― 連載 ―

スカッとゴルフ パンヤ アリンの「恋はチップイン」
第3ホール:アリンと巡る8種類の素敵なコース
八つあるコースの特徴を見極めることが脱初心者への第一歩

キャラクターの魅力というか,アリンちゃんの存在が本連載を支えているといっても過言ではない。公私混同は承知の上だ

 一見とっつきにくいイメージのゴルフをぐっと簡略化し,誰でも手軽に楽しめるようにした「スカッとゴルフ パンヤ」。"魅力的なキャラクター+基本プレイ料金が無料"という,限りなくハードルが低いゲーム内容で,幅広い層からの人気を集めている。
 とはいえ,ハードルの低さをウリとするタイトルはほかにも多く,読者の中にはピンとこない人もいるかもしれない。そこで,本来はこういったライトなタイトルとは正反対である,ヘビーなRPG/RTSを得意とするライターの筆者がチャレンジしてみよう……,というのが本連載のテーマ。その結果は前回までの記事を見れば一目瞭然,現在筆者はアリンちゃんにゾッコンLOVEだ。今日も「アリンちゃんのヘアカラーはいつになったら導入されるんだろう」「ボギーのモーションは変更前のほうが可愛かったかなあ」などとつぶやきながら,打ち込みに余念がない。

 閑話休題。これまでの連載ではゲームの基本面や,パンヤならではの通貨システムなどについて触れてきた。新たにパンヤを始めようという人も,これでとりあえず一通りプレイできるとは思う。そして次にとまどうとすれば,ゲーム中の個性豊かなコースの数々ではないだろうか。パンヤには計18ホールのコースが8種類用意されており,それぞれテーマがまったくといっていいほどに違っているのだ。

 

コースによって,さまざまな障害物がボールの行く手を阻む。これらの特徴をきっちりと把握していくことが,初心者脱出の第一歩となる

8コース×18ホールで計144ホールだが,誌面の都合上すべては紹介しきれない。雑感程度の内容になっている点はご了承を

 

 個性もさることながら,8種類のコースは難度もそれぞれ違っており,これは星の数で表される。例えば,知識や経験が乏しい状態でいきなり★★★のコースに挑戦すると,OBの山を築いてしまう可能性が高い。最初はブルーラグーンやホワイトウィズといった★一つのコースで練習を重ねながら,少しずつ幅を広げていくとよいだろう。最初のうちは,ゲームのスキルよりもコースの知識がものをいうのだ。

 今回は,各コースの雰囲気をざっと紹介していこう。

ブルーラグーン Blue Lagoon

 眩しい太陽と涼しい波が美しい,パンヤ島随一のリゾート地。星印は1個で,全コース中最も難度が低い。OBさえ連発しなければ,少しくらいショットをミスしても立て直せるホールも多いのである。ちなみにこのブルーラグーンは,練習モードでも用いられる。よってパンヤの初心者は,ショット時の力具合や風向きの調整などといった基本面を,ここできっちりと身につけよう。

 

突き抜けるような青い空に向かって,思いっきりボールを飛ばす快感。初心者でもゴルフの楽しさを存分に満喫できる

黒い点の位置で表されるグリーンの傾斜の読み方も,ここで覚えよう。写真の状態では左寄りに,そして強めに打て

 

 

ブルーウォーター Blue Water

 ぱっと見ではブルーラグーンに似ているものの,よく見ると細かいところがずいぶん違う。例えば,ロングホールが多くてキャラクターや装備品による能力差が出やすいことが挙げられる。また,ショートカットで最短のコースを狙おうとすると,多くの場合は木などの障害物が遮るように配置されている。なので,初心者がちょっと欲を出したりすると,急に思いどおりにならなくなってしまうのだ。次のショット時に障害物が邪魔にならない場所を狙ったりと,一歩先を読みつつプレイするとよい。

 

ブルーラグーンと比べて,コースが全体的に広い。パンヤショットを出せるように日頃から練習しておこう

グリーンもかなり広くなっている。ロングパットのときは,力加減をやや強めに打つのがコツのようだ

 

 

ホワイトウィズ WhiteWiz

 見渡す限りの雪景色が美しいコース。ほかのコースにはない特徴として,川や湖に堅い氷が張り巡らされていて,氷上はボールがコロコロと転がってしまう。これを利用して一気に距離を稼げるものの,氷のところどころにポッカリと穴が空いているため,気が抜けない。とくに,氷に傾斜があるホールは要注意で,場合によってはスピンなどのテクが必須になることも。氷以外はオーソドックスな構成のコースで,氷上で飛距離を伸ばしてPPを稼ぎやすいため,プレイヤーの人気は高いようだ。

 

アイスバーンや路面といった,地面が固めの場所では飛距離を伸ばしやすい。ほかのコースにも何種類か存在する

氷に空いた穴には要注意。下はもちろん水だ。ショートカットを狙おうと欲張りすぎると,穴に落としてしまうので注意

 

 

ブルームーン Blue Moon

 二つの月が夜空に映えるブルームーンは,パンヤの中で唯一のナイトコース。月の光を受けて植物や海がきらめき,とても幻想的な雰囲気を醸し出している。しかしこの植物がくせ者で,例えばキノコは当たり判定が異様に大きく,しかも生えている根本付近にボールが落ちるとOB。このキノコはフェアウェイの近くに生えていることも多く,ラフだと思ったら実はOBだった,ということのないように気をつけたい。

 

唯一の夜間コースということもあり,ボールの位置が少々見づらい。ショット時は植物から距離を取るようにしたい

次第にいやらしい構成のコースが増えてくる。写真ではホールインワンを狙おうとすると,海に落ちてしまう可能性が

 

 

セピアウィンド Sepia Wind

 セピア色の夕焼けをテーマにしたコース。ここで初登場する建物の"風車"は,多くの場合がボールを遮るように建っている。ショット時のゲージを動かし始めると風車の回転が止まるので,タイミングをうまく合わせて羽根の間を通すようにしよう。その点さえ気をつければ,コースそのものは星2個ということもあり,それほど難しくはないだろう。

 

ショットするとき,ボールがどれくらいの高さまで上がるかに注目。風車の羽根の間を通すためにも身につけたい

ボールが最初に着地する位置は,最終到達点よりもかなり手前。OBの危険を避けるためには着地点をまず考えよう

 

 

ウィンドヒル Wind Hill

 セピアウィンドと同様に秋の夕焼けをテーマにしているが,こちらは難度がかなり高め。"風の丘"の名にふさわしく,ところどころで乱気流が発生しているのだ。そのためショット時のコースを計測するのが難しく,思いも寄らぬ方向へ飛んでいってしまう。とくに風車と障害物の間などは,乱気流が発生しやすく要注意。よほど腕に自信がなければ,強引なショートカットは狙わずに進めたほうがよいだろう。

 

コースの脇に設けられたカート用の道は利用可能。道幅は狭いものの,固い地面を利用して飛距離アップを狙える

画面右下の風量が,乱気流の影響で"?"となっている。注意しないと,思いも寄らぬ方向へボールが飛んでいく

 

 

ウィズウィズ WizWiz

 まるで空中庭園ともいうべき断崖絶壁の上に設けられたコース。雲海が広がるほどの高所で,少しでもコースを外れたら谷底へとまっしぐら。しかも至るところで巨大建築物などの障害物が行く手を阻んでおり,全コース中でも難度はトップクラスだ。その一方で,アイテムや特殊ショットを駆使すると,大幅なショートカットが狙えるのも魅力である。もし上級者のプレイを見る機会があったら,そのアクロバット的なショットの数々に大いに驚くだろう。

 

白いのは雲で,どれほどの高所にあるのか考えるとぞっとする。高低差もあり,頭上視点だけでは目測を誤りやすい

このコースのショートカットは,とくにハイリスク/ハイリターン。ちょっとでもそれるとOBなので,一瞬たりとも気を抜けない

 

 

シルビアキャノン Silvia Cannon

 軍艦の甲板の上に芝生を植えて作ったという,パンヤ以外ではありえない仰天コース。コースによっては複数の艦橋の甲板から甲板へと打つことになり,高低差もかなりあるため,よくよく考えて打たないとドツボにはまりやすい。しかも,時折軍艦から発射されるキャノン砲によって,風向きが一変してしまうのである。いったいなぜ,こんなところでゴルフをしなければならないのか。その理由は開発者のみが知っている。

 

ラフとフェアウェイが複雑に入り組んでおり,ショット時は慎重を要する。真上視点からでは高低差も把握しづらい

キャノン砲が発射されると風向きが一変。ほかにもヘリコプターやファンといった,上下方向に気流を生み出す場所も

 

ようやく勝負らしい展開に? ライター対編集者の凸凹パンヤ対決第3弾

ライターvs.編集者対決も3回めに突入。毎回筆者が勝つものだと思っていたが,今回はいつもと異なる展開が!?

 本連載では,4Gamer編集部Kawamura氏と毎回パンヤ対決を行っているが,これまで筆者はKawamura氏にとって初挑戦となるコースをわざと選ぶようにしていた。その結果Kawamura氏は,例えばホワイトウィズのアイスバーンといったコース特有の仕掛けにハマり,惨敗の結果に終わっている。つまり見方を変えると,今までは戦う前から勝敗は既に決していたのだ。我ながら狡猾だが仕方がない,これもすべてはアリンちゃんのためなのである。

 だがしかし,今回の記事の打ち合わせをしている最中に,Kawamura氏が「事前に練習したいのでコースを教えてください」と言ってきたではないか。ここにきてようやく,コースの知識についての重要性を理解できたらしい。気づくのが遅すぎるというか,もう少しプレイしましょうよといったところだが,そんなわけで(?)今回はブルームーンで対決することに。

 

ブルームーンの難度は,体感的にはブルーラグーンと同程度。ただし夜間ということで,受ける印象は大きく違ってくる

空を切り裂くかのように飛んでいくボールは心が和む。ちなみにハートマークの軌跡は特殊Aztecボールによるもの

 

 今回Kawamura氏は,女の子キャラクター"クー"をCPで購入したという。しかもブルームーンに登場したクーは,9月22日まで限定販売のピンク水着バージョン。とはいえゲームランクは相変わらずの"ルーキーD"(前回の試合時にランクアップしていた)のままなので,前回用いたセシリアはほとんどプレイしていない計算となる。成人女性から幼女へ鞍替えといったところだが,彼の身にはいつの日か天罰が下るに違いない。

 しかしプレイ内容については,今回Kawamura氏は予習済みというだけあって,これまでの対戦とはちょっと違う雰囲気。例えばショット時の待ち時間の短さや,方向を定めるときの迷いのなさに,それが表れている。一方の筆者はというと,なぜか妙に調子が悪く,ここぞというところで惜しいミスを連発してしまう。その結果お互いの実力差が埋まることになり,かつてない僅差でゲームは進行していった。

 

これがKawamura氏が新たにCPで購入した女の子キャラクター"クー"。いきなり水着というあたりが,なんというか,その,彼らしい

やはり対戦ゲームとしては実力が伯仲しているほうが断然面白い。今回は接戦に次ぐ接戦で,どのホールも非常に熱かった

 

今回はこの風のせいで,大変なことに。無難に攻めるのならば,最初のショット時は右側のラフを狙うべきだろう

 勝敗を大きく分けることになったのは,序盤の6番ホール。ここはパー3という,ごく普通のショートホールなのだが,写真をよく見てほしい。このときは強い向かい風が吹いており,フルパワーで打たないとグリーンに届かず海に落ちてしまうのだ。ここで筆者は,正攻法でチャレンジしようとしてドツボに。何度もOBを叩いた末,パンヤ人生で初のギブアップを喫してしまったのだ。この時点でKawamura氏が3打差のリード。

 しかし残り12ホールもあるし,相手はKawamura氏だし,挽回できるだろうと筆者は思っていた。が,それは甘かった。ロングパットがまったくといっていいほど決まらず,せっかくのバーディートライをことごとく外してしまうのだ。その点Kawamura氏は勝利が現実的なものとなった途端,大好きなバカ話チャットすらやめて,真剣に打っているではないか。自分で言うのもあれだが,そこまでして勝ちたいのか。とまあこのような流れで,筆者は第6ホールでのミスを挽回できずに,最終的に2打差で敗退。アリンちゃんごめんよ〜。

 今回の対決も,例によってCPで購入できる"とあるアイテム"を賭けていたのだが,実はここに罠が仕掛けられていた……。一体何が起こったのかについては,次回に詳しく触れよう。

 

あとちょっとで届かないというあせりから,同じミスを繰り返す。引きぎわをわきまえないと,ドツボにハマってしまう好例

初のギブアップにアリンちゃんもご立腹。しかしこの時点では,まだ筆者も気楽に構えていた

 

夜のコースということで絵的に微妙にさびしい感じがしたので,プレイ風景写真を多めに掲載。可愛い女の子同士のゴルフ対決というだけでも楽しそうでしょ?

 

今回筆者はパッティングのミスだけでも4,5回あった。このあたりは実力がはっきり出る場所なので,もっと練習を積まねば

ボールはカップの縁をぐるりと1周後,かろうじてイン。Kawamura氏のパッティングは運に助けられた部分がかなり大きかった

Kawamura氏は3戦目にしてようやく初勝利。これくらいじゃないと展開的に盛り上がらないよね,と負け惜しみを言っておこう

 

▼今回のスコア▼

上がKawamura氏で下が筆者。とうとう敗北を喫してしまった……。Kawamura氏に一度でも練習させてしまったのが今回の敗因か

 

▼今回の結果▼
プレイヤー 練習時間 自腹を切った金額 勝敗
川崎 30時間30分 740円 2勝1敗
Kawamura 10時間10分 5790円 1勝2敗
■■川崎 政一郎(ライター/記者)■■
東京ゲームショウ2005が終了した9月18日の夜,連日の取材で疲労の極みに達していた我々は,そのまま恒例のパンヤ対決へ。そのときのスコアはなんと「+6 vs.+20」で,いくら下手っぴがウリの我々でも,これはあんまりだろうという結論に。結局,二人ともTGSの仕事が終わらず連載は1回お休みとなり,図らずも時間に余裕ができたので再度パンヤ対決。川崎氏の初黒星となった。
タイトル スカッとゴルフ パンヤ
開発元 Ntreev soft 発売元 ゲームポット
発売日 2005/05/27 価格 無料(アイテム課金),フロンティアグルーヴ販売のパッケージ版は2100円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP CPU:Pentium III以上(Pentium 4以上推奨),メインメモリ:256MB以上(512MB以上推奨),グラフィックスチップ:GeForce 2 MX以上(GeForce 3 Ti以上推奨),グラフィックスメモリ:16MB以上(64MB以上推奨),HDD空き容量500MB以上(700MB以上推奨),DirectX 8.1以降(9.0c以上推奨)

(C)2004 Ntreev Soft Co.,Ltd. All Rights Reserved. Exclusive License
(C)2004 HanbitSoft, Inc., All rights reserved.
(C)2004 Gamepot Inc., All rights reserved.