つながる友情，つなげる愛情，広がる学園生活（スクールライフ）”がキャッチフレーズの，MMO学園コミュニティゲーム「ときめきメモリアルONLINE」（以下，TMO）。この連載では，TMOで体験できる学園生活と，現実世界での学園生活体験談を重ね合わせ，TMOの楽しさを浮き彫りにすべく，3名の著者がリレー形式で綴ってまいります。

　と，いうわけで。こんにちは，喜屋武ちあきです。グラビアアイドルというお仕事の傍ら，初代「ときめきメモリアル-forever with you-」では美樹原愛ちゃん，「ときめきメモリアルGirl's Side」では姫条まどか君を溺愛し，夜を徹してときめいていたこともある，ときめきメモリアルシリーズの大ファンでもあります。
　この連載の中では紅一点。むさ苦しい汗のすえた匂いを発散させて，女の子のお尻を追い回す男子達とはかなり違う，甘くかぐわしく，ちょっぴり胸きゅんなスクールライフを送る女の子の，儚くも切ないストーリーを……。などと，あえてハードルを上げてみる私。その試みがうまくいくかはさておいて，今回は，「友達登録」について少々書かせていただきます。

　TMOでは，ツーショットチャット以外のマップモードだと，画面上に表情を出すことはできません。でもその代わり，「感情アイコン」という，絵文字のような感情表現方法があるんです。笑顔や照れた表情，汗，落ち込んだ顔，泣いた顔など17種類があって，チャットの途中や挨拶代わりに使えます。また，授業中に全員正解したら，みんなで嬉しい顔のアイコンを出して喜びを共有したりもできます。だからといって，感情アイコンを使っていれば友達ができるかというと，そういうわけではありません。だって，会話をしないことには何も始まりませんからね。
　私自身，初めてキャラクターを作り自分のクラスに入ったとき，もっと前からプレイしている人達と，何を話せばいいのかまったく分からなくてかなり悩みました。でもとりあえず「こんにちは〜」と声をかけてみると，ちゃんと「あ，こんにちはー」「○○ちゃんは初めましてだよね」「よろしく！」なんて返してくれて。よ，良かった……と，一安心。
　みんなが集まっている教室の中心に歩み寄り，そっと輪に入って座ります。ところが困ったことに，みんなが今まで何の話で盛り上がっていたのか分からないため，会話に加われず，しゃべれず，静観するのみ。うう……やっぱり元々引っ込み思案の私には無理だったのよ……。と，15歳のときの私なら諦めていたかもしません。だけどやっぱり，TMOを楽しむためにも早くみんなに溶け込みたいので，オンラインという世界ならではの勇気を出して，ちょっと会話が落ち着いた頃に思い切って自分から話題を切り出してみたりしました。とにかく一日目はドキドキヒヤヒヤ，緊張で頬が紅潮して，まるで15歳の頃の私そのまま。

食堂には購買が。ここでは，パンやお弁当，絆創膏やめがね，夜食にモミアゲ（！）なんかも売ってます。買うにはお金ではなく，それに応じたアイテムが必要で，すべて物々交換です

　その後，何回かログインをするうちに，クラスでよく遭遇する子が出来てきます。なんとなく挨拶を交わすだけの時もあるけど，名前はもう覚えているので，校内をうろうろしていてすれ違ったら，ちょっと立ち話をするようになりました。でも，個人的にじっくり話すというところまでは，なかなかたどり着けません。まあ焦っても仕方ない，こういうのはタイミングが重要なのよ。などと自分を慰め，クラブ活動に挑戦してみることにしました。そこでなんとなく，いつも人けのない図書室で，ゴホゴホ咳き込む城崎先生が顧問の文芸部に入部。そして黙々と部活に精を出す日々。だけどこの文芸部，部室にあまり人がいません。いつ行っても，数人の生徒が黙々と部活動に打ち込んでいるストイックな光景が広がるばかり。
　あれあれ？　てっきり私は，文芸部というからにはみんな日々楽しく本や漫画を読んで，ついでにこっそりゲームなんかしちゃったりして「詩織ちゃんを落とすために必要なスキルは？」とか「スタリオン石油でアルバイトして，浴衣を買ってまどかと花火大会に行くんだ」とか，そんな香ばしい会話を繰り広げたり，みんな黙々と妄想小説を書いて文芸誌にする活動をしたりしているものだと思っていたのに！