― 連載 ―

The Art of Guild Wars
第5回:アイテムの入手と加工/作成で個性的な戦闘が実現

 Guild Warsで新たな装備品を入手するには,何通りかの方法が用意されている。大きく分けると「モンスターからの戦利品」「街のNPCに合成を依頼」「Collectorタイプのクエストを遂行」の3種類だ。また,武器と防具では入手方法が異なっているため,最初はとまどいやすい。そこで今回は,アイテム入手する手段それぞれの特徴を確認しておこう。

モンスターから戦利品として入手する:武器

Guild Warsの戦闘に対するこだわりは,武器や防具に関するルールにも及んでいる。用意されたシステムを使いこなせるかどうかが,戦闘の有利不利を分ける

 冒険エリアでモンスターを倒して得られる戦利品は,武器およびこまごましたもののみ。ドロップする武器のタイプはとくにProfessionには関係なく,ときにはマジックアイテムやレアアイテムも得られる。これが最もベーシックなアイテム入手手段といえるが,防具が得られない点には気をつけてほしい。
 アイテムはレア度によって名前の文字の色が異なるので,入手したときの目安となるだろう。具体的には白=ノーマルアイテム,水色=マジックアイテム,紫=レアアイテム,黄色=特に希少なレアアイテムとなる。ノーマルアイテム以外の3種は,水色<紫<黄色」の順番で効果がランク付けされている。

 戦利品は,パーティを組んでいるプレイヤーで自動的に配分される。ドロップした瞬間に,ランダムで一定時間有効な"ルート権"(拾う権利)が定められるのだ。ほかのRPGのようにどのアイテムを誰が拾ってもよいシステムだと,プレイヤー間でレアアイテムを奪い合うことになったりもするわけだが,Guild Warsではその種のもめ事は起こらない。後衛で働くキャスター系のProfessionでも,戦闘終了後には確実に戦利品を得られるのである。
 また,すべての戦利品は"分解"することで,さまざまなアイテムの素材として利用可能になるのがGuild Warsの特徴だ。これはゲーム内では"Salvage"と呼ばれており,専用のキットを用いて行う。例えば剣や盾を分解すれば鉄の塊を,杖を分解すれば木材を得られるといった具合だ。こうやって確保した素材は,主に後述するアイテムの合成時に必要となる。


Common(通常)の素材の例
Bone Wood Plank
Iron Ingot Granite Slab
Tanned Hide Square Pile of Glittering Dust
Scale Plant Fiber
Shell Feather
Bolts of Cloth

※ゲーム中盤以降には価値の高いRare系の素材も登場する


自分にルート権のないアイテムは,表示上は目立たないよう処理される。金銭に関してはパーティ参加者間で均等に分配される モンスターからはあらゆるタイプの武器がドロップされる。武器の装備はProfessionに制約されないので,効力はさておき使ってみよう 自分にルート権があるアイテムは色付きで表示されるが,他メンバーからは灰色に見える。アイテムの分配でもめる心配はないだろう
画面でインベントリの下半分にあるのはすべて素材。不要なアイテムを分解していくと,あっという間にスロットが埋まってしまう 前述の分解やアイテムの鑑定に必要なキットは街で購入できる。未鑑定の品はタダ同然で買い叩かれてしまうので,忘れず用意したい 前衛/後衛間などでもめ事の起こりやすいアイテムドロップ及びルートはシンプルに処理され,戦闘に専念できるのがありがたい
街のNPCに合成を依頼して手に入れる:防具

 拠点エリアにいる職人NPCに,レシピとして指定された素材と金銭を持ち込むことで,アイテムの合成を行ってもらう。武器/防具とも合成してもらえるものの,実のところ武器に関しては,先述のドロップ品のほうが性能は高い。よって合成は,基本的に防具のみを作成してもらうものと考えてよいだろう。


キャスターが真っ先に狙われるケースも多い。全Professionのキャラクターは,NPCによるアイテム合成を十二分に活用したい

合成時はどうやって材料を確保するかが悩みどころ。必要になってから慌てないように,日頃から分解で素材を収集しておこう

 プレイが進んで新たな拠点を開拓すると,より強力なアイテムを作ってくれる職人NPCに会える。とくにモンスターからの攻撃を一手に引き受けるWarriorは,これらのNPCを随時チェックしておきたいところだ。もっとも,キャスター系はキャスター系で防具に気を遣うべきポイントが用意されている。キャスター用の防具の中には,例えばEnergyの自然回復速度を上昇させるといった,ぜひとも欲しい付加価値を備えたものもある。このあたりは,ほかのRPGでもよく見られる事柄だろう。
 合成時に必要な素材は街でも一応購入できるものの,得てしてかなり割高となっているのでお勧めできない。日頃からSalvage Kitを使った素材収集を行い,来たるべき合成に備えておくのがよいだろう。
 素材の種別はかなりあるが,必要な素材はProfessionによって大まかに分かれているところにも着目したい。例えば,Warrior用の防具に必要な素材は金属類,キャスター系であれば布や皮,Necromancerであれば骨といったところである。自分のProfessionにとって直接関係のない素材は,スロットに余裕がなければ処分するか,ほかの人にあげてしまってもよいだろう。


武器を合成してくれるNPCも存在するが,材料の確保まで考えると割高かも。武器は冒険時の戦利品で十分間に合うだろう 街のショップでの素材購入では,他プレイヤーも含めた売買で"相場"が変動する。売却する人が少ないためか,全体的に割高だ
とくに前衛で戦うWarriorにとって,防具の性能は何よりも大切。レベルに見合った装備をきっちり調えておきたいところだ 青いEnergyバーの中に,矢印マークが4個あるのに注目。これは自然回復速度を示しており,装備品によってある程度ブーストできる
Collectorタイプのクエストで入手する:武器/防具

Collectorクエストを行うと,複雑な素材を用意せずとも高性能の武具を入手できる。できる範囲でぜひともこなしておきたい

 "Collector"とは,拠点や冒険エリアに配置されたNPCから依頼され,指定されたアイテムを5個前後集めるといった内容のクエストだ。指定アイテムはほとんどの場合,その近辺に出没するモンスターがドロップする。達成時の報酬品には武器と防具の両方が含まれ,それらの性能は高いものの,種類はNPCごとに完全に固定されており,総数も少ない。

 Collectorクエストのメリットは,前述の合成と異なり素材や依頼金といった大きなコストが発生しないことだ。しかもCollectorの対象となるアイテムを集める過程で,経験値稼ぎも行える。
 ただし,CollectorのNPCは各エリアに1〜2名程度しかおらず,冒険エリアの場合はかなり奥地にいる場合も多い。もし自分にとって有益なCollectorを見つけたら,その場所と指定されたアイテム,報酬品をメモしておくのがよいだろう。


有益なCollectorクエストの依頼は,街ではなく冒険エリアで受けられることも多い。有益なNPCの場所はしっかり覚えておこう

 Collector用で指定されるアイテムの種類はさまざまだが,指定されるエリアを出たら使い道はなくなってしまう。自分にとって不必要なCollectorクエストや,かなり前のエリアで入手した分については,邪魔になるのでショップに売却するのがよいだろう。同一アカウント内のキャラクターのアイテム収納スペースが共有されるのを利用して,一時的にほかのキャラクターに預けてしまうのも手である。


Collectorクエストはなるべくこなすようにしつつ,足りないぶんの防具を随時NPC合成で入手していくのがセオリーだろう Collector用のアイテム集めは,適正レベルであればそれほど難しくない。こなしつつ先に進むと経験値も得られて一石二鳥だ 同一アカウント内のキャラクターはアイテムスペースが共有されている。持ちきれなくなったアイテムは一時的に預けておくとよい
武器/防具をパワーアップさせるには

 武器/防具の入手方法は上述のとおりだが,Guild Warsではこれらをさらにパワーアップさせる方法もある。武器と防具で異なるので,触れておこう。


【1】武器のカスタマイズ

武器のカスタマイズは性能アップの割に費用が低いので重宝する。売ったり,ほかのキャラクターに渡したりするつもりがないのなら,行っておこう

 まず武器については,街の鍛冶屋に依頼して,武器を自分専用にカスタマイズしてもらうという方法がある。カスタマイズ後は攻撃力が一律で20%も上昇するが,必要な料金はたったの10Gだ。
 ただしカスタマイズ処理後の武器は,ステータス欄に"Customized for ***(キャラクター名)"と表記され,他のキャラクターは装備できなくなってしまう。そのため,他プレイヤーに売れなくなるというデメリットには注意しよう。
 武器に対してはもう一つ強化方法が存在する。それは戦利品として手に入れたマジックアイテムをSalvage Kit(この場合,Expert Salvage Kitが必須)で分解して,ボーナス効果を持つパーツ(プレイヤーの間ではcoreと呼ばれている)を入手し,それを改めてほかの武器に付けるという方法だ。
 場合によってはかなりハイコストな方法だが,特定の武器を限界まで強化したいならば,覚えておきたい方法といえる。


【2】プライマリProfessionのレベルを底上げするRune

必要とするアトリビュートポイントは,レベルに比例する。それだけに,ゲーム中盤以降においてRuneで底上げできるのはとてもありがたい

 Runeとは消費系アイテムの一種で,防具に貼り付けるようにして使用する。それによって主に特定のアトリビュートのレベルを上昇させる効果があり,例えば「Warrior Rune of Minor Swordsmanship」では,装着時に"Swordsmanship"のレベルがプラス1されるといった具合だ。
 同系統のRuneでも,Minor<Major<Superiorといったランクがあり,高ランクのRuneのほうが,アトリビュートのレベル上昇数は高い。防具に付けるからといって,防御力だけが上がるわけではないところが少々ややこしいが「Diablo2」のソケットアイテムに比較的近いシステムと考えてよいだろう。
 Runeは,戦利品のマジックアイテムを分解することで入手できるほか,街でも購入できる。Minor系のRuneは120ゴールド前後と比較的安く購入できるので,自分がメインに上げているアトリビュートは積極的に使っていきたい。
 キャラクターが身につけられる防具の種別は,装着する部位で5種類になるので,それぞれでどのアトリビュートを強化するかが,使いこなしのポイントになる。さまざまなパターンを試してみたい。


■■川崎 政一郎(ライター)■■
MMOPRGおよびRTSに通じたゲームライター兼記者。前回の記事執筆直後,蒸し暑さに耐えかねてキャッシュカードの最後の力を振り絞り,クーラーを購入。だが梅雨明け後の関東地方はいきなり涼しくなり,どうにも腑に落ちない気分らしい。担当編集が「原稿の調子はどうですか?」と聞くと,「毎回死ぬ思いです」と爽やかな返事を返してくれたわけだが,暑さと出費と記事執筆と,どれに死ぬ思いなのかは,面白いので聞かないままにしておこう。
タイトル ギルド ウォーズ
開発元 ArenaNet 発売元 エヌ・シー・ジャパン
発売日 2006/01/27 価格 オープンプライス(パッケージ版) / 月額課金料金980円
 
動作環境 Windows 98/Me/2000/XP,PentiumIII/800MHz以上(PentiumIII/1.0GHz以上推奨),メモリ 256MB以上(512MB以上推奨),HDD空き容量 500MB以上,VRAM 32MB以上(64MB以上推奨)

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