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Core 2
  • Intel
  • 発表日:2006/07/27
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印刷2008/02/04 14:00

テストレポート

ゲーマー向けデュアルGPU&SLIソリューション「Skulltrail」の可能性を探る

Core 2 Extreme QX9775(のエンジニアリングサンプル)
Core 2
 「Intel純正チップセットでSLIを使いたい」――GeForceシリーズを搭載したグラフィックスカードを使っているユーザーならば一度はそう思ったことがあるのではないだろうか。そんな希望に応える存在として,Intelの新しいプラットフォーム「Skulltrail」(スカルトレイル,開発コードネーム)が2008年第1四半期中に登場する。4Gamerでは,正式発表に先立って,Skulltrailプラットフォームを構成するキーパーツ,「Core 2 Extreme QX9775/3.20GHz」(以下,C2E QX9775)とマザーボード「Intel D5400XS Extreme Desktop Board」(以下,D5400XS),そしてPC2-6400 DDR2 SDRAM FB-DIMMを入手したので,Skulltrailプラットフォームの可能性を論じてみたいと思う。

D5400XS。ノースブリッジに取り付けられたアルミ製ヒートシンクを挟んで配されるCPUソケット&電源部×2に,FB-DIMMスロット×4,PCI Express x16スロット×4と,サウスブリッジ部の巨大なチップクーラーが目を引く
Core 2


Xeon対応チップセット+nForce 100で

SLIサポートを実現


C2E QX9775(左)と,“C2E QX9775のシングルCPU版”となる「Core 2 Extreme QX9770/3.20GHz」(右)を並べてみる。キャパシタのデザインは比較的似ているが,切り欠きは異なり,CPUソケットの互換性はない
Core 2
 Skulltrailは「Skulltrail Dual-Processor Desktop Platform」,つまり“(総数8コアの)デュアルCPU搭載デスクトップPC用プラットフォーム”と位置づけられる。一方で,デュアルCPUをサポートできるデスクトップPC向けチップセットはIntelのラインナップに存在しないため,Skulltrail用マザーボードとなるD5400XSではサーバー&ワークステーション向けCPUである「Xeon」(ジーオン)用のチップセット「Intel 5400」を採用。そのためC2E QX9775は,動作クロック3.20GHz,L2キャッシュメモリ容量6MB×2のクアッドコアCPUという基本的な仕様こそ「Core 2 Extreme QX9770/3.20GHz」(以下C2E QX9770)と同じながら,CPUパッケージとしてLGA771を採用している。LGA771パッケージのCPUがCore 2の名を冠したのは,C2E QX9775が初めての例だ。なお当然のことながら,D5400XSはLGA771パッケージを採用する既存のXeonに対応する一方,デスクトップPC用CPUとして標準的なLGA775パッケージのCPU(※Core 2 Duo/Quadなど)は非対応となる。

倍率ロックフリー版TDP 150WのCPUをサポートすることもあり,1CPU当たり8ピンの電源供給が必要となる
Core 2
 なお,C2E QX9775とC2E QX9770の大きな違いとしては,CPUパッケージのほかにTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)がある。C2E QX9770は136Wとかなり高かったが,C2E QX9775は150Wで,輪を掛けて高い。Xeon用マザーボードの場合,LGA775用クーラーと互換性のないCPUクーラーのマウントホールが(巨大な,もしくはシステムベンダー独自仕様のクーラーを筐体に直接取り付けられるよう)設けられているのに対し,D5400XSのマウントホールはLGA775用クーラーと互換性がある。これは,エンドユーザーが冷却能力の高いクーラーを自由に選べるようにという配慮のためだろう。

LGA775用CPUクーラーを取り付けられるD5400XS(左)。Zalman Tech製の「CNPS9500 LED」が2個付属していた(右)
Core 2 Core 2

 対応メモリはPC2-6400までのDDR2 SDRAM FB-DIMMで,4スロットで最大4ch接続をサポート。これまた,一般的なデスクトップPC向けメモリモジュールであるDDR2 SDRAM DIMMは利用できないので注意が必要だ。乱暴にまとめると,「Intel 5400という,サーバー&ワークステーション向けチップセットを採用し,対応CPUも対応メモリもデスクトップPCとはまったく異なるD5400XSに,Core 2の名を被せた倍率ロックフリー版Xeonを組み合わせたもの」が,Skulltrailだったりする。

評価機にはMicron製のPC2-6400 DDR2 SDRAM FB-DIMM 2GB×2が付属していた。メモリスロットは,FB-DIMMの発熱量に対応すべく,間隔が空いている
Core 2 Core 2

nForce 100。試用した個体では「BR03-N-03」の刻印を確認できた
Core 2
 しかし,特筆すべきは何といっても,NVIDIA SLI(以下,SLI)をサポートする点だろう。Skulltrailでは,NVIDIA製のPCI Express 1.1 x16ブリッジチップ「nForce 100」を搭載することで最新のSLI動作条件を“合法的に”満たし,SLI動作へ公式に対応するのだ。SLIが動作する仕組みについては2007年9月27日の記事が詳しいのでぜひ参照してほしいが,D5400XSで採用されるPCI Express 2.0 x16×2を,搭載する2基のnForce 100が(16レーンずつ)PCI Express 1.1 x16×2に分割することで,2系統のSLI構成が実現可能になっている。3-way SLI対応チップセットとなる「nForce 780i SLI」との違いは表1にまとめたが,SLI対応マザーボードとして見たとき,最大のポイントは,PCI Expressの接続仕様だということになる。

※2008年2月4日現在。将来的に3-way SLIがサポートされるという情報もある

SLI構成の例。CPU側から見て近いほうの1本めと2本めに2スロット仕様のカードを差すと,付属のリボンケーブルがかなり余る
Core 2
 ところで,2系統のSLI構成が実現可能と述べたが,D5400XSでは,ノースブリッジから伸びる2系統のPCI Express 2.0それぞれにnForce 100がつながり,その先にPCI Express 1.1 x16スロットが4系統用意されるのだが,CPU側から見て近いほうから1,2本めと,3,4本めがそれぞれペアになっている。筆者が試した限り,4本の組み合わせに制約はなく,どの組み合わせでもSLIが動作したことをお知らせしておきたい。実際,付属のSLIブリッジ用リボンケーブルは長く,2スロット仕様のカードでSLI構成を採る場合,間のスロットを空けられるように配慮されている。

nForce 100×2と,サウスブリッジ「Intel 6321ESB2」は,一つのチップクーラーで冷却されるのだが,これがかなりうるさい。「『A8N-SLI Deluxe』初期バージョンのサウスブリッジに載っていたクーラーくらい」といえば,その衝撃が伝わるだろうか?
Core 2 Core 2

 一方,現時点で3-way SLI(やQuad SLI)はサポートされていないようで,入手した評価機にも3-way SLI用ブリッジコネクタは付属していなかった。試しに別途用意したブリッジコネクタを使って3枚差しを試みたが認識されなかったので,少なくとも2月4日時点で3-way SLIは動作しないという判断でよさそうだ。


nForce 780i SLIと比較

電源をかなり選ぶ(?)Skulltrail


Striker II Formula
オリジナル基板のゲーマー向けnForce 780i SLIマザー
メーカー:ASUSTeK Computer問い合わせ先:ユニティ(販売代理店) news@unitycorp.co.jp
実勢価格:4万6000円前後(2008年2月4日現在)
Core 2
 今回用意したテスト環境は表2のとおり。比較対象としては,先ほどその名が出たnForce 780i SLIを搭載するマザーボードから,ASUSTeK Computer製の「Striker II Formula」を用意している。このとき,nForce 780i SLIシステムのほうは,4Gamerの“いつもの”テスト構成に近づけるべく,メインメモリ容量が2GBとなる。Skulltrailシステムは4GBなので,単純に容量だけならSkulltrailが有利だが,そのとおりの結果になるかをチェックしようというわけだ。ほかの構成はCPUのコア数以外,ほぼ同じ。「GeForce 8800 GTX」を搭載するエルザジャパン製の「ELSA GLADIAC 988 GTX 768MB」はPCI Express 1.1接続なので,接続リンクの違いもないはずである。


ELSA GLADIAC 988 GTX 768MB
リファレンスデザインのハイエンドカード
メーカー&問い合わせ先:エルザジャパン 03-5765-7615
実勢価格:8万5000円前後(2008年2月4日現在)
Core 2
 利用したグラフィックスドライバはForceWare 169.21。2008年2月4日時点のWindows XP用公式最新版ドライバだが,Skulltrailシステムで何の問題もなくSLIを有効化できた。なお,先ほど述べたようにSkulltrailシステムでは好きな組み合わせでSLI構成を実現できるが,今回は帯域幅をフルに活用し,かつ効率よく冷却するため,CPU側から見て1本めと3本めのスロットにカードを差している。
 テスト内容は4Gamerのベンチマークレギュレーション5.1に準じるが,現時点でSLIの効果がないと確認できている「RACE 07: Official WTCC Game」のテストは省略する。また,8コアシステムを利用したときにベンチマークスコアが向上することが分かっている「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」(以下,ロストプラネット)は,今回のテスト環境でテストが完走しなかったため,こちらの結果も割愛する。

 ロストプラネットが完走しなかった理由については,正式発表前のBIOSやドライバの可能性があるが,CPU負荷の高い同タイトルが完走しなかったこと,そして,同じくCPU負荷が高いほかのゲームタイトルでも,かなりの割合でテストが中断し,やり直しを余儀なくされたことを考えるに,電源周りに原因を求めることもできそうだ。
 Intelは,Skulltrailのテストに当たって容量1000W以上の電源ユニットを推奨(※2CPU+2GPU+メインメモリ4GB時。2CPU+4GPU+メインメモリ8GB時は1400W以上推奨)しており,スペック面では今回の電源ユニットで条件をクリアしている。しかし関係者によれば,「CPUに12Vを1系統割り当てるだけで済ませている電源ユニットでは,CPU負荷が高い局面でコケる」とのことで,このあたりが問題になった可能性を指摘できよう。Skulltrailシステムの発売までに,対応電源ユニットなどの詳細が明らかになることが望まれるところだ。

 なお以下本文およびグラフ中で,Striker II Formulaは「nF780i」と表記する。


SLIのメリットは明らかだが

FB-DIMMが最大の壁に


 というわけで,肝心のテスト結果に移ろう。グラフ1,2は「3DMark06 Build 1.1.0」(以下,3DMark06)の総合スコア(3DMarks)をまとめたものだ。3DMark06はマルチスレッドに対応しているうえ,総合スコアにCPUベンチマーク結果も加味されるため,8コア環境のSkulltrailが高いスコアを叩き出している。とくに1024×768ドットの「標準設定」において,nF780i+SLIで出した値を,Skulltrailシステムがシングルカード構成のまま出している点は注目に値するだろう。


 解像度1280×1024ドットの標準設定という,3DMark06のデフォルト設定時における3DMarksの詳細スコアをまとめたのがグラフ3だ。CPU ScoreでSkulltrailがnF780iを大きく上回るのは当然として,むしろここではSLI構成時のスコアに注目したい。というのも,SM2.0 ScoreとHDR/SM3.0 Scoreともに,SLI構成時にはnF780iがSkulltrailを上回っているからだ。


 この結果はもちろん,nF780iのほうがSLI環境としての最適化が進んでいるというのも一因だろうが,それ以上に影響していると思われるのが,Coreマイクロアーキテクチャがデビューしたタイミングで掲載した「Xeon 5160/3GHz」のレビュー記事においても目立った,FB-DIMMのパフォーマンスの低さである。

 そこで,レギュレーション5.1からはいったん離れて,システム情報表示&総合ベンチマークスイート「Sandra XI」(Sandra 2008.1.12.34)の「Memory Bandwidth」と「Memory Latency」をシングルカード構成でチェックしてみる。すると,同じPC2-6400のデュアルチャネル動作でありながら,FB-DIMMのメモリバス帯域幅は一般的なUnbuffered DIMMの6割強に留まり,レイテンシも大きい(グラフ4,5)。Xeon 5160レビュー時の繰り返しになるが,Skulltrailにおいても,このFB-DIMMが最大のネックになるだろう。


 それを踏まえて,実際のゲームにおけるパフォーマンスをチェックしてみる。まずはFPS「Crysis」のGPUスコア(Benchmark_GPU)だが,高負荷時のSLIスコアで若干nF780i有利となるが,ほぼ同じといっていいだろう。8コアシステムであることのメリットも,FB-DIMMを採用することのデメリットも,ここではあまり出ていない。


 同じくCrysisから,グラフ8,9はCPUスコア(Benchmark_CPU)をまとめたものだが,基本的な傾向はGPUスコアと同じ。ただし,描画負荷の低い状態では,8コアのメリットをかいま見ることもできる。


 続いてもFPS「Unreal Tournament 3」(以下,UT3)だが,ここではSkulltrailシステムがnF780iに有意な差を見せる例がある。シングルカード構成では,1024×768ドットだけ,SLI構成時は1920×1200ドットまで安定して,Skulltrailのスコアが上位だ(グラフ10)。
 UT3では大別して二つのスレッドが実行されていること,また,描画負荷が軽く,GeForce 8800 GTXの768MBというグラフィックスメモリ容量で足りると想像できることからして,シングルカード構成の1280×1024〜1920×1200ドットでスコアが変わらないのは理解できるだけに,1024×768ドットでだけスコアが高い理由は少し悩むところだ。だが,Crysisと同じように,描画負荷が低く,グラフィックス性能が十分に足りている状態では,8コアで(例えばマルチコアに最適化されているグラフィックスドライバなどの)“何か”が効率よく処理されるのかもしれない。そう考えると,CPUコア数が増えることでSLI構成時のスコアが伸びるのも納得できる。


 一方で,CrysisのGPUスコア以上にSkulltrailでパフォーマンスが上がらないのが,「Half-Life 2: Episode Two」(以下,HL2EP2)である。結果はグラフ11,12のとおり。シングルカード構成でもSLI構成でも,(メインメモリ容量の多い)SkulltrailのベンチマークスコアはnF780iのそれを下回っており,FB-DIMMという足枷(あしかせ)の存在を見て取れる。


 RTS「Company of Heroes」のスコアもHL2EP2と同様だ(グラフ13,14)。標準設定のSLI構成時には250fpsを超えており,最早まったく体感できる違いではないのだが,それでもほとんどの場面でnF780iのスコアのほうが高い事実を見逃すわけにはいかないだろう。


 最後に,システム全体の消費電力をワットチェッカーにより測定したものがグラフ15である。ここではOS起動後30分間放置した時点を「アイドル時」,MP3エンコードソフトベースのCPUベンチマークソフト「午後べんち」と3DMark06を30分間同時実行し,その間で最も高い値を示した時点を「高負荷時」とする。なお,45nmプロセス版XeonベースとなるC2E QX9775は,省電力機能「DBS」(Demand Based Switching。Enhanced Intel SpeedStep Technologyのサーバー/ワークステーションCPU向け拡張版)をサポートするはずなのだが,今回のテスト構成ではD5400XSのBIOSに設定項目が用意されていなかったため,省電力機能は無効化して測定している。

 さて,グラフを見てみると,Skulltrailのスコアはさすがに高いと思うかもしれないが,実はこの値,何度やり直しても測定中にシステムがフリーズしてしまうため,やむなくフリーズ時のスコアを取得したもの。実際にはもう少し高い消費電力になるはずだ。いずれにせよ,Skulltrailは電源周りの要求がかなりシビアな可能性が高そうで,「とりあえず推奨容量を超えていれば大丈夫」というわけには行かない気配である。



現時点ではゲーマーにとって時期尚早

Nehalem世代のブラッシュアップに期待


Core 2
D5400XSの裏面
Core 2
I/Oインタフェース一覧。PS/2は廃されている
Core 2
オーバークロック対応ということで,ボード上に電源&リセットボタンを用意。POSTコードを表示する7セグメントLEDも搭載する
 C2E QX9775の価格は1399ドルとなると予想される。正式発表時の為替レートにもよるだろうが,2個買い揃えるとCPUだけで30万円を超えることだけは間違いない。さらに,こちらはまったくの想像になるが,最大限安価に見積もっても5〜6万円はすると思われるD5400XS,そしてFB-DIMMにグラフィックスカード。相性を考えると,電源ユニットも買い換えになるのは必至であり,ざっと50万円は下らないだろう。それでいて3Dゲームのパフォーマンスは,多くの局面でnF780iとあまり変わらないか,むしろFB-DIMMのせいで下がってしまうのである。
 マルチスレッドに最適化された,ロスト プラネットのCPUベンチマーク「Cave」のスコアが取得できていれば,もう少し印象は変わったかもしれないが,それでも「ゲーマーが大枚をはたいてSkulltrailシステムを構築しても,ほとんどの場合,CPUパフォーマンスを持て余すことになる」という結論は覆りそうにない。その意味でSkulltrailは,ゲーマーのためのウルトラハイエンドデュアルCPUシステムなのではなく,「ハイエンドのデュアルCPUシステム」ありき,そのうえで3Dパフォーマンスに妥協したくないという(一般PCメディアがターゲットとするような)人向けの存在だ。当てはまる人は確実にいるはずで,その層からは一定の支持を集めるのではなかろうか。

 Nehalem世代のSkulltrail後継システムでは,CPUがメモリコントローラを内蔵し,さらにFB-DIMMの採用が中止される見込み。そのころにマルチスレッド対応タイトルの数が増えていれば,状況は変わってくるだろう。Intel純正プラットフォームが公式にSLIをサポートした記念碑としてSkulltrailを捉えつつ,ゲーマーとしては次世代に期待したい。
  • 関連タイトル:

    Core 2

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