― 連載 ―

灰色着てるやつを見たら撃て!ブラザー イン アームズ
第4回:ゲームも連載も後半戦に突入!
パンツァーファウストが頭痛の種

指揮を執る者の判断一つで,大切な隊員の生死が決まる……。BIAはヒューマンドラマ的要素も持ち合わせており,数々の戦いをくぐり抜けるうちに,プレイヤーはいつしか隊員それぞれに感情移入していく。隊員が死ぬと,ゲームとはいえ心なしか寂しくなる

 全6回(予定)でお届けする「ブラザー イン アームズ」の連載も,中盤を過ぎて後半へ突入。今回はD-DAYから3日後(1944年6月9日),4日後(1944年6月10日)の計3チャプターを追っていく。

 地形や遮蔽物を利用した戦術がますます重要となり,分隊長としての手腕が問われるところ。序盤で受けたダメージが後半に響くチャプターばかりなので,「大丈夫だろう」「ええぃままよ」という言葉は捨てて,部下を大切にしたい。

 

当時の写真を見ると,いかに戦場を忠実に再現しつつゲームとして成り立たせようとしたかが分かる ドイツ軍のMP40を拾い集めたアメリカ兵の写真。銃弾もドイツ兵を殺して調達したのだろうか…… ドイツ軍に関する資料や写真を見られるのも嬉しいところ。必死に戦っていたのはドイツ兵も同じなのだ
1944年6月9日 D-DAY+3
農場にて(9時00分)

・サンコムデュモンを解放し,第4歩兵師団M4A1シャーマン戦車の援助を受けながらカランタンの道中にある農場(農家)を奪取する

小銃や機関銃ごときではビクともしない戦車は,単独で行動させるもよし,遮蔽物として使うもよしで,歩兵にとって強い味方となる。しかしパンツァーファウストなどを食らえば簡単に破壊されてしまう。強い味方を失ったときの失望感もゲームで味わえる

 農家に辿り着くまでは複数位置からの攻撃が多く,パンツァーファウストを装備している敵兵も多いため,安全を確保せずにシャーマンを進めると,あっという間に破壊される。仮に制圧状態に追い込んでも,隙を見てパンツァーファウストを撃ち込んでくるから油断できない。ここはベイカー自ら動いてロケット兵を排除していこう。

 

敵の多くがパンツァーファウストを持っており,シャーマンとて簡単に破壊される。まずはコイツらを排除する シャーマンの機銃を使い,右端以外の敵を精密射撃で一掃する。右端の敵はベイカー自ら近づいて片付ける

 農家には,多数の敵が陣取っている。37mm対戦車砲も,砲口を入り口に向けて待ち伏せているので,対戦車砲を片付けるまでシャーマンは待機させるほうがよい。ベイカーと突撃班で攻めることになるが,敵の人数も多く手ごわい。

 

画面真ん中の制圧メーターが37mm対戦車砲。左手に進むと建物の裏に回り込めるので,一気に叩く 37mm対戦車砲を叩いたら,シャーマンを進入させて残りの敵を排除する。間もなく迫撃砲弾が飛んでくる

 農家を制圧したと思ったとたん,迫撃砲による攻撃が始まる。農場にある迫撃砲を叩かねばならないが,ここに"III号突撃砲F型"が潜んでいる。途中でシャーマンが破壊されていても,一発だけ持っている手榴弾を残しておけばIII号突撃砲を倒せる。

 

迫撃砲の攻撃が始まったら,すぐに集合命令をかけて農場を突っ走る。農場に入ったら,まずは東の敵を叩こう III号突撃砲はおびき寄せて背後からシャーマンで攻撃する。手榴弾を放り込んだほうが簡単かもしれない
迂回経路(13時00分)

・カランタンへ向かう迂回経路にある橋をドイツ戦車部隊が利用するため,先回りして橋を爆破する

カランタン進攻の迂回経路を探し,橋を発見するまでの公式レポートが読める。レポートを基に,このチャプターが非常にリアルに作られていることが分かる

 敵にとっても重要拠点なので,敵兵が多い。また,MG42機関銃,37mm対戦車砲,III号突撃砲も配備されており,目標の橋に辿り着く前にチームに被害が出ることもある。とくに目標の橋では激しい戦闘が待ち受けており,いかにダメージを抑えて橋まで辿り着けるかがポイントとなるだろう。最後の最後まで気の抜けないチャプターだ。

 

III号突撃砲と歩兵に遭遇。敵の攻撃が遮蔽物に当たる位置に,シャーマンを停めて応戦すると楽に倒せる 川沿いには37mm対戦車砲があり,そのまま進むと非常に危険だ。部下と共に裏手に回り込んで一掃する

 列車の車両が散乱している地点には多くの敵歩兵が現れるが,シャーマンであればダメージを受けずに一掃できるので,離れた位置から指揮を執る。川の対岸からの攻撃もあるが,そちらは突撃班に任せておくといいだろう。

 

III号突撃砲に対しては,ベイカー自らおとりになり,その隙にシャーマンを回り込ませれば側面から狙える 突撃砲は方向転換が必要なので,先制攻撃が可能だ(すでに煙を噴いてる)。それにしても敵の射撃手は下手だなぁ

 爆破目標である橋の向こうには37mm対戦車砲とMG42が配備されており,真正面から橋を渡ろうとすれば全滅は目に見えている。また,無事に橋を制圧できても,敵の援軍がやってくるため油断してはいけない。爆薬の起爆スイッチ(誰が仕掛けたんだろう)を押せばクリアとなるので,敵が現れても自分は応戦せずにスイッチ目指して突っ走ろう。

 

歩兵,37mm対戦車砲,MG42機関銃が狙っている。右手の建物から川の対岸に渡れるので突撃班を移動させる 敵は突撃班の制圧射撃に応戦しようと立ち上がる。敵が塹壕から出れば,対岸からでも砲弾&機銃がよく当たる
1944年6月8日 D-DAY+4
パープル ハート レーン(18時00分)

・カランタンが目前に迫る。カランタンに続く土手道で敵との激しい銃撃戦が展開される

土手道に向かう途中で遠方にカランタンの教会が見える。スコープを覗くとちゃんと教会が見える。プレイ中には気付かないようなところまで再現されており,たまにはマップ内を歩き回って風景を楽しむのも面白い

 おそらく今までの作戦の中で一番難しく感じるチャプターだ。戦闘のメインとなるのが,ベイカーが使用できるスコープ付きのM1903スプリングフィールド小銃(狙撃銃)。BIAで使用できる武器の中では一番高い命中精度を持っている武器だ。とはいえ,難度ハード&リアルとなると悠長に狙って……なんてしていると撃たれるので,ヒョイと顔を出して撃ったら,すぐにしゃがむといった感じで戦う必要がある。

 

開始早々の銃撃戦。すべて狙撃銃で戦っても構わないが,難度ハード&リアルではダメージを受けることも多い 部下に制圧状態にさせ,側面に移動してマシンガンで叩く。数人の敵兵と真っ向勝負の時はマシンガンが有利

 部隊を引き連れて沼地を目指すと,コール中佐と合流する。ここからが大変で,コール中佐の言うとおり,倒しても倒しても沼地からドイツ兵がわんさか出てくる。片っ端から狙撃銃で撃ちまくろうにも,多方向から銃撃があるので簡単にはいかない。「土手道の終わりに辿り着くまでドイツ兵の増援部隊が出現し続ける」とのことだが,実は難度リアルでも倒し続けていると出現しなくなる。1か所または2か所ずつ慎重に狙撃銃で倒し続けるしかない。

 「狙撃銃の弾がなくなって進めない!」と泣きそうになっている人はいないだろうか?。そんなときは手前の橋の下に置いてある木箱を覗いてみよう。ここで銃弾の補充ができるのだ。なくなりそうになったら補充,狙撃銃で撃ちまくれ。

 

敵は散在しており,単独で狙おうとすると,多方向から集中砲火を食らう。自分で狙うところ以外は部下に制圧射撃をやらせる 敵が現れたら狙撃も併用しつつ銃撃班,突撃班の集中砲火を浴びせると,遮蔽物に辿り着く前に倒せる

 土手道の終わりに無事辿り着いたが,すでに敵に迂回されていた。敵数人とはいえMG42が真正面から狙っており,不用意に攻め込むと大きなダメージを受ける。とくに難度リアルでは,ここで戦死すると冒頭からやり直しとなるため,慎重に行動したいところだ。

 

再び沼地から敵が現れて銃撃してくる。こちら側には完全に身を隠せる遮蔽物がないので,注意しよう MG42は塹壕で固められており狙撃銃も通用しない。部下全員で制圧射撃を行わせて,自分で背後に回り込む

 次回はカランタンに進攻して制圧するまで,D-DAYから5日め,6日めの4チャプターを追っていく。お楽しみに。

コラム
■武器&兵器紹介
▽連合軍:
・M1918ブローニング自動小銃(M1918 Browning Automatic Rifle [BAR])

フルオートマチックで,30-06スプリングフィールド(7.62mm×63口径)弾を毎分300〜650発で発射可能な自動小銃。装弾数は20発で箱型弾倉に入れて使用する。連射可能な割には装弾数の少なさがネックとなっていた。また高速で連射すると銃身が熱を持って命中精度が低下するため,毎分300〜650発と毎分300〜450発の切り替えが可能だった。映画「プライベート・ライアン」ではライベン二等兵が使用しており,威嚇射撃で連射しながら走る姿が描かれている。

 

・M4A1シャーマン(M4A1 Shrman Medium Tank)

大戦中,最も多く生産された中戦車の一つであり,知名度も高いM4A1シャーマン。M4中戦車にはさまざまなバリエーションがあるが,A1はM4タイプの中でも代表的な存在だ。独特の形状をしたM4A1には40口径75mm戦車砲,54.5口径76.2mm戦車砲,105mm榴弾砲を搭載したタイプがあり,BIAに登場するのは標準的な75mm戦車砲タイプ。12.7mm重機関銃M2(1丁),7.62mm機関銃M1919A4(2丁)で武装している。単体の戦闘力よりも,大量生産による"数"でドイツ軍を圧倒していた。

 

 

▽ドイツ軍:
・パンツァーファウスト 60 (Panzerfaust 60)

通常の(無反動砲でない)火砲である37m対戦車砲や,大型のパンツァーシュレック(バズーカ)より機動性に優れた対戦車兵器が,このパンツァーファウスト。約3kgもある弾頭をほぼ無反動で発射可能で,その装甲貫通能力は140mmと凄まじく,当時の戦車であれば一撃で破壊できた。バリエーションは30,60,100,150があり(数字は射程距離),BIAに登場するのは60。破壊力の凄さはゲーム中に味わうことになるだろう。ちなみに弾頭の注意書きまで再現されている。

 

■登場人物紹介
コリオン伍長(CPL. CORRION) 突撃班

サム・コリオン伍長。銃器の扱いに精通しており,米軍だけでなく,ドイツ軍の小火器にも詳しいらしい。個人的にはゲーム中のセリフなどから,何となく生真面目というイメージを持っている。

 

デソーラ二等兵(PVT.DESOLA) 突撃班

マイケル・デソーラ二等兵。アレンやガーネットほどではないが,なかなか口の悪い部下の一人。人生で愛してやまないものが三つあるらしいが,それが野球,イタリア料理,そしてドイツ兵との戦いだという。

 

■■UHAUHA(ライター)■■
4Gamer専属ゲームライター。副業として,会社員と二児の父をやっている。この連載を書くにあたって毎日毎晩BIAをプレイしているが,最近「ButtKicker GAMER」という,ゲームの音に連動して椅子を振動させるという怪しげなアイテムを併用している。これが「戦車が徐々に近づいてくる振動が伝わってくる」ほど凄いアイテムらしく,感動のあまり「マシンガンが! 戦車が!」と絶叫しているという。ご家族が気の毒である。
タイトル Best Selection of GAMES ブラザーインアームズ 〜ROAD TO HILL 30〜 日本語版
開発元 Gearbox Software 発売元 フロンティアグルーヴ
発売日 2006/11/10 価格 3990円(税込)
 
動作環境 Windows 2000/XP,PentiumIII/1GHz以上(Pentium4/2.5GHz以上推奨),512MB以上(1GB以上推奨),VRAM 32MB以上(128MB以上推奨)のビデオカード,DirectX 9.0c以降

(C)2005 Gearbox Software, LLC. All rights reserved. Published and distributed by Ubisoft Entertainment under license from Gearbox Software, LLC. Brothers In Arms Road to Hill 30 is a trademark of Gearbox Software and is used under license. Ubisoft, Ubi.com and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries. Gearbox Software and the Gearbox logo are registered trademarks of Gearbox Software, LLC.

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