連載 : イース・オリジン連載 ホップ,ステップ,ダームの塔


イース・オリジン連載 ホップ,ステップ,ダームの塔

第2回:「水獄の領域」編(6F〜9F)

 

第二のステージ「水獄の領域」編へと突入

 

 日本ファルコムの人気RPGシリーズ最新作「イース・オリジン」を,ゲーム展開をなぞる形式で紹介していく本連載。イース・オリジンはゲーム全編が「ダームの塔」を舞台に繰り広げられるが,第2回では,その6F〜9Fにあたるステージの「水獄の領域」を追っていこう。

 

 「水獄の領域」は,名前のとおり「水」にちなんだエリアだ。例えば,フロア内には(塔の内部なのに)完全に水没した区域があり,これに関連したトリックが随所に仕掛けられている。もちろん水中では普段よりも移動が鈍くなるが,さらに厄介な問題として,酸素が切れると窒息死してしまうことが挙げられる。水中にいる間は,主人公の頭上に酸素残量を示すゲージが表示されるので,注意してほしい。

 

水獄の領域は,水をテーマにしたステージだ。水で満たされたフロアもあり,どういった構造なのかちょっと気になる

 この酸素ゲージは,水面まで浮上すれば回復できる。地形によってはそれが難しい場合も多く,長時間潜らねばならないケースなどもある。そういった場合では,マップ中に配置されている「壷」を破壊すると,中に溜まっている空気を吸って回復できるので覚えておこう。また一部のモンスターを倒すと,同様に酸素ゲージを回復するための薬品を落とすことがある。

 

 このように,酸素ゲージの残量に気を配りながら,ステージ内に設けられたトラップをやりくりしていくのは一苦労だ。しかしステージのどこかに潜んでいる中ボス(後述)を倒すと,その奥で潜水時間を長くするための「水竜の鱗」というアイテムを得られる。このアイテムがあるのとないのとでは難度がまったく違ってくるので,まずは水中での本格的な探索を行う前に,この中ボスを見つけ倒しておきたい。

 

「O2-GAGE UP」の表示に注目。頭上のゲージがなくなる前に,なんとかして息継ぎせねばならないのだ 「水竜の鱗」を入手してからが,このステージの本番といえる。写真は急流に逆らいつつ進んでいるシーンだが,見てのとおり痛そうな針がびっしり生えている

 

写真のカメに似たモンスターは,雷のスキルでなければ倒すのは困難。スキルを入手するまでの間はスルーするのが良いだろう

 主人公のパワーアップに関しては,「蒼哭の領域」編での「風」スキルに続き,「雷」に関連したスキルを習得できるのが大きなポイントである。例によって,ユニカとユーゴでスキル効果が違っているので,それぞれ見ていこう。

 

 ユニカの雷スキル(金剛)は,落雷を伴った強烈な近接攻撃を繰り出し,それと同時にガードを行う。この攻撃判定は前方のみで,自分の周囲が当たり判定だった風スキル(回転斬り)と比べると,敵に命中させるのに若干慣れを要する。攻撃と同時にガードも行えるのが雷スキルの強みなので,この部分を意識して使い分けていきたい。ちなみに,「S」または「D」キーを押すことで,ショートカット登録のスキルを切り替えられるので覚えておこう。

 

ユニカの雷スキルによって発する火花は,実は頭上方面にも当たり判定がある。通常はジャンプせねば届かない位置にいるモンスターも,これで攻撃できるのだ

 

 もう一方のユーゴの雷スキル(爆雷)は,時限爆弾に似た攻撃を行えるようになる。爆弾を設置してから爆発するまで3秒程度の時間がかかるため,間接攻撃がメインのユーゴにとっては,敵から逃げながら使うと効果的だ。この爆風は見た目よりも当たり判定が大きく,ダメージもかなりのもの(しかも自分に当たり判定はない)。移動スピードが遅めのモンスターに対しては,積極的に狙ってみよう。

 

爆雷スキルはMPに限りがあるため連射できない。特殊な攻撃手段なので,通常攻撃の合間に混ぜるよりはピンポイントで使うのに向いている

 

 そしてユニカとユーゴとに共通する効果として,雷スキルを使用することで,壊れかけた壁を破壊することができる。そのような地点には必ずヒビが入っており,その奥にはトレジャーや通路などが隠されているが,目を凝らさないと見落としがちだ。

 

 また,このステージ以降「ダッシュ」を行えるようにもなる。移動がスピーディになるのはもちろん,ダッシュを使わないと突破できない仕掛けなども登場する。ダッシュはデフォルトの状態で,「マウスダブルクリック」「攻撃キーまたはスキルキー押しっぱなし」「方向キーを2回押す」で出せるが,「常時ダッシュを行う」に切り替えることも可能。こちらのほうが使い勝手が良いだろう。

 

この画面中央にある場所は,雷スキルによって破壊できる。こういった場所はほかにもいくつかあるため,水面の模様に惑わされないように 「ダッシュ」を発動させる操作方法は,いくつかの設定の中から選べる。が,「常にダッシュ」の設定にしてしまって問題ないように思える

 

 

ワンポイント

 

女神像で加護を受けられる

 前回の「蒼哭の領域」(2F〜5F)は,最初のステージということで,ほとんどの人がボス戦以外はすんなりと攻略できただろう。しかし「水獄の領域」以降は,次第に複雑なトリックが顔を覗かせてくる。そこで,この段階までに押さえておきたいパワーアップ方法を,念のために確認しておこう。

 

 本作の冒険はダームの塔という閉鎖空間でのみ行われるため,例えば一般的なRPGのように,ショップで武具やアイテムを購入するといったことがない。そもそも金銭自体がゲームに登場しないのだが,それに比較的近い位置付けとして「SP」と呼ばれるリソースが存在する。これをある程度溜めることで,引き換えに女神からの「加護」を受けて,恒常的なパワーアップが図れるのだ。

 

武器はリコに強化してもらう

 加護によるパワーアップ項目は15種類あるが(一部は複数回ランクアップ可),基本的には必要とするSPの少ない加護から順に獲得していけば問題ない。ただし水獄の領域では,一部のモンスターが毒攻撃を繰り出してきて,これによる継続ダメージが結構キツい。そこで「確率で状態悪化を回避」や,「状態悪化の時間短縮」といった加護の優先順位を高くするのも一つの手だ。
 また,新たな防具を入手するたびに「防具の強化」の加護を得られる,というのは意外と見落としてしまいがち。アップグレードに要するSP量は比較的少なめなので,忘れずにチェックしておこう。

 

 ちなみに武器に関しては,女神像での加護ではなく,捜索隊本部にいるNPC「リコ」が直接アップグレードを行ってくれる。そのとき必要となる「クレリア鉱」はほかの用途には使わないため,もし入手したらすぐに捜索隊本部へ戻り,忘れずに強化しておこう。最初から所持している「クリスタル」は,各セーブポイントへと瞬時に移動できるので,きっと役立つはずだ。

 

クリスタルを使えば,一度到達したセーブポイントを自由に行き来できるので,ゲームをやめたいときはもちろん瀕死のときなどにも重宝する

 

ボスにどうしても勝てないと思ったら,レベルアップに励もう。水獄の領域編では,この写真の場所でエリアチェンジを行うのがおすすめ 「セルセタの秘薬」などの消耗品は,入手したら迷わず使ってしまおう。キャラクターの育て間違えや,ハマりといったものとは無縁のゲームだ

 

 

中ボス紹介

 

ユニカ編:エポナ ユーゴ編:ヴァジュリオン

 それでは,水獄の領域において主人公を待ち受けるボスを,ユニカ編/ユーゴ編を分けて紹介していこう。まず最初に戦う中ボスだが,ユニカ編の場合は「エポナ」,ユーゴ編では「ヴァジュリオン」が登場する。名前を見て「おや」と思ったかもしれないが,これは前の「蒼哭の領域」で戦った中ボスが,二人の主人公で入れ替わった形になっている。なので両ボスの基本的な攻撃パターンについては,前回の記事で確認してほしい。

 

 同じ中ボスでも,操る主人公によって攻略法は微妙に違ってくる。例えばユニカ編における対エポナ戦についてだが,武器のリーチが違うことから,ユニカだと正面から戦うと分が悪いのである(エポナの得意武器は「槍」)。実際の攻略法としては,まずはユーゴ編で戦ったときと同様に,ユニカがチャージを繰り出してくるまでひたすら逃げる。そしてチャージをしてきたら,「ある程度引き付けたうえで」ジャンプして飛び越え,振り向きざまにすかさず攻撃しよう。着地後すぐに攻撃するためには,若干敵を引きつけるようにジャンプせねばならないため,ユーゴ編と比べ若干難度が上がっている印象だ。

 

 

 一方のユーゴ編におけるヴァジュリオン戦は,風スキルによる結界が大いに役立ってくれる。コウモリの姿の間は一切の攻撃が通じないので,結界を張って逃げることに専念。そして合体後は,結界が剥がれないように気をつけながら,遠距離から攻撃を叩き込もう。ただしユーゴの場合,遠距離攻撃時に「斜め」を向いて立ち止まるのが,やや難しいかもしれない。キーボードで操作し,数字の「1,3,7,9」キーを利用すると,楽に向きを固定できる。

 

 

 

ボス紹介

 

ユニカ,ユーゴ編共通:ニグティルガー

画面は,初代「イース」におけるニグティルガー戦のワンシーン。これを機に旧作を再度プレイしてみると,当時とは違った発見があるかも

 そして水獄の領域の最後にいるボスは,イース1にも登場したムカデ状の怪物「ニグティルガー」である。イース1の頃のニグティルガーは,体をくねらせながら突進するだけという単純なアルゴリズムだったが,700年前には比べ物にならないくらい活発に動き回っていたようだ。本作のニグティルガー戦では,フロア中央に巨大な柱が据えられており,これを利用した多様な行動パターンを持ち合わせているのである。

 

 なので最初の数戦は,前回のベラガンダーと同様,一体どのようにして攻略すればいいのかさっぱり分からないかもしれない。しかし冷静に観察してみると,ニグティルガーの行動パターンは3種類に大別できるので,これらの違いを見分けるのが攻略の第一歩だ。

  • (1)柱に体を巻きつけるように移動
  • (2)地面に降りてきて,這いつくばるように移動
  • (3)体を輪っかにして,回転しつつ突進

 

 ニグティルガーの弱点は光っている背びれで,これらをすべて破壊したあとに頭部を狙う,という展開が理想パターンとなる。そして各モードにおける具体的な対策法だが,(1)の段階では通常攻撃を当てることができない。一方ニグティルガーは定期的に背びれから電撃を放ってくるので,これを避けることに専念しよう。また,ユニカに限っては雷スキルによる落雷攻撃を当てられるので,もし余裕があれば狙ってみてもよい。

 

 次に(2)だが,ジャンプでニグティルガーの背中へと跳び移れる。この直後に,スキルなどを駆使して一気に背びれを破壊していこう。ただしニグティルガーの口からは強烈なビームが吐き出されるため,正面に位置取りするのは厳禁である。そして最後の(3)に関しては,猛スピードで突っ込んでくるため,避けるだけで精一杯だろう。このときはニグティルガーが走ったラインに跡ができるので,そこに注目すると比較的避けやすいかもしれない。

 

 おそらくこのボス戦は,かなりの人が手こずると思われる。もし到底勝てないと思ったら,一旦引き返し,レベルアップに励むのがよいだろう。ニグティルガー戦の目安としては最低でもレベル17,万全を期すのであればレベル19まで育てておきたい。そのうえで辛抱強く挑戦すれば,きっと活路を見出せるだろう。
 最後に,このニグティルガー戦の一部始終を収めたムービーを紹介する。また本作が未経験だという人は,これを観てもらうと雰囲気がざっと分かると思うので,ダウンロードして観ていただきたい(詳しい倒し方を知りたくない人は注意)。

 

■対ニグティルガー戦プレイムービーは「こちら」(3分16秒:60.1MB,WMV)

 

 無事にニグティルガーを倒すと,水獄の領域での冒険は終了となる。来週の連載記事では,次のステージとなる「咎火の領域」編以降の模様をお伝えしていこう。

 

口から吐き出されるビームは,直撃を受けると致命傷となりかねない。背びれを破壊した後は顔の前に出ずに,頭の上に乗るようにして戦おう ミートボール状の爆弾は,爆発する前に攻撃を行えば画面外へ弾き飛ばせる。相当な数があるので,忙しいボス戦となるだろう

 

登場キャラクター紹介

 

 「イース」は20年近い歴史があるシリーズで,本作には初代「イース」に登場したキャラクターが出てきたりもする。というわけで,ストーリー上重要なキャラクターを簡単に紹介していこう。今回は,双子の女神「フィーナ」と「レア」について。純白の翼を持つこの姉妹は,かつて海の彼方から人々を率いてこの地へとやってきて,初代の「六神官」と共にイースを建国したと伝えられている。

 

 このように,設定上はいかにも凄い力を持っていそうなのだが,ゲーム内では愛用のハーモニカをなくして町の片隅で途方に暮れたり,さほど強くもない敵に捕らわれてしまったりと,まるで普通(?)のか弱い女の子という印象。フィーナは初代イースではヒロインだったにもかかわらず出番は少なく,レアはそれ以上に出番がほとんどなかった(ハーモニカを吹く名シーンはあったが)。あれから20年,彼女達の見せ場はどれだけ増えているのだろうか? 長く続くシリーズ作なので,そういった点に注目しながらプレイするのも面白い(かもしれない)。

 

 ちなみに余談となるが,「Project EGG」では初期のイースシリーズをダウンロード購入できる。今プレイしてみると,昔とはまた違った見方ができるのが面白い。イースシリーズにどっぷり浸かりたい人にはオススメだ。

 

フィーナ
初代「イース」(1987年)のフィーナ
「イース エターナル」(1998年)のフィーナ
レア
初代「イース」(1987年)のレア
「イース エターナル」(1998年)のレア

 

 

■■川崎政一郎(ライター)■■
まだPCを持っていなかった中学生の頃の川崎氏は,当時話題だった「イース」やりたさに,友達の高橋君の家に毎日押しかけていたそうだ。さらに高橋君から「イース」のミュージックテープをかっぱらい,自宅ではずっとイースのBGMを聞きながら過ごしていたという。「なので,私にとっては“イース=音楽”なんですよ」と語る川崎氏だが,高橋君にとっては“イース=川崎氏の横暴”として記憶に残っているのではなかろうか。
タイトル イース・オリジン(Vista対応版)
開発元 日本ファルコム 発売元 日本ファルコム
発売日 2007/03/29 価格 7980円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 98/Me/2000/XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium III/1GHz以上[Pentium 4/1.3GHz以上推奨],メインメモリ:384MB以上[512MB以上推奨](Windows 98/Meでは256MB以上[384MB以上推奨]),グラフィックスチップ:GeForce 2またはRadeonシリーズ推奨,グラフィックスメモリ:32MB以上[64MB以上推奨]

(C)2006 Nihon Falcom Corporation.


【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/weekly/yso/002/yso_002.shtml