― 連載 ―

トラックマニア マニアックス

連載第4回 オリジナルコースを作ろう 前編

 

トラックエディタ(コースエディタ)を使いこなそう

 

 ぶっ飛びドライブゲームのトラックマニアシリーズを日本中に広めようと,何かに取り憑かれたようにお届けしている週刊連載「トラックマニア マニアックス」。「トラックマニア サンライズ エクストリーム 日本語版」(TMSE),そして「トラックマニア オリジナル 日本語版」(TMO)が発売されてから,それなりに時間も経ったことだし,そろそろご近所から「ひょ〜」とか「うら〜」とか,妙な奇声が聞こえるようになってきていることだろう。

 

 さて,当連載もラストスパート。今回からは,トラックマニアのもう一つの楽しみである「オリジナルコース」作成を見ていこう。オリジナルコースの楽しみ方は,ただ自分で作成して遊ぶのではなく,ネットで公開してほかのプレイヤーに遊んでもらうこと。試行錯誤して作り上げたオリジナルコースをプレイした人から「面白れー」「最高!」なんて声が聞こえてくれば,「トラックマニアマニアで本当に良かった」と感じるはずだ。もちろん逆に,厳しい意見をぶつけられることもあるが。

 

 というわけで,今回は「どんな感じでオリジナルコースを作っていくの?」という部分を見ていこう。

 

 

オリジナルコース完成までの流れ

 

 トラックマニアシリーズのコースは,「建設ブロック」と呼ばれる部品が組み合わさってできている。さまざまなブロックを選んでマップ上にぽこぽこと置いていくだけで,割と簡単にコースを作れてしまう。まぁ作るのは簡単なのだが,世界中のトラックマニアマニアに「面白い!」と言ってもらえるコースを作るとなると,センスが必要になってくるわけだ。それはともかく,ブロックをあれこれ配置してコースを作り上げていく作業は,かなり楽しい。

 

 最初に言っておかなければならないのが,コースを作るのにどれくらい建設ブロックを使えるかは,オフィシャルキャンペーンの達成状況に関わってくるという点だ。1マップ中に配置できる建設ブロックは,トラックマニアのお金といえる「カパー」の所有分だけ。初期値は1500カパーで,オフィシャルキャンペーンの各チャレンジでメダルを獲得するとボーナスとして加算されていく。当然,ブロンズメダルよりもゴールドメダルのほうが得られるカパーは多くなり,ゴールドメダルをたくさん獲得しているほど,たくさんの建設ブロックを使ったコースが作れるという,なかなかニクい仕様だ。

 

 ちなみにTMSEとTMOのどちらでも,オリジナルコース作成の流れは同じだ。

 

ステージの選択

 トラックエディタを起動して最初にやることは,作成するステージ(TMSEならアイランド,コースト,ベイ)と時間帯(日中か夜間か)の選択だ。これにより使用できる建設ブロックの種類が異なってくる。選択し終えると,土地もない真っさらな海上が現れる。ここにコースを作り上げていくのだ。

 

 とはいえ,いきなりイチからコースを作るとなるととまどってしまうはず。残念ながら,オフィシャルキャンペーンに登場するコースは読み込めないが,ネットでダウンロードしたコース(パスワードなしの場合)やTMSEに入っているミニゲーム的な「ボーナストラック」は読み込み可能なので,まずは既存のコースを改良してみるのもいいかも。

 

 

建設ブロックを置いていこう

 建設ブロックは「テレインブロック」(地面,水面),「ロードブロック」(走行路面),「トンネルブロック」,「シナーリーブロック」(ビルなど)という具合にカテゴリ分けされており,各カテゴリのタブを選択すると,使用できるブロックがずらっと表示される。その中から使うものを選択してマップ上に配置していく。

 

 マップ上にテレインブロックで地面を作ってから,ロードブロックやそのほかのブロックを置いていくわけだが,広範囲に地面を作りたい場合や道路など直線上に並べる場合には,ドラッグして範囲指定すると,範囲内に同一ブロックを敷き詰められる。また,ほとんどのブロックはマウスホイールを上下させると設置場所の高さを変えられる。ブロックを配置するとき,配置可能な場所ではカーソル枠が緑色で表示されるが,設置スペースが足りない場合や,設置に適していない場合は赤色になる。そのため,設置可能かどうか視覚的に分かりやすい。

 

 トラックエディタでは上下空間の作業を行うということもあり,マップ画面の回転,拡大縮小,見下ろし角度の調整など作業に合わせたカメラアングルの変更も可能だ。また,設置済みのブロックの削除(ブルドーザーのアイコン),最後の行動のキャンセルやリピートも可能など,作業自体は箱庭系ゲームの操作性に近い。

 

すべてのチャレンジのコースが作成できる

 トラックエディタの初期値は,スタートからフィニッシュまでのタイムを競う「レース」チャレンジになっているが,設定を変更することで「プラットフォーム」「パズル」「スタント」「クレイジー」(TMOではサバイバル)チャレンジのコースも作成できる。それぞれのチャレンジはまったく性格が異なるので,なかなか難しい。一番簡単に作れるのは,やはり初期設定である「レース」チャレンジだろう。

 

 

テスト走行で全体をチェック,そして完成へ

 コースが完成しても,実際に走ってみなければ完成度は分からない。そもそも,スタートからフィニッシュまで辿り着けなければ完成にはならない。ちなみに走破したタイムにより,各メダル獲得のターゲットタイムが自動的にセットされる(手動変更も可能)。また,細かいところのチェックも忘れてはならない。作り上げたコースを何度も走り込んで,簡単すぎないか,難しすぎるところはないか,もっと意地悪く作ったほうがいいかなどチェックしよう。

 

 

 

オリジナルコースをネットで配布しよう

 

 オリジナルコースは作成中にテスト走行でさんざんプレイすることになるので,完成したコースを一人でひたすら攻めることは少ないだろう(ないかも)。結局,オリジナルコースはほかのプレイヤーに遊んでもらうために作るといっていい。そこで,完成したコースはネット上にアップロードして,世界中のマニアなプレイヤーに悪戦苦闘してもらうことにしよう。

 

 どこにアップロードするのがベストか……というと,トラックマニアの聖地といえる「TrackMania Exchange」(通称TMX)がお勧めだ。オリジナルコースをアップロードするには,TMXに会員登録する必要がある。アップロードの手順は下記のとおりだ。

 

Upload Track

 TMXへログインしたら,サイト上部に並んでいるメニューの中から「Upload Tracks」を選択する。Track Selection欄の「参照」を押すとファイル選択画面が出てくるので,オリジナルコースの入っているフォルダを選択。コースデータは「x:\TrackMania Sunrise\GameData\Tracks\Challenges\My Challenges」内に,「xxxxxxx.gbx」という名前で保存されている(通常の場合)。アップロードしたいコースを選択して,Continueをクリック。

 

Upload Screenshot

 TMXのダウンロードページに表示される,スクリーンショットを選択する。より多くの人の目に留まるよう,見栄えの良いスクリーンショットを用意しよう。ゲーム中の画面を使いたい場合,ゲーム中にF10キーを押せばインストールフォルダにBMP形式で保存されるので,それを使うのも手だ。もちろんオリジナルで作成した画像を用意しても構わない。ただし,ここで使う画像は320×240ドット,JPEG形式,サイズは64KBまでとなっているので,画像変換や加工が必要になるだろう。

 

Track Details

 作成したコースに関する情報を入力する。ほとんどの項目はコースデータから読み取られているので,プレイヤーは作成者の名前,難度,コースのスタイル,メインルートがいくつかあるか,コースに関するコメントを入力する。それほど難しい英語ではないので,英語の苦手な人もなんとかなるだろう。不安なコメント欄は空欄でも構わないが,できるだけアピールしたいのであれば,何かしら英文で入れておくのがベストだ。

 

もちろんダウンロードもできる

 TrackMania Exchangeでは,コースデータをアップロードできるのだから当然,ダウンロードもできる。世界中のマニアが作成したコースを楽しめるので,これを逃す手はない。また,ちょっと話はそれるが,「TM Skin Center」「TM Car Parks」では,カースキン(車のモデリングやテクスチャ)をダウンロードできる。導入すればまったく異なったイメージのTMSE,TMOがプレイできるので,一度試してみよう。

 

 なお,TMSE,TMOの国内発売元であるオーバーランドは「トラックマニア オフィシャルサイト」を立ち上げている。ここではTrackMania ExchangeとTM Car Parksの,人気が高いコースデータやカースキンが紹介されている。ただし残念ながら,オリジナルコースのアップロード/ダウンロードといったサービスは行われていない。オフィシャルでなくてもいいので,国内にもデータやりとりが可能な場が生まれてほしいものだ。

 

 

次回予告

 

 さて,今回はトラックエディタでオリジナルコースを作り,ネット上で公開するまでの大まかな流れを見てきた。しかし,「おいおい,トリッキーなコースなんて,ちっとも作ってないじゃないか!」と憤慨している読者も多いことだろう。そんなわけで,最終回となる次回は,実際にコースを作成するところをお届けしよう。まだまだ紹介しきれていない機能などもあるので,そのへんもお伝えしたい。果たして筆者に超ド級のオリジナルコースが作れるのか……という大きな不安と心配はあるが,どんなコースが完成するのか,乞うご期待である。

 

 

 

 

■■UHAUHA(ライター・マニア)■■
「この夏は忘れられない夏になる……」というくらい,多忙を極めることとなったUHAUHA氏。会社勤めと愛する家族へのサービス,そして4Gamerにおける本連載やハードウェアのレビュー記事などが重なり,まぁ大変なことになってしまったのだ。「とくに一番キツかった思い出」について聞いてみたところ,先週から夏風邪を患ってしまい,本連載のために会社を休み,叔母が勤めている病院で治療を受けたことだという。その叔母はいつも治療費を受け取らないどころか,「薬代」と言ってお小遣いをくれるのが非常につらいそうだ。
タイトル トラックマニアサンライズ エクストリーム
開発元 Nadeo 発売元 オーバーランド
発売日 2006/06/30 価格 6800円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 98/2000/ME/XP/XP Professional 64-bit Edition(+DirectX 9.0b),CPU:Pentium III/500MHz以上[Pentium 4/1GHz以上推奨],メインメモリ:128MB以上[256MB以上推奨],グラフィックスチップ:DirectX 9対応以上,グラフィックスメモリ:16MB以上[64MB以上対応],HDD空き容量:900MB以上,オンボードグラフィックスは動作対象外,オンラインプレイ時は56kbps以上のネットワーク環境必須

(C)2006 Focus Home Interactive, Nadeo and Overland Co.,Ltd.All Rights Reserved.


【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/weekly/trackmania/004/trackmania_004.shtml