連載 : 創世紀1701 ガッハッハフロンティア


創世紀1701 ガッハッハフロンティア

最終回:マルチプレイでガッハッハの巻

 

最後は「マルチプレイ」で対戦

 

 本連載も,いよいよ今回で最終回。そこで最後の締めくくりとして,「創世紀1701」に搭載されたマルチプレイを実際に体験してみることにした。接続は「LAN」「インターネット(GameSpy)」「ダイレクトIP」の中から選択できるが,今回はGameSpyを介してプレイした。
 マルチプレイは最大4人のプレイヤーが参加可能で,勝利条件を設定してプレイヤー同士で競い合うのはもちろんのこと,同盟を組んで互いに協力して国家を発展させたりもできる。もちろん人数が多いほうがプレイにバリエーションが出て面白くなるのだろうが,今回は本連載の担当であるKawamuraと二人だけでプレイすることにした。
 Kawamuraは,創世紀シリーズは前作までは結構やり込んでいたそうである。しかし,1701のプレイ時間に関しては,以前「いやあ,日曜日に6時間ぶっ続けで遊んじゃいましたよ,ガッハッハ」と一度豪語したっきり,あまり話題にしようとしていなかった。どうやら,なんだかんだと理由をつけてあまりプレイしていなさそうだが,その実力のほどはいかに。

 

 

マルチプレイルームでは,対戦相手のプロフィールが表示される。上の「player」がKawamuraだが,獲得済みのメダルを見るに,あまりプレイしていないことがうかがえる

 マルチプレイを開始するにあたっては,ルールと勝利条件を設定する必要がある。今回は,筆者とKawamuraの純粋な実力を見るために,初級の設定をベースに,AIプレイヤーを参加させず,勝利条件も30%の島を植民地化するだけとした。
 この条件だと,住民が移民にアップグレードしたときに女王から贈られる「探査船」に「木材」と「道具」を積み込んで,次々に島に入植し,片っ端から市場を建てて開拓エリアを広げさえすれば勝利となる。すなわち「いかに早く住民をアップグレードさせるか」「いかに早く余剰物資を生み出して,より多くの島に進出できる余裕を作れるか」を競うわけだ。
 まあしかし,ただの陣取りゲームのようになってしまうのもつまらないので,さらに細かく「商人」にアップグレードするまでは,勝利条件を満たすためだけの入植は禁止という,ゲーム内のルールにはない取り決めをしておいた。

 

序盤で失敗して自滅するなど,あまりにも対戦時間が短かった場合は何度かやり直せばいいという理由もあって,ルールは極力簡単にした。結局,やり直されることはなく,この判断が正しかったと判明するのは実に数時間後のことだった

 

 さて,実際にマルチプレイを開始。筆者は南方の比較的大きな島からスタートして,「素早く商人にアップグレードするためには,早めに北方に進出して灯油を確保しないと」などと考えていたところ,Kawamuraがいきなりチャットでグチり始めた。なんでも彼のスタート地点は,両脇を断崖で固められた狭い海岸で,島の資源は「花」と「ハチミツ」だけという,爆笑モノの悪条件だそうだ。まあ,これがプライベートで遊んでいるだけだったらリスタートもやぶさかではないのだが,いちおう連載のための対戦だからという理由でKawamuraをなだめて,そのまま続行することにした。

 

筆者に与えられた南方の島。煙草とカカオが生産できるだけでなく,粘土と鉄鉱を無尽蔵に採掘できる鉱山も倉庫近くに集中しており,序盤〜商人段階にかけて有利 一方,Kawamuraに与えられたのは北寄りの島で,商人〜貴族段階で必要な物資の生産には強いが,序盤〜中盤は厳しいかも。海岸が狭いのは,防衛に向いていそうだが……

 

プレイ開始直後の開拓者段階。筆者もKawamuraも,機能的かつ見栄えのいい町を目指してプレイしているはずだが,それぞれのセンスの違いが見て取れる

 

 

 

 

移民にアップグレードすると女王から贈られる探査船を使って,さっそくマップの確認を始めたらしいKawamura。筆者の島も早々に発見されてしまった

 筆者は本連載で何度も書いている手順を踏んで,黙々とアップグレードに必要な人口を逆算し,赤字を最小限に抑えるようにしながら,各施設を設置していく。移民から市民にアップグレードするためには「煙草製品」と「アルコール」が必要だが,後者はどこかほかの島に入植しないと生産できない。そこで,上記のとおり将来的な灯油の入手を考えて,ホップの収穫と鯨の漁場がある北の小島に入植。すると,すかさずKawamuraが「そんな遠くの島で大丈夫ですか? プププ」と言ってきた。「灯油が欲しいんだからしょうがないだろ!」と言い返したいところだが,こちらの考えを明かすのもなんなので,テキトーに返答をしておく。

 

筆者はアルコールを確保するために遠方の島に入植。実はあとあと必要になる灯油の確保も考慮した結果なのだが,Kawamuraに煽られて悔しい思いをする

 

 無事アルコールの供給が安定したころ,Kawamuraから,チャットで「黒字にできてますか?」という質問が来た。どうやらKawamuraは,以前のシリーズと同じ攻略法によるプレイ,すなわち交易による収入を中心に据えてプレイしているらしく,生産施設の維持費でかなりの赤字を出しているようだ。いや,だから連載では,あまり交易に力を入れなくとも税収メインで回せる手順をず〜っと紹介してたじゃないか!
 Kawamuraが連載の趣旨をまったく把握していなかった(あるいはまったく読んでいなかった)ことが露呈したタイミングで,筆者は早々に市民段階に到達した。なおKawamuraは,この時点でようやく煙草製品の供給目処が立ったばかりだったそうだ。

 

収支の赤字がものすごいことになっているKawamura。このスクリーンショットでは人口に対して明らかにホップ農園が多いのが見て取れるが,このほかにも過剰に設備投資していそうだ。ベニスの商人からの依頼も積極的にこなして稼いでいたKawamuraだが,焼け石に水だろう

 

 

 

 

早々に商人段階にアップグレードした筆者。税収を中心とした財政を保ち,きちんと収支も黒字を保っている

 そんなこんなで,しばらくの間は筆者もKawamuraも商人段階を目指し,町を発展させていく。筆者は困難らしきものもなく,というよりは先の灯油の件のように常に前倒しで対策を講じ,困難な状況を未然に回避した結果,とくにハプニングらしきものもなくアッサリと市民から商人へのアップグレードを達成した。
 対するKawamuraは常に赤字に喘いでおり,この時点でようやくチョコレート菓子の供給を始めたばかり。しかし,歴代の創世紀シリーズをプレイしてきた経験は伊達ではなかった。そこからの追い上げはすさまじく,なんと筆者に遅れること5〜6分で商人段階へと到達したのである。しかし時すでに遅く,筆者はすでに残された島々に入植と市場の設置を繰り返して,勝利する寸前だったのだ……。

 

遅れて商人段階に到達したKawamuraだが,もはや勝負はついたも同然だった。これは勝敗がつく直前のスクリーンショットだが,資金も底を突いており破産寸前 筆者は木材と道具を船に積み込んで,ひたすら入植と開拓領域拡張を繰り返して勝利したが,戦争をしなかったせいか「対戦」という感覚は薄かったかも

 

 結局のところ,交易による収入よりも,住民の人口をコントロールして税収を稼いだほうが確実に黒字になる1701のシステムを理解し,実行できたかどうかによって勝敗が決まるという,あまりにも当たり前の結果となってしまった。幸か不幸か戦争による領土争いが発生することもなく,対戦しているイメージは少々薄い内容となってしまったが,実はこれでも勝敗が決まるまでに3時間以上プレイしており,筆者もKawamuraも身体的にはグッタリ。しかも両者ともに,戦艦や兵隊といった軍事ユニットを作る資金的/時間的な余裕はまったくなかったといっていい。これで勝利条件が「最後まで生き残る」のように戦争必須のものだったら,いったい何時間(何日?)かかったことやら。
 また,この結果から推測するに,3〜4人で戦争メインのマルチプレイ対戦をする場合には,いきなり三つ巴/四つ巴で競い合うのは難しいだろう。最初はほかのプレイヤーやAIプレイヤーと同盟を組んで,弱いプレイヤーから潰していき,最後に同盟を破棄して一騎討ちという手順が有効だと思われる。しかし実際にそんな手順でプレイしていたら,丸一日プレイしていても勝負がつくかどうか怪しい。本格的なマルチプレイでガッツリ楽しみたいという人は,時間的な余裕をたっぷり見ておくのはもちろんのこと,気力体力を充実させてから臨んでいただきたい。
 なお,勝利条件には「ベニスの商人の依頼」「城を建設」など無難なものもあるので,そこまで本格的な対戦を望んでいない人も,いろいろな設定でマルチプレイを楽しんでほしい。

 

最終的な筆者(左)とKawamura(右)のスコア。筆者の資本と収支が低いのは,最後に倉庫と市場を建てまくったことにより,その維持費が莫大な額になっているため。こうして比較してみると数字的にはKawamuraが上回っている部分も多く,終盤の追い上げのすごさを物語っている 勝利プレイヤーを祝福する花火。機会があれば,戦争を前提とした条件下での対戦もしてみたいものである

 

 

 

 

■■大陸新秩序(ガッハッハライター)■■
てっきり前回で最終回だと思っていた大陸氏だが,ゴールデンウィーク中に対戦して連載ネタとすることが急きょ決まった。で,結果は上記のとおり。「今までの連載で,今回のKawamuraさんみたいなプレイをしなくて済む方法をあれほどやってきたのに,どういうことですか! 読んでなかったんですか!」と詰め寄る大陸氏。いや,その,もちろん担当編集者として念入りに原稿チェックはしてきましたが,内容を理解していたかと聞かれると,まあ,ガッハッハ。
タイトル 創世紀1701 日本語版
開発元 Sunflowers 発売元 ズー
発売日 2007/03/30 価格 9240円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9.0c),CPU:Pentium 4/2.20GHz以上[Pentium 4/3GHz以上推奨],メインメモリ:512MB以上[1GB以上推奨],グラフィックスメモリ:64MB以上[128MB以上推奨],HDD空き容量:3.5GB以上

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http://www.4gamer.net/weekly/anno1701/007/anno1701_007.shtml