― 連載 ―

ハートマン松本の全軍突撃! バトルフィールド2
諸君! 司令官になって兵士達を死地に送り込め
ウェルカム・トゥ・デューティー,コマンダー!

 新米司令官諸君! ウエストポイント陸軍士官学校へようこそ! 諸君は,いずれコマンダー(司令官)として全軍を統率し,戦闘に勝って勝って勝ちまくる栄光とウハウハの日々を夢見ていることであろう。だがしかし,なんだか先週も書いたような気がするが,それはやっぱりイバラの道なのである。

 

 いうまでもなく司令官の責任は重い。システム上,戦況の全体像を知ることが可能なのはコマンダーだけであり,その情報を的確に部隊にフィードバックし,命令を下し,あるときは戦力を集中させ,またあるときは小部隊に空の拠点を狙わせる,など,そういった判断を連続して即座に行わなければならないのである。「コマンダー」という華やかな名称とは裏腹に,気骨の折れる地味な職務なのである。有能な美人秘書(ミニスカ)などがついてくれるといいなあ……と思うが,そうはいかない。
 しかも,部下どもがコマンダーの命令にすんなり従う保証すらないのである。よし,敵の拠点には誰もいない。チャンスだ。近所のアルファ分隊,占領せよ! で,「拒否します」なんて返事が返ってきた日にゃ,あんた,悲しいったらありゃしないのである。抗命罪で処罰してやりたいが,部下には部下の言い分があるだろう。このへんのさじ加減も司令官に求められる資質であり,大変なんですよ,もう。というわけで,気をつけ!

 

これがコマンダー画面。マップは3段階のズームが可能で,最大にすればスキャンすることなく地上の状況を把握できるため,「発見」の報告がやりやすいが,当然ながら表示範囲が限られる。ほかにもいろいろボタンがあるが,本文に述べた四つと,分隊リスト,マップの基本機能が分かっていればとりあえず大丈夫だろう

 

 新米司令官諸君にとって,BF2の「コマンダー」といえば「砲撃」であろう。すでに数多くの戦場で戦ってきた諸君にとっては,これが司令官の能力について一番分かりやすい部分だ。拠点占領のために伏せていると,どこからともなく降ってきた砲弾の雨が大爆発。軽く100メートルは吹き飛ばされて絶命,なんて経験を誰でも持っているはずだ。「どうしてこう,オレの行くとこ行くとこ,砲撃されるかねえ」なんて思うときもあれば,戦友がみんなとっくに逃げたところばかりが目標にされ「くくく,ヘタっぴめ」,と含み笑いをもらす場合もあるだろう。だがもちろん,司令官の任務は砲撃ばかりではない。仕事は大まかに四つある。つまり偵察,砲撃,補給,そして部下に対する命令だ。

 

 ではCapsLockキーを押して,コマンダー画面を表示してみよう。左上,小さなマップの隣に四つのボタンが並んでいるのが分かるであろう。その下の分隊リストを含め,順に説明していく。

 

コマンダーはこんなことができてしまう!
スキャン

 偵察には2種類ある。この「スキャン」を発動させることにより,コマンダーは戦場に散らばる敵の位置を把握できると同時に,敵航空機の位置が味方のミニマップに表示される。AAポストで防空任務に当たっている兵士,および味方航空機などに対して重要な情報を与えられるのだ(ただし敵地上部隊の情報は味方のミニマップには表示されないため,これには個別に対処していく必要がある)。リチャージされ次第,ただちにスキャンを発動し,常に敵の位置を捉え続けることがコマンダーの重要な仕事でもある。スキャンは,地上にあるレーダーサイトというオブジェクトが担当しており,ここが壊されると一定時間スキャン不能になってしまう。

 

砲撃

 使用法は簡単である。「砲撃」をクリックし,マップ上で目標地点を決定するだけだ。着弾が始まると,近所の敵兵がクモの子を散らすように逃げていくのが見えたりする。中には,私がよくやるようにパニックに陥って着弾点の中心に向かって走り,中天高く吹き飛ばされる兵士もいて愉快だが,わざわざそんな光景見たさにズームアップしている場合ではない。スキャンと違い,こちらはリチャージされたからといって即座に連発するのはよくない。再装填には時間がかかるし,司令官の持つ唯一の,かつ最高の攻撃手段であるだけに,「ここ一番」で使うべきだろう。なお,砲撃地点の付近にいる味方部隊には,当該分隊をクリックして「砲撃警報」を与えられる。地上のオブジェクトとしては,当然ながら大砲が担当しており,これを破壊されないように注意を払わなくてはならない。

 

偵察

 地上部隊の偵察はUAV(Unmanned Air Vehicle:無人偵察機)を使って行なう。UAVを飛行させることによって,そのレーダー範囲内にある敵の所在を探知し,同時に味方部隊のミニマップに位置情報を送信できる。ただし一度に1機しか飛ばせないので,「どこへ飛ばすか」が重要だ。一般に,絶対に敵がいるはずのところに飛ばすのはあまり意味がない。例えばガラ空きの味方拠点に向かう敵の小部隊などを発見した場合など,臨機応変に飛ばして味方に情報を送らなくてはならない。また,敵部隊をマップ上で直接指して右クリックし,メニューから「発見」を選ぶことによっても味方部隊に敵の位置を伝えられる。ただし,各兵士も発見報告をして状況が錯綜しているときなど,紛れてしまうこともあるだろう。地上のオブジェクトは国旗のついたトレーラーだ。

 

補給

 このボタンにより,補給物資の入った木箱をマップ上の希望の位置に投下できる。この箱は,弾薬の補給だけでなく,兵士の体力を回復したり車両を修理したりできる万能ボックスだ。ただし,敵味方問わずに使用できるため,投下地点に注意しないとうっかり敵に塩を贈ることになってしまう。もし分隊長からの補給要請があれば,ただちに投下する必要があるだろう。また司令官の仕事ではないが,この木箱は破壊可能なので,敵が補給中のものを見つけたら壊してしまうのも手だ。

 

命令
めったに使わないだろうが,コマンダーが直接目標に照準を合わせてTキーでも命令を下せる。この場合の命令内容は,砲撃と補給,そして偵察の3種類だけに限られる

 コマンダーが命令を下せるのは,分隊長に対してのみだ。四つの大きなスイッチの下にあるのが分隊のリストであり,これにより各分隊の兵科構成を,また分隊をクリックすることで,各分隊の位置を確認できる。命令の出し方は分隊の場合と同じで,命令を下したい分隊をクリックしたのち,マップ上の目標を右クリックすれば命令メニューが現れる。隷下分隊の意向は分隊リスト上のアイコンで確認可能で,命令に従うなら緑色のチェックマーク,拒否なら赤い×マークといった具合だ。分隊長が「指示要請」を出している場合は黄色いエクスクラメーションマークとなる。また,分隊長が独自に命令を下している場合は,マップ上のグレーのラインとして確認できる。その命令が妥当だと判断できればそのままでいいし,別の命令を下して,それに分隊長が従えば,グレーのラインは消滅する。

 

 以上,文章で書くと結構ややこしく感じるかもしれないが,実際にやってみれば,すぐ分かるはずだ。これらのスイッチを縦横無尽に使いこなして勝利を収めるのが諸君に課せられた使命なのである。

 

これらがコマンダーの目となり攻撃力となる地上オブジェクト。砲撃は大砲が,スキャンはレーダーサイトが,UAVはトレーラーが受け持つ。特殊兵のC4爆薬などで破壊可能だ
必勝法? そんなものがあったら苦労はない!
コマンダーになったら,ビルの中や丈の高い草原など,安全な場所に隠れなければならない。司令官がやられちゃったら,元も子もないからだ。選択兵科としてはカモフラージュスーツを着た「狙撃兵」がいいだろう。当たり前だが,車両に乗ってはいけない。敵航空機の格好の目標になってしまうし,車両は本来,攻撃のために使うものだからだ(写真の人はコマンダーではありません)

 さぁコマンダーになったはいいが,必勝のセオリーはあるのだろうか? と,諸君は悩んでいるところであろう。安心したまえ,そんなもの,ありはしないのだ。なにしろ敵も部下も人間。能力はマチマチだし,分隊に参加してくれない兵士もいる。同じマップでも二度と同じ展開にならないのが,バトルフィールドシリーズの面白いところなのだ。

 でもまあ,それだけじゃなんだから,ちょっと付け足す。少なくとも,常勝将軍になるために,以下のようなことはいえるはずだ。

 

(1)マップを熟知する

 とっくにご存じのこととは思うが,拠点の価値はどれも同じではない。付近に兵器が豊富に登場する拠点もあるし,取りやすく守りやすい拠点もある。コマンダーはそれら各拠点の重要度について把握し,味方が有利になるように戦闘を進めることが必要だ。とくに,占領可能な飛行場はきわめて重要である。敵に航空機が登場しなければ,こちらの戦闘ヘリコプターが思うように敵地上部隊を蹂躙でき,相手はほとんどなすすべがなくなるのだ。作戦がツボにはまると大変気持ちがよいものだ。いひひ。
 また,マップによって有利不利があるのも知っておかなければならない。ラウンド内では攻守所を変えるからトータルでハンディはないのだが,不利な側になったときは気合を入れ,有利な側になったときは確実に取る,ということである。

 

(2)敵の度量を知る

 敵が組織立っているか,あるいは「一匹狼の集団」であるかは,スキャンを繰り返していれば,ある程度分かる。バラバラに攻めてくるようならコマンダーの統制が取れていないわけだし,拠点にリスポーンする兵士が多いなら,分隊システムがうまく機能していないと判断できるのだ。組織立っていない敵は必要以上に一つの拠点に固執したり,奪われると躍起になって奪い返そうとする傾向があるので,そこを利用して作戦を立てられるだろう。もちろん,こちらの部隊もバラバラだったらお話にならないが。

 

(3)適材適所を心がける

 分隊の構成は分隊リストを見れば分かるので,コマンダーは彼らに見合った作戦を割り当てなければならない。2〜3人の狙撃兵で構成された分隊に拠点攻略を命じても成功の確率は低い,ヘリコプターに乗っている分隊なら長距離の移動も苦にならない,といった具合である。次々に敵機を落としているパイロットに拠点防御を命じても拒否されるのがオチだし,戦況はかえって悪化してしまう。コマンダーには目配りが必要なのである。

コマンダーになる方法

 最後は,コマンダーになる方法だ。なんか順番が前後しているような気がするだろうが,新米兵士諸君にとっては,これでいいのだ。というのは,諸君はおそらくなかなかコマンダーにはなれないからである。コマンダーになるには,例によってCapsLockキーでマップ画面を呼び出し,「部隊」タブをクリックし「司令官」に「適用」すればいいだけ。非常に簡単である。とはいえ,複数の立候補者がいた場合,階級が上のプレイヤーが選ばれるため,二等兵ぐらいでは司令官になれる可能性が極めて低い。サーバーに入ってみたら,立候補する間もなくすでに司令官が決まっていた,なんてことも多いだろう。
 ここまで話を引っ張っておいてなんだか,仕方がない。伍長ぐらいに昇進するまでは,一兵卒としてマップや戦闘の知識を深めていくしかないのである。だが,それらの知識は,必ずやコマンダーになったときに役立つはずだ。そしていずれは,一人だけ「高度なAIを実装したRTS」をプレイしているような,斬新かつ緊張感満点なコマンダーの醍醐味を満喫できるものと確信する次第だ。というわけで,今日はこのへんにしておこう。解散!

 

 

司令官を助けろ!

 マップに入ってみると,味方がすでに敗北寸前などという状況がよくある。私が出現したのは,こちらの陣営の奥深くの拠点だったはずだが,すでに敵の戦車部隊が進出している状況。しかもよく見ると,倉庫の陰に我が司令官が必死になって隠れている。これは大変,司令官を助けろ! とばかりに対戦車ミサイルを発射する私だったが,当たり所が悪く,任務失敗。しかも戦車から逃げ回っているうちに,隠れている司令官の前に出てしまい,ついでに司令官まで発見され逃げ回ることになったのである。さて,順調に敵戦車に轢殺された私であったが,司令官を助けるため,ふたたび同じ拠点に出現。幸い,彼は無事だったが,今度もまた私の放った対戦車ミサイルは不調。またしても敵戦車の注目を集め,2人して逃げ回ることになったのである。
 3度めにリスポーンした私だったが,司令官から直々に名指しのお言葉が。「次はほかの場所に生まれてほしい」とのこと。うーむ,悪気はなかったんだけどなあ。さて,この話のどこがTipsなのかというと,えーと,うーん,どこだろうか?

■■松本隆一(ライター/学生/教官)■■
夏休み中に実施した「2005年夏の特大プレゼント」のアンケート部分で,応募者の皆さんから多くの声援を頂いた松本氏。「松本氏のBF2の連載の頻度をもうちょっとあげてほしい」「人にはいろんな生き方があるものですね」などのありがたいお言葉に,氏の目頭も熱くなっているに違いない。サーイェッサー!
タイトル バトルフィールド 2
開発元 Digital Illusions CE 発売元 エレクトロニック・アーツ
発売日 2005/07/07 価格 オープンプライス
 
動作環境 OS:Windows XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium 4/1.70GHz以上(Pentium 4/2.40GHz以上推奨),メインメモリ:512MB以上(1GB以上推奨),グラフィックスメモリ:128MB以上(256MB以上推奨)

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