― 連載 ―

タイタン クエスト 日本語マニュアル付英語版

連載第4回 サブタイトル

 

Titan Questは,日本語化されていないからといって敬遠するのはあまりにももったいない。アクションRPGを愛する読者に一人でも多く触れてもらいたいタイトルだ

 9月1日に発売された,アクションRPG「タイタン クエスト 日本語マニュアル付英語版」(原題 Titan Quest)。目の肥えたアクションRPGファンはもちろん,アクションRPGの入門用としてもお勧めできるタイトルである。
 そのTitan Questに深く切り込んでいく本連載の第4回では,前回のアイテム編に引き続き,ゲームを効率よく攻略していくノウハウをまとめたので参考にしてほしい。

 

 

メインクエストとサイドクエストを攻略して効率よくキャラクターを成長させよう

「クエスト」とはいっても難度は低く,「あのモンスターを倒してくれ」的なお使いクエストが中心である。謎解きの要素はほぼ皆無なので,英文メッセージを読む必要はあまりない

  本作のストーリーは「メインクエスト」を軸に,数多くの「サイドクエスト」をこなしながら進んでいくが,基本的にメインクエストについて深く考える必要はない。マップを適当に進め,クエスト対象のキャラクターと会話するだけで気がついたらクリアしていた,という程度だ。マップも基本的には1本道となっているため,迷って行き詰まるようなこともない。
 もう一方のサイドクエストは,経験値やゴールドなどの報酬がもらえる内容で,ストーリー進行と関係はない。報酬の中身は経験値ボーナスかゴールドが大半だが,中にはレアアイテムをもらえたり,ステータスを上昇させるポイントをもらえるクエストもある。

 

 サイドクエストは,基本的にその多くが町や村にいるNPCと会話することで発生する。クエスト対象となっているNPCは「!」マークが付いているので,見落とすことはまずないはずだ。サイドクエストを受けたままクリアしなくともペナルティは発生しないので,!マークの付いたキャラクターを見つけたら,どんどん話しかけていこう。ちなみに,村や町以外のマップにもNPCがいるので,サイドクエストを全制覇したい人は気をつけてほしい。  このとき役に立つのが,画面右上にあるミニマップだ。ミニマップでは,NPCやダンジョンのようなPoI(Point of Interest),クエスト対象が一定範囲内に近づくと,円周上にアイコンが表示される。その方向に向かって進んでいけばクエストを攻略できるので,マップの隅から隅まで踏破する必要はなくなる。  サイドクエストでもう一つ知っておいてほしいのは,依頼を達成した瞬間に完了するクエストと,依頼達成後に再びNPCに話しかけることで完了するクエストの2種類があることだ。次の拠点エリアに進んでも完了していないサイドクエストがあるときは,クエストを依頼したNPCのところまで戻ってみよう。

 

サイドクエストは拠点エリア以外の場所でも発生する。全部のクエストをクリアするのは時間がかかるので,町や村にいるNPCの依頼をこなす程度でもかまわない インベントリが広がる“バッグ”は段階的に拡張されるが,メインクエストに組み込まれているため,とくに意識する必要はない。バッグはMegara到着時,エジプト編突入時に追加される

 

 なお,ストーリーが進んでエジプト編以降になると,サイドクエストの依頼を受けるとき/遂行するときに,ときにはかなり入り組んだ場所へ向かわねばならなくなる。サイドクエストの攻略やマップの踏破には相当時間がかかるので,ストーリーをガンガン進めたい人は,クエストログのサイドクエストの報酬(You Will Receive)をチェックし,攻略するかどうか判断するといいだろう。

 

ギリシャ編は最初の章ということもあり,クエストの構成も比較的シンプル。マップを踏破すれば確実にコンプリートできるだろう エジプト編に進むと,メインクエストとは直接関係のないマップが次第に増えてくる。終盤では「王家の墓」を舞台に冒険を繰り広げる オリエンタル編は,とにかくマップが広いのが特徴。マップやサイドクエストを制覇しようとすると,やたらに時間がかかる

スキルポイントはレベルアップ直後に使い切るのがお勧め

 続いては,キャラクターの育て方について説明しよう。キャラクターがレベルアップしたり,特定のクエストを遂行したりすると,スキルポイントやアトリビュート(Attributes)ポイントが得られる。このポイントをどのように割り振るかで,キャラクターの特徴が変わってくるわけだが,どう割り振ったらいいか悩んでいる読者も多いのではないだろうか。両者について個別に説明していこう。

 

Delphi近辺からゲームは一気に面白くなる。レベル8になって二つめのマスタリーを習得できるようになるほか,マジックアイテム取得率も高くなる スキルポイントは,MysticというNPCにお金を払うことで振り直し可能。ただし,1ポイント取り戻すごとに支払う金額が倍増するので,ご利用は計画的に

 

 まずスキルポイントは,基本的にポイントを得られた瞬間に使い切るのが基本である。スキルポイントはマスタリーレベルを上昇させるか,各スキルを覚える/強化するのに使用するが,一度割り振っても振り直しができる。Delphi以降の拠点エリアに登場する,MysticというNPCにお金を払えば,スキルポイントを振り直せるようになる。
 また,マスタリーレベルを上昇させると,マスタリーに応じたAttributesが上昇する仕組みになっているのもポイントだ。とくに序盤はマスタリーレベルを上昇させるだけでも戦闘が有利になるので,ポイントを惜しんでプールさせておくよりも,とりあえず使ってみることをお勧めする。全スキルを一通り使っていくと,じきに自分のプレイスタイルに適したものと,そうでないものが出てくるだろう。そのときに初めてスキルポイントの振り直しを行えばいい。
 次にどのスキルにポイントを注ぎ込むかだが,スキルは使ってみないと“使える”ものかどうか分からないもの。とりあえず全スキルに1ポイントずつ振っていくのが堅実である。スキルツリーで縦に並んだ関連スキルについても同様だ。上位スキルを覚えず下位スキルにポイントを注ぎ込むよりも,それぞれに少しずつ割り振ったほうが,結果的に戦闘を有利に進められるケースが多い。

 

スキルに2ポイント以上割り振っても,数パーセント単位でしか効果が上昇しない。一つのスキルに2ポイント以上割り振るのは,ゲームの中盤以降になってからでかまわない 特定のスキルにポイントを集中させるのも当然アリ。画面はかなり極端な例だが,上位スキルのみに集中させてもプレイに支障はない スキルの中には,スキル同士が関連づけられているものも多い。こういった類のスキルはセットで考え,平均的にポイントを注ぎ込んでいこう

アトリビュートポイントは必要に応じて上昇させよう

レベルアップ時に,アトリビュートポイントは2しか得られない。ステータスのほかにHealthとEnergyもあり,しかも振り直しができないので注意

 アトリビュートポイントは,いわゆるキャラクターのステータスを上昇させるもので,スキルポイントとは違い振り直しができない。Titan Questにおける装備アイテムの多くは,レベルやアトリビュートポイントが一定以上でないと装備できないという制約があるため,慎重に割り振る必要がある。
 こう書くと尻込みしてしまう人もいるかもしれないが,実のところ,「レベルアップ直後にはポイントを割り振らない」というのが正攻法だったりする。
 不思議に思うかもしれないが,これにはちゃんとした理由がある。先述したように,スキルポイントをマスタリーレベルに割り振ると,マスタリーの特性に応じたアトリビュートポイントが上昇する。例を挙げると,WarfareならStrength/Dexterity/Health,SpiritならIntelligence/Dexterity/Health/Energyといった具合である。増加分はそれぞれのマスタリーによって異なるが,マスタリーレベルの「+」にマウスオーバーすれば上昇分が確認できる。

 

ゲームが進むにつれ,アイテムの装備条件は次第にキツくなってくる。得意ジャンルの武具は,この条件に合わせて増やしていこう

 つまり,マスタリーレベルを上昇させるだけでキャラクターのステータスは上昇していくので,アトリビュートポイントを使わなくてもそれほど不都合はないのだ。確かに,Attributesが低いと戦闘時に不利にはなるが,そこはAttributesを上昇させるマジックアイテム類で十分カバーできる。
 例えば,Epicクラスのレアアイテムを拾ったとき,装備条件を満たしていないという局面にしばしば遭遇するだろう。普通ならAttributesを上昇させるアイテムを入手するか,レベルアップでAttributesにポイントを割り振れるようになるまで待たなくてはいけない。しかし,プールさせておけば,足りないポイントに割り振ることで,その場で装備できるかもしれないわけだ。Attributesが上昇するマジックアイテムを活用すれば,アトリビュートポイントを10ポイント程度プールさせても進行上なんら不都合はなかったりする。アトリビュートポイントを割り振らないデメリットより,高性能なマジックアイテムを装備できる(かもしれない)メリットのほうが確実に大きい。ぜひこの方法を活用してほしい。

 

キャラクターの方向性がメレーならSTRやDEX,キャスターならINTを重点的に。しかしハイブリッドなマスタリー構成だと,この配分が悩ましくなる ゲームの最終盤になるとステータス条件は400を超える。STR/DEX/INTの内,2項目以上をここまで引き上げるのは至難となる Attributesを割り振らなくとも,装備条件を引き下げるスキルやアイテムを組み合わせれば,高性能マジックアイテムを装備できる(かもしれない)

操作テクニックのノウハウ

物理エンジンは至るところで用いられている。画面は何も考えずにモンスターを倒した結果,アイテムが取れなくなってしまったという悪い例

 次に,シングルプレイの戦闘時におけるテクニックを紹介していこう。Titan Questでは基本的に多数対1の戦闘が基本となる。ザコ敵とはいえ,束になってかかってこられるとあっという間にHealthが減り,極端な話ボスモンスターよりたちが悪いときもある。そこで重要になってくるのが,敵モンスターを倒す順番である。  第3回でも説明したが,Titan Questでは,弓矢や杖による遠距離攻撃は,基本的にキャラクターに当たれば確実にダメージを与える。弓矢を持ったスケルトンなどに一斉に射撃を食らって,あっという間に死亡してしまったという経験もあるのではないだろうか。
 そのため,遠距離攻撃をしてくるモンスターから倒すのが戦闘における常套手段となる。敵モンスターがスタン効果のある攻撃をしてこない限り,モンスターに囲まれても移動はできるので,走り回って遠距離攻撃をしかけてくるモンスターを倒し,そのあと近距離攻撃をするモンスターを倒していくといい。なお,モンスターに囲まれた場合,耐久力に優れるレアモンスターよりも,ザコモンスターから倒していくことを忘れずに。攻撃対象となっているモンスターは画面上部に表示されるが,そのモンスター名が白以外だったら,マウスカーソルを移動させ,白いモンスターを攻撃するようにしよう。

 

敵の遠隔攻撃を水平方向に避けるのは基本テクニックだ。「Ensnare」などといったスキルを避けられるかどうかは,戦局を大きく左右する とくに近接タイプのキャラクターは,モンスターが振る武器にも注目。これらのモーション面から活路を見出せることも多い

 

 マウスクリックが苦手な人は,Shiftキーを活用するといい。Shiftキーを押すと,その場に立ち止まって武器を振るので,モンスターが近寄ってきたら,その場でShiftキーを押すこと。射程距離内にいれば,そのモンスターに対して攻撃をするようになる。  また同様に,Shiftキーを押しながらマウスの左ボタンを押しっぱなしにすると,射程距離内にいるモンスターを次々と攻撃してくるので,併せて活用してほしい。

 

常に真正面から突撃するだけでは芸がない。同じスペックのキャラクターでも,プレイスタイルによって性能はがらりと変わってくる ボス敵の多くはブレスなどの範囲攻撃を繰り出してくる。このような場合は懐に入り込み,その周囲を小さく回るようにしながら戦おう キーコンフィグやショートカット面にも気を配ろう。例えば頻繁に用いる「アイテム表示」は,Spaceバーに割り当てるのがおすすめ

 

 次回からは,Titan Questのキモである,マスタリーの組み合わせについて解説していく予定だ。

 

 

■■川崎 政一郎(ライター)■■
これまで何本かのRPGタイトルに人生を振り回されてきた(らしい)フリーライター/記者。氏のスケジュールを確認すると,東京ゲームショウ 2006を境に何やら凄いことになりそうで,見ていて同情を感じずにはいられない。あ,そろそろTitan Questのレビュー記事もやってみましょうか。締切はそうですね,明後日くらいでお願いします。
タイトル タイタン クエスト 日本語マニュアル付英語版
開発元 Iron Lore Entertainment 発売元 ズー
発売日 2006/09/01 価格 8190円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium 4/1.8GHz以上[Pentium 4/3GHz以上推奨],メインメモリ:512MB以上[1GB以上推奨],グラフィックスチップ:GeForce 3/Radeon 8500以上[GeForce 6800以上推奨],グラフィックスメモリ:64MB以上[128MB以上推奨]

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http://www.4gamer.net/weekly/titanquest/004/titanquest_004.shtml