グラフィックス周りのメリット,そして逆に抱えたままの課題という側面から,発売後数週間という時点における「Windows Vista」の状況を確認する本特集。第2回は,4Gamer読者の生活に直結するといって過言ではない,ゲームの互換性を見てみたい。
本文にある「純然たる体験版」とは,体験版で作成したキャラクターを正式版へ移行できないケースのことを指す。画面は「ダンジョンズ&ドラゴンズオンライン:ストームリーチ」のもので,同タイトルでは,体験版のキャラクターを移行できる
とはいえ,「では,古今東西すべてのゲームを集めて,一つ一つ検証してみましょう」では,いつまで経ってもテストが終わらず,何も報告できない。そこで今回は,「2007年2月14日時点で日本国内において正式サービス中,かつ3月以降のサービス終了がアナウンスされていないオンラインRPGのうち,基本無料,もしくは純然たる体験版以外の無料期間が用意されているタイトル」,計81本に絞って,2月中〜下旬の状況を確認してみることにした。PCゲームという大枠の中では,微々たるサンプル数だが,“現役”のオンラインRPG 81タイトルという数は,PCゲーム全体の状況を推測する材料の一つに十分なり得ると考えている。
チェックしたのは大きく分けて以下の6点だ。
- 公式に何とアナウンスされているか
- インストールが正常に終わるか
- 初回起動時に自動実行されるアップデータが正しく機能するか
- ゲームクライアント本体を正常に起動できるか
- ゲームにログインできるか
- ゲームプレイに支障ないか
要するに,テストした時点におけるデベロッパやパブリッシャ(以下メーカー)のアナウンスを確認したうえで,実際にインストールからプレイまでを試みる,といった流れになっている。
メーカーのなかには,タイトル別かどうかはともかく,何らかのアナウンスを行っているところが少なくない。画面はWindows Vistaにおけるインストール方法を説明する「エミル・クロニクル・オンライン」公式サイトの例
ここで,いくつかお断りを。まず,最も大事なことだが,今回の検証結果はあくまでテスト時点でのものに過ぎず,メーカー側の見解を肯定/否定するものでは決してない。また,下に示すリストはテスト時点の状況をまとめたもの以上でも以下でもなく,動作を確認した時点以降,当該タイトルに関して追検証は行っていない。そのため,テスト時点以降に行われたアップデートで動作するようになった可能性,あるいは,テスト時点ではプレイできたものがプレイ不可に転じた可能性もある。筆者,4Gamer編集部とも,内容に関して一切の保証は行わないので,十分に理解しておいてほしい。
このほか注意してほしいのは,最後の「ゲームプレイに支障はないか」のチェックに当たって,プレイヤーキャラクターの作成を行えるか,NPCとの会話や日本語チャットで文字化けや異常終了が生じないか,戦闘時に不自然なラグや異常終了などが生じないかを確認しているものの,スケジュールの都合上,プレイ時間は5〜10分程度となっている点である。長時間のプレイに問題がないかまではチェックしていないため,今回のテストで「プレイに支障なし」としたタイトルでも,長時間プレイしたときに問題が発生する可能性は排除できない。また,日本語入力のテストはOS標準の「MS-IME」でのみ行っている。これらもあらかじめ,記憶に留めておいてもらえれば幸いだ。
なお,テスト環境は下に示したとおり。OSは32bit版の「Windows Vista Ultimate」で,セットアップとドライバのインストール後,解像度以外の設定は完全にデフォルトのままにしてある。ゲーム側の設定も基本的には初期状態のままとなる。