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「真・女神転生IMAGINE」ディレクターの岸 知秀氏と鈴木大司教がさまざまなテーマで語り合ったトークイベントのレポートを掲載
トークのテーマはプレイヤーから事前に寄せられた質問や意見を,岸氏と鈴木氏がピックアップし,それに答えるというもの。イベントからは少し時間が空いてしまったが,そのトークイベントのレポートをお伝えしよう。
最初の質問は,「ゲーム全体の難度」と「レベルキャップについて」の2つがピックアップされた。岸氏は,プレイヤーから「難しいコンテンツが増えた」「歯ごたえのある敵がいない」といった意見が同じくらい寄せられていると語り,今後,どう舵取りをするのがベストか考えているところだと述べた。
また,「中レベルぐらいの悪魔が足りないのでは?」という意見に岸氏は,直近で追加する悪魔についてはエピソードに絡めるため強い悪魔になってしまうが,今後は低レベル/中レベルの悪魔も追加していきたいと話していた。
またレベルに関しては,プレイヤーからレベルキャップ開放についての問い合わせがよくあるという話題が出た。
岸氏自身はレベルキャップを開放したいという考えはあるそうだが,仮に実行したとして,「真・女神転生」ではレベル100以上で開放される悪魔がいないという問題が出てくると話す。そのため,レベルキャップを青天井でどんどん上げていくという計画ではなく,別の成長軸を足していくことを考えているそうだ。
血鶴の詩は「自分で書いていて意味が分かっていない」?
「Chain of Curse」に関する話題や合体事故の話題も
まず,「血鶴の詩の意味が分からない」という質問に対して鈴木氏は,「実は血鶴も自分で書いてて意味を分かっていないんです」と回答。
鈴木氏は,ヨハネの黙示録やエノク書を引き合いに出し,「神が預言者に対しビジョンを見せ,それを預言書として書かせる」と語り,血鶴の詩もそれらに似たようなものであると説明。血鶴はビジョンを見てイメージを受け取り,そこから詩を書いているため,書いている本人が意味を分かっていないのだと説明した。
なお,血鶴については「Chain of Curse」序章の最後のほうで大きな展開があるそうで,鈴木氏は「彼女の詩はステータスによって変化していくというところに注目してほしい」とも話していた。
「Chain of Curse」の実装が遅れていることについての話題では,鈴木氏が謝罪するとともに,その理由について岸氏から説明がなされた。
岸氏は,「物語に使われるイケブクロ東地区と華梟城という舞台を先に入れたかったことと,メインエピソードの完結を目指している」というのがその理由で,エピソード完結後は,「Chain of Curse」に全力を注ぎたいと考えているそうだ。なお,2月22日には「Chain of Curse」のサブクエストという形で,イケブクロで話が展開される予定とのこと(関連記事)。
関連して,「『IMAGINE』はMMORPGなのに,シナリオがシングル向けとしか思えない」という質問が取り上げられた。岸氏はこれについて,「イケブクロ編では,お友達と一緒に戦えるようなイベントを含めたものを実装する予定です」と回答している。
ゲームシステムに関連する話題では,「プチデモ」に関する質問が取り上げられた。
鈴木氏によると「プチデモは悪魔の一部を移植して,その能力を引き継ぐというものになる」とのこと。シナリオにも出てきて,プレイヤーが能力を身につけるという描写もあるそうだ。
岸氏はプチデモ実装前からあった「ガルムイヤー」「ネコマタのしっぽ」などの装備品と,いかに魅力的な区別をつけるかで悩んでいるそうだが,プチデモをシステムとしても使いたいと思っているそうだ。「装備品みたいに付けて終わりとはならず,いろいろな効果を発揮できれば」と,その構想について少しだけ触れていた。
鈴木氏は「事故で生まれた悪魔が,内面的にすごいポテンシャルを持っていたとして,次に何かをやると“すごいことになる”って要素があればいいよね」とコメント。また,「真・女神転生」の制作時を振り返り,当時は「合体事故が起きたらお客さんが怒るんじゃないか?」と開発者同士での議論があったと振り返っていた。
「仲間の育成幅が増えているが,魔力と力に特化しているので,速さと回復にも力を入れてほしい」という要望が取り上げられた。岸氏は,「速さの影響を受けるスキルはすでにあるが,魔力や力のスキルほど恩恵を受けていないのは要望でいただいたとおり。個人的に遊んでいても悪魔のショットは若干使いにくいと思っているので改善していきたい」と発言した。
ゲーム内のインフレやデフレ対策はどうなっている?
4周年に向けて,開発体制の見直しも
また,マッカの消費方法についての話題も出た。岸氏は,カジノで遊ぶのに必要なクロイツをマッカで購入し,消費させるという対策を取っていると語ったが,実際のところカジノでは,コインの払い出しのほうがかなり多くなるようなバランスになるよう,意図的に調整しているのだという。
開発体制に関しての話題も出たが,これについて岸氏は,「4周年を迎えるにあたり,体制作りからあらためて変えていきたいと思っています。制作環境も見直して,皆さんにしっかりとしたサービスを提供していきたいです」「新しいものを入れていくだけでなく,過去に実装したものを改修していけるような組織作りをしていきます」とまとめた。
今後,「IMAGINE」ではさまざまなフィールドが登場する予定で,岸氏によると,現在は「巣鴨プリズン」「ラグズショップ」を実装する準備を着々と進めているところだという。
巣鴨プリズンは「Chain of Curse」の舞台として用意されており,開発チームの中では,ここにダンジョンを入れようという話も出ているそうだ。岸氏は,プレイヤーからの意見を反映させられるかもしれないので,実装してほしいことがあれば問い合わせてほしいと語っていた。
なお岸氏は,「先にイケブクロを実装したので,こちらを活用しようと思っている」とのこと。ほかにも,魔階カグラザカ朱雀洞や魔階シナガワ神殿騎士廟など「銅プレート」しか存在しない場所に関しては,銀や金のプレートを出してほしいという意見が寄せられており,早めに対応したいとコメントしていた。
クランルームの実装,狩場への対策,プレイヤー離れ対策……現状の問題や今後の展開についての提案も
そのほか,今回のトークショーでは,ゲーム内容に関する歯に衣を着せない要望や不満も多く取り上げられた。
「クランルームを実装してほしい」という要望について,岸氏は「ずっと意見をいただいているし,内容としてもいいものになりそうなので,やりたいと思っています」と前向きなコメント。
鈴木氏が「自分の部屋があってレイアウトを決めたり倉庫を共有できれば便利だよね。みんなで集まってチャットもできるだろうし,なるべく早くやったほうがいいと思う」と述べると,岸氏は「メンバーが使うだけではなく,外部の人に『うちのクランはこういう風になっているよ』って紹介するのに使えますね」と,かなり乗り気と思えるコメントをしていた。
「チャンネル統合以降,ユーザー離れが加速していたり,狩場が増えないことに不満を感じています」という意見について,岸氏は「実際に狩場は減ったと思います」と認める。
この件について「大僧正や新月天使などは,戦うための場所取りが難しくなっていることは,スタッフ一同痛感しておりますので,場所やほかの狩場の追加を考えています」とコメント。MOダンジョンだけでなく,MMOダンジョンなど,狩場と呼ばれる場所を増やすことは前向きに考えていきたいと述べていた。
また,狩場の減少について鈴木氏から,知らない人同士でも気軽にパーティを組んで遊べる「その場で仲間システム」を提案されると,岸氏は「パーティの申請がもっと気軽にできればいいのかなとは考えています」と,今後の対策について匂わせる発言をしていた。
ディアスポラの過疎問題に関して,岸氏は「現在予定からは外れている」と,修正の優先度は低いことを明らかにした。ゲームとして面白い部分はあるそうだが,30人集めるのが難しいため,今後は二つのパーティが集まれば遊べるようにしたり,中の煩雑な部分を簡単な形に修正したりといった対策を検討している段階であるそうだ。
トークショーの終盤には,来場者から直接質問を受け付けるコーナーが設けられた。ここで出た「オリジナルの悪魔の実装はしないのか?」という質問に対して,岸氏は「やりたいとも思っているが,本来ある世界観を壊したくないので,慎重にならざるを得ない」と回答した。
そして鈴木氏と岸氏から締めの挨拶が述べられ,トークショーは終了となった。
今回のトークショーでは,岸氏と鈴木氏が,プレイヤーから寄せられた質問や要望についてしっかりと耳を傾け,率直に答えていたという印象であった。イベント中に話題に出た問題点への対策などについては,制作スケジュール上すぐに取り組めるとは限らないだろうが,この場で出た発言が,絵に描いた餅にならぬよう,早期の改善実現を期待したい。
4周年に向けて,エピソードの完結や「Chain of Curse」の再始動が進むだけでなく,さらには開発・運営体制の見直しも行われるとの話も出たことから,今後ゲーム内の環境がより良くなっていき,さらなる盛り上がりに期待したいところだ。
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