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AMD,VISIONの意義と準拠製品の拡充をアピール
2009年の同時期と比べて,AMD製CPUを搭載したPCのラインナップは1.5倍に増えたとのこと |
宮本啓志氏(日本AMD 代表取締役社長) |
説明会で登壇した日本AMDの宮本啓志代表取締役社長は,「『PCを使って何をしたいか』という質問に対し,PCメーカーはこれまで,スペックやステッカーを示してきたが,これでは回答になっていない」と挨拶。「プロセッサやスペックについて語るのはやめて,用途について語る」ことが,VISIONの役割であると,あらためて説明する。
ちなみにVISIONでは,想定されるユーザーのカテゴリごとに,下記のとおり,合計5個のロゴバッジが展開されている。「対象」「用途」はAMDの示したスライド,2010年6月時点における「要件」は日本AMDの公開しているVISION公式Webサイトから引用した。
VISION(もしくはVISION Basic)
- 対象:カジュアルユーザー
- 用途:メール,Webブラウジング,DVD-Videoやオンラインビデオの鑑賞
- 対象:デジタル中級者
- 用途:Blu-rayビデオ鑑賞,HDビデオのトランスコード,画像編集
- 要件:Athlon II X3またはPhenom II X2+ATI Radeon HD 4200,あるいはAthlon II X2+ATI Radeon HD 5450
- 対象:コンテンツクリエイター
- 用途:HDビデオや音楽の制作&編集,高度な画像編集,3Dゲーム
- 要件:Phenom II X4+ATI Radeon HD 5570
- 対象:エンスージアスト
- 用途:ハイエンドゲーム,大容量の画像やデータの処理,メガタスク
- 要件:Phenom II Black Edition+ATI Radeon HD 5750
- 対象:ビジネス(※詳細未公開)
一見,納得といった雰囲気なのだが,課題があるとすると,VISIONで規定される「できること」の境界線がよく分からないことだろう。
林 淳二氏(日本AMD マーケティング本部長)。「VISIONの4カテゴリは,GPUとCPU,チップセットの要件によって区分されており,PCメーカーにはその詳細が開示されている」と説明していた |
Fusion APUの概要。宮本氏は「2011年初頭に登場する」と予告していた |
CPUとGPUとを統合した「APU」(Accelerated Processing Unit)たる「Fusion」(フュージョン,開発コードネーム)が2011年初頭にも登場する予定であるなど,世界市場では波に乗っているAMD。それだけに,日本市場でも,VISIONブランドの定着に向け,早急に次の一手が繰り出されることに期待したい。
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