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Windows 7向けバグ修正が主な「Catalyst 11.7」。性能面での最適化が図られた「Catalyst 11.8 Preview」も同時公開に
両リリースの対応製品は下に示したが,Hotfix版ドライバ「Catalyst 11.6a Hotfix」で実現していた「AMD A-Series」のサポートが,Catalyst 11.7で正式になされた点は注目に値しよう。
- デスクトップPC向けRadeon HD 6000〜2000シリーズ
- ノートPC向けRadeon HD 6900M・6800・6300MおよびATI Mobility Radeon HD 5000〜2000シリーズ
- Fusion APU A・E&Cシリーズ
- 「AMD 740G」を除くAMD 7〜8世代のデスクトップPC向けチップセット
- 「ATI PowerXpress」対応のノートPC用チップセット
ダウンロード先は下記のとおり。Catalystはコンポーネントが多岐にわたっていて,「Catalyst Control Center」(もしくは「VISION Engine Control Center」,以下CCC)を日本語で使いたいと思った場合には,少々面倒な手順が必要になる。どれを入手したらいいか悩んだ場合は,4Gamerの最新ドライバページを参照してもらえればと思う。
また,「Catalyst Mobility」(もしくは「Catalyst Mobile」)と呼ばれるノートPC向けドライバに関しては,いくつか制限事項があり,それらは本稿の最後にまとめてあるので,合わせてチェックしてもらえれば幸いだ。
なお,英語版のみがの公開となるCatalyst 11.8 Previewは,その名のとおり,64bit版Windows 7専用とされているので,この点はご注意を。
→32bit版Windows 7&Vista用Catalyst 11.7
→64bit版Windows 7&Vista用Catalyst 11.7
→Windows XP用Catalyst 11.7
→32bit版Windows 7&Vista用Catalyst Mobility 11.7
→64bit版Windows 7&Vista用Catalyst Mobility 11.7
→4Gamer最新ドライバリンクページ
→64bit版Windows 7用Catalyst 11.8 Preview
「Display Driver」のバージョンは,Catalyst 11.7が8.872,Catalyst 11.8 Previewが8.88.3。「.」の位置が微妙に異なるのは気になるものの,後者を8.883と見るなら,「Catalyst 11.6」の同8.861からは順に0.011,0.022の引き上げとなる。
で,何が変わっているかだが,英文リリースノートを見る限り,Catalyst 11.7のアップデート内容は,Windows 7環境に向けたバグフィックスがそのすべてである。
……と書くと小粒な印象を受ける人がいるかもしれない。だが,AMDが長らく格闘してきた「マウスカーソル周りの異常」に終結宣言がなされていたり,Catalyst 11.6で問題が発生し,「Catalyst 11.6b Hotfix」で取り急ぎの対処がなされてきた「HDMI&DisplayPort接続時のBSoD問題」に正式対処が行われたり,ビデオ再生周りの広範なバグフィックスが行われたりと,なかなか重要なバグフィックスになっている。
修正内容の日本語訳を試みているので,例によって興味のある人は下に示した箇条書きをチェックしてほしいが,対応製品をWindows 7環境で使っているなら,自己責任でアップデートする価値があると述べていいのではなかろうか。
一方のCatalyst 11.8 Previewだが,こちらは打って変わって,新要素と性能面の最適化が打ち出されたものとなった。Catalyst 11.7の修正内容に続けて,こちらも下に箇条書きを用意したが,64bit版Windows 7を使っていて,かつ,気になる項目があるなら,試してみてもいいように思われる。
ただし,プレビュー版ドライバは「現状渡しの無保証版」と位置づけられているので,その点は覚悟が必要だ。少しでも不安があるなら,正式版のCatalyst 11.8が公開されるのを待つべきだろう。
●Catalyst 11.7で解決した問題(Windows 7)
- マウスカーソルの動きが遅れることに関するすべての問題
- Catalyst 11.6を導入したシステムとディスプレイとをHDMIもしくはDisplayPort経由で接続するとBSoD(Blue Screen of Death)が発生する問題
- ビデオを再生しているときに,イベントID「62464」という「問題点」がシステムログに記録される問題(※ということだと思われる。原文は「Log event (Event ID 62464) issues when playing video content have been resolved」)
- 「PowerDVD 10」の「High Performance」モードでBlu-ray Discの再生を行うと,ディスプレイに何も表示されなくなったり,システムがハングしたりする問題
- 「WinDVD」でDivX形式のビデオを再生すると,一部で画面表示がおかしくなる問題
- 「AVIVO Video Quality」の設定内容がFlash形式のビデオを再生するときに適用されない問題(※「AVIVO Video Quality」は,CCCの「Video Settings」のことではないかと思われるが詳細は不明。原文は「AVIVO Video Quality settings are now correctly applied to Flash Video Content.」)
- 家庭用ビデオカメラで撮影したビデオを「WinDVD 10」で再生するときに「AMD Steady Video」が機能しない問題
- デスクトップテーマを変更すると画面表示がおかしくなることのある問題
- CrossFireX構成を行ったシステムでEyefinityマルチディスプレイ出力を行うと,チェッカーボード状の表示異常が間欠的に発生する問題
- さまざまなディスプレイ構成によるEyefinityマルチディスプレイ接続時に,「Total War: Shogun 2」のデモシークエンスが正常に描画されない問題
- ハードウェアアクセラレーションを有効化すると,「VLC media player」(Version 1.1.9)でビデオが正常に再生されない問題
- 「Hamilton's Great Adventure」のプレイ時,CrossFireXが正常に機能しない問題
- 「Windows Media Player」もしくは「Windows Media Center」から720p解像度のDivX形式ビデオを再生し,早送りすると,ビデオの表示がおかしくなる問題
- 「PowerDVD」で3D Blu-ray形式の立体視ビデオを正常に扱えない問題
- 「Portal 2」で,シェーダの詳細設定を「Medium」もしくは「Low」に設定すると,水の表面がちらついて見える問題
- 「Windows Media Player」からDivX形式のビデオを再生するときに,「AMD Steady Video」の手ブレ補正機能が機能しない問題(※ということだと思われる。原文は「Image stabilization now functions correctly when playing Divx content using Windows Media Player.」)
- 3Dアプリケーションを終了させた後,間欠的に画面表示が広い範囲でおかしくなる問題(※ということだと思われるが,「wraparound」の訳にはちょっと自信がない。原文は「Wraparound corruption is no longer displayed intermittently after exiting a 3D application.」)
●Catalyst 11.7で解決した問題(Windows Vista&XP)
- リリースノートに記載なし
●Catalyst 11.8 Previewの新要素
- DisplayPort接続のSamsung製ディスプレイ「Samsung 750」「Samsung 950」におけるAMD HD3Dのサポート
●Catalyst 11.8 Previewにおけるパフォーマンス向上
- Radeon HD 6000およびATI Radeon HD 5000シリーズ搭載環境において,「Crysis 2」のDirectX 11モードをアンチエイリアシング無効で実行したとき最大10%
- Radeon HD 6000およびATI Radeon HD 5000シリーズ搭載環境において,「F.E.A.R.3」のDirectX 11モードをアンチエイリアシング有効で実行したとき最大8%
- Radeon HD 6000およびATI Radeon HD 5000シリーズ搭載環境において,Morphological Anti-Aliasing(MLAA)を適用したとき最大30%
●ノートPC向けCatalyst 11.7の制限事項
- 本バージョンのリリース後に発表されたノートPCは非対応
- Intel製チップセットを搭載し,Switchable Graphicsを採用したノートPCは非対応
- 東芝製ノートPC,ソニー製「VAIO」シリーズのノートPC,パナソニック製ノートPCは非対応(※従来同様,ドライバはPCメーカーから提供される)
- 関連タイトル:
AMD Software
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