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The Art of Guild Wars
第2回:英語が苦手でも大丈夫な序盤のクエスト

 戦闘時のスピード感を何よりも重視し,対人戦に特化したオンラインRPG「Guild Wars」。アクションRPGは数々登場してきたが,Guild Warsはそれらの中でもコンセプチュアルな作品である。というのも前回触れたとおり,他タイトルでは見られない斬新なアイデアが,ゲーム中のそこかしこに詰め込まれているからだ。
 今回からは数回にわたり,RPGモードのガイドを兼ねてGuild Warsの面白さをお伝えしよう。アクションRPGに興味のある読者は,ぜひともチェックしてみてほしい。

キャラクターメイクの核はProfession選び

Guild Warsはスピーディな戦闘がウリのアクションRPG。ゲームシステムの概要については,第一回を参考にしてほしい

 ゲームを開始して最初に行うのは,プレイヤーの分身となるキャラクターの作成だ。性別や肌の色をはじめとした八つの項目をそれぞれ決めることになる。大半の項目は説明不要だと思うが,キャラクターの専攻分野を示す"Profession"は重要だ。

 Professionとは一般的なRPGにおける"職業"に近い概念で,全部で6種類ある。プレイヤーキャラクターは,プライマリのProfessionと,セカンダリのProfessionの二つを持つことで,個性の発揮が可能となっている。キャラクター作成時に選択するのはプライマリ用のみだが,セカンダリもゲーム序盤で選択する。
 プライマリとセカンダリの差は比較的少なく,スキル使用時の効果はプライマリでもセカンダリでも変わらない。違うのは,プライマリに選択したProfessionに限って専用スキルが習得できることと,装備可能な防具の種別がプライマリに依存することである。各Professionの大まかな特徴を説明しておこう。

一つのアカウントで作成できるキャラクターは最大で4体。倉庫スロットなどはキャラクター同士で共有化されており,便利だ 一度決めたプライマリ用のProfessionは,ゲーム中で二度と変更できない。キャラクター作成時にはよくよく考えてから選ぼう 防具の種類はProfessionで異なる。同じくらいのACの防具でも,デザインにはある程度バリエーションがあるので,凝ってみるのもよい

●Warrior

近接攻撃に特化したProfession。剣や斧,そしてハンマーといった武器種別によって,アトリビュート(スキル体系)が完全に分かれており,一口に近接攻撃といってもさまざまなバリエーションでの戦闘が可能。裏を返すと自分に必要なアトリビュートにきちんとポイントを振っていく必要がある。また,装備できる鎧の防御力が全Profession中最も高く,敵陣へ真っ先に斬り込み,味方を守るタンク役に向いている。

●Ranger

弓による遠隔攻撃を得意とするProfession。ちなみにGuild Warsの弓は矢などの消耗品を必要としないため,気兼ねなく扱えるのがよいところ。ほかには移動速度を上げたり,罠を設置したりといったスキルも習得可能だ。さらには野生動物を仲間にして戦わせるなど,メインとするスキルによってプレイスタイルはがらりと変わる。

●Monk

Guild WarsにおけるMonkはまさに"修道僧"で,仲間の回復や補助魔法といった,ヒーラー的な位置づけになっている。とくに,キャラクターの状態異常を直せるのはMonkだけだ。とはいえGuild Warsの戦闘はペースが速いため,Monkのメリットであるサポート作業は実際のところかなり忙しい。しかもその特性上,敵から狙われやすい。上級者向けのProfessionといえよう。

●Necromancer

死者を操り,敵に呪いをかけるProfession。敵味方関係なく死体から下僕となるアンデッドを生み出すなど,死霊術者としてのイメージにふさわしいスキルが満載。また敵からHealthを吸収できるため,キャスター系の割には生存率が高く,少人数での冒険にも適応しやすいProfessionだ。

●Mesmer

敵の精神面に攻撃を仕掛け,幻覚を見せたり,敵のスキル使用に罠をかけたりといった戦い方を得意とする。Monkが防御的なサポート面に秀でているのに対し,Mesmerは攻撃面をサポートする感じだ。Mesmer単体での戦闘能力はそれほど高くないため,仲間とのチームワーク面に楽しさを見いだせる人に向いている。

●Elementalist

火・水・風・土の四大元素にちなんだ,強力な魔法を操るProfession。これらの多くは敵単体や範囲を対象とした攻撃魔法で,例えば冷気によって速度減退,地震によってノックダウンなど,元素にちなんだ内容を持つ。Guild WarsはEnergy(マナ,MPに相当)の回復が非常に早いため,続々と大ダメージを与える楽しさを満喫できるだろう。

Warriorは,さまざまなタイプの武器を,戦う相手によって使い分けるのが面白い。打たれ強いためゲームの初心者にもおすすめだ 画面左で戦っているのはNecromancerが使役するアンデッドのペット。これを盾にすれば非力な術者でも存分に戦える 仲間にMonkがいると安心できるが,賢いモンスターには真っ先に狙われてしまう。やりがいはあるものの難度は少々高い

Ascalon Cityに降り立ち,「!」マークを追いかける日々

冒険者にとって最初の拠点となるAscalonは巨大な城塞都市。外にはモンスターがはびこっているが内部は安全のようだ

 キャラクターを作成したら,いよいよプレイ開始だ。まず冒険者が降り立つのは,"Ascalon City"というゾーン。最初の拠点となる場所であり,たくさんのPCやNPCでごった返している。PCとNPCは名前の色を見れば一目で分かるようになっており,"緑色=NPC" "青色=PC" "黄色=看板などのオブジェクト"である。ここでAltキーを押すと,NPCとオブジェクトの名前をポップアップさせられるので覚えておこう。
 周囲を見渡すと,頭上に「!」マークが付いたNPCが見つかる。これはクエストなどで何らかの展開があることを示しているので,とりあえずクリックしてみよう。すると「Sir Tydusが君を探している」と教えてくれ,同時にミニマップ上にポインタが点灯するはずだ。
 ポインタの方向へキャラクターを進めてゆくと,「!」印が付いたSir Tydusのところに辿り着ける。そして,話しかけると歓迎の言葉とともに金銭と経験値がもらえる。たったこれだけでクエストを一つクリアしたわけだが,基本的に「!」を追っていくだけという親切さに注目してほしい。これがGuild Warsにおけるクエスト遂行の基本的な流れである。極端な話,依頼時の英文を読まずとも,ミニマップ上の目標を追ってゆくだけで遂行できるのだ。

キャラクターを作成した直後の画面。マウスの右ドラッグとホイール操作で視点を切り替えられるので,遊びやすいように調整しよう

 ちなみにSir Tydiusからは,引き続き次のクエストの依頼を受けられる。そして同様にミニマップ上のポインタを追ってゆくと,青白い渦巻きの描かれた門の先に目的地がある。この渦巻きはゾーン同士の境界線を示しており,飛び込むと数秒の待ち時間の後に,別のゾーンへと切り替わるのだ。
 門から出た先は"Lakeside County"という冒険用のゾーン。こちらはAscalon Cityと異なり,周りにほかのPCはいない。このように,Guild Warsにおける冒険用ゾーンはいわゆるプライベートエリア扱いで,第三者には干渉されないようになっている。Ascalon Cityにいる間はMMOのシステムだったが,実際の冒険は閉じられたMOの空間で行われる。

頭上に「!」マークの付いたNPCからクエストの依頼を受けた。ゲームの序盤はこのようなお使い系クエストが大半を占める ミニマップに示された場所へ行くだけで報酬を獲得。極端な話,英文による説明を読まなくてもクエストを遂行できる
門の奥は白いもやに包まれている。ここから先は冒険用エリアで,第三者に邪魔されないプライベートエリアとなっている クエストで得られる経験値は多いので,積極的にこなしていこう。画面の少女は,川の近くで大切なフルートをなくしたという……

モンスターと戦い,スキルをUnlockする

ミニマップ上の赤い点がモンスターを示す。スキル習得前は,モンスターをクリックするだけのシンプルな戦闘内容だ

 冒険エリアにはモンスターが徘徊しており,いよいよ戦闘に入る。しかし,序盤はあくまでもクエスト主体。戦闘を目的として冒険に出るよりも,クエストを遂行する過程でモンスターとの戦闘が発生するというイメージだ。クエスト遂行時に得られる経験値はかなり多いし,報酬も一緒に狙える。
 クエストは同時に複数受けられるので,「!」マークのNPCを見かけたらとりあえず話しかけておきたい。「L」キーを押すと受けているクエストの一覧が表示されるので,現在地に近いポイントから順に行くと効率良くこなせる。ミニマップで示された地点にNPCがいない場合も,ほとんどの場合そこで待ち受けるモンスターを倒せば,クエストは進展する。

武器はProfessionに関係なく何でも装備できる。防御力との兼ね合いもあるため,Warrior以外は間接攻撃から始めるとよい

 クエスト遂行時は,「M」キーで表示される広域マップを併用するのが快適だ。クエストの目標が遠くてミニマップに表示されなくても,広域マップであれば入っている。そして,目標地点の間を動き回ることで冒険の舞台が少しずつ広がり,戦闘での経験を積んでキャラクターが成長するというわけである。

 いくつかのクエストをクリアしていくと,ほどなく報酬としてProfession専用のスキルを習得できる。このときは「Skill Unlocked!」のメッセージとともに,画面下のスロットにアイコンが登録されるので一目で分かる。モンスターをクリックするだけのシンプルな戦闘に,スキルを用いたテクニカルな要素が次第に増えてゆく。このあたりからがGuild Warsらしさが出てくるのだが,続きはまた来週ということで。

「Skill Unlocked!」のメッセージとともに,Professionの専用スキルを取得。 画面下にアイコンが登録されているのに注目 次に何をすべきか迷ったときは,とりあえずクエスト一覧を開こう。そしてポインタが近くにあるものから進めていくとよい
Guild Warsのクエストはとにかく親切設計。マップ上の目的地を辿るだけの,極めて分かりやすい作りとなっている マップ中にある巨大な光球は,死亡時の復活地点。序盤は死亡時のペナルティが一切生じないので,気兼ねなく戦おう

■■川崎 政一郎(ライター)■■
雑誌/サイトのネットワークゲーム記事で主に活躍するライター。このジャンルに入るきっかけは,ご多分に漏れず「Diablo」だったと語る川崎氏は,Guild Warsにご執心ながら,戦闘システムが洗練されすぎている点に一抹の寂しさを覚えているらしい。Diabloでは"テレポアタック"のしまくりでマウスを何個も壊したり,右手人差し指だけ炎症を起こしたりと,無闇に熱い逸話をふんだんに持っているとのことだ。
タイトル ギルド ウォーズ
開発元 ArenaNet 発売元 エヌ・シー・ジャパン
発売日 2006/01/27 価格 オープンプライス(パッケージ版) / 月額課金料金980円
 
動作環境 Windows 98/Me/2000/XP,PentiumIII/800MHz以上(PentiumIII/1.0GHz以上推奨),メモリ 256MB以上(512MB以上推奨),HDD空き容量 500MB以上,VRAM 32MB以上(64MB以上推奨)

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