― 連載 ―

「イメージガールインタビュー ゲームの話はしない」

第1回 “リネージュガール”市川円香さん

Text by TeT / Photo by 新井邦彦 

 ゲームの内容に則した衣装を身に着け,各ゲームメディアを回ったり,イベントに出演して会場の盛り上げに一役買ったりと,ゲーム周辺の環境に華を添えるイメージガール達。これまで4Gamerでは,イメージガール決定のニュースや,イメージガールの仕事ぶりをお伝えしたことはあった。だが,どんな人がイメージガールをやっているのかに触れる機会は,ほとんどなかったはずだ。
 そこでこの夏,「で,イメージガールってどんな人なの?」というあたりをほんの少しでも浮き彫りにすべく,4人のイメージガールへのインタビューを行うことにした。それがこの連載「イメージガールインタビュー ゲームの話はしない」である。

 

 その記念すべき第1回に登場してくれたのは,エヌ・シー・ジャパンのMMORPG「リネージュ」で,「リネージュガール」の「プリンセス」を務める市川円香さん。市川さんは,2005年度のリネージュガール任期満了後,2006年4月に行われた「2006年度リネージュガールWebオーディション」で見事に再選。現在も,リネージュガールとして活動中だ。
 今回は,市川さんの生い立ちからデビューのきかっけ,そして将来の夢に至るまでを聞いてみた。

 

<プロフィール>
市川円香(いちかわまどか)
生年月日:1983年3月28日
血液型:O型
出身地:奈良県
身長:160cm
スリーサイズ:84/58/85
出演情報:
 TBS系列「関口宏の東京フレンドパーク2」(毎週月曜18時55分〜)
 サッポロ「リボンシトロン レモン搾り」CM
ブログ:
 市川円香☆「のほほん日記」
所属事務所:スペースクラフト

 

 

アクセサリショップの娘は動物好き

 

4Gamer
 今回は,リネージュガールってどんな人なんだろう? ということを広く世の中に伝えるべく,リネージュガールの「プリンセス」役を2年連続でやっている,市川円香さんにあれこれお話を聞いてみたいと思います。

 

市川円香さん(以下,市川さん)
 私でよろしいんでしょうか……?

 

4Gamer
 ええ,もちろんです。
 ではまず,ご自身のブログにある「天然ピュア系鹿娘」というキャッチコピーについて聞かせてください。これって,どういう意味なんですか?

 

市川さん
 これはですね,事務所が考えてくれたキャッチコピーなんですけど……。フジテレビで以前放送していた「北野タレント名鑑」という番組に出たことがあるんですね。そのときに,インパクトのあるキャッチコピーを……と。いろいろな候補があったんですけど,その中でこれが一番可愛らしくて。

 

4Gamer
 ご出身が奈良県なんですよね。やっぱり,奈良といえば鹿っていう発想なんでしょうか。

 

市川さん
 そうですね。大仏より鹿のほうが可愛いし,ということで。バンビみたいにみんなから愛される,可愛らしい女の子って意味も込めて。後付けなんですけど(笑)。

 

4Gamer
 じゃあ,もちろん好物は鹿せんべいであると。

 

市川さん
 さすがにそこまでは(笑)。

 

4Gamer
 ところで,奈良県のご実家はアクセサリショップなんですよね。

 

市川さん
 はい,そうです。アクセサリショップの娘です。物心ついたときからずっと。

 

4Gamer
 そういう環境で育つと,アクセサリに詳しくなったりするんですか?

 

市川さん
 自分ではあまり着けないんですよ,アクセサリショップの娘なのに(笑)。たまにネックレスやブレスレットはするんですけど,あまりごちゃごちゃ着けるのは好きじゃないんです。

 

4Gamer
 じゃあ,売り物のアクセサリを勝手に着けて遊びに行ったりはしなかったんですね。

 

市川さん
 そうですねぇ。でもアクセサリ以外にも,小物やマフラーなんかも売ってるんです。だから冬はマフラーをもらったりはしていましたよ。

 

4Gamer
 アクセサリに対して,そもそも興味があまりないんですか?

 

市川さん
 そういうわけでもないんです。雑貨屋なんかを覗くと,実家と同じような商品を売っていることがあるんですね。「これは仕入れ値が○円ぐらいだから,利益がコレぐらいで……」なんて考えちゃうから,買えないんですよ(笑)。興味がないわけではなくて。

 

4Gamer
 それもある意味,職業病ってやつなのかもしれませんね。
 そういえば,最近ハムスターを飼い始めたそうですね。

 

市川さん
 はい。ゆめ吉っていう名前なんです。

 

4Gamer
 ハムスターって夜行性ですよね。夜中にうるさかったりしません?

 

市川さん
 私もそういう風に聞いていたんですけど,うちのゆめちゃんは暗いときに寝て,昼間に行動するんです。

 

4Gamer
 飼い主思いなんですかねぇ,ゆめ吉。

 

市川さん
 ほんとに飼い主思いなんですよ。言葉も分かるみたいだし。

 

4Gamer
 ……え?

 

市川さん
 ゆめちゃんのケージは3階建てで,一番上がテラスみたいになっているんですね。呼んだら一番上まで絶対に来てくれるし,一番上にいるときに「エサを新しくしたから食べておいで!」と言うと,一番下のエサのところまで行くんですよ。あと,「小屋に行っておいで」って言うと,小屋に行くんですよ(笑)。

 

4Gamer
 それ,エサとか小屋とかの近くを叩いたりしていません? その音を聞いているだけでは……。

 

市川さん
 いや,そういうわけでもないと思うんですよ。本当にこちらの言うことを聞いてくれるんで,「この子,もしかしたら日本語分かるんじゃ……」って思うんです(笑)。

 

4Gamer
 そ,そうですか。ええ,まぁ,分かるのかもしれませんね……。
 えーと,ハムスター以外にも,動物はお好きなんですよね。

 

市川さん
 動物は好きですね。東京シティ競馬で「アイドル予想師」のお仕事をさせてもらうようになってからは馬も好きですし,犬も猫も,もちろんハムスターも好きです。は虫類はちょっと苦手ですけど。

 

4Gamer
 小さい頃はムツゴロウ王国の飼育係になりたかったそうで。

 

市川さん
 はい(笑)。そんなこともありましたね。

 

4Gamer
 それが今では,リネージュガールなわけですから,人生どう転ぶか分からないものですね。

 

 

奈良とは,私にとっての充電器

 

4Gamer
 市川さんはリネージュガール以前から芸能活動をされているわけですが,そもそもこういう仕事を始めたきっかけは,「SeaStory-Audition 2003 マリンちゃんを探せ!!」なんですよね。ご家族の反対なんかはありませんでしたか?

 

市川さん
 すっごいありましたね。
 マリンちゃんのときは20歳だったんですけど,10代の頃からずっとこういう仕事に漠然としたあこがれがありました。小学生か中学生ぐらいのときには,自分でオーディションに応募したこともあるんです。

 

4Gamer
 そのときの結果は……?

 

市川さん
 書類審査で合格したんです。でもオーディションって,書類で受かると次は面接なんかがあるんですよね。でも未成年だと,親を連れて行かないとダメなんですよ。
 付いてきてくれるようにお願いしたんですけど,父に反対されて,泣かされちゃいました。

 

4Gamer
 大事な娘ですもんねぇ。反対する気持ちも分かります。

 

市川さん
 やっぱり芸能界って,外から見るとあまり良くないイメージがあるんですかねぇ。結局,そのときは泣く泣く諦めました。その後,奈良の地方誌でちょっとだけモデルみたいなことはやらせてもらえたんですけどね。

 

4Gamer
 そうだったんですか……。

 

市川さん
 それで20歳になったときに,マリンちゃんを探せに,また両親には内緒で応募したら,東京でやる最終選考まで運良く残ったんです。その段階で初めて,両親に伝えたんですよ。
 そうしたら,「もう20歳超えているから好きにやってもいい」と言われたんですね。どうせオーディションだけで終わるだろうと思われていたみたいで。

 

4Gamer
 ところが終わらなかったと。

 

市川さん
 最終オーディションは公開オーディションだったんですよ。両親も見に来てくれたんですけど,オーディションでは何の賞もとれなかったものだから,悔しくて凄く泣いちゃったんです。それを見たときに両親が,私が本気で目指していることを分かってくれたみたいで……。それまで,何をやっても続かなかったっていうのも,両親にしてみれば反対する理由だったんでしょうけど……。反対すればすぐに諦めると思っていたみたいなんですよ。

 

4Gamer
 そのオーディションがきっかけで,事務所にスカウトされたんですよね。

 

市川さん
 はい,それもやっぱり,凄く反対されました。東京で一人暮らしをするということにも,芸能界に入るということにも。

 

4Gamer
 でも今,ここにこうしているということは,最終的には許してもらえたんですね。

 

市川さん
 ええ,私が本気だっていうことで,半分諦めてくれたみたいで(笑)。
 まず2年間,できる限り援助してあげるから,それ以降は自分の力でやりなさいっていうことで。なんとか3年目になります。

 

4Gamer
 今はご両親は?

 

市川さん
 一番のファンとして応援してくれてますよ(笑)。

 

4Gamer
 それは良かったですねぇ。でも,ご両親にしてみれば,一人娘を東京にやるのは寂しかったでしょうね。

 

市川さん
 そうでしょうねぇ。私,8歳年上の兄がいるんですが,年が離れているから一人っ子みたいな感じで,ものすごく過保護に育てられてきましたし。
 だから,私も東京に出たい,この仕事をしたいって思っていたんですけど,いざ東京に出てみたら右も左もよく分からない状態で……。やっぱり最初の頃は,夜寝るのも怖くて。

 

4Gamer
 友達もいませんしねぇ。

 

市川さん
 そういう意味では,マネージャーがいてくれたのは幸運でした。
 でも,事務所に所属したからといって,最初から仕事があるわけでもないですし,仕事がないときは部屋から出られなかったんですよ。出てもどこに行けばいいのか分からないし。そういうときは,しょっちゅう奈良に帰ってましたね。

 

4Gamer
 それで過去の日記を見ると,頻繁に帰省していたわけですね。

 

市川さん
 はい。最近は奈良に帰る回数はだいぶ少なくなりましたけど,やっぱり自分の中でしんどくなったり,相談したいことが増えてきたりすると,そのたびに帰って充電してます。

 

4Gamer
 充電……。

 

市川さん
 奈良とは,私にとって充電器みたいな感じですね。充電して,満タンになって東京に帰ってくる。その繰り返しですね。

 

 

「RPGって電化製品?」から始まったリネージュガール

 

4Gamer
 そんな中で,突然,入院をすることになったり……。

 

市川さん
 初めて入院という経験をしたので,心細かったですねぇ……。

 

4Gamer
 そういうときに,ご両親から「もういいから帰ってきなさい」みたいに言われませんでした?

 

市川さん
 ああ……それは言われませんでしたね。でも,入院したって電話をしたその日に母が駆けつけてくれました。

 

4Gamer
 お母さんも心配だったでしょうね。

 

市川さん
 そうですよね……。
 上京してから,体質が変わったみたいなんですよね。体が弱くなったようで,体調を崩すことが続いて,入院することになってしまったんですけど。今はもう,元気ですよ。

 

4Gamer
 環境が変わって,体調を崩す人は多いですからね……。  ところで「東京フレンドパークII」には,2004年の秋からアシスタントとして出演しているんですよね。毎週地上波のテレビ番組に出るという仕事があることで,いろいろと安定して,体調も上向いたりしたのかなぁなんて,今お話を聞きながら思ったんですが。

 

市川さん
 フレンドパークは東京に出てから半年ぐらいで決まったんですね。これがあるって思うことで,がんばれる部分はあります。まだまだ未熟なんですけど自信も少しつきますし,そのことでほかの仕事への意欲も湧きますし。

 

4Gamer
 では,そんな具合で意欲的に取り組んでいるというリネージュガールについても聞かせてください。リネージュガールになるきっかけって,なんだったんでしょうか?

 

市川さん
 きっかけは,事務所からオーディションを紹介されたことです。でもそのオーディション,私は絶対に落ちたと思ったんですよ。

 

4Gamer
 何かやらかしてしまったんですか?

 

市川さん
 オーディションでは質疑応答があったんですね。そこで「RPGってご存じですか?」って聞かれたんです。でも,RPGの意味が全然分からなくて,「え?」ってなっちゃって。「電化製品とかですか?」みたいな感じで(笑)。

 

4Gamer
 あららら……。

 

市川さん
 事務所にも「すみません,絶対に落ちました」と言ってたんですよ。でも幸運なことに選んでもらえて。しかも,なりたいと思っていたプリンセスになれて,すごく嬉しかったし,びっくりしました。

 

4Gamer
 それまで,全然ゲームはやらなかったんですか?

 

市川さん
 そうですね。基本的に両親が,子供にゲームをやらせない方針だったんで。

 

4Gamer
 視力が2.0っていうのは,その方針のおかげだったのかもしれませんね。

 

市川さん
 友達の家で一緒に遊んだりはしてましたけどね(笑)。あ,あと視力は最近ちょっと落ちちゃいました。

 

4Gamer
 まあでも,そこまでゲームに疎いと,“オンラインゲーム”というものの存在も知らなかったんじゃないですか?

 

市川さん
 はい,初めは全然分からなかったです。

 

4Gamer
 そういうまっさらな状態だと,どんな人達がオンラインゲームを遊んでいるのかなんて,想像もできなかったでしょうね。

 

市川さん
 そうなんですよね。私自身がゲームをよく知らない分,少し不安はありました。

 

4Gamer
 ときどき,ゆがんだプレイヤー像を強調したがるメディアもありますしねぇ。ゲームに詳しくないと,そういうのだけが印象に残ったりしますよね。

 

市川さん
 でも実際にイベントで何か所か回ってみたら,10代ぐらいの今時風の男の子や女の子達がたくさんいたし,みんな温かく迎え入れてくれたんですよ。なんだか昔からの友達みたいな感じがして,安心しました。

 

4Gamer
 どんなジャンルでも,大多数は普通の人なんですよね。

 

市川さん
 リネージュガールになってから,そこそこゲームに詳しい友達に「リネージュって知ってる?」なんて聞くと,みんな知ってたんですよ。
 私はインターネットカフェによく行っていたんですけど,たぶんそこでリネージュを見ていたんですよね,気づかなかっただけで。どこのインターネットカフェに行っても,ポスターが貼ってあるし,プレイしているお客様もたくさんいらっしゃるので。

 

4Gamer
 リネージュガールになってから,リネージュを知って,「ああ,私凄いことやってるんだ」みたいな感動があったわけですね。

 

市川さん
 うん,みんなに人気のゲームだっていう認識がなかった分,今は凄く嬉しいです。

 

4Gamer
 それでは,リネージュガールとして,読者にひと言お願いします。

 

市川さん
 リネージュガールとして,二期目に突入させていただきました。Webオーディションで投票してくれた皆さん,ありがとうございました。今期は,前期よりも多くのイベントに参加して,プレイヤーの皆さんともっと身近に触れ合えたらいいなと思っています。いろいろとお話もしたいですし。ゲームの中で私達が潜り込んで,何かイベントをやるのも楽しそうですよね。

 

4Gamer
 ゲーム内イベントの実現は,僕からもエヌ・シー・ジャパンさんにお願いしたいところです(笑)。
 では最後に,タレント市川円香としてもひと言お願いします。

 

市川さん
 自分の名前も顔も知らない人がほとんどだと思いますけれど,奈良県生まれの天然ピュア系鹿娘を一人でも多くの人に知ってもらうために,今やっているお仕事も続けながら,将来はバラエティ番組に出られるよう,石田ゆり子さんのように透明感のある女優になれるようにがんばっていきたいと思います。

 

4Gamer
 じゃあ,女優志向なんですか?

 

市川さん
 今はバラエティ志向なんですけど(笑)。グラビアも好きですし。でも最終的には,演技でやっていきたいと思っています。

 

4Gamer
 気象予報士の勉強もしてるんですよね?

 

市川さん
 あ,それも考えてるんですけど,最近挫折しかけ中なんですよ……。がんばってはいるんですけれど……。

 

4Gamer
 仕事をしながら,ほかの勉強をするのって,けっこうたいへんですしねぇ……。
 でも,これまでがんばってきたんですから,ぜひ最後までやりとげてください。今日はありがとうございました。

 

市川さん
 はい,こちらこそありがとうございました。

 

 

 

 リネージュはおろか,RPGすら知らなかったという市川さん。それだけにリネージュガールのオーディションに合格したことには,とても驚いたというが,実際に話してみるとほんわかした外見や柔らな語り口とは裏腹な,芯の強さを感じさせられた。おそらく審査員達も,そんなところを買ったのではないだろうか。
 なんせ,リネージュのプリンセス(プリンス)は,血盟を作れる唯一のクラスではあるものの,戦闘には不向きなのにファンタジー世界での冒険を強いられているクラスでもある。芯が強くないことには,血盟を率いることだって,生命を脅かす存在がすぐ近くにいる状態にだって,耐えられるはずがない。
 そういう意味では,2期連続でプリンセスを務めることになったというのも,うなずける話だ。

 

 ちなみに市川さんは,「関口宏の東京フレンドパーク2」(TBS系列で毎週月曜日に放送中)のアシスタントや,東京シティ競馬で“アイドル予想師”としても活躍しているほか,2006年6月には2枚目のイメージDVD「J'adore」をリリースしたばかりと,その筋(どの筋?)では要注目な人物。
 今後,どこかのメディアで市川さんの姿を目にすることがあったら,「あー,アクセサリの原価が分かる人だ」なんて思いながら,応援してみてはいかがだろうか。

 

 

 

 

タイトル リネージュ
開発元 NCsoft 発売元 エヌ・シー・ジャパン
発売日 2002/02/12 価格 1400円/月
 
動作環境 Pentium 500MHz以上(1GHz以上推奨),メモリ256MB(512MB以上推奨),空きHDD3GB以上,DirectX 8.1以上,VRAM32MB以上(128MB以上推奨)

Lineage (R) and Lineage (R) the Cross Rancor are registered trademarks of NCsoft Corporation. 1998-2007 (C) Copyright NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute, and transmit Lineage the Cross Rancor in Japan. All Rights Reserved.

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