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「ATI Catalyst 9.2」公開。大型アップデート以降のバグ潰しは継続中
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「Display Driver」のバージョンは「8.582」。「ATI Catalyst 9.1」の同「8.573」からは0.009の引き上げとなるが,そんな2009年2月版ATI Catalystのポイントは,特定のタイトルにおけるパフォーマンスの向上と,ATI Catalyst Control Center(以下,CCC)やATI CrossFireX(以下,CrossFireX),ビデオ再生周りを中心に,大規模アップデートとなった「ATI Catalyst 8.12」以降のバグ潰しが進んでいる点だ。
以下,リリースノートの和訳を試みたので,興味のある人は参考にしてもらえれば幸いだ。
●Catalyst 9.2におけるパフォーマンス向上(Windows XP/Vista)
- DirectX 10版「Crysis」で最大20%
- DirectX 10版「Crysis Warhead」で最大20%
- 「World in Conflict」で最大5%
●Catalyst 9.2で解決した問題(Windows XP)
- コピープロテクションのかかったDVD-Videoタイトルの再生時にデスクトップを「Extended mode」に切り替えると,システムが不安定になる問題
- CrossFireX構成時に,CrossFireXを有効化した状態でビデオの再生を行っていると,「CrossFire option」(※詳細不明。CrossFire関連項目全般か?)をオン/オフできない問題
- OpenGL 3.0のコンテキストを生成し,そのバージョンを取得しようとすると,ドライバが応答しなくなる問題(※と思われる。原文は「Creating any type of an OpenGL 3.0 context (normal or forward compatible) and then requesting the version string no longer causes the driver to stop responding」)
- オーバーレイシアターモードで「Stretched desktop」を有効にした状態で,メディアプレイヤーソフトを拡張デスクトップ側に移動させると,画面表示がおかしくなったり,システムが不安定になったりする問題
- 「WinDVD 9」を利用してBlu-ray Discベースのビデオを再生すると,CPU負荷が高くなり,かつビデオ再生速度にムラが生じる問題
- CCCにあるコンポーネントビデオのピクセルフォーマット設定が,システムを再起動すると保持されない問題
●Catalyst 9.2で解決した問題(Windows Vista)
- DirectX 10アプリケーションに対し,CCCから異方性フィルタリングの設定を行えない問題
- CCCが「The Catalyst Control Center is not supported by the driver version.」(CCCはこのドライババージョンでサポートされていない)「Catalyst Control Center, Display Manager correctly shows connected monitor maximum refresh rates.」(CCCのディスプレイマネージャはディスプレイの最大リフレッシュレートを正しく表示している)というメッセージを表示する問題
- CCCにあるコンポーネントビデオのピクセルフォーマット設定が,システムを再起動すると保持されない問題
- ATI Radeon HD 3200搭載環境をSamsung Electronics製液晶パネル採用のディスプレイと接続すると,ディスプレイの上段左側の表示が若干おかしくなる問題
- 「Call of Duty 4」で,ゲーム内オプションから「Soften Smoke Edges」を有効にすると,画面表示が断続的におかしくなる問題
- ATI Radeon HD 3870 X2とATI Radeon HD 3870のマルチディスプレイ環境において,特殊な方法を用いてグラフィックスドライバを再インストールすると,OSが“落ちる”問題(※「特殊な方法」は「INF Method」とされているが詳細不明)
- 拡張デスクトップに移動させると(※原文は「when moving to the extended desktop」。おそらく目的語は「再生中のメディアプレイヤーソフトを」),Blu-rayビデオの再生が若干ちらつくことのある問題
- CCCの「Crossfire Overdrive」から,GPUおよびメモリクロックをデフォルト値から変更すると,「Test Custom Clocks」テストで失敗する問題
- いくつか特定のCrossFireX構成において,「DOOM 3」をアンチエイリアシング有効でプレイすると,ゲームをスタートできないことがある問題(※と思われる。原文は「With Anti-Alias enabled Doom3 no longer intermittently fails to start on some Crossfire systems」)
- 「Enemy Territory: Quake Wars」で,メニュー画面にある地球の表示がおかしくなる問題
- メインメモリを8GB以上搭載したシステムのいくつかで,ディスプレイドライバがロードされない問題
- いくつかのHDMI接続ディスプレイがCCCからDVI接続と認識される問題
- 高ビットレートのAVCHD形式ビデオを再生すると,白黒表示される問題
- 「Power DVD_Cinema」(※「PowerCinema」のことだと思われる)で,ハードウェアアクセラレーション機能を無効化にしつつBlu-rayタイトルを再生すると,描画されない問題
- クローズドキャプションを有効化してH.264形式ビデオを再生すると,描画されない問題
- コンポーネントビデオ接続あるいはコンポジットビデオ接続を利用した拡張デスクトップ環境でオーバーレイシアターモードを利用できない問題
- 「PowerDVD」でいくつか「Blu-ray DVD」タイトル(※「Blu-ray DVD」は原文ママ。Blu-rayタイトルなのか,Blu-rayとDVDのタイトルなのかは分からない)の「Special Features」を再生すると,プレイヤーウインドウの下段が断続的に震える問題
- 特定のBlu-rayタイトル再生時に早送りを行うと,画面が震える問題
- ATI Radeon HD 4800シリーズのATI CrossFireX構成時に,ATI Catalyst 8.12をインストールすると,システムが断続的に不安定となる問題
- 「WinDVD」ですべてのハードウェアアクセラレーション機能を有効化すると,DVD-Video再生時にティアリングが生じる問題
- OpenGL 3.0のコンテキストを生成し,そのバージョンを取得しようとすると,ドライバが応答しなくなる問題(※と思われる。原文は「Creating any type of an OpenGL 3.0 context (normal or forward compatible) and then requesting the version string no longer causes the driver to stop responding」)
- CrossFireX構成時に「auto-tune」(※原文ママ。「AMD Fusion for Gaming」の「ATI Catalyst Auto-Tune」を指すものと思われる)を実行すると,OSが不安定になる問題
ゲーマー的に注目したいのは,Windows Vista環境でドライバから異方性フィルタリングを適用できるようになったこと。また,2008年12月の大型アップデート以降懸案となっていた,大容量のメインメモリを搭載した環境,あるいはATI Radeon HD 4800シリーズのCrossFireX構成時の問題について,さらなる修正が加えられている点も興味深い。
先月末の月例アップデートでは対処しきれなかった問題へ,集中的に対応してきた,といったところだろうか。該当するGPUやチップセットを利用しているなら,自己責任で導入するだけの意義はあるバージョンだといえる。
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