皇帝の直属部隊“The Blade”の隠し砦,Cloud Ruler Templeまで王子を送り届けたら,次はインペリアルシティに行って,そこにいるThe Bladeの構成員に会えと言われた。これが前回……もとい,前々回までのお話だ。
んで行ってみて,人に会って,しばらくは言われるがままにクエストを進めてみたのだが,……ちょっとこれではイカンと思い始めた。予定が狂っている。
そもそもの企画としては,この連載では正道ではないプレイというか,どちらかといえばちょっと悪い感じ……,そう,流行のちょい不良(ワル)でゲームを進めようという話だった。
そこで筆者としては,とりあえずは流れのままにプレイして,途中から横道にそれて行けばいいかな,と考えていた。実のところ,筆者は以前に一度,別のキャラクターでメインクエストをクリアしている。そのときは確か,Cloud Ruler Templeに到着するくらいまでに,暗殺者ギルドからのお誘いの声がかかっていた。そういうイベントがあったのだ。
そこで今回も,お誘いを受けてから,ちょい不良プレイを開始しようかと計画していたわけである。
だから,とりあえずここまでメインストーリーを真っ直ぐ進んで来たわけだが,なんだか……来ないんである。悪への誘いが。ゼンゼン。まったく。結構進めても。来ないんですよ。今回は(
※)。
よくよく考えてみると,前回のプレイでは操作に慣れていなかったもんで,店の中でうっかり目の前にあるものを盗っちゃったり,うっかり他人の馬に跨ったらそれだけで馬番のNPCが斧を振りかざして襲いかかってきたりとか,なんだかいろいろやっていた。しかしまあ,その手のウッカリは,大抵ロードして少し前からやり直すことでなんとかしていたのだ。ガード(警備兵)に詰め寄られたり殺されたりしたら,すぐにやり直してしまえばいいのである。
しかし,観念して捕まったこともあった。ガードが詰め寄ってきた時点でずいぶん長い間セーブをしていなくて,しかも自分が一体どの時点でどんな罪を犯したのか分からないので,どこまで戻ればいいのかも判断できない。もうしょうがないので,まだあまりゲームを進めていないのに,泣く泣くお縄をちょうだいして牢屋で一週間ほど過ごしたのだ。
Oblivionでは,投獄されて牢屋で過ごすと,その分キャラクターのスキルが低下する。いきなりいろいろ下がってしまって悲しい思いをしたのを覚えている。
そんな風に(無意識のうちに)罪を犯したり投獄されたりしたのが,きっと暗殺者ギルドからアプローチを受けるためのフラグやトリガーになっていたのだと思う。今回のプレイでは,筆者が前よりうまくなっちゃって,そういった失敗をせずに,結果招待が来ないのではないかと考える。
さあ,どうするか。さすがにこのままメインストーリーまっしぐらじゃセカンドプレイとしてつまらないので,ここらで何かアクションを起こしたい。こちらから,暗殺ギルドや盗賊ギルドといった,裏の世界にコンタクトを試みるのだ。
ところが,これがまた一筋縄ではいかない。というのも,Oblivionの世界も現実世界と同様に,戦士ギルドおよび魔術師ギルド……つまり“真っ当な組織”はいろいろな街にそれぞれ建物を構えていたりして加入もしやすそうなのだが,犯罪に関わる組織は,そうそうおおっぴらに人材募集なんかしていないのだ。もっとも,暗殺者大募集,なんて看板が堂々と出ているような街には,誰も近寄らないだろうが。
ともあれ,まずはコネクションを探すところから始めないといけない。そんなわけで今回は聞き込みから始まる。
※……普通にプレイしていたら“お誘い”は来ない。星原氏は,よっぽど極悪なプレイをしていたと思われる
さて,そっちの裏社会関係で,いまのところ分かっている手がかりが一つある。インペリアルシティのそこかしこで見かける,この張り紙である。
いろいろな罪状で指名手配されているグレイフォックス(The Gray Fox)という男。いかにもシーフな感じ。盗賊ギルドとこの人物の間に何かつながりがあると考えるのは,理にかなっていると思われる。
とりあえず張り紙には,「何か情報があったら帝国のガードまで」と書いてあるので,ガードに話を聞いてみる。
やはり盗賊ギルドのマスターだと目されているらしい。ただガード達は,盗賊ギルドというものの存在自体が疑わしいと考えているようだ。
「ヤツは貴族の敵だ。だがウォーターフロントに住んでいるような貧しい者や物乞い達には慕われているようだな」
む,これだ。このウォーターフロントというところに行ってみよう。これまではとくに用がなかったので足を踏み入れたことがないところだ。
なるほど,船着き場の裏手の水辺に,粗末な小屋が並んでいる。ここはいわゆるスラム街っぽいところらしい。よし,聞き込み開始。あたりを歩いている人に声をかける。
「そんなのはおとぎ話だよ。確かにガード達はグレイフォックスっていう盗賊の王様がいると思ってるらしいけどね」
さらにそのあたりの小屋にも入って聞いてみる。グレイフォックスって人のこと知らない?
「指名手配中のマスターシーフでしょ!? 危険な男だって聞いてるわ。あと物乞い達が彼のスパイをしているって」
またまた有力情報。こりゃ物乞い達が何かを知っているに違いない。さらに街区を変えて,物乞いを中心に聞き込みを続けてみる。しかしみんな異口同音に,つれない返事を繰り返すばかり。好感度みたいなヤツが足りないのかな? とりあえず金を渡してみる。あんまりお金ないんだけどな……。
「あんたは信用してもよさそうだ。グレイフォックスについてもっと知りたければ,真夜中にウォーターフロントにあるGarden of Darelothに行くといい。おれが言えるのはそれだけだ」
よっしゃー成功。再度ウォーターフロントに出向く。庭の場所はすぐに分かった。そこで張り込んでいると,真夜中が近づくにつれて一人二人と集まってきたので話しかけてみる。
ていうかこの女子のほうは,少し鼻が大きくて,まるで4Gamerスタッフの面々が作った女性キャラクター並に“個性的”な顔ね。ウフフ。でもそう思っていることはおくびにも出さないわ。なぜならあたしは自分がカワイイことを知っている,そういう種類の女だから。
あなた名前は? ふーんMethredhelっていうの。名前はカワイイわね。さて,どうやら盗賊ギルドにかなり近づいてきている手応え。夜中の0時になるとたいまつを持った男がやってきたので話しかける。そうしたら,またさっきの物乞い同様で,信用してくれない。
しかしきっとこれも金で解決できるに違いない。ちゃりんちゃりーん……ほらやっぱりだ。会話が先に進みだした。
彼は盗賊ギルドのメンバーのようである。しかしそろそろ懐具合が厳しいな……。
話し始めた男の話を要約するとこうだ。
ここに集まった入団希望者3人で技術を競う勝負をしてもらいたい。インペリアルシティのどこかにいるAmantius Allectusという人物の日記を持ってきてくれ。入手する手段は問わないが,殺人を犯してはダメ。詳しい場所などの情報に関しては,シーフの協力者である物乞いにうまく聞けば分かるかもしれない。そして勝負に勝った者を盗賊ギルドのメンバーに迎えよう。
……なるほど,ちょっと面白くなってきた! 早速行動開始だ。
ターゲットであるAmantius Allectusという人物のことは知らない。だが話の流れから考えて,お金持ちだと思われる。まずは金持ちが住んでいそうな街区に移動して,そこで物乞いを見つけて情報を入手する……という作戦でいこう。
そんなわけで,それっぽい街区にやってきた。しかし問題が発生。今が真夜中だからなのか,ぐるりと歩いて探してみても,物乞いの姿が見えない。まいったなコリャ。
ウーンどうすればいいんだろう。まぁ朝になればきっと物乞いも出てくるだろうから,ここで“休憩”を取って,時間を進めてみることにした。5時間くらい進めればいいかなぁ……。
すると,いきなりクエスト内容がアップデートされた。
げげげ! さっきの少し個性的な顔立ちの女性が先に日記を盗み出してしまったらしい! どーしよどーしよ。前回みたいな“どーでもいい回”はピンチでもなんでもなかったから,今回こそ,ミッシェル最大のピンチだわ。でも死んだわけじゃないし,ここでロードするのは負けだと思うの。たぶん。
よくよくクエストログを見てみると,まだクエストが失敗した状態にはなっていない。どうやら,あの女性から盗み出すという手があるらしい。ふふふ,盗賊ギルドに入るためのクエストですから,むしろこっちのほうが正しい道かもしれないわ。私の辞書(クエストログ)に失敗なんて文字はいらない!
さあ時間がない。今度こそ物乞い達の出番だ。もう日は昇っている。商店街区に行くとすぐに見つかった。はい,情報料。
ふむふむ,あの女の家の場所はウォーターフロントか。日の出から正午までは寝てるって話だから(他人事とは思えない),今すぐに行けば忍び込めそうだ。急いで掘っ建て小屋地区を探したら,家はすぐに見つかった。ロックピックで鍵を開けて侵入。
こりゃもう,完全に無警戒で寝ているわ。そんなアナタに,盗賊ギルドに入る資格なんてないわね。オホホホ。
寝床の横にある鍵がかかっているチェストが怪しいのでこじ開けてみると,例の日記が入っていた。じゃあコレもらっていくわね。ふっふーん。
そして例の庭で真夜中を待つ。盗賊ギルドの男がやってきたので,戦利品を,自分がカワイイことを自覚している女らしく渡す。あのぉぅ,あたしぃ,どろぼうとか初めてでぇ,ホントぜんぜんホントぜんぜん! ホントぜんぜん自信とかなかったんですけどぉ,ホントぜんぜん! がんばったらできましたっ! 嬉しいです!
……そんなわけで合格ってことになって,晴れて盗賊ギルドの一員になることに成功した。最初は出遅れたけど,まぁ最後は美しく賢い主役が勝つに決まっているわね。
……ふと横を見ると,あら,誰かいるわ。