう。もっとも,“誤爆”を防止できる程度の硬さが守られているという意味において,3製品の間に違いはないともいえる程度の微妙な違いである。

 次に,本体両側面で前後方向に2個ずつ並んで配置されているサイドボタンだが,こちらは実測で奥側(=メインボタン側)が約16mm,手前側(=後方側)が約19mmの長さになっていた。側面から飛び出している部分の厚みは1mm程度で,とくに出っ張りを強く感じたりはしない。

ケーブルは硬い。長さは実測1.83mで,USBコネクタとマウス本体の長さをを合わせると公称値どおりの2mとなる
SteelSeries
 マウスケーブルもチェックしておこう。
 マウスケーブルは布巻きタイプで,ケーブルの太さは実測約3mm。テストを開始して1週間が経過しても馴染まなかったほど硬い。感覚的には,「硬い」と評したDiablo III Mouseと同じくらいだ。Senseiのほうがケーブルは明らかに柔らかく,馴染みやすい。
 なので,Sensei Rawの“実戦投入”にあたっては,ゲーム中の空いた時間などに揉みほぐすなどして,馴染むまでの時間を短縮したいところである。


サイドボタンに注意すれば持ち方はまず問われない

Xai&Senesi譲りの握りやすさ


本体前後中央より気持ち前方寄りのところが比較的大きく凹み,その上,側板とカバー部の境部分にサイドボタンが並ぶデザインになっている
SteelSeries
SteelSeries
 「SteelSeries Xai Laser」譲りの筐体デザインを採用したSenseiは持ち方の自由度が高い。そして,そんなSenseiと同じ筐体デザインを採用する以上,Sensei Rawの握りやすさについてはテストする前から結論が出ているともいえるのだが,そうはいっても気になるという人は多いはず。念のため握りやすさを確認しておこう。

 さて,左右対称形状のマウスということで,Sensei Rawは左右両側面が大きく凹んでおり,また,2連のサイドボタンが左右両方で凹みの上に置かれるような配置になっている。それは持ち方にどういった影響を与えるだろうか。
 代表的な「かぶせ持ち」「つまみ持ち」に加え,筆者独自の持ち方である「BRZRK持ち」の3パターンで試した結果が下の写真である。

SteelSeries SteelSeries
つまみ持ちの例。サイドボタンを避けるように指を立てれば誤爆せず操作できる
SteelSeries SteelSeries
続いてかぶせ持ちの例。多くの人は薬指側のサイドボタンを使わないと思われるが,使わないのであれば,自然に薬指と小指を配置でき,破綻なく握れる。もし,薬指側のサイドボタンも使う気がある場合は,そのままだと指とサイドボタンが干渉する恐れがあるため,薬指を上面カバーの端に配置するか,手のひらをマウスの手前側へ引いて,薬指がサイドボタンへ触れないように持つといった配慮が必要だ
SteelSeries SteelSeries
こちらがBRZRK持ちの例である。小指と薬指を側面部に指を立たせるように持つため,薬指側のボタンを押すのに適した持ち方ではない(※実際にやってみると,挟み込みに使っている薬指を上下させてボタンを押さねばならず,指が痛くなってしまった)。薬指側のボタンを使わないならまったく問題なしだ

 ポイントは,薬指と小指側のサイドボタンを,後述するツールで無効化するかどうか。コアゲーマーが薬指と小指側のサイドボタンを積極的に使うとは思えないので,その観点から話をすると,どの持ち方でもまったく違和感はない。あえて1つ選ぶなら,個人的にはつまみ持ちがベターだと思うが,好みの問題と述べても差し支えないと思う。
 どうしても薬指と小指側のサイドボタンを有効化して多ボタンマウスとして使いたいという場合は,指の位置を後方へずらすなどの対策が必要だ。BRZRK持ちだと手にかなりの負担がかかるので,つまみ持ちか,手のひらを全体的に後ろへ引いてのかぶせ持ちを選択するのが正解だろうか。


機能面はばっさり削られ

Diablo III Mouseに近い印象となった


 以上,目に見えるところをチェックしてきたが,Sensei RawとSenseiの違いは重量とカバー,ホイール,ケーブルといったところ。Diablo III Mouseとはカバーとホイールくらいしか違いがないというのが筆者の実感である。

 また,“中身”にも,実のところ大きな違いはない。3製品の主なスペックはにまとめたとおりだが,トラッキング速度と最大加速度,フレームレートは完全に同じだ。SenseiはARMベースの32bitコントローラを搭載する関係で,CPIやリフトオフディスタンスのカスタマイズ性が高まっているものの,細かな部分といえば細かな部分である。

※ 「Double CPI Range」のソフトウェア補間により5701〜11400CPIも設定可能

 では,何が違うのか?

 まずは機能面からチェックしてみよう。
 SteelSeries製マウスの常として,Sensei Rawも,Windowsのクラスドライバで動作する,いわゆるドライバレス仕様だ。そして,トラッキング解像度の設定などを行いたい場合には統合ソフトウェア「SteelSeries Engine」(以下,Engine)を利用する必要があるというのも,最近のSteelSeries製マウスと同じである。

 というわけで,テスト時の最新版となるバージョン2.4.1600のEngineをSteelSeriesのサポートページからダウンロードして導入後,タスクバーに常駐したEngineを開いてみた。
 そろそろ“おなじみ感”の出てきたEngineのスクリーンショットを下に示したが,中央のペインに用意されるタブは「ボタン」「設定」「プロパティ」「統計」の4つだ。

Engineを開いたとき,左上ペインに表示されるのが認識されたデバイス。その下のペインからプロファイルの選択や追加,編集が行える。中央の大きなペインが各種機能の設定用だ
SteelSeries

●「ボタン」タブ


Engine自体は日本語化されているのだが,マクロ作成を行おうとすると説明文が英語になったりして,まだ完璧ではない
SteelSeries
 「ボタン」タブではその名のとおり,マウスの各ボタンへ機能を割り振れる。右手持ちと左手持ちでボタン割り当ての左右反転を行うのもここだ。
 中央ペイン右上の「ボタン配置」コラム内にある表記が登録されているボタンで,その右にある「アクション」以下の文字列を「ボタン配置」コラムへドラッグ・アンド・ドロップすることで,簡単に割り当ては変更できる。

 なお,Engineでは簡単なキーマクロにも対応しており,「ボタン」タブ内に用意された「ボタン配置」コラムで任意のボタン名を選択すると,中央ペインの下部にマクロ登録用の枠が出てきて,キーマクロを登録可能になる。あとは「Keypresses」の枠をクリックして,実際にマクロとして利用したいコマンドを入力すればOKだ。より細かく設定したい場合は[Advanced]ボタンをクリックして「Advanced Macro Editor」を利用することもできる。

 キーマクロを使いたいという人のために注意喚起しておくと,Engineで登録したボタン配置などは基本的にマウス側へ登録されるのに対し,マクロを利用できるのは,設定に用いたEngineが常駐している環境のみとなる。

●「設定」タブ


 Senseiとの大きな違いとなるのが「設定」タブで,設定できるのは,CPI設定とポーリングレート,イルミネーションの3項目。Senseiでは,SteelSeries自慢の機能群がずらりと並んでいたのだが,“Rawモデル”ということでかなりシンプルだ。

SteelSeries
設定できる項目自体は少ないものの,CPIとポーリングレートの設定はゲームを遊ぶうえで最重要な項目なので,何度も開くことになるはずだ。トライアンドエラーをくり返し,自分にあった数値を探し出そう
SteelSeries
こちらがSenseiの「設定」タブ。Sensei独自の「EXACT〜」系設定項目がズラリと並んでおり,一画面では表示しきれないほどになっている。ここがSensei Rawとの最大の違いということになるはずだ

 上のでお伝えしたとおり,CPI設定は90刻み。切り替え式で2パターン登録可能だ。ポーリングレートは4段階からの選択式となる。
 LEDイルミネーションは,明るさを「オフ」「最小」「中間」「最大」,明滅パターンを「常時」「ゆっくり」「中間」「はやく」とそれぞれ4段階から選択できるが,CPIごとに光らせ方を変えるといったことは行えない。その点では「SteelSeries Kana」以上に機能は絞られていることとなる。

●「プロパティ」タブ&そのほか


「プロパティ」タブ
SteelSeries
 「プロパティ」タブでは,自作したカスタムプロファイルとゲームの実行ファイルを関連付けることが可能だ。関連づけておけば,ゲームを実行すると,自動的にプロファイルが切り替わり,最適な設定でプレイできるようになる。
 標準で用意されている「Default Profiles」は「Sensei Raw Default」「Sensei Raw Fast」「Sensei Raw Slow」の3つ。CPIとLEDイルミネーションの設定が下記のとおり異なる。デフォルト設定のほかに,ハイセンシの人向けとなるSensei Raw Fast,ローセンシの人向けとなるSensei Raw Slowが用意されるイメージだ。設定の詳細は下に示した箇条書きを参照してほしい。

  • Sensei Raw Default
    CPI1:1620,CPI2:3240,ポーリングレート:1000Hz,明るさ:最大,点灯モード:中間
  • Sensei Raw Fast
    CPI1:3240,CPI2:5670,ポーリングレート:1000Hz,明るさ:最大,点灯モード:はやく
  • Sensei Raw Slow
    CPI1:450,CPI2:810,ポーリングレート:1000Hz,明るさ:最大,点灯モード:ゆっくり

 もっとも,標準のプロファイルはカスタマイズ可能で,左下ペインの「新規プロファイル」から,プロファイルを追加することもできる。「Default Profiles」はあくまで参考程度と捉えるのが正解だろう。

SteelSeries
「統計」タブ。どのボタンをどの頻度で使っているか調べられるが,恒例のコメントになるのを断ってから続けると,利用する必要性が感じられない
SteelSeries
タスクバーのアイコンからは「SteelSeries Settings Dialog」を開ける。ここからOS起動時の常駐設定や言語設定を変更可能だ


Sensei RawとSensei,Diablo III Mouseを分解

中身はほとんどDiablo III Mouseと同じ


 外観,スペック,機能面と見てきたが,中身はどうだろうか。今回もドライバーを片手に分解し,内部をチェックしてみたいと思う。
 なお,今回は上位モデルたるSenseiと,スペックが似ているDiablo III Mouseも一緒に分解する。まずは,ソールを剥がすと姿を見せるネジを外し,カバーを外した状態で並べてみた。それが下の写真だ。Senseiは液晶パネルを搭載する関係からかケーブルが目立つのに対し,Sensei RawとDiablo III Mouseはすっきりしている。というか,Sensei RawとDiablo III Mouseは,基板の色が異なるだけでほとんど何も変わらない印象である。

ひとまずカバーを外したところ。レーザーセンサーとUSBコントローラの配置はSensei RawとSenseiで基本的に同じだ。ただ,それよりむしろSensei RawとDiablo III Mouseの類似性のほうが目を引く
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 そこで,メイン基板に寄ってみたのが下の写真だ。基板上にプリントされている型番らしき文字列が,Sensei Rawだと「ML30B-10-1」,Diablo III Mouseだと「ML30A-10-2」と,非常に似通っているのが分かる。ちなみにSenseiは「M1112082」だった。

メイン基板のクローズアップ。底面カバーが半透明になっているのを除けば,Sensei RawとDiablo III Mouseはやはりよく似ている。Senseiの基板にだけSteelSeriesロゴがあることからすると,Senseiだけカスタム基板で,Sensei RawとDiablo III Mouseは汎用基板ではないかと妄想もできるが,さすがにそこまでは断言できない
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 以上を踏まえつつ,以下,写真メインでチェックしてみたい。

Sensei Raw,Sensei,Diablo III Mouseとも,「A9500」という刻印のあるレーザーセンサーを搭載していた。刻印の二行目は順に「B1203TC」「B1051TC」「B1135TC」といった具合に異なるが,この数字は製造週を示しているのではなかろうか(※たとえばSensei Rawなら12年第3週)。Avago Technologies製の「ADNS-9500」を共通して採用すると述べていいように思われる
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32bitプロセッサの搭載がウリとなるSenseiはSTMicroelectronics製の多機能コントローラ「STM32F103C8」を採用していた。Sensei RawとDiablo III MouseはFreescale Semiconductor製の8bit USBコントローラ「MC9S08JM16」を採用する
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左右メインボタンのスイッチがオムロン製なのは3製品で共通。センタークリック用のスイッチは,SenseiだとTTC製なのに対し,Sensei RawとDiablo III Mouseでは,社名刻印のない,珍しい形状のスイッチになっていた。序盤でSensei RawとDiablo III Mouseのセンタークリックスイッチが同じ可能性を指摘したが,やはり……というわけである
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上でメインボタンのスイッチは3製品で共通だと述べたが,型番も「D2FC-F-7N(10M)」で同じだった
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カバー裏でネジ留めされていた基板。左右サイドボタンとCPI切り替えボタンのスイッチが用意されているのだが,やはりここの設計もSensei RawとDiablo III Mouseがよく似ている。基板の型番も「ML30B-20」「ML30A-20-1」といった具合だ。Senseiは,CPI切り替えボタンのスイッチがTTCである点も含め,明らかに設計が異なる
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型番不明のTTC製スイッチをサイドボタン用に採用するのは3製品で共通。見る限り,同じスイッチのようだ
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レーザーセンサーのレンズユニット部。基板から取り外せない点も含め,3製品の間にこれといった違いはない
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※注意
 マウスの分解はメーカー保証外の行為です。分解した時点でメーカー保証は受けられなくなりますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。分解によって何か問題が発生したとしても,メーカー各社や販売代理店,販売店はもちろん,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。また,今回の分解結果は筆者が入手した個体についてのものであり,「すべての個体で共通であり,今後も変更はない」と保証するものではありません。

分解してもSensei RawとDiablo III Mouseの間にある3gという重量差の理由は分からなかった。ひょっとするとカバーの表面加工や底板の素材によるのかもしれない
SteelSeries
 ここまで見てくると,1つの推測が浮かび上がってくる。そう,Sensei Rawというマウスは,たしかに形状とスペック,機能の面でSenseiの廉価版なのだが,それ以上に「BlizzardとコラボしていないDiablo III Mouse」なのではないかという推測だ。形状とレーザーセンサー,USBコントローラまで同じなのだから,(3gという重量差がどこから生まれているのかは分解しても分からず,その点はすっきりしないものの)ほとんどDiablo III Mouseと呼んでいいのではなかろうかと思う。


マウスパッド15製品でテスト

SenseiやDiablo III Mouseとの違いは出るか


 ここまで仕様が近いと,先に掲載したDiablo III Mouseのレビューと同じテスト結果になるのではないかと思われるが,やはりここでも念のため,マウスパッドとの相性チェックを行っておきたい。
 テスト環境とテスト時のマウス設定は順に下記のとおりだ。

●テスト環境
  • CPU:Core i7-860/2.8GHz
  • マザーボード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-P55A-UD4(BIOS F15)
    ※マウスはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結
  • メインメモリ:PC3-1333 DDR3 SDRAM 4GB×2
  • グラフィックスカード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GV-N560OC-1GI(GeForce GTX 560 Ti,グラフィックスメモリ容量1GB)
  • ストレージ:Western Digital Caviar Green(WD10EADS,容量1TB,Serial ATA 3Gbps)
  • サウンド:オンボード
  • OS:64bit版Windows7 Ultimate+SP1

●テスト時のマウス設定
  • ファームウェアバージョン:未公開
  • Engineバージョン:2.4.1600
  • CPI設定:90〜5670CPI(※主にデフォルトの1620CPIを利用)
  • レポートレート設定:1000Hz
  • Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
  • Windows側マウス設定「ポインターの精度を高める」:無効

SteelSeries製マウスでおなじみとなっている,丸みを帯びたマウスソールをSensei Rawも搭載。いわゆるテフロン加工済みで,耐久性は高い
SteelSeries
 テストは湿度の高い時期に行っているため,布系のマウスパッドは湿度の影響を受けている可能性がある。その点はご了承のほどを。
 なお,リフトオフディスタンスは,メーカー公称の2mmをオーバーしないかどうかを確認すべく,厚さ1mmの1円玉を2枚重ねた状態でも反応するかしないかをチェックした。その結果は使用感をまとめたコメントの最後に○/×および枚数表記を【 】書きしてみたので,合わせてチェックしてもらえれば幸いだ。

●ARTISAN 隼XSOFT(布系)
 滑りがよく,快適に操作できる。【○2枚】

●ARTISAN 疾風SOFT(布系)
 ちょっとした抵抗を感じるが,操作は快適に行えた。【○2枚】

●ARTISAN 飛燕MID(布系)
 ザラついた感触があるものの,操作自体は快適。【○2枚】

●DHARMAPOINT DRTCPW35CS(布系)
 滑りがよく,操作も快適だ。【○2枚】

●DHARMAPOINT DRTCPW35RS(布系)
 抵抗感はあるが,滑りは良好で,急停止もさせやすい。【○2枚】

●Razer Goliathus Control Edition(布系)
 摩擦による抵抗を少し感じるが,滑り自体は総じて良好。操作もしやすい。【○2枚】

●Razer Goliathus Speed Edition(布系)
 かなり滑るが,急停止させやすく,操作に問題はない。【○2枚】

●Razer Ironclad(金属系)
 滑り自体は控えめながら,操作はしやすい。【○2枚】

●Razer Scarab(プラスチック系)
 プラスチックと擦れる感触はある。ただ,操作は行いやすい。【○2枚】

●Razer Sphex(プラスチック系)
 少しの抵抗を感じるものの,操作自体は良好だ。【○2枚】

●Razer Vespula(プラスチック系,両面)
 両面ともに滑りはよく,快適に操作できる。【○2枚】

●SteelSeries 9HD(プラスチック系)
 ザラザラとした抵抗感は少しあるが,快適に操作できた。【○2枚】

●SteelSeries QcK(布系)
 滑りがよく,快適に操作可能。【○2枚】

●ZOWIE G-TF Speed Version(布系)
 滑りがよく,操作も快適に行える。【○2枚】

●ZOWIE Swift(プラスチック系)
 擦れる感触こそあるが,操作に悪影響はない。快適だ。【○2枚】

 以上,定評あるADNS-9500系ということで,大きな破綻はない。もっといえば,SenseiやDiablo III Mouseとも大差はない印象だ。
 なお,Sensei Rawで直線補正の有効/無効は切り替えられないが,試してみた限り,直線補正は多少なりとも有効になっているようだった。

Windows標準の「ペイント」を使って線を引いてみたところ。筆者の体感だと,直線補正は有効だ。実際の線も,ドット単位で見ると乱れ気味なのだが,もう少し引いてみると補正されている印象のものになっている
SteelSeries SteelSeries


「Senseiの下位モデル」という扱いがいいのかはさておき,完成度は上々。扱いやすいマウスだ


 テストしていて気になったのは,Sensei RawのCPIが90刻みであること。たとえば普段600CPIでプレイしているゲームがあったとして,それをSensei Rawで設定しようと思ったら540CPIか630CPIを選択し,ゲーム側で微調整しなければならないのだ。

Avago Technologiesの日本語製品情報ページより。ADNS-9500は90CPI刻みであると記載されている。最大5040CPIともあるので,それ以上はSteelSeries向けの拡張がなされているということだろう
 もっともこれは実のところ,ADNS-9500というセンサーの仕様によるものだったりもする。むしろ,センサー側の仕様をそのまま刻みとして採用している分,キリのいい数字に補正(?)しているDiablo III Mouseよりも精度は高いといえるだろう。
 ただ,多くのゲーマー向けマウスが100CPIや200CPI刻みの設定を採用しており,ゲーマー側がそれに慣れてしまっている現実もあったりするので,Sensei Raw用に頭と操作感を切り替えるのには慣れが必要かもしれない。

 また,これをSenseiの廉価版と位置づけていいのかという疑問は,どうしても残る。Senseiというマウスにおける最大のアピールポイントであるカスタマイズ性がほぼ完全に奪われたことによって“Diablo III Mouseの派生品”になってしまっているわけで,Sensei Rawという製品名は,名が体を表していない感がどうしても拭えない。1刻みのCPI設定など,内面的なSenseiらしさがもう少し残っていればよかったのだが。

製品ボックス
SteelSeries
 ただ,SenseiとDiablo III Mouseの存在を抜きにすれば,ゲーマー向けマウスとして,上々の完成度にあるといえるのも確かだ。本社直販サイトでの価格が59.99ユーロ(約5830円)であることを考えると,7200〜8000円程度という実勢価格はやや高すぎるきらいがあるものの(※価格はいずれも2012年8月13日現在),Senseiはもちろん,Diablo III Mouseよりも国内価格は低いので,クセの少ないレーザーセンサー搭載モデルを探しているのであれば選択肢となるだろう。

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SteelSeries Sensei[Raw]製品情報ページ

  • 関連タイトル:

    SteelSeries

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