連載 :カジュアル姉さん


カジュアルゲーム

連載第10回 メテオスオンライン

 カジュアルゲーム連載では初となる,“落ちゲー”タイトル「メテオスオンライン」は,ニンテンドーDSの「メテオス」をオンラインゲーム化したものだ。
 宇宙のとある場所で暴走を始めた「惑星メテオス」。このメテオスから吐き出される流星「メテオ」から自分の惑星を守るために,降り注ぐメテオを逆に打ち返す……というのがゲームの目的だ。ただし,打ち返したメテオは消滅するわけではなく,近隣のどこかの惑星に同じように落下するため,惑星同士が生き残りをかけて戦う……というバックストーリーになっている。
 要は,ランダムに降ってくるブロック(メテオ)を,同じ色とマークで縦横いずれかに三つ以上並べて打ち上げ,さらに打ち上げたブロックの塊が「大気圏ライン」と呼ばれるラインを越せば消滅する。制限時間内に惑星のHPがゼロになれば「滅亡」,星を守りきれば「生存」だ。
 と,ここまではDS版と同じだが,本作ではオンライン化による最大6人対戦が可能になったほか,DS版にはない「ブロックの横移動」など,多少ルールに変更が加えられている。DS版で遊び尽くした人も,あらためてプレイする価値があるだろう。

 

最初は難しく考えず,とにかく横に三つ以上ブロックを並べ,バンバン打ち上げること。とくに下段から打ち上げ,失速しかけたら途中のブロックを並べ替えて,再点火するのが基本スタイルだ

 ゲームシステムはこれ以上ないほどシンプルだが,対戦で勝つためにはさまざまなテクニックが要求される。舞台が惑星なだけに“重力”が影響しており,大量のメテオを一度に処理できれば嬉しいのだが,大きな塊になればなるほどメテオは早く失速し,ついには大気圏ラインを越える前に戻ってきてしまうのだ。それを防ぐためのテクニック「空中ドッキング」「シュート」「ディレイドステップジャンプ」や,対戦相手を困らせるための攻撃パターン「燃えカス流星群」「列柱落とし」などがあり,これらが本作を特徴づける存在となっている。

 

 操作はキーボードとマウス両対応だが,上級者になるほど,極端に離れたブロックを行き来するときだけマウスを使い,ブロックの入れ替えには反応の早いキーボードを活用しているようだ。

 

メテオには属性があり,大気圏ラインを突破した(消去した)メテオは,ゲーム終了後に素材として入手できる。なかなか手に入らないレアメテオも存在するようだ

 

筆者が母星登録したのは,初心者向けの海洋惑星「オレアナ」。背景に小魚や珊瑚が揺れ動き,ゆったりとした動きが特徴。惑星ごとに,背景などもガラリと変化する

 テクニックだけでは防ぎ切れないほどのメテオが積み上がってしまったときのために,お助けアイテムなるものが使用可能だ。「破壊」「妨害」「サポート」「ジョーク」の4タイプ,全19種類のアイテムがあり,すべてのブロックを瞬時に消し去る「フィールドクリーナー」,相手の画面を一部を除いて真っ暗にしてしまう「スポットライト」など,効果はさまざまだ。
 ゲーム開始前に最大5種類のアイテムをセッティングでき,対戦中にアイコンを直接クリックするか,F1〜F5キーを押すことで使用できる。このアイテムは対戦終了後に入手できる素材を集めることで,プレイヤー自身が合成/生産できる。素材が足りなければ,ゲーム内通貨を使って,アイテムを直接購入する手もある。
 また,新規登録時にはキャラクターのほかに,拠点となる「惑星」を一つ選ぶ必要があり,その惑星が「母星」となる。それぞれの惑星にはメテオの落ち方,重力などに特徴があり,同時に難度も兼ねている。ゆったりとブロックが落下する水の惑星「オレアナ」,小さなブロックを次々に打ち上げるスピーディなプレイ向きの「ファイアム」,連鎖が置きやすいよう,じっくり組み立ててから打ち上げたいなら「アナサジ」……といった選択肢があるのだ。

キャラクター

 プレイヤーが選べるキャラクターは3種類用意されている。しかしキャラクターごとに異なる背景ストーリーや,固有の能力などは持ち合わせておらず,名前すら持たない。なんせ公式サイトでも「男性/女性/子供」のみという,非常にシンプルな紹介のされ方だ。

 

ゲームモード

 メテオスオンラインには三つのゲームモードが用意されている。一人でプレイできる「練習モード」,最小2名から始められる個人戦「バトルロイヤル」,そして2対2,3対3のチームに分かれて戦う「チーム戦」だ。
 ルームマスターはプレイするゲームモードに加えて,ブロック移動方向やアイテム使用の制限,観戦の可/不可といった設定が可能。また,ほかのプレイヤーとの対戦中には,左下に「Live」「Watch」タブが表示され,現在対戦中の相手の様子を逐一チェックできる。Liveではプレイヤーを特定せず,アイテムの使用や滅亡寸前など,何かイベントが起こりそうなプレイヤーを,Watchでは特定のプレイヤーを指定して観戦できる。
 狙った相手があと一歩で落ちそうなときはアイテムを使って一気にメテオを落とすなど,計画的にプレイするためには,このLive画像が欠かせないだろう。

 

サーバーはレベル別と無制限,合わせて五つ。さらに混雑状況に合わせて,チャンネルが複数用意されている バトルロイヤル中の一コマ。「Live」でほかのプレイヤーの様子を観賞できる。上級者のプレイを学ぶチャンスだ

対決

 落ち物ゲーはちょっと得意な筆者は,今回はいつになく余裕で「誰でもいいですよ,相手になりましょう」と挑発気味な態度で対決に挑んでみた。ややムっとした顔つきでKawamura氏が指名した対決相手は,まだ4Gamer編集部に染まりきっていない,どこか初々しさの残る編集者,ginger氏であった。
 筆者はginger氏と過去3回ほど,取材先でバッタリ遭遇しているのだが,毎回こじゃれた服装をしており,ちょっといけすかない印象を抱いていた。おまけに最近はこじゃれた服装に加えて,なんだか知らないが帽子をトレードマークにしている様子で,まったくもって気に入らない(なぜ?)。編集部からの裏情報によれば,常に欠かさないあの帽子の中には“夢と希望が詰まっている”らしい。ええい,取材現場は戦場だ! チャラチャラした服装で来るんじゃない! その夢と希望,対決でむしり取ってくれるわ。

 

麻生ちはや
発表会などの取材時は,汚れても気にならない服装とスニーカーが定番の戦闘服。そのため,取材でしか会わない人々には,いつも「小汚い格好をしている女」と誤解されるのが目下の悩み。2007年は「フェミニン・スタイル」をキーワードにしたいと思っている

ginger
第6回4Gレビューコンテスト特別賞受賞をきっかけに4Gamerに来たという,今年入ったばかりの新人スタッフ。今回はG★2006の取材スタッフとして駆り出されており,韓国からヘロヘロの状態での対戦となった。いつも帽子をかぶっているのは本当のことである

 

 

 実はメテオスオンラインのオープンβテストは11月9日スタート。そう,韓国のゲームショウ「G★2006」が開幕したばかり,まさに初日が対決日に当たっていたのだ。ginger氏は今回G★の取材メンバーの一人であり,過酷な海外取材を終えたあとに,自分の担当でもない連載のために対決をしなければいけないとは,何たる地獄だ。ただし,今回ばかりは筆者の腹黒い作戦とは無縁で,単にginger氏の運と普段の行いが悪かっただけである。あぁ,かわいそう。
 その場でアカウントを登録し,キャラクター作成を行ったginger氏のキャラは妙な仮面をかぶっており,これまた筆者への挑発だろうか? その仮面の下にも夢と希望が詰まっているのか?

 

不思議なマスクを着用した男性がginger氏のキャラクター。しかも,ちょっと似合っているところが腹立たしかったりもする

 

 などとイチャモンをつけていたら,油断し過ぎて初戦は敗北。慌てて気を取り直し,第2戦をいつものごとく要求すると,さすがのginger氏も「これから朝まで取材記事の執筆があるんです。勘弁してください」と弱音を漏らすではないか。でもごめん,そんな優しさは持ち合わせてないの。「すぐ終わるから」「ちょっとだけだから」を繰り返して,なし崩しに2戦めへ突入。落ち物ゲーで本気を出した筆者に,一刻も早く自分の仕事に戻りたいginger氏がかなうわけなし。前回とは違い,2戦めと3戦めは文句なしのブッチ切りで勝利を収めた。毎回,こういう対戦相手だったらいいのになぁ。

 

敵は慣れが必要な惑星「アナサジ」を選んだらしい。1戦めはちょっと油断しすぎて負けたが,このままじゃ終われない ということで,続く第2,第3ラウンドは余裕の勝利。レースゲームもこれぐらいうまくなれるといいんだけどなぁ……

 

 

 

■■麻生ちはや(ライター・お姉さん)■■
今回は似顔絵イラストの話。やはり毎回,似てる/似てないの差はあり,最も似ていると評判だったのは第7回のTeT。このイラストは編集部の誰もが爆笑するほど似ていた。松本,Kawamuraなどもかなり似ており,逆に一番似ても似つかないのがIwahamaというのが一般的な評判だ。第9回の佐々山のイラストも,彼と面識あるライターのUHAUHA氏が,「あの編集者の似顔絵がとても似ているということが判明しました」と言うほど似ていたのだが,なぜか麻生氏だけが「似てない! 似てない!」とご立腹。麻生氏の目には,佐々山がどのように映っていたのか気になるところだ。
タイトル メテオスオンライン
開発元 キューエンタテインメント 発売元 キューエンタテインメント
発売日 2006/11/22 価格 プレイ料金無料/アイテム課金
 
動作環境 OS:Windows 98SE/2000/XP CPU:Celeron 1.4GHz 以上 メモリ:256MB 以上 GeForce2MX 相当以上 DirectX 8.1b 以上 HDD:512MB 以上

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