アロハ! 晴れた空! そよぐ風! 青い海! 水着の美女! 溺れるオレ! といったらもうハワイ以外に考えられないような気がする。そんなハワイ,オアフ島の豪邸に住み,超が三つぐらい付く高級車を買いまくってレースが楽しめるという前人未踏のドライブゲームが「Test Drive Unlimited」(以下,TDU)であることに世界の誰にも異存はないはず。そして,そんなハワイの生活をサポートすべくお届けしている週刊連載「ああ,憧れのハワイ道路」だが,いよいよラストスパート体勢に入ったようだ。今週も張り切っていきましょう。ブッブー。
さて,オアフ島でセレブ中のセレブに成り上がったピンクのロン毛美女“ホノ・ルル美”として豪華な生活を満喫している筆者だが,いつものようにルル美のマイホームを訪れてみたところ,見知らぬ坊主頭の男が我がもの顔にマイチェアに座っているではないか。あなたはどなた? 私のルル美ちゃんはどこ……。すわ,大事件発生である。
実はこの現象,ハワイで生活中のセレブの間ではかなり有名な,ハイソ用語で言うところの“おバグ”。筆者は今まで一度も体験していなかったので連載でも触れなかったが,ついにヤツが現れてしまったらしい。ルル美ちゃんはどこかへ家出して,代わりにこのブルース・ウィリスみたいなおじさんがプレイヤーキャラになってしまったという怪現象だ。ステータスはなぜかすべて残っているので,なんだったらこのおじさんでプレイを続けられるという面白い症状なのだが,こんなオヤジお断わりである。ぺっぺ。
いずれ修正パッチもリリースされるらしいが,今のところの対処法としては,セーブデータをバックアップし,おじさんが現れたらそのデータを戻すといった手段しかない。もし,今まで知らなかった人やこれからオアフ島に来る予定のある人がいるなら,バックアップの方法を最後に書いておくのでぜひ目を通しておいてほしい。中には,ぜひこのレアなおじさんでプレイを続けたいという奇特な人もいるだろうけど,それはどうかなあ。
というわけで,先週は
「すばらしきオンラインプレイの世界【前編】」をお届けしたわけだが,それに続く今回は,なんのひねりもなくて恐縮だが,「すばらしきオンラインプレイの世界【後編】」をお届けしよう。前回は通常のドライブモード(フリーライドモード)で楽しむオンラインプレイについて触れたが,今回はとくにイベントスポットで楽しめるオンラインプレイに着目していきたい。レース派セレブの方は,とくとご覧あれ。
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オンラインプレイは人間対人間のレース。CPU相手のレースと違い,もう速いのなんのって。だが,相手がなんでもないところでミスをしての大逆転勝利があったりするから愉快。筆者の場合,プレッシャーに弱いのか,トップを走るとたいてい派手にミスして大逆転されている。だって,人間だもの(みつを)
オアフ島のマップを見るとオレンジ色(肌色かな?)のチャレンジアイコンがある。これが噂の「オンラインチャレンジ」。ここでは規定のコースを使って,自分を含め最大8人でのレースを楽しめる。あらかじめ設定したルールでレースをしたり,ほかのプレイヤーが設定したレースへ参加したりできるのである。
オンラインチャレンジは,前回触れたマッチングシステムとは関係なく,サーバーにつながっているすべてのプレイヤーが参加可能。そのため連日連夜,頻繁にレースが行われている状況だ。マップ画面を開き,オンラインチャレンジのアイコンが強調表示されているいれば,そこが会場。どこでレースが開催されているか分かれば,次はチャレンジに参加するだけとなる。ちなみにレースで使用する車やバイクはレース前に変更できるので,街乗り用の車やバイクなどで出向いてもオッケーである。
とにかく「なんでもいいからレースがしたい」という,せっかちセレブなら,ほかのプレイヤーが作成したレースに参加するのが手っ取り早い。オンラインチャレンジに入り,クイックプレイを選ぶと開催中のレースに参加できるとうクイックさ。クイックはいい。
また,自分好みのレースがしたいセレブには,台数制限,車種限定,プライベートレースなど独自ルールでのレースが開催できるカスタムマッチを選ぼう。ちなみに,クイックマッチ,カスタムマッチとも,順位のみを競うプレイヤーマッチ,順位により世界ランキングのスコアが獲得できるランクマッチのうちいずれかを選択可能。
ライバル達と順位を競い合うレースなので,スタートしたらあとはバリバリのドライビングテクニックを駆使してアクセル全開ゴー,ゴー,ゴーでゴールを目指す。やっぱり人間相手のレースは燃える。興奮のあまりついフラダンスを踊ってしまいたくなるほどだが,意味はよく分からない。
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強調表示されているアイコンがレースが開催されているポイント。レースに参加するために自走して行ってもいいが,移動中にレースが始まったり終わったりすると切なすぎるので,お得意のワープで超自然的に瞬間移動しちゃっうほうがなにかと楽である |
レース前に車両グループ(つまりランク)をチャットなどで決め,同一グループの車種を使うことがほとんど。上のランクの車を使えば楽々優勝できるが,やはり車両グループをみんなと合わせるのがマナーといえよう |
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スタートしたら,アクセル全開でひたすらぶっ飛ばしぶっ飛ばす。車両の当たり判定があるレースの場合,接触にも注意だ。わざと追突&押し出してくる人,予想もできない動きをする人もいるが,これもオンラインプレイならではだ。おらおら,ヘタクソめ! |
ドライブインでオリジナルのチャレンジを公開できる。テスト走行して多くの人が挑戦してくれそうなチャレンジなのかちゃんと確認するのは基本。設定タイムが厳しそうなら,基本報酬を高めにして挑戦者を釣るのもいいだろう
「ドライブイン」では,ほかのプレイヤーと同時に走行して順位を競うタイプではなく,タイムアタックチャレンジとスピードチャレンジの二種類のチャレンジが楽しめる。ルートや条件を独自に作成したチャレンジを世界中のプレイヤー達に挑戦してもらったり,ほかのプレイヤーが作成したものに挑戦できるのだ。これもなかなか熱いよ。
なにしろこのチャレンジ,開催期間内にトップタイムを叩き出すことで高額報酬が得られる場合があるのだ。どういうことかというと,開催されているほとんどのチャレンジにはエントリー費が設定されており,誰かが挑戦するたびにエントリー費が支払われ,これが報酬として加算されていく。つまり,挑戦者が多ければ多いほど報酬額が上がる仕掛けになっているのだ。レース終了後,報酬の90%が優勝者へ,10%がチャレンジ制作者に分配されるのだが,したがって,人気のあるレースほど報酬がガッポリ手に入る可能性が高く,やる気度はアップするし,トップタイムなんか出ちゃうと笑いが止まらない。ガッハッハ。
とはいえ,しばしばほかの挑戦者にあっさりと自分のタイムを上回られてしまうし,どうやったらこんな数字が出るんだ? と首を傾げてしまうようなタイムなんかもあったりして,筆者の場合,ちょっぴりトホホになるケース多発。いやはや世界は広い。
オリジナルのチャレンジを作成するには,まずコースから。これは,自由に走り回れるフリーライドモードのポーズ画面に用意されたエディタを使って作成&編集する。作成するチャレンジのタイプを選び,制限時間,ドライビングゲージ(減点),一般車やパトカーの有無などを,またマップ画面を見ながらスタートやゴール,チェックポイントまたは計測ポイント(レーダー)などを設定していこう。
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(画面左側)タイムアタックチャレンジはスタート地点,チェックポイント,ゴール地点を設定するだけだ。ルートはチェックポイント地点によって自動設定される。
(画面右側)スピードチャレンジはスタート地点,7か所の計測ポイント,そしてゴール地点を設定する。画面は分かりやすいように計測ポイントを配置したが,実際にはどの順番で回ると速度が出るかといったことをイメージしながら作るといいだろう |
とりあえずコースが完成したら,次はきちんとクリアできるかどうかを調べるためのテスト走行を行う必要がある。目標速度やタイム,シルバー/ブロンズカップの速度やタイムなどを手動で設定していってもいいが,テスト走行をすればそれらが自動的にセットされるので便利。細かい設定を変えることでガラッと難度が変わるため,設定を変更してはテスト走行,という手順を繰り返し,ナイスでグッドでゴージャスで繰り返し挑戦したくなるチャレンジを作りたい。こういった美的センスもセレブには必要なのだ。
「オレって天才。センスあるなぁ」といった自己満足度100%のチャレンジが完成したら,あとはドライブインにあるマイチャレンジでエントリー費,基本報酬(自分が払うか,もしくはなくても可),公開期間などを設定して,世界中のチャレンジャーに向けて配信(アップロード)するだけ。ちなみに公開できるチャレンジは一つだけで,一人でもチャレンジに参加した時点でそれは破棄できなくなる。あっと思ったときにはもう遅かったりするので(経験談),その点はご注意を。
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作成したチャレンジをドライブインにアップロードして世界中のプレイヤーに挑戦してもらう。開催期間が終わると結果がメールで送信されてくる。う〜む,挑戦者が少なくてガッカリだ。これは悪い見本と言えよう。作るにしても参加するにしても,タイムアタックは一緒に走るレースとはまた違った楽しみがある |
気の合った仲間とオアフ島で楽しむならクラブを利用する手もある。フレンド登録が必須だが,即席で参加したツーリングメンバーなどからフレンド登録の申し込みがあったりするから,どこかのクラブに参加させてもらうのもアリだ
オアフ島には「クラブ」というものが存在する。筆者はオアフ島に滞在する人々が勝手に集まって,歌ったり踊ったり飲んだり食ったりできる場所なのかと思っていたが,実は少々違った。クラブはそこまでオープンなものではなく,フレンド登録しているメンバーが集合できる若干クローズドな空間だ。そこではクラブメンバーとのレースはもちろんのこと,ほかのクラブとの対抗レース(インタークラブレース)などが開催できる。
クラブに参加する方法は,自分でクラブを設立して会長になってメンバーを誘うか,ほかのプレイヤーから誘いを受けてクラブに参加するかのどちらかだ。いずれの場合も,フレンド登録している人のみ誘う(誘われる)ことになるので,友達が少ない人は少し悲しい思いをするかもしれない。いや,筆者のことだが。ちなみに,所属できるのは一つのクラブだけなので,ほかのクラブに移籍するには現在属しているクラブを脱退する必要がある。
上にもちょっと書いたが,レースにはメンバー同士でレースを楽しむイントラクラブと,ほかのクラブと対抗レースを行えるインタークラブが用意されている。クラブでのレースは,ほかのチャレンジと同様マップ上にアイコンで表示されているので分かりやすい。また,クラブレース専用のチャレンジ(グリーンのアイコン)もあったりする。
個人的願望だが,もうちょっとオープンなクラブ(というか溜まり場)みたいなものがあって,そこでメンバーを集めて(ロックして),ツーリングに出向くとか,そういうのがあってもいいような気がしないでもないが,まあ,ともかく仲間内でワイワイやりたい人はクラブを活用するのも手だ。
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クラブ名も筆者のようなベタなネーミングではなく,いかしたセレブならちょっとこだわりたいところ。ちなみに名前や説明に日本語は使えない。また,クラブを設立するには(場所によって異なるのだが)ある程度の費用がかかる。まぁ,筆者のようなハイソな人ならばポンと出して「おつりでクルーザーでも買っときなさい」と言える金額なので心配いらない |
クラブのみで使用できるチャレンジも用意されている。フレンド登録が多い人は,クラブを利用してのクラブ内レース,クラブ対抗レースを楽しめる。私生活でも友達の少ない筆者はクラブレースの面白さをまだまだ味わえていない状況である |
というわけで,2回にわたってオンラインプレイについて触れてきた「ああ,憧れのハワイ道路」だが,どこの誰だかまったく分からない世界の人々を相手に,ときにはツーリングし,ときにはレースをし,ときにはド突き合いまでできてしまうこのゲームの面白さを十分理解していただけたものと強く確信する次第であります。ぶっちゃけ,TDUの面白さはオンラインプレイにこそある。
前回も書いたが,中には「英語できないし」と不安になる人もいるだろう。筆者も実はそうで,日本語以外の言語を見聞きするだけで拒絶反応を起こし,クラクションを鳴らして逃げるかスピンターンを始めてしまうシャイな人格なのだが,そんな私でもオアフ島でのセレブ生活を存分に楽しんでいるのだから心配なしである! たぶんね。
そんなわけで,いよいよ次回は連載最終回である。うう,なにかこみ上げてくるものが……なんだ,胃液か。昼のサバが古かったかな。それはさておき,これまでの連載で,すでに筆者の言いたいことは語り尽くしてしまったような気がするので,感動の最終回は「オアフ島の走り方」と題して,島の名所や,走りのスポットなどをお伝えしたい。TDUの持つ美しいグラフィックスをぜひ堪能していただきたい所存。
では,これから最終回のネタ探しにひとっ走りしてくるので,また来週。アロハロハ!