連載 : 「女神転生IMAGINE」 悪魔が来たりて「コンゴトモヨロシク」


「女神転生IMAGINE」 悪魔が来たりて「コンゴトモヨロシク」

最終回:イチガヤでもやっぱり死にまくり?

 

1か月半にわたりお送りしてきた本連載も今回で最終回。これまでは死んでばかりだったが,有終の美を飾ることができるのか?

 みなさん,こんにちは。先日,新宿で警官からまたもや「ちょっといいかな?」と職務質問を受けたmidiです。「警官に職務質問を受けた」という報告を1か月に二度もすることになろうとは(※連載第2回参照)。新宿,怖い! 七賢者は,筆者のような外道属性の人間は守ってくれないようです。やっぱりチーマー(死語)みたいなカッコしてるのが問題なんだろうか。心はエンジェルなんだけどなぁ。

 

 それはさておき。1か月半にわたって続けてきた本連載も,今回が最終回となる。正式サービスで追加されたエピソードと,イチガヤフィールド,課金アイテムの効能などについて書いていこう。

 

 

物語が本格的に動き出すAct.3

 

 筆者は,新しく実装されたAct.3に挑戦しようと思いつつも,3人パーティで挑戦する,という条件を満たせずにいた。パーティメンバーが集まらず,ふてくされて魔階セルタワーでレベル上げをしていたところに,4Gamerの担当編集から電話が。
 「midiさん,今日のアップデートで,Act.3が一人でも遊べるようになりましたよ」。ナニーっ! あわてて公式サイトのアップデート情報欄を見てみると,確かにそう書いてあった。
 早速Act.3を体験するため,第三ホームのスネークマンの元へと急いだ。ソロプレイ可能になって,バランスも一人向けに調整されたか確認するため,もちろん(?)一人で挑戦だ。
 Act.3のクエストは,「シンジュクドックから運ばれてくる物資が無事に第三ホームへ届くようフォローせよ」という内容。依頼文を文章で書くとなんてことはない簡単な仕事っぽいが,これが実はとんでもないものだった。

 

 まずは,スギナミ北部にある山小屋(山羊屋があるところ)へ行って守衛と会話。ここで,近くにいるケットシー20匹と荒ぶるケットシー1匹を倒せとの指令が下される。筆者のプレイヤーキャラはレベル19だったので,ここは楽勝。サクサクッとケットシー達を規定数狩って,再び守衛に話しかけた。

 

エピソードはAct.1,Act.2と同じく,スネークマンとの会話から始まる スギナミの山小屋を守る守衛から,周辺にいるケットシー達を倒してほしいとの依頼 山小屋近辺にはケットシーが大量に出現。一か所に留まって狩ってもいいだろう

 

続いて,シキガミとイヌガミを倒してほしいとの依頼。イ,イヌガミ……。あわわわ。しかし,なんとか撃破!

 すると今度は,その先にある峠でイヌガミを10匹,シキガミを1匹倒してきてほしいと言ってくる。ここで筆者はちょこっとブルーな気分になった。イヌガミ,嫌いなんである。
 キャラのレベルがまだ低い頃,スギナミからナカノへ向かおうとする筆者に立ちふさがった,イヌガミの大群。ただ通過したいだけなのに,親の敵とばかりに襲いかかってきて,筆者のキャラと仲魔を何度も死の淵へと追いやった(実際何度も倒された),憎々しいワンコロ達。
 あの頃とは違いレベルが上がっているとはいえ,それでも筆者の頭にはイヌガミ=怖い存在,という図式が刷り込まれていたのだ。そのイヌガミを10匹も倒さなければならないなんて。
 しかし,倒さないとAct.3の物語は進まない。仲魔と共にしぶしぶイヌガミが棲息する峠へと向かう。するとそこには,待ち受けていたかのようにイヌガミの群れがたむろしていた。……なんかオープンβテストのときより数が増えてない?
 またもや親の敵とばかりに襲いかかってくるイヌガミ達。応戦する筆者のキャラと仲魔。戦いはまさに死闘,こちらも半死状態に何度も追い込まれたが,何とかイヌガミ10匹を倒した。「ナンボのもんじゃーい!」と亀田興毅よろしく勝利の雄叫びを上げる筆者。その勢いに乗っかって,ついでにシキガミも倒した。というか,イヌガミに比べたらシキガミのほうが弱く感じられたのは気のせいだろうか。

 

 意気揚々と山小屋まで戻って再び守衛に話しかける。ここでクエスト内容が「第三ホームに戻って搬入口の守衛へ話しかける」というものにチェンジ。急いで第三ホームへ戻ると,搬入口の奥へと進めるようになり,ここでデモムービーが発生。その詳細は実際にプレイして確認してほしいが,筆者も「おお,物語がついに動き出した!」と心躍る。
 ……が,浮かれていたのはここまで。直後に,ターラカと大量のシキガミが襲来し,ボス戦へと突入したのだ。シキガミは先の戦闘で倒したとはいえ,あのときはたった一匹。それがワラワラと現れしかもそこに怒り狂った顔を持つターラカが出てきたもんだから,もう大慌て。しかし逃げ回っていてはらちが空かないので,果敢にターラカに挑んだのだが……。見事に瞬殺だった。最終回でも瞬殺。自分で言うのもなんだが,見事な即死っぷりだった。

 

第三ホーム北東にいる搬入口管理者に話しかけると,中に入れるようになる 「引き返せない気がするがどうする?」と聞かれて引き返すようでは男がすたる。いざ突入!

 

ボス部屋に入ると,デモムービーが始まる。「おー,アズラが出た出た」と思ったのもつかの間,そこにターラカとシキガミが襲いかかってくる! シキガミの大量発生とターラカの強襲に対して,必死の抵抗。が,あっという間に仲魔のアークエンジェルがダウン。プレイヤーキャラの残り体力も1しかないし

 

 そりゃそうだ,もともと3人パーティでのプレイを必須としていたクエストなんである。それを一人で挑むとどうなるか。答えは簡単,生半可なレベルじゃ死んでしまうのだ。
 というわけで,身をもって経験した筆者の意見としては,Act.3のクエストはぜひお友達を見つけて二人かそれ以上のパーティでプレイしてほしい。命を大切にしたいなら,それ以外の選択肢はないだろう。

 

 

課金アイテムを実際に使用,気になるその効果は?

 

 正式サービス後に導入された課金アイテムの数々,読者の皆さんは利用しているだろうか。今回,筆者が実際に課金アイテムをいくつか購入し,その効果のほどを探ってみた。

 

 その前に,基本知識のおさらいをしておこう。本ゲーム中には,マッカとCPという二つの通貨の概念が存在している。マッカは戦闘で手に入る,いわゆるゲーム内通貨。もう一つのCPは,リアルマネーをチャージしてアイテムを購入するための通貨だ。CP購入の手続きは,ゲーム中ではなく公式サイトで行う。
 公式サイトでCPのチャージが完了したら,それがゲーム中のステータスにも反映される。ゲームプレイをしながら公式サイトでCP購入の手続きを行っても,リアルタイムでゲームに反映されるため,いちいちログアウトする必要はない。CPがゲーム中でチャージされていることを確認したら,いよいよ店舗にて課金アイテムの購入だ。

 

CPは公式サイトからチャージできる。WebMoneyかクレジットカードを用意しよう 購入したアイテムは,システムメニューから選択できるポストに預けられる。使用する場合は,ポストからアイテムリストへ移動しておこう

 

 課金アイテムは大きく分けて二つに分類される。一つは,プレイヤーの見た目を変更する装備アイテム。もう一つは,冒険を楽にする便利系アイテムだ。
 装備アイテムは,マッカで購入できるアイテムと同じかそれ以上のステータスが割り振られているが,自己主張のためのアイテムという意味合いのほうが強い。ゲーム中で自分のオリジナルティを出したい人向けの,オシャレアイテムといったところだ。アイテムの説明文もしゃれっ気たっぷりとなっているので,購入するかどうかは別として,いったん目を通してみてほしい。
 個人的に気になっているのは,見た目が某iP○dにそっくりの「Shaka-F100」というアクセサリ。まだ購入には踏み切っていないが,筆者自身が外出時に首にかけているデジタルオーディオプレイヤーそっくりなので,ついつい買ってしまいそうである。

 

 装備系アイテムに対し,冒険を楽にするアイテムのほうはかなり実用的。一定時間パーティの最大HPを増加させるものや,使用することで対象悪魔を攻一発で仲魔にできるものなど,ユーザーにとって「あると便利」なものがラインナップにズラリと並んでいる。

 

移動速度が1.5倍になる疾駆の玉を使い,移動してみる。プレイヤーと仲魔のステータスウインドウの下に,ブーツのアイコンが表示されている。これが表示されている間は,移動速度がアップしていることになる

 

 さて,ではいよいよ課金アイテムを使った感想について書いていこう。今回は便利系アイテムに絞って購入,使用してみた。購入したのは,自分と仲魔の移動速度が60分間1.5倍になる「疾駆の玉」,そして味方一体の経験値獲得量を120分間2倍にする「経験の香」の二つ。
 こちらの購入を新宿バベルで行い,そこからシブヤの魔階セルタワーに向かった。まずは,新宿バベルからシブヤのダンジョン入口へ向かうため,疾駆の玉を使用。移動速度が1.5倍になるとのことだが,体感速度としては数値以上に感じられた。かなり快適である。
 続いての経験の香だが,こちらは魔階セルタワーに入ったところで使用。アイテムを使わない通常時よりも,サクサクと経験値が上がっていくのがかなり実感できた。というか,その上がり具合のすごさに「こんなに違うの!?」と驚いたほど。2時間限定で経験値が2倍になる効果が40CP,日本円に換算すると400円。1時間で考えると,200円。筆者個人としては「ゲームセンターでゲームを4回遊ぶことを考えれば,まぁ妥当な金額かな」と感じられた。
 ただ,これを高いと考えるか,安いと考えるかはプレイヤー次第だろう。プレイ効率が格段に上がるのは確実なので,興味を持った人は購入を検討してみてはいかがだろうか。

 

経験の香を使えば,シブヤの魔階セルタワーにいるコッパテングで1200もの経験値が手に入る。どんなザコ敵でもおいしい経験値稼ぎキャラへと早変わり

 

 

イチガヤから旧イチガヤ駐屯地へ,それは地獄への旅路

 

「GROUND ZERO」の文字が岩に書かれており,爆心地であることを示す

 今度はイチガヤの紹介へと移ろう。これまで本連載で紹介してきたフィールドは,瓦礫と化しつつも人工物の痕跡が残っていたが,このイチガヤは人の作ったものが何も残されていない。
 というのも,東京を廃墟へと変えた,トール神によるICBM攻撃の爆心地がイチガヤなのである。フィールドの中央は火山のようになっており,草木の一本も生えていない。また,あちこちに溶岩が流れ出す地点があり,核攻撃の強烈さを印象づける,そんな場所だ。
 登場する敵もかなり厄介かつ強いものが揃っているので,低レベルキャラが足を踏み入れると危険なこと間違いなし。シブヤの魔階セルタワーなどで十分にレベルを上げてから臨んだほうがいいだろう。

 

イチガヤのフィールドに人工物の影はない。あるのは黒い岩肌と,赤く流れ落ちる溶岩,そして敵の影だけだ イチガヤフィールドは,敵悪魔のレベルは高いが,特殊攻撃をしてくる敵は少ない。経験値稼ぎに適した場所である

 

 また,このイチガヤには「旧イチガヤ駐屯地」なるプライベートダンジョンが存在する。こちらはこれまで紹介してきた,スギナミ魔階坑道(銅),シブヤの魔階セルタワー(銅),そしてシンジュクドックとはケタ違いの難度となる。
 ちなみに筆者は,レベル18,レベル20の二人パーティで挑戦したが,それでもツラかった。何がツラいのかというと,ダンジョンに登場するキリンがやたらと強いんである。
 射撃や魔法による攻撃がほぼ無効化され,しかも放っておくと体力を回復する。そんなキリンが各部屋に3〜5体,しかもアクティブで登場するんだから,レベル20に満たないガンナーでは正直しんどい。
 だが,そんなことでくじけていては,ゲームライターの名がすたる。おまんまの食い上げである。倒されては復活,倒されては復活を繰り返し,なんとかB1Fを踏破した。
 階下に移動したら,聞き慣れた音楽が。あれ,これってボス部屋じゃない? 途中でエレベータがあったけど,B3F〜B5Fだったから,そっちの深層部にボスがいると思っていたのに。
 とりあえず,ボス部屋の前にいる「研究所の見張り」に話しかけると,「修正ファイル」を当てるか聞いてきた。……どうやらこれ,魔階セルタワーの魔除け祈願システムみたいに,特定の敵悪魔を出現させないためのものらしい。キリンの相手をするのもいやだったし,とりあえず,ものは試しと玉砕覚悟で乗り込んでいったら……本当に玉砕した。もう笑うしかないくらい強かった。

 

旧イチガヤ駐屯地への入口は,フィールドの南西にある。入口自体が小さいので,見落とさないように 旧イチガヤ駐屯地の内部は,グレーで統一された,施設っぽいダンジョンとなっている 駐屯地内部には,宝箱が出現するスイッチやエレベーターなど,近代的な仕掛けも備え付けられている

 

旧イチガヤ駐屯地内で最もプレイヤーを苦しめる存在,キリン。黄色いボディと青のたてがみが特徴的な憎いヤツだ 3種類の修正ファイルを,ボス部屋の扉の前に立つ女性に渡せば,渡した分だけザコ敵の数が減る ボスはキクリヒメ。可愛い見た目に反して,えげつない攻撃をしてくる

 

 旧イチガヤ駐屯地には,銀プレートも存在するが,こちらはさらに高レベル向けで,パーティを組んでいることが必須条件となる。結局,レベルがある程度上がるまで旧イチガヤ駐屯地に足を踏み入れないでおこうと誓うに至った。もうしばらくは,魔階セルタワーが筆者の主戦場となりそうである。

 

 さて,最終回となった今回の記事はいかがだっただろうか。少しでも読者の皆さんのプレイの指針になったり,心の励みになったのなら幸いなのだが。そういえば先日,本連載の第3回を読み,エンジェルのエロさに魅了されて本作を遊び始めたというプレイヤーを見つけた。もうなんというか,こちらの思うツボ……いやいや,嬉しい限りである。
 それはさておき。今回は連載の最終回,せっかくなので話をちょっと真面目な方向へシフトさせよう。筆者はこの連載記事を書くにあたり,2か月近く本作品に触れてきたが,この原稿を書き終えた段階で思ったのが,本作が「非常に強い可能性を感じるMMORPG」だということだ。
 正直,まだまだ粗はある。「ここをブラッシュアップすれば,もっと良くなるのになぁ」と思う箇所だって山ほどある。だがそれは逆にいうと,根幹のシステムがしっかりしているからこそ,細かいところが目に付くのだ。
 ということで,筆者はこの連載が終わっても,しばらく本作品で遊んでいようかと思う。記事作成という前提だったので,一般プレイヤーとパーティを組んでプレイする機会はなかなか持てなかったが,これからはパーティに積極的に参加してみたい。あと,ターラカも仲魔にしたいし。
 最後に,本連載を読んでくれたすべての読者に感謝。そして,あなたと悪魔が紡ぐこれからの冒険が,楽しく充実したものであるよう祈りつつ,筆を置きたいと思う。

 

 

 

イヌガミ(魔獣):レベル18/Neutral
二身合体で出現
オープンβテスト中は,スギナミからナカノに移動する峠に大量出現し,筆者を絶望のどん底に突き落としていたが,味方になれば心強い仲魔として大活躍。攻撃命令を出したあと発動までタイムラグがあるのは難点だが,そこさえうまくフォローできれば,一発一発の攻撃の重さが生きてくる。ともあれ,ワンコロ可愛い。わふわふっ。

 

 

 

 

■■midi(ライター)■■
制作集団phonioのリーダーで,子持ちのフリーライター兼脚本家。氏が仕事に使っているPCは,4年前はハイエンドだったものの今やミドル以下のスペック。女神転生IMAGINEをプレイして,PCの買い換えを真剣に考え始めたとのこと。財源を確保するのに四苦八苦しているようですが,ガンプラとか衝動買いするのをやめれば,すぐに買えると思いますよ。きっと。
タイトル 女神転生IMAGINE
開発元 ケイブ(アトラスと共同開発) 発売元 ケイブ
発売日 2007/04/04 価格 N/A
 
動作環境 OS:Windows XP,CPU:Pentium 4/2.0GHz以上[3.0GHz以上推奨],メインメモリ:512MB以上[1GB以上推奨],グラフィックスチップ:GeForce FX 5800もしくはRadeon 9800以上[GeForce 7800もしくはRadeon X1800以上推奨],グラフィックスメモリ:128MB以上HDD空き容量:2GB以上,サウンドカード:DirectX 8.1互換の製品,通信環境:xDSL以上

(C)ATLUS
(C)CAVE


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http://www.4gamer.net/weekly/megatenonline/006/megatenonline_006.shtml