さて,本連載は実のところ8回完結の予定だったのだが,もう1回だけお付き合い願いたい。今回のお題は「Guild Wars」に登場する武器が中心となるが,第5回の内容的を受けたものとなるため,先に「こちら」に目を通してもらうと分かりやすいだろう。

Guild Warsはすべての要素が対人戦のために調整されたオンラインRPG。それでいて,一人で遊んでも破綻しないシステムは実に巧妙に設計されている |
さて一口に武器といっても,ゲーム内にはさまざまなタイプが登場する。しかも,Guild Warsにはマジックアイテムの生成機能もあり,これらのシステムは最初なかなか分かりづらい。例えばRPGモードを終盤まで進めたという人でも,武器に関してはなんとなく適当に選んで使っている場合が意外に多いようだ。そこで,まずは武器に関して基本的な知識から押さえていこう。
武器を含め,手に持つタイプのアイテムを大別すると,全部で8種のタイプがある。これらには武器以外のものも含まれるが,後述する魔法効果も関係してくるので,まとめて紹介しておこう。具体的には以下のように分類できる。
Guild Warsの手持ち装備 |
右手用装備 |
剣(ダメージ:5〜22),斧(6〜28),ワンド(11〜22) |
両手用装備 |
ハンマー(19〜35),弓(15〜28),スタッフ(11〜22) |
左手用装備 |
フォーカスアイテム(Energy増加量:12),盾(Armor値:16) |
※括弧内は想定される最大値

キャラクタのProfessionやアトリビュートによって,得意とする武器は大きく違ってくる。各武器の特徴を把握するのが先決
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これらの武器の性能で最も重要なのは,そのアイテムの種別による与ダメージ値である。一見平凡極まりない論点のように思われるが,ほかの要素も勘案したときに,それがいかに重要か理解してもらえると思う。
まず,同じ種別の武器であれば,想定される最大与ダメージは同じという点に注目してもらいたい。つまり,"Long Sword"と"Butterfly Sword"は外見上の違いはあれども,同じ"剣"であるため最大ダメージ幅は"5〜22"と一緒なのだ。
ただし,単にダメージが高ければ何でもよいというわけでもない。もう一つ注意したいのが,性能を引き出すための条件となるアトリビュートレベルの存在だ。とくにワンドやスタッフといったキャスター系の武器は,同じタイプでも"Fire Magic"(Elementalist用)や"Divine Favor"(Monk用)といったように,アトリビュート条件が異なる。もちろん,これらが合致しないと武器の効力は大幅に低下する。
主にWarriorが用いる盾についても同様で,実はアトリビュート条件が"Strength"のタイプと,"Tactics"のタイプという2種類がある。アトリビュートのポイント数に限りがあることから、StrengthとTacticsの両方をハイレベルまで上げているWarriorはほとんどいないはずなので,実際には自分のキャラクターに合ったほうを使うことになる。Guild Warsの場合,とりあえず装備するだけなら誰にでもできるためおおざっぱになりがちだが,アトリビュート条件にも気を配りたい。

ゲームが進むにつれて,ドロップされる武器の平均与ダメージは増える。最大値の武器は捨てずに確保しておくと,いつか役立つときも来るだろう
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次に,武器の性能を高める魔法効果について整理しておこう。Guild Warsでは、Diabloを初めとしたアクションRPGでは定番の,"Prefix/Suffix"(接頭語・接尾語)システムが採用されている。そしてPrefix/Suffixとは別に,"ベース補正"とでもいうべき独自の魔法効果があり,これが少々ややこしい。PrefixとSuffix,そしてベース補正が付随する最大数は,武器の種別によって定められていて,まとめると以下のようになる。
実際の効果としてはあまり違いがないように思えるPrefix/Suffixとベース補正だが,前者は"Salvage Kit"によって魔法効果部分(Upgrade Component)のみを取り出せるという点が大きく異なる。 周知のように,一度取り出したUpgrade Componentはほかの武器にも装着できるため,Prefix/Suffixの要素はある程度任意に再配置できる。一方ベース補正は,ダメージ値と同様ドロップ時点で確定してしまうため,完全に運任せのボーナス要素となる。
ベース補正の概念は一回自分で"Salvage"をやってみないと理解しづらく,しかもある程度アイテム名と魔法効果のパターンを掴まない限りPrefix/Suffixの効果と見分けがつかない。これらの魔法効果は,全部合わせると100を軽く超える種類があり,実際筆者も最初はどうしたらよいのか分からず,途方に暮れてしまった。
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武器のUpgrade Componentは,Unlockの対象項目にもなっている。つまり対人戦を極めるには,これらの魔法効果にも精通せねばならないのだ |
武器からUpgrade Componentを取り出せる確率は100%ではない。上位版の"Expert Salvage Kit"でないとだめな場合もあるので注意したい |
とりあえず,ワンドやフォーカスアイテムをSalvage Kitで分解しても,決してUpgrade Componentは取り出せない点を覚えておこう。上の表を見れば分かるとは思うが,そもそもこれらの武器種別にPrefix/Suffixは付随しないのである。
Prefix/Suffixによると思われる有益な魔法効果を発見したら,とりあえずUpgrade Componentにした状態で確保しておくとよい。そして,いずれ良質のベースアイテムを入手したとき,それにUpgrade Componentを装着するのが,強力な武器を得るための常道といえるだろう。
上記のようにGuild Warsでは,ある程度自分の好きなようにマジックアイテムを生成できることが,ウリの一つとなっている。ちなみに余談となるが,「水色・紫・黄」といったマジックアイテムの名称の色はレアリティを表し,上位のものは"Expert Salvage Kit"でないとSalvageできなかったりもする。とはいえ実用性はケース・バイ・ケースだ。
これまでの説明で,武器の性能はベース与ダメージと魔法効果の2要素で決められることを理解してもらえただろう。しかし膨大な種類の魔法効果について,本連載でカバーすることはできない。詳細は,国内外のデータベース系サイトを参考にするのが現実的といえるだろう。
魔法効果といっても,例えばDiabloにおける"King's 〜 of Haste"のように,ゲームバランスが一変するほどの効果は付与されない。Guild WarsがGuild Battleをはじめとした対人戦を到達点にしていることを考えれば,これはむしろ当然かもしれない。アイテム面で極端なスペック差が付いてしまうと,しのぎを削る勝負が楽しめなくなってしまうからだ。
このあたりのゲーム内における各要素のさじ加減も,Guild Warsの優れた点だと筆者は思っている。魔法効果の中から,とりあえず覚えておきたいものをピックアップして幾つか紹介しよう。
●While *****
"While *****"の条件を満たしている間,ダメージやアトリビュートのレベルの上昇といった,さまざまな恩恵が得られる。よって,どのような条件求められているかをあらかじめしっかり把握しておきたい。具体的には,「Health is above 50%」(自分のHealthが半分より多く残っている),「Health is below 50%」(自分のHealthが半分未満),「Enchanted」(補助魔法付加時),「Hexed」(弱体魔法付加時)といった種類がある。プレイスタイルによっては,「〜 above 50%」と「enchanted」は,ほぼ常時キープすることも可能だ。
●Zealous
スタッフやワンド以外の武器に付随されるPrefixで,攻撃するたびにEnergy回復の効果がある。その代わり,Energyの自然回復速度が減退するというデメリットもある。もともと自然回復が遅いWarriorやRangerにとってこの速度減退はかなりキツく,使いどころには気をつけたい。場合によってはEnergyがほとんど自然回復しなくなることもある。
使ってみた印象では,「立ち止まって武器を振るい続けている」状態であれば,トータルでプラスの効果である。剣や斧といった,攻撃間隔の短い武器種別であればなお良い。そして,武器を振るわない間は,こまめに違うものに持ち替えるのがポイントだ。そうすることで,Zealousの恩恵のみを最大限に引き出せるのだ。
●Vampiric
上記のZealousと同様で,こちらはEnergyではなくHeathが回復する。よって,利用時の基本的な注意点もZealousと同じだが,HealthはEnergyよりも最大値がかなり高いため,相対的にマイナスの影響は小さい。また,Healthの自然回復は全Professionにとって極めて重要なため,これが損なわれるVampricは使いどころが難しい印象だ。
●Lengthens ***** duration on foe
出血や毒,鈍化といった状態異常(個別)の効果時間が,最大で3割程度プラスされるという効果が付随する。この効果そのものでは,状態異常を引き起こさない点には注意してほしい。よってProfessionに沿ったスキルと併用することで,初めて効果が発揮される。状態異常を与える戦術と組み合わせれば,かなりの効果が期待できる。