― 連載 ―

タイタン クエスト 日本語マニュアル付英語版

連載第3回 ゲーム序盤のノウハウ(アイテム編)

本作は9月1日に発売されたばかりの,今が旬のタイトル。クライアントは英語版だが,謎解きがメインではないので,英語が苦手な人でも,プレイに(あまり)支障はない

 ギリシャ,エジプト,東洋の神話世界を駆け巡るアクションRPG「タイタン クエスト 日本語マニュアル付英語版」(原題 Titan Quest)。その魅力を余すところなくお伝えしていく本連載も3回目となる。今回は,序盤の冒険者にとって大切な,武器や防具をはじめとしたアイテムにスポットを当てた。とくにDiablo II経験者も見落としがちな“Relic”“Charm”については,詳しく紹介したのでしっかり押さえておこう。

マジックアイテムの基本中の基本 武器はDPS,防具はArmorに注目しよう

 RPGにおいて,マジックアイテムは欠かすことのできない存在である。熱心なファンなら,たとえラスボスを倒したあとでも,1ポイントでも高性能なアイテムを求め,飽くなきトレジャーハントを繰り返した経験があるのではないだろうか。

マジックアイテム探しはアクションRPGの永遠のテーマといえるのではないだろうか。Titan Questでは,数十時間のプレイでは全貌を把握しきれないほどのボリュームがある

 本作もそれらの例に漏れず,トレハン欲を刺激する膨大な数のマジックアイテムが登場する。だが数が多いだけに組み合わせの種類もそれこそ星の数ほどあり,アクションRPGに慣れ親しんでいる人ならまだしも,初心者にとってはなかなか勝手がつかめない面もある。読者の中には,Titan Questが初めて接するアクションRPGだという人も少なからずいるだろうから,今回はアイテムに関する基礎知識を説明していこう。

 Titan Questにおいて,武器や防具といった装備アイテムは,その名前と色(と外見)を見ればある程度の性能やランクが判別できる。アイテムの色は,以下のように分類される。

  • 灰:痛んだアイテム(ノーマルより性能で劣る)
  • 白:ノーマルアイテム
  • 黄:マジックアイテム(能力ボーナスが付加)
  • 緑:レアアイテム(能力ボーナスが複数付加)
  • 青:エピックアイテム(強力な能力ボーナスが複数付加)
  • 紫:レジェンダリーアイテム(最高級品)

 武器や防具など装備アイテムに,攻撃力アップやステータス上昇など,さまざまなタイプの能力ボーナスが付与されたものがマジックアイテムと呼ばれる。これらのボーナスは何十種類もあり,同じタイプの効果でもいくつかのランクに分かれている。付与された能力ボーナスのトータル性能によってランク分けされ,アイテム名の色に反映されるという仕組みだ(なお,Titan Questの装備アイテムに耐久度の概念はないので,アイテムが実際に傷むことはない)。
 アイテムとしての価値は下にいくほど高くなるが,入手確率は低くなるので,緑以下のアイテムを実際に入手するのはしばらく先の話になる。ゲーム序盤では,マジックアイテム(黄)の能力ボーナスの仕組みを認識することが,Titan Questのシステムを理解する第一歩となる。順に説明していこう。
 装備アイテムの命名ルールは,基本的に以下のようになっている。

(1) 素材名+アイテム名(例:Bronze Knife)

 これは同時にアイテムのグレードを示しており,例えばCopper KnifeよりBronze Knifeのほうが性能に優れる,という感じなので分かりやすいだろう。これがマジックアイテムになると,命名ルールは以下のように変わる。

(2) Prefix(接頭語)+ アイテム名 + Suffix(接尾語)
   (例:Poisonous Large Axe,Spiked Club of Abilityなど)

 マジックアイテムでは,素材を示す言葉の代わりに,アイテム名の前後に“Chilling”とか“of Destruction”とか,付与された能力ボーナスを端的に示すキーワードが入っているわけだ。たいていはPrefixかSuffixのいずれかが入るが,まれにPrefix/Suffix両方が付く,より強力なアイテムもある。その効果については後述するが,入手したら積極的に装備していきたいところだ。
 ちなみに,レア/エピック/レジェンダリーアイテムでは,後述するアイテムの命名規則は適用外となるケースがほとんど。また,エピック/レジェンダリーアイテムでは,武器や防具一式を揃えると追加で特殊ボーナスが付与される「セットアイテム」も存在するが,このあたりについては,また別の機会に紹介しよう。

 

宝箱などから一度に獲得できるマジックアイテムはかなりの量。比較的序盤からマジックアイテムを入手できるので,Diablo IIと比べて全体的にややインフレ傾向な印象も受ける マジックアイテムのPrefix/Suffixの意味が分かれば,その効果もイメージしやすい。ただ,アイテムにマウスオーバーすれば具体的な数値が出るので,意味が分からなくても不都合はない ゲームを進めると登場する青や紫の装備アイテムの一部には,セットアイテムが存在する。揃えるのはかなり難しいものの,コンプリートすると追加で能力ボーナスを得られるのだ

 

 それでは次に,膨大な種類があるアイテム/マジックアイテムの中から,いったいどの部分に注目して選べばよいのかを,説明しよう。
 まず武器について。恐らく最初に悩むのは,剣や斧といった近接系武器か,弓やスタッフといった遠距離攻撃ができる武器のどちらを選ぶかだろう。Titan Questでは以下のような傾向になっている。

  • 近接系武器:攻撃スピードは速いが,攻撃対象にダメージを与えられないこともある
  • 遠距離系武器:ヒットすれば確実にダメージを与えるが,攻撃スピードは遅い

 いずれも一長一短あるため,どちらがいいとは一概に言い切れない。キャラクターをどのMasteryで成長させるかにもよるが,序盤は近接系武器と遠距離系武器を両方を装備し,Weapon Swapを利用してプレイしやすいほうを主武器とすればいいだろう。

 

武器に関してはダメージ幅とスピードを最初にチェック。その上で,トータル値として割り出される“DPS”を見て選ぼう

 次にポイントとなるのがダメージ幅と攻撃スピードだ。ダメージ幅は,最大値/最小値ともに大きいほどいいのはいうまでもない。しかしTitan Questでは,Very Slow/Slow/Average/Fast/Very Fastの5段階の攻撃速度があり,仮に同じダメージ幅でも,単位時間内に与えるダメージ量は違ってくる。
 そこでステータスウィンドウを開いて“Damage Per Second(DPS)”の項目を見てみよう。これは1秒間の通常攻撃で与えられるダメージの平均値を示したものだ。キャラクターのステータス(Attributes)や,武器以外の装備アイテムで上昇したステータス値,パッシブスキルなども反映されている。一般的に,RPGではDPSは明らかにされず,プレイヤーが独自に検証したデータで割り出すというケースがほとんど。このようにゲームシステムで明示されているというのは珍しい。
 また厳密に言うと,敵との相性によっても与えるダメージ量は違ってくる。例えば,Armor値の高い敵には近接攻撃によるダメージを与えづらく,魔法耐性を持つ敵にはStormやEarthなどエレメンタル系の攻撃は効きづらい。
 だがゲーム序盤ではそういった細かいことはあまり意識しなくてもいい。DPS表示機能がとても便利なので,最初はこれが最も高くなる武器を単純に選ぶのをお勧めする。そしてゲームに慣れてきたら,少しずつ敵との相性面も考慮するようにすればいいだろう。

 続いては防具だ。防具の主な構成要素としては,防御力/特殊攻撃に対するレジスト率/各種ステータス上昇などがある。それらをすべて見ていくときりがないのだが,序盤ではシンプルに防御力に目を向け,数値が高くなるようにすればいい。Armor値が高ければ高いほど,敵から受けるダメージ量が少なくなる。
 ただしTitan Questでは,体/頭/腕/足と装備アイテムの部位ごとにダメージ設定がなされている。体にヒットする確率が高いため,最も重要なのは鎧のArmor値となるが,ほかの部位をおろそかにしていいというわけではない。例えば,兜を装備していない状態で頭にヒットすると,深刻なダメージを受けてしまう。頭/腕/足の装備アイテムには,弱点を作らずバランス良くArmor値を上げていくのがいいだろう。

 また,もう一つ重要なのが盾である。TITAN Questにおいて,盾の定義はArmor値とは別扱いとなっている。Shieldのステータスを見ると,「15% Chance to Block 34 Damage」というように表示されている。これは敵から攻撃を受けたとき「15%の確率でブロックし,発動したときはダメージを34軽減する」という意味である。要するに盾を持っていたほうがダメージを受けづらいということなのだが,分かりづらい場合は,序盤のザコ敵で盾あり/なしを試してみるといい。Health(ヒットポイント)の減り具合がかなり違うことが確認できるはずだ。序盤の敵は攻撃力もそれほど高くないので,基本的にはブロック率が高い盾を装備するといいだろう。

 そのほかの要素,例えばレジスト率が戦局を左右するようなことは,ゲーム序盤だとめったにない。レジスト率はストーリーが進行して,魔法を唱える敵が増えてきてから考えればいい。
 また,防御力よりは優先順位が落ちるが,ゲーム序盤ではStrengthなどAttributesが上昇するタイプもお勧めである。装備アイテムの中には,例えばStrengthが80以上というように,性能に優れるがAttributesで使用制限を設けているものもある。ネックレスや指輪などでステータスを底上げするといいだろう。

 

防具に関しては何はともあれArmor値が最優先。中盤以降では,攻撃速度アップ,移動速度アップなどの能力ボーナスが付与されたアイテムにも遭遇するようになる 炎などエレメンタル系に対するレジスト値は,中盤以降においては最重要項目となるが,序盤ではあまり必要としない。まずはDPSとArmor値を強化していこう

 

比較的手軽に武具をパワーアップできる「レリック」と「チャーム」を使いこなそう

 ゲーム中に登場するマジックアイテムは,Diablo IIを優に上回る種類がある。そして,これらのマジックアイテムをより奥深いものにしているのが,Relic(レリック)とCharm(チャーム)の存在だ。ここからは,RelicとCharmの使いこなし方をレクチャーしていこう。

 

Relic/Charmは,その特徴に応じてドロップするモンスターが決まっている。イノシシなら牙,鳥なら羽といった具合だ

 簡単に説明するとRelicやCharmは,モンスターを倒すとたまに手に入る“マジックアイテムの素”である。取り付けることで,装備アイテムに能力ボーナスを付与できるというシステムだ。概念的には,Diablo IIのソケットアイテムやギルド ウォーズの強化材に近い。
 Relic/Charmで注目してほしいのは,それぞれ対応する武具の種別が決まっていること(Relic/Charmの説明文末尾に装着できる装備アイテムが書いてある)。鎧だけ,弓だけといったかなり限定的なものもあるので気をつけたい。ただし,条件さえ満たせば大半のアイテムに装着できるというメリットがある(Diablo IIのように,ソケットあり/なしの概念はTitan Questにはない)。なお,一つのアイテムに装着できるRelic/Charmは基本的に1個のみで,一度取り付けると取り外しはできない。
 なお,Relic/Charmは破片の状態でドロップし,同じ種類のRelicを5個,Charmを3個合体させると,コンプリートした能力ボーナスが別途付与される。そのままでもアイテムに装着できるが,コンプリートさせてから装着したほうがいいのはいうまでもない。
 ちなみに,Relic/Charmは右クリックで使用する。右クリック後,同じRelic/Charmに重ねて左クリックすると合体,該当する装備アイテムに重ねて使うと装着することになる。なお,Relic/Charmはエピック/レジェンダリーアイテムには装着できない。

 

Relic/Charmの説明の末尾には,「Can enhance all Armor」などといったように,装着できるアイテムが記されている 同じ種別のレリック類を集めきると,コンプリートボーナスを得られる。装備アイテムへの装着は一度きりなので,できればコンプリート状態で使いたい レリック類が装着されたアイテムには「+」マークが付く。うまく組み合わせれば,黄色のマジックアイテムでも,レアアイテム以上の効果を発揮する

 

本作のゲーム展開は全体的にスピーディなのが特徴。Relic/Charmのドロップ率もけっこう高いので,積極的に使っていこう

 Relic/Charmを集めても,“もったいない病”が発動して,なかなか装着に踏み切れない人もいるだろう。気が付いたらインベントリーがRelic/Charmでぎっしり埋まっていた,という人も多いのではないだろうか? 何を隠そう筆者も同じである。
 ちなみに少々先の話になってしまうが,NormalレベルをクリアしてEpicやLegendaryに挑戦すると,同じ種類のRelic/Charmのアップグレード版を入手できるようになる。ただし互換性はないので合体できず,Normalで手に入れたRelic/Charmは,いずれ処分することになってしまう。
 後生大事にとっておいてもそれほどいいことはないので,積極的に使っていったほうが得である。使いどころの目安としては,レリックなら5個,チャームなら3個をコンプリートしたら,装備アイテムに使ってしまえばいい。装着する装備アイテムをじっくり吟味したいのは分かるが,Relic/Charmは1個しか装着できないことと,マジックアイテムやRelic/Charmのドロップ率は高いことを考えれば,早めに使ってもデメリットを感じることはあまりないだろう。おそらく,装備アイテムをアップグレードする頃には,Relic/Charmの何かしらがコンプリートされているだろう。
 もしRelic/Charmの集まり具合が悪いようだったら,区切りのいいところでいったんゲームを終了すればいい。ゲーム再開時にはモンスターはリポップするので,これを利用して同じタイプのモンスターを集中的に狙ってみよう。そうすることで,Relic/Charmの収集とレベルアップを平行して行え,効率的にキャラクターを育成できる。

 

まったく同じタイプのRelic/Charmでも,Epicレベル以降との互換性はない。売ってもたいした金額にはならないので,使ったほうが得である 昆虫や動物系のモンスターは装備アイテムのドロップが期待できないが,Relic/Charmのために狙い撃ちすることもあるだろう

 

Relic/Charmをあまり使わずEpicレベルに来てしまった悪い例。インベントリーが埋め尽くされてしまい,ドロップアイテムを拾えなくなってしまった Relic/Charmには,攻撃スピードをアップさせたり,シールドブロックからの回復時間を短縮するなど,マジックアイテムでもレアな効果を発揮するものもある

 

 Relic/Charmの種類は,筆者が確認しただけでも20〜30あり,現時点ではすべてを把握しきれていない。だが,ゲーム序盤で出現するRelic/Charmの種類はそれほど多くない。いろいろな装備アイテムに装着してみて,その効果を試しながら,能力ボーナスの効果を学習するつもりで使うといいだろう。
 レリック類の最大のメリットは,自分が欲する高性能なマジックアイテムを比較的楽に生成できることにある。装備アイテムすべてに効果的なRelic/Charmを装着できれば,キャラクターレベルが2〜3上がったのと同じかそれ以上パワーアップできるはずだ。使い惜しむことなく,積極的に活用してほしい。
 本来は序盤でのノウハウをまとめて紹介するつもりだったが,アイテム類だけでかなりのボリュームになってしまった。残りは次回の連載で紹介させていただくので,来週まで待っていてほしい。

 

 

■■川崎 政一郎■■
アクションRPGをこよなく愛するフリーライター/記者。前回の連載記事を執筆するために,一人で8マスタリー分のキャラクターを育てた氏は,疲れきった表情で「もうどのキャラクターがどのレアアイテムを持ってるのか把握しきれなくなりました。今後は既存のキャラクターでまったり遊ばせてください」と言っていた。たぶんRelic/Charmの種類をすべて把握するというような遊び方をしたいということだろうから,近々原稿に書いてもらうことにしよう。
タイトル タイタン クエスト 日本語マニュアル付英語版
開発元 Iron Lore Entertainment 発売元 ズー
発売日 2006/09/01 価格 8190円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium 4/1.8GHz以上[Pentium 4/3GHz以上推奨],メインメモリ:512MB以上[1GB以上推奨],グラフィックスチップ:GeForce 3/Radeon 8500以上[GeForce 6800以上推奨],グラフィックスメモリ:64MB以上[128MB以上推奨]

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