― 連載 ―

あの素晴らしい(?)日々をもう一度

第7回 試験とは,自分自身との戦いだ

 “つながる友情,つなげる愛情,広がる学園生活(スクールライフ)”をオンラインゲームで実現してしまおうというMMOコミュニティゲーム「ときめきメモリアルONLINE」(以下,TMO)。この連載では,TMOがそのゲーム内に持つさまざまな学園生活っぽい要素を,3名の著者がかつて体験した実際の学生生活と重ね合わせ,酒席での会話のようにくだを巻いていきます。

 

ゲーム開始時のチュートリアルでも,試験は登場。どうせなら,1か月に一度ぐらい実施してもらえるといいのだが……

 連載第7回のお題,「試験」は,恋愛候補生の春日つかささんが大好きな,4Gamer編集部のTeTが担当です。なお,TMOにおける試験は定期的に行われる予定ですが,実は正式サービスではまだ実施されていません。したがって,この記事はβ2テスト時の記憶と記録をベースにしています。あらかじめご了承下さい。
 いやしかし試験はともかく,春日さんですよ。突然の出会い,重ねる逢瀬,そしてラストに至るまで,いちいち僕の心を盗んでくれやがりました。活発なスポーツ少女で,恋に恋をしていて,ちょっとドジでおっちょこちょいで,思い込みが激しくて,それでいてまっすぐで……。あんな子が現実にいたら,クレジットカードの限度額いっぱい,あれこれ買い与えてしまうところです(奇をてらいすぎて,外付けHDDなどをプレゼントして困惑させてみたり)。そういう意味では,ゲームの中でしか会えない存在で助かりました。

 

 と,春日さんのことを語り出したらきりがないし,春日さんとの思い出を語りすぎると,大切なものが消えてしまいそうな気がするのでこのへんにして,本来のテーマに戻りましょう。
 高校への進学などせず,社会に出ることを選んだ人から,学ぶことが好きすぎて大学院まで行った人,就職してからもう一度大学に戻って博士号を取得した人まで,ざっと見積もって13歳以上の人ならば,誰もが経験したであろうものの一つに,定期試験があります。
 同じクラスに所属しているという以外接点はなく,それどころか口をきいたことすらないようなやんちゃなアイツから,「ねえねえノート貸してくんない?」なんて声をかけられ,殴られたりするのもいやだしなーなんてびくびくしながらノートを貸してあげたら紛失されたり,友達を一人も作らずにひたすら勉強に打ち込む孤高の人の人気がにわかに高まったりといった光景は,日本全国どこで見られる試験前の風物詩。試験当日になれば「お前,昨日勉強した?」「いやー寝ちゃったよ」「オレもオレも」なんて,目の下に隈を作りながらけん制し合うのも,修学旅行などでの就寝時に「オレも言うからさー,好きな人教えてよ」「えー,絶対言えよ。●●さん」「ふーん」「って教えてくれないのかよ!」「Zzzz...」といったやりとり以上によくある光景です。
 が,しかし。TMOにおける試験は,日ごろの授業をいかに真面目に受けているか,いかに知識を身につけているかが非常に重要。他人の力を借りることも,他人の足を引っ張ることもできません。

 

大好きな春日つかささんとの出会い。試験期間中は一緒に図書館で勉強したり,ついついお喋りに興じたり……したい 試験直前の恒例の会話といえば,これ。ちなみに筆者は,試験前になると「風邪を引かぬよう」早寝を心がけていた

ケアレスミスにご用心クラスと名前は最初に書こう

試験官は,科目担当の先生。ところで試験中,ずーっと居眠りをしているような先生は世界に何人いるのだろうか

 試験は授業と同じく国語,数学,理科,社会,外国語,体育,芸術,家庭科の8科目が用意されています。授業と同様の時間割で,定められた時間に自分のクラスにいれば,試験はスタート。問題は一科目あたり20問で,制限時間は10分。授業とは異なり,画面に表示されるのは自分だけ。また,授業では一問に費やす時間が固定されており,早く回答できたからといって勝手に次の問題に進むことはできませんが,試験ではこれが可能です。出題方法はやはり,2択(○・×)か4択のクイズ形式で,解答用紙はマークシート方式。授業で出題された問題と正解を覚えていれば,そう難しくはないはずです。
 なお,試験にはレベルが設定されているのですが,これは全科目で必要得点と規定の出席回数を満たせば,次のレベルに進めるという仕組み。逆に言えば,一科目でも点数や出席回数が足りないと,いつまで経っても試験レベル1のまま……ということになります。もちろん,試験レベルが上がるごとに問題の難度も上昇するので,ますます気合いを入れて授業に臨まなければならないというわけです。

 

解答用紙はマークシート。分からない問題があったら,とりあえず勘で塗りつぶそう。たいてい不正解だ

 試験レベルが2になると,MMORPGでいうところのギルドに相当する「仲良しグループ」を作成するための,「リーダー試験」を受けられるようになるという特典が用意されています。リーダーたる者,学業もきっちりこなさねばならないということです。世の中,人気だけで渡っていけるなんて,甘いものじゃないんだよ! という,開発陣からのメッセージがここに込められて……いるかどうかは不明。
 ほかにも,授業とは異なる大きなポイントとしては,解答用紙にクラスと名前を正しく記入しなければならない点があります。これを忘れたり,間違えたりしてしまったら,問答無用で0点です。あとで書けばいいやーなんて思わずに,試験開始後,まずはここから手をつけるのがベスト。この手のミスって,泣くに泣けないですからね。
 回答を終えたら,さっさと退出することもできます。マークシート方式だと,答えは分かっているのに途中から塗りつぶす場所がずれてしまったがために,ほとんど不正解に……なんてこともありますから(経験者談),時間ギリギリまで見直すのも良いでしょう。
 そういえば高校時代,前の席に座っていた八巻君(実名)は,国語のテストのとき,制限時間の半分も経たないうちに寝始め,試験終了後に後ろの席から答案用紙が回ってきた時点で,「ウソッ! 裏もあったの?」なんて大あわてをしていました。表と裏に問題があったのに,表の問題だけを解いて満足してしまったようです。とにかく試験中は油断大敵。時間が許す限り,何度も見直すのが吉ということでしょう。

 

あら,早いわね〜。状況が状況なら男としてのプライドが傷つきそうだが,ここでは間違いなく褒め言葉 自分の成績は,「通知表」でチェック可能。次の試験レベルに進むには,試験結果だけでなく,出席回数も重要

試験での不正行為はダメ。絶対。

掲示板には,優秀な成績を収めた個人や,ランキングに参加したクラスが張り出される。いざチェック!

 ちなみに,授業で使用可能な「直感」や「カンニング」といったスキルは,試験では使えません。とにかくそれまでの授業に真面目に出席し,たとえ授業で間違えた問題でも,そこで正解をきちんと覚え,知識を吸収しておくことが重要というわけです。授業を受けるときに,余裕があるならば問題と正解をメモしておくのもいいかもしれません。
 だいたい,カンニングなんて本当は授業のときだってやるべきものじゃないですからね。ええ。先生に見つかったらえらいことになりますから。
 あれはそう……高校2年の一学期,その中間試験のこと。化学の先生が,「カンニングしたいヤツはしてもいいよー,どうせ化学なんて,そっちに進むヤツ以外にゃ役に立たないし」みたいなことを言っていたのを真に受け,ろくに勉強もせずにとりあえず化学の公式だけを紙片に書き散らし,試験中に見ていたわけです。とはいえ,公式だけ見たって問題を解けるわけなどありません。あげく,試験官の先生に見つかってしまい,そのときの中間試験は全科目0点ということに……。

 

しかし,そもそもまだ試験が始まっていないので,当然誰の名前もない。いつかここに載ってやる!

 あの日の帰り道,試験期間ということで,まだ昼前。下りの電車の窓から見た風景が,妙にぼやけていたことを今でもはっきり覚えています。後日,僕を信頼していたらしき教師からは廊下ですれ違いざまに舌打ちをされ,隣のクラスの普段は怖くて近寄れないようなグループからは肩を叩いて慰められ(仲間扱い?)……。しかし,それ以上にこたえたのは,母親が学校に呼び出されたことでした。その後,殴ったり,怒鳴ったりしてくれるでもなく,ただ泣かれるばかり。あれは本当に,たまりませんでした。父親は,「もっとうまくやれ」なんてことを言ってましたが。
 ですがそれ以来,いかなる不正にも手を染めず,清廉潔白に生きることができているので,今となってはいい思い出です。たぶん。

 

 と,試験について考え始めていたら,TMOのテーマソングよろしく「こころのとびら」が開いてしまい,忘れたかったはずの記憶が甦ってしまいましたが,要するにですね,カンニングはダメだぞ! ということで(TMOの試験では不可能なのに)。

 

試験前にもなると,図書室も大人気。筆者は試験前,ずっと落語全集を読んでしまい,えらい目にあったことが 範囲はおろか,問題を教えてくれた先生もいた。有名な古文の一節をまるまる書けという問題だった。覚えられなかった

 

 さて次回はこの連載の最終回。大トリを飾るのはmidiさんです。この春,娘さんの卒園式で号泣したにもかかわらず,TMOでは学園生活を満喫しているmidiさんは,これまでとはちょっと趣向を変えた内容を考えているとのこと。お楽しみに。

 

■■TeT(4Gamer編集部)■■
ゴールデンウィーク中はTMOをお休みし,友人宅に赤ちゃんを見に行きまくっていたというTeT。帰宅するとたまたま帰省していた姉から,「よその赤ちゃんばっか見に行ってないで,あんたは結婚する気ないの? どんな女の子が好きなの?」と詰問されたという。「15歳ぐらい」と答えて黙らせることに成功したと得意げに語っていたが,冗談だと思ってもらえたのか,それ以前に冗談を言ったつもりなのか,非常に心配だ。
タイトル ときめきメモリアルONLINE
開発元 コナミデジタルエンタテインメント 発売元 コナミデジタルエンタテインメント
発売日 2006/03/23 価格 パッケージ版:1980円(税込)〜,プレイ料金:税込み1200円/30日〜
 
動作環境 OS:Windows 98SE/Me/2000/XP,CPU:Pentium III/650MHz以上,メインメモリ:256MB以上,グラフィックスメモリ32MB以上

(C)2005 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.


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http://www.4gamer.net/weekly/tokimeki_ol/007/tokimeki_ol_007.shtml