いわゆる“ペットを飼う”とは,犬や猫やハムスターや小鳥などの動物とともに暮らし,愛玩してあげることであり,「女王様のペットになりたい!」とかそういうのとは別のジャンルに属しているので気をつけてほしい。もっとも,世の中にはワニやヘビやサソリなどをペットにしている人などもいるし,一口に愛玩動物といっても愛の対象は人それぞれである。そんなペットの人生というか,ペット生をまあまあ大胆に描ききったエレクロトニック・アーツの新作が「ザ・シムズ ペットストーリー」なのである。
7月12日に発売された本作は,世界中で大人気の人生シミュレーション「ザ・シムズ2」シリーズの新たなフランチャイズだ。ザ・シムズ2のゲームシステム(およびグラフィックス)を使用しつつ,そこに物語を盛り込み新たなゲーム性をなんとかかんとか……というような話は前作「ザ・シムズ ライフストーリー」のレビューなどに書いたので,そちらを参照してもらえると私もあんまりキーボードを叩かなくて済むのでよろしくです。
シムズ・ストーリーシリーズ第2弾となるペットストーリーは,ペットの話と見せかけて実は剣と魔法の世界を舞台に光の勢力と闇の勢力が南洋の孤島で雌雄を決するとかそんなことは全然なく,やはりアメリカ風郊外住宅を舞台にしたほのぼのストーリーが展開する。前作同様,二人の主人公が登場し,それぞれがペットにまつわるドタバタに巻き込まれつつ,次々に持ち上がる問題を解決しながらペットとの絆を深め,やがて自らの存在意義や家族の愛に目覚めていくというストーリーを面白おかしく楽しめるのである。