今やかなりのメジャーイベントになった感のある夏と冬の
コミックマーケット(以下,コミケ)。その第77回が昨年(2009年)12月29日から12月31日の3日間にかけて行われた。コミケは,基本的にはアマチュアの有志サークルによるマンガや小説などの同人誌を販売する,同人誌即売会だが,近頃はゲームのジャンルでも,プロのクリエイターがこっそり(?)参加していたり,コミケからメジャーになるタイトルがあったりと,なかなか目が離せないイベントだったりする。また企業による展示や物販が行われる企業ブースも用意されており,いくつかのイベントが催されるなど,活況を呈している。
今回はそんなコミケでの,デジタルコンテンツ関連のサークルが集まる二日目(12月30日)から,インディーズゲーム(同人ゲーム)周辺のサークルブースと,企業ブースの模様をお届けしよう。企業ブースを彩る
コンパニオンさんの写真も,2ページ目に多数掲載しているので,こちらも必見だ。
「東方Project」の新作が発売され,大混雑だったC76に比べると,コミケスタッフの努力もあってか人の流れは比較的スムーズ
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同人ゲーム周辺ブース
同人ゲームなど,デジタルコンテンツを扱うサークルが多く配置された二日目の東館だが,人気はなんといっても弾幕シューティング
「東方Project」に関連した二次創作同人誌だ。その大元であるサークル
「上海アリス幻樂団」は今回不参加だったが,東方ジャンルは今回のコミケ全体を見回しても,もっとも大きなジャンルを形成しており,東館456ホールの半分を覆う規模となっていた。
同人ゲームを販売するサークルは,東3から東2ホールにかけての配置になっており,それぞれの新作タイトルを発表していた。4Gamerの連載
「インディーズゲームの小部屋」で取り上げたことのある,
「マジカルホップ」 「DYSNOMIA」の
2CCP,
「夢の浮橋 〜新釈源氏物語〜」の
無限逃避級数,
「アパシー ミッドナイト・コレクション」の
七転び八転がり,
「シャンテリーゼ」 「ルセッティア〜アイテム屋さんのはじめ方〜」 「特急天使」の
EasyGameStation,
「命短したたかえ!乙女 〜戦略はじめました〜」の
PROJECT YNP,
「Gundemonium Recollection」 「チェルシーさんは7の魔神をブッ殺さねばならない。」の
PlatineDispositif,
「巫女ブラスター」の
葦葉製作所,
「eXceed3rd-JADE PENETRATE-」の
天然素材,
「クレセントペールミスト」の
ClassiC思考回路などのサークルも,それぞれ新バージョンや新作,体験版などを発表しており,賑わいをみせていた。
そのほか周辺ブースをざっと散策したところ,やはりゲーム制作としてのハードルの低さからか,2Dシューティングやノベルゲームが多くみられたが,中にはネットワーク対戦に対応したアクションシューティング
「電装天使ヴァルフォース」(
夢ソフト)や
「エレメンタルバトルアカデミー」(
飛翔システム)など,3Dグラフィックスを使って比較的高度なことをやっているサークルもいくつかみられ,ブースに持ち込まれたPCによるデモが,かなり目を引いた印象だ。また筆者が訪れたときにはすでに完売していたが,未完成ながら,なかなかの作り込みを予感させる格闘ゲーム
「ヤタガラス」(
PDW)などもあり,今後が楽しみなタイトルが増えてきている。
商用タイトルと比べてしまうと,どうしても荒削りな印象があるインディーズゲームの世界だが,2Dシューティングや格闘ゲームなど,採算の問題から商用ではなかなか成立しにくいジャンルのタイトルが多く見られるという特徴がある。これらのジャンルのゲームを探している人は,コミケで掘り出し物を探してみるのもいいかもしれない。
今回の同人ゲーム関連で,もっとも長い列を形成していた「07th Expansion」。人気ノベルゲーム「うみねこがなく頃に」を制作するサークルだ。東3ホールから東1ホールの端を折り,400メートル近い列ができていた
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続いて企業ブースの様子を紹介。ゲームやアニメなどの周辺ジャンルから,さまざまな企業が出展している企業ブースだが,その中から4Gamer読者の関心が高そうなところをピックアップしてお伝えしよう。
日本一ソフトウェアブース
企業ブースの日本一ソフトウェアでは,同社のマスコットキャラクターであるプリニーグッズなど,多数の物販が行われていた。また10月に発売されたPSP用ソフト
「アンティフォナの聖歌姫 〜天使の楽譜 Op.A〜」より,声優の
下田麻美さん(アニマート役)と
喜多村英梨さん(マフモフ役)による同作のラジオCDの
お渡し会イベントも行われ,多くのファンが詰め掛けていた。
(左)喜多村英梨さん(右)下田麻美さん
◆喜多村英梨さん:キタエリこと喜多村英梨です! ラジオCDのお渡し会ということで、リスナーさんから沢山のお便りをいただいていたのですが、その方たちに直接お会いできて嬉しかったです。またゲームでプレイしてくれた方にも感想をいただけて光栄でした。このcdをきいて年を越していただき、いかに私たちが美味しいものを食べたのかを認識すればいいさ!w
◆下田麻美さん:下田麻美です。今日はコミケ二日目の12月30日、こんな年末のお忙しい中、沢山の方の笑顔に出会えて本当によかったです。イベントでも、キタエリちゃんとのコンビを復活してくれ、との声が多くてシモキタラジオを一緒にやれてよかったな、と心から嬉しく思いました。CDを購入いただいた方は、特別編での長谷川さんとの絡みをお楽しみお聞きください!
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工画堂スタジオブース
工画堂スタジオも,物販を中心としたブース展開が行われていた。というかコミケの企業ブースは,どこも基本的に限定グッズなどの物販が中心なのだが。「こちら」のニュースでお伝えした,
「英雄伝説 空の軌跡」(
PC版 /
PSP版)に登場する飛行船
「アルセイユ」の模型が展示・販売されているなど,こちらも同社のファンが常に行列を作っている状態だった。
5pb.ブース
5pb.ブースでは同社の人気タイトル
「メモリーズオフ」シリーズや,
「CHAOS;HEAD」 「Steins;Gate」 「11eyes」などのグッズ販売が行われていた。とくに
「Steins;Gate」はコミケでも大人気のようで,開始2時間を待たずして,ほとんどの商品が完売してしまったようだ。また発売が
発表されたばかりの新作
「CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!」も大きくフィーチャーされ,会場のあちこちに大きなポスターが掲示されていた。
残念ながら参加出来なかったものの,そのほかにも12月29日には5pb.とAlchemist合同のSpecial Liveも催されていた
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セガブース
セガブースでは,
「初音ミク -Project DIVA-」 「シャイニング〜」シリーズ 「戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校」といったタイトルのグッズ販売が行われていた。とくに人気イラストレーターTony氏とコラボした初音ミクグッズは大人気で,かなりの行列ができていた。お昼をまわる前には完売してしまったようで,後から行ってみると,ほとんどの商品に
「完売御礼」の札が掛けられていた。
アークシステムワークスブース
アークシステムワークスでは人気格闘ゲーム
「BLAZBLUE」(
PlayStation 3版 /
Xbox 360版 /
PSP版)グッズを販売していたのだが,開場30分後に行ってみればすでに完売。ほかのブースの大行列を尻目に,比較的和やかな雰囲気で来場者との歓談が行われていた。
HOBiRECOREDSブース
同作に登場するヒロインの一人「アリエス」のコスプレをしたコンパニオンさん
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HOBiRECOREDSブースでは,2010年4月に発売が予定されているPSP用ソフト
「ひまわり」の主題歌CDが販売されていた。同作は,宇宙開発をテーマにしたノベルゲームで,2007年にサークル
「ぶらんくのーと」から発売されたインディーズゲームの移植作だ。同人から商業に移植されるタイトルは近年増えつつあるが,本作もまたそんなタイトルの一つだ。なお本作については
「こちら」の記事にも詳しいので,併せて参考にしてほしい。
ツーファイブブース
ツーファイブブースは人気恋愛SLG
「アマガミ」のキャラクターソングCD販売が行われていたほか,シーアンドシーメディアがサービス中のMMO
「LEGEND of CHUSEN -誅仙-」のイメージソングCDを販売していた。同作のメインテーマと,五つの派閥をモチーフにした楽曲が収録されているとのこと。6曲をそれぞれ別のアーティストが担当しているそうで,30日にはその中の一人,
癒月さんのサイン会も行われたようだ。
ai sp@ceブース
ドワンゴがサービス中のMMO
「ai sp@ce」のブースでは,なんと会場からニコニコ生放送を使い,声優の
桃井はるこさんらを起用したライブ中継を行うということで,常に人だかりができていた。残念ながら放送中は写真撮影禁止とのことで,下の写真は中継開始前にブースの様子を撮ったものだ。こちらのイベントについての詳細は,
こちらの記事を参照しよう。
イベント終了間際のビッグサイト。翌日も開催されるコミケのために,家路を急ぐ参加者の波
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