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印刷2011/06/29 00:00

インタビュー

ジブリは決して続編を作らない有名ゲームスタジオのようなもの――スタジオジブリに入社したドワンゴの川上量生氏が見た,国内最高峰のコンテンツ制作の現場とは

勘違いこそが成功の源


4Gamer:
 話は変わるんですけど,スタジオジブリに入る前,川上さんは普段どういったお仕事をされていたんですか。

川上氏:
 いや,正直なところロクに働いてないんですよ。僕は,ドワンゴ社内の決済ルートには入ってないので,ほとんどの決定事項は,僕の知らないところで決まるわけですよ。人事とかも全然見ないから,社員の給与も知らないし,入社式みたいな儀式にも出ません。

4Gamer:
 前々からずっと疑問だったのは,川上さんの考え方というのが,ニコニコ動画やドワンゴにどのくらい浸透しているのだろうって部分なんです。

川上氏:
 んー,あまり共有されていないですね。会社ではそんなに喋りませんし。

4Gamer:
 でも,ニコニコ動画の立ち上げ時には,企画会議などに頻繁に参加されていたんですよね?

川上氏:
 僕には主義があって,それは「新しいことをやる時は,人に説明しない」ということなんです。なぜかと言うと,新しいチャレンジをやる時というのは,必要な人が知っていれば十分で,それ以外の人は邪魔なだけだからです。

4Gamer:
 ふむふむ。

川上氏:
 もちろん,僕が「一緒にやりたいな」と思う人には説明をするんですけど,そもそもほとんどの社員は「関わりたくない」って考えているもんなんですよ。新しいことは,即ち危険なことでもありますからね。そして,関わりたくないと思っている人に向かって説明することほど空しいことはないわけですよ。理解する気が最初からないのですから。そんなのはまったくの無駄ですよね。

4Gamer:
 なるほど。

川上氏:
 だから,僕が新しいことをやるときは,人に説明をしないですし,会社のリソースもほとんど使いません。着メロサイトを作ったときも,ドワンゴの社員は一人も使わなかった。企画当初のニコニコ動画にしたって,実質的にドワンゴの人間が関わっていたのは,ほんの数名ですよね。

4Gamer:
 ニコニコ動画は,会社のメインプロジェクトではないところから始まったんですね。

川上氏:
 そうですよ。逆に新事業は,そうじゃないと失敗します。会社にいる人たちを絡ませたら,大抵すぐにサボタージュが始まるし,逃げるし,理解しない。そういう人達に説明するのも面倒くさいんですよね。

4Gamer:
 誰の言葉かは忘れましたけど,新しいことするときは,「10人のうち,1人か2人が分かるくらいがちょうど良い」みたいな話を聞いたことがあるんですけど,それに近い話でしょうか。

川上氏:
 ああ,確実にそうですよ。

4Gamer:
 議題にあげて,一人も理解者がいない状態だとプロジェクトが進まないんだけど,逆に5人以上が「いいですね!」と言うような企画は,それはそれで時代遅れ。だから,1〜2人が頷くくらいのタイミングがベストなんだと。

川上氏:
 それは本当にそうで,やっぱり僕がサラリーマンだった時代から含めて,本当に大ヒットする企画というのは,必ずキックオフのミーティングで“みんなが押し黙っちゃう”んですよね(笑)。「あ,これはとんでもないプロジェクトに巻き込まれてしまった」「早く逃げなきゃ」みたいな顔を,みんながするんですよ(笑)。

4Gamer:
 (笑)。

川上氏:
 「これは本当にひでえな」って思ったプロジェクトが,結果としては大成功してる。着メロサイトもそうですし,ニコニコ動画もそうですよ。こんなの関わったら大変なことになる,絶対失敗するよね,みたいな空気の中で始まったプロジェクトなんです。

4Gamer:
 そんな中でも,中核メンバーだけは「これは面白いんじゃないか」と考えているわけですよね?

川上氏:
 はい。中核メンバーだけは「イケル!」と思っています。でも,周りの人はドン引きみたいな(笑)。みんなが「これいけるんじゃないですか」って言っているのは,もう遅いんですよ。いまさらなんです。
 最近で言えば,「ニコファーレ」なんかは,みんながドン引きしているプロジェクトですよね。だから逆に可能性があるんじゃないですか(笑)。いや,知らないけど。

4Gamer:
 誰も理解しない中で,「これはイケる!」と考える人達っていうのは,どういう人間なんでしょうか。人としてのタイプというか特徴というか。そういうものって何かありますか。

川上氏:
 ああ,その「これはイケる」と思っている人達が,果たして先が見えている人達なのか,という意味であれば,そういうワケでもありません。それは結果論で。むしろ最初にイケルと考える人達というのは,基本的に「勘違いしている人」なんですよ。

4Gamer:
 勘違い?

川上氏:
 たまたまそれが成功したから,勘違いが「先見の明」だってことになっているだけだと思うんですよ。だから,本当にそういう革新的な企画があって,それを理解できるスタッフっていうのは,原則として見つからないんだと思います。でも,ほとんどの人が去っていく中で,「面白そう」とか「これは成功しそう」って勘違いする人たちが出てくる。

4Gamer:
 でもまぁ,なんか分かる気がします。学生ベンチャーとかも,どちらかというとそういうものですよね。

川上氏:
 本当にそうですよ。そういうものだと思います。

4Gamer:
 ちなみに,ニコニコ動画の時に「勘違い」していた人はどの辺だったんですか?

川上氏:
 んー,こいちゃん(戀塚昭彦)とか,しんちゃん(鈴木慎之介)とかね。あそこらへんが最初の「勘違いスタッフ」じゃないですか(笑)。まぁ,しんちゃんが一番勘違いしてたかな。凄い一生懸命だったし。でも,こいちゃんは面白そうとは言ってたけど,途中まで疑ってたし,ひろゆきにしても,ここまで成功すると思ってなかったはず。そういう意味では,本当に勘違いしてた人って,そんなにいなかったと思います。

4Gamer:
 興味深い話ですよね。

川上氏:
 立ち上げ当初,ドワンゴのニコニコ動画のチームといったら,明らかに会社の中の最も底辺の,吹き溜まりみたいな集まりでした。こいちゃんとかも,会社に居づらい雰囲気だったもんね。どう見ても「会社の未来を背負っていく期待のチーム」ではなかったんですよ。

4Gamer:
 僕もサービスが始まってからしばらくは,なんだかよく分からないサービスだな,とずっと思っていましたし。

川上氏:
 僕らもよく分かってなかったですよ(笑)。僕らが本当の意味でイケる!と思ったのは,「粉雪」の動画(※)を見たときです。あれを見たときに,「このサービスは流行るな」と初めて確信を持てたんです。

※レミオロメンの楽曲「粉雪」を使った映像で,ニコニコ動画で最初に“弾幕”が発生した動画と言われる


Google的価値観で作られたゲーム産業


4Gamer:
 すいません。脱線ついでに,これも川上さんに聞いてみたかった話なんですが,川上さんはソーシャルゲームについてはどうお考えですか?

川上氏:
 あれは「Google的価値観で作られたゲーム産業」だと僕は見てますよ。

4Gamer:
 どういう意味ですか?

リリース後,一か月を待たずして,MAU(月間アクティブユーザー数)が4000万人を超えたZyngaの新作ソーシャルゲーム「Empires & Allies」
ジブリは決して続編を作らない有名ゲームスタジオのようなもの――スタジオジブリに入社したドワンゴの川上量生氏が見た,国内最高峰のコンテンツ制作の現場とは
川上氏:
 というのは,僕は,Googleが代表する「人間を機械化するロジック」を開発しようという流れが,今の“IT業界の本流”だと考えているんですよね。そしてその本流の波が,とうとうゲームの世界に来たというのが,現在のソーシャルゲームなんじゃないかと。

4Gamer:
 それは面白い視点ですね。

川上氏:
 だって,実際そうじゃないですか。ソーシャルゲームは全部係数で管理してますよね。ユーザーの行動を全部調べて,何をやったら一番儲かるかでゲームを作っている。

4Gamer:
 そう。面白い面白くないじゃないんですよね。

川上氏:
 うん。儲かる儲からないというのを,数値で計算してやっている世界。

4Gamer:
 川上さんの言う「Google的価値観」というのは,もう少し具体的に言うとどういうことですか?

川上氏:
 Google的価値観というのは,機械に出来ることは機械にやらせるという考え方のことですよ。人間のいない便利な社会を作るというのが,Googleの求めている一つの究極な形ですよね。

4Gamer:
 そういう意味か。

川上氏:
 そうではなくて,機械にでもできることなのかもしれないけど,人間にやらせよう,人間そのものを使おうというのが,ソーシャルネットワークやコミュニティの世界。例えば,mixiやFacebookなんかはそうで,レコメンドなどでの情報の価値判断の算出は「人」がベースになっているわけです。

4Gamer:
 確かにそうですね。

川上氏:
 だから,Google的価値観の対極はソーシャルってことになるんですけど,ただそちらの方向も,結局はいろんなユーザーの行動分析とかをしていく流れになっているわけで。ソーシャルという軸はあるんだけど,社会の趨勢は,やはり機械に管理されるという方向に向かっていると思うんですよ。

4Gamer:
 うーん,なるほど……。

川上氏:
 話がだいぶ脱線してしまうけど,僕がソーシャルゲームに関心を持っているのは,そういう係数を管理するのは,それはそれで大事だと思うんですけど,少なくとも今のままのロジックで突き進んでいくとしたら,ジャンル自体が消費され尽くしちゃうんじゃないかという予想があって。まぁそれは間違いなく実現しちゃうと思ってますが,であれば,それがどんな規模で起こるのかなっていうところなんですよ。

4Gamer:
 ソーシャルゲームについては,なんと言えば良いのだろう。その有効性は認めつつも,それと同時に危機感を覚える人は少なくないと思うんですよ。それは単に昔のゲームが良かっただとか,簡単過ぎてゲームとして面白くない,みたいな話ではなくて。ただ,その問題意識が具体的になんなのかを,明確な言葉にできる人がまだそうはいないだけで。

川上氏:
 んー,僕は同じようなやり方をしてた産業として,アーケードゲーム業界があると思うんですよ。あれもロケテストをやって,ロケーションの費用対効果を数値で管理していたわけじゃないですか。あと何台このゲームをこの場所に置けば,売り上げがいくらあがるかっていうのが計算できたんですよ。

4Gamer:
 ソーシャルゲームとアーケードゲームの類似性については,あまり意識したことがなかったです。

川上氏:
 ただ,アーケードゲームは,そのやり方をした結果として,ヒット作品があったら,皆が同じものを真似して,派生物を作り続けたわけじゃないですか。そして,ブームが終わるとジャンルそのものも沈没していった。
 ソーシャルゲームも似ていませんか? ロワイヤル型ゲームとか,そういうのがたくさん出てるわけでしょ。アーケードゲームのパターンとまったく一緒で,だとすると,2〜3年もすれば,ブームは急速に沈下してしまうと思いますよ。

4Gamer:
 ずっと同じ形のゲームが流行り続けることはないですよね。

川上氏:
 もちろん,今の主流が廃れていく時に,次の新しいヒット作品が出て来るんですが,そのパターンというのも限られている。
 例えばですが,ビデオゲームが下火になっていく中で,結果的にアーケードゲームを救ったのは,UFOキャッチャーやプリクラ,あるいはダンスダンスレボリューションとか,カード型ゲームだとか,そういうデバイスそのものが進化した作品じゃないですか。

4Gamer:
 そうですね。

川上氏:
 アーケードはデバイスを進化させることで,途中途中でリセットを掛けることができましたけど,スマートフォンやタブレットみたいな端末では,そういうデバイス方面での進化(描画性能的な意味ではない)はあまり見込めませんよね。だから,マンネリを打破するのって相当難しいハズなんですよ。

4Gamer:
 それを言うと,結局はゲーム機を作るみたいな話になりません?(笑)

川上氏:
 真面目な話,そういった閉塞感を打破する一つの選択肢が,デバイスそのものを作ってしまうことだとは思います。

4Gamer:
 ゲーム機というのは,性能そのものが軸なのではなくて,あくまでも遊び方の提案なんですよね。

川上氏:
 そうなんですよ。ゲーム機って,基本的なコンセプトは入力インタフェースだと思うんですよね。あれは入力インタフェースの設計を売り物にしているんですよ。みんな,CPUうんぬんかんぬんって言ったりするけれど,本当は違っていて。あくまで入力インタフェースを作っているんです。

4Gamer:
 僕は別に十字キーやアナログスティックがないと駄目だとは思わないんですけど,一方で,すべてのゲームがタッチスクリーンで遊べるわけじゃないと思うんです。だから,いきなりソーシャルゲームにすべて置き換わるというのは考えにくくて,まだしばらくは,ゲーム機との住み分けが続くだろうなとは感じています。

川上氏:
 ディー・エヌ・エーとかGREEは,自分達で携帯電話を作っちゃえばいいと思うんだけどね。お金持ってるんだから。海外進出するにも,そのほうが近道じゃないかな。



自分たちにしかできないことをやりたい


4Gamer:
 お話を聞いていて思ったんですけど,川上さんは,スタジオジブリに入ったことも含めて,何を目指して行動しているんですか?

川上氏:
 うん?(笑)。いや別に,明確なものはとくにないですよ。何か壮大な目的に向かって邁進しているみたいなことはまったくありません。

4Gamer:
 でも,僕も仕事柄,いろんな方にインタビューをさせていただくんですけど,川上さんほど面白い考え方をする人は思いつきません。川上さんがスタジオジブリで何を学び,その経験を活かして,次に何をするのか。僕はとても興味があるんです。

川上氏:
 結局はたまたまなんですけど,ドワンゴとかニコニコ動画が成功して,それが評価されたおかげで,いろんな体験が出来るのは結構面白いですよね。今回のジブリの件もそうですけども。

4Gamer:
 ほんと,楽しそうです。

川上氏:
 それにニコニコ動画は,偶然できたサービスじゃないですか。誰も予定しないところで登場した,日本のIT業界にとっては「こんなのができちゃったけどどうしよう」みたいなサービスだと思うんですよね。
 でもニコニコ動画自体は,世の中にいろいろな影響を与え得るサービスになっているし,まずはこの行く末を見届けたいなという気持ちはあります。とはいえ,今はジブリの方が断然面白いわけですけど(笑)。

4Gamer:
 ドワンゴでの仕事は面白くないんですか。

川上氏:
 一緒に仕事をして楽しいと思える人間が,いないとまでは言わないんだけど,ジブリの方が刺激があるのは確かですね。それにニコニコ動画はそういう風潮が出てしまってますけれど,成功するといろんな人が寄ってくるじゃないですか。そういう人たちというのは,僕が当初思っていたこととは違うことをやるわけで。そうなると,だんだんと自分の思い描くニコニコ動画とは別のものになっていってしまうわけですよ。

4Gamer:
 それが面白くない?

川上氏:
 僕は面倒だから,そのまま放置しますけどね。そういうのを見ていると,直したいと思うよりは,もういいやって感じになります。そして,僕は別のことをやろうと。

4Gamer:
 そこでまた「次へ」と思えるところも凄いと思いますけどね。

川上氏:
 んー。例えばですけど,僕がドワンゴで常々思っていることは,「競争相手が出てきたらやめたい」ってことなんですよ。だって競争相手が出てきたら,全部任せたら楽でいいじゃないですか。相手が全部やってくれるわけでしょう? その便利なサービスを使えばいいじゃないかって思ってしまう。
 だから今,少なくともニコニコ動画に関して言えば,これはもう,ドワンゴがやらなくなったら世の中から消えてしまうサービスなわけですよね。うちが手を引いたら,誰もやらないなってことをやっている。これはね,やってて面白いわけです。

4Gamer:
 競争相手が現れるということは,業界のやっていること自体が成熟していて,誰がやってもいい。あとは効率化,みたいな状態という意味ですか。

川上氏:
 そうそう。僕以外の人間ができることなら,僕以外の人間がやればいいし,ドワンゴ以外の会社にできるなら,ドワンゴ以外がやればいいんですよ。
 だから,「自分たちにしかできないことをやる」というのが,一番の理念です。というか,そういうことのほうが絶対に面白いから,僕はそういうことをやりたい。

4Gamer:
 では改めて。川上さんがこれから取り組もうと考えている面白いこと,面白い分野ってなんなんですか?

川上氏:
 さっきも言いましたが,明確な何かがある訳ではないんですよ。今の僕の状態を言い表すなら,「キョロキョロしている状態」なんですよ。スタジオジブリという会社に入って,いろんなものを見聞きしながら,ウロウロしている状態(笑)。

4Gamer:
 今日の話を聞いていると,川上さんがニコニコ動画に続く,また妙なサービスを作ったりするんじゃないかって感じるんですよ(笑)。

川上氏:
 ニコニコ動画がまさにそうだったんですが,ユーザーさんとガチンコでやりあうサービスを作りたいですよね。

4Gamer:
 ガチンコでやりあうってどういうことですか?

川上氏:
 なんと言えばいいのか,昔のニコニコ動画って,ユーザーに物凄いパワーがあって,運営のことを無視して,ユーザー側が好きなことをやっていたところがあるんですよ。運営が何をしようが,自分達はこれが楽しいんだ,みたいな感覚がありました。
 そうしたユーザーさん達と切磋琢磨して,ある意味,運営がユーザーに付いていった結果として,ニコニコ動画の発展があったと思うんですよね。

4Gamer:
 なるほど。

川上氏:
 でも最近は,さすがにそういう空気も薄くなってきたし,ユーザーさん側もちょっと受身になっちゃったかなって気はします。何かあると「運営どうにかしろ!」ってクレームが来ますしね(笑)。そうじゃなくて,運営をどうにかしてやればいいのに。

4Gamer:
 まぁニコニコ動画は,今や国内最大級のWebサービスですし,昔のようなコアユーザーだけみたいな時代でないのは確かですね。

川上氏:
 そうですよね。でもその結果,ユーザーさんとのコミュニケーションが難しくなってきているのは間違いないと思います。そしてこれからの時代は,そういう部分をもっとちゃんと考えなくちゃいけないんでしょう。

4Gamer:
 分かりました。なんだか長々と話し込んでしまいましたが,本日はありがとうございました。スタジオジブリでのお仕事を含めて,今後のご活躍を期待しております。

川上氏:
 ありがとうございました。



 こういう言い方もたいがい失礼であることを承知で書くが,川上量生という人は,実に興味深い人物である。「風変わりな」という形容詞こそ付くものの,氏は非常に頭の切れる人物であり,その考え方や視点の置きどころのユニークさは,インタビュー中にもいかんなく発揮されていたように思う。

 東証一部上場企業の創業者,あるいは,若くして成功した青年実業家という肩書きを持つ川上氏は,言ってしまえば,人生における一つの「上がり」を経験した人間であり,本来,彼こそがインタビュー中でも触れた「プランB」の人生を送っていてよい立場である。
 でありながらも,いつも好奇心に満ち溢れていて,会うたびに熱っぽくいろんな話をしてくれる川上氏は,スタジオジブリという新たな環境で何を見て,何を考え,次にどういったアクションを起こしていくのだろうか。数々の事業を立ち上げて来た川上氏と,スタジオジブリの鈴木氏。この二人が組み合わさって,何も起こらないはずがない――今回のインタビューは,そう予感させるには十分な内容になったと思う。

 彼らの表立ったアクションが,いつ,どのような形で見えてくるのかはまだ分からないが,日本のコンテンツ業界やIT業界を引っ張っていくリーダーとして,今後の氏の活躍に注目したいところである。

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