4Gamer:
今世界的に,カジュアルゲームブームが起きつつあるように言われているんですが,このTMOに入ってきている新規ユーザーさんは,それと同じ感覚で参加しているようにも思います。
メタルユーキ氏:
そうだね。カジュアルゲーム自体を否定するつもりはないんだけど,「安かろう悪かろう」っていう流れになるとしたら,それは良くないと思ってる。例えばね,月100円で遊べるゲームを次々とダウンロードして,次から次へと新しいゲームを遊んでいくというスタイルは,ありだと思う。ただ,TMOはカジュアルゲーム的な側面もあるけれども,ずっとお客さんにやり込んでもらいたい。遊び続けてもらえる定番性が重要であって,そのためにはどうしたらいいのかを,これからも模索していくことになるだろうね。
4Gamer:
なるほど。
メタルユーキ氏:
「この学校なら明日も居たい,明日も通いたい」って常に思ってもらえて,最終的にTMOのファンになってくれる人をどれほど確保できるか……。そこが勝負になってくるはずだから。その過程で,カジュアルゲームみたいに「もっと気軽に低価格で遊びたい」という意見が多く出てきたら,将来的にさらに少額での課金の可能性も出てくるかもしれないし。
4Gamer:
そういう意味では,金額設定だけじゃなくて,課金決済の手段を増やして支払いやすくするという方法も,課金ユーザー増加の一手として考えられるのでは?
メタルユーキ氏:
最近はSuicaとかEdyといった便利な決済システムがあるからね。これまでだと,クレジットカードが主流だったけど,カード番号のスキミング問題をはじめとしたいろんな不正,個人情報流出の問題などが出てきてる。だから,クレジット決済を不安に思っている人が多いと思うんだ。もしそこがプレイヤー増加の足かせになるのなら,その障壁を取り除くための努力もしなきゃならない。
今できるWebMoneyのほかに,ポストペイ型/プリペイド型などの課金決済システムも視野に入れつつ,より利便性の高いシステムの導入を考えていこうと思っているよ。
4Gamer:
ちょうど同時期に正式サービスがスタートした,ナムコの「テイルズ オブ エターニア オンライン」では,携帯電話を使った支払いができます。低い年齢層には便利な決済手段だと思うんですが,こういったものは検討していますか?
メタルユーキ氏:
うん,やってみたいね。コナミではTMOに先行して,「遊戯王オンライン」のサービスをやっているんだけど,これはデュエルパスというものを買えばクレジットカードを持ってなくてもネットワーク対戦ができるんだ。つまり小さな子供でも,安全にオンラインゲームがプレイできる環境を導入したんだよね。我々もそれを見習って,個々のプレイスタイルに合った課金システムを提供して,多くのユーザーを取り込んでいきたいとと考えているよ。
4Gamer:
分かりました。ゲーム本体のアップデートのみではなく,決済手段の多様化にも期待していますね。
メタルユーキ氏:
うん,期待しててよ。
……ところでさ,実際のところ,アイテムのアップデートとかはこれまでも頻繁に行ってきたと思うんだよねぇ。遊んでみて,どうだった?
4Gamer:
確かに,ドラマイベントの追加やクイズ問題の入れ替えとか,けっこういいペースでやってましたよね。「頑張ってるなー」と思ってました。
メタルユーキ氏:
でしょ? ああそうだ,アイテム追加でいうとね,例えばさ,男子生徒用のパーツでモヒカンとかチョンマゲとかが増えたら,みんな喜ぶかなぁ?
4Gamer:
それは微妙かもしれませんけど(笑)。ただ,これは僕のクラスメイトが言っていたことなんですけど,「男子生徒は女子生徒に比べて,装備できるアイテム,パーツの数が少なすぎる」って。それは僕も同意見なんです。女子生徒は,髪型とか顔のパーツがかなり多く用意されているのに,男子生徒はパーツ数が限られてるから,女子と比べるとキャラメイクの自由度が低い。これは何とかしてほしいなぁ,って。帽子をかぶれるようにするだけでも,全然変わってくるのに。
メタルユーキ氏:
そうだね。そういうニーズは,実は制作側にも多く届いてきているんだ。だから,パーツもこれからどんどん追加していかなきゃならないなと,真剣に思ってる。
4Gamer:
個人的には,β1テストのときにあったときめきメモリアルシリーズの学校の制服が,正式サービスで消えちゃってたのが気になりました。
メタルユーキ氏:
あれはね,別にデータを抹消したわけじゃないんだよ。何かの条件で使用可能にするつもりなんだけどね。
4Gamer:
何かの条件……。上上下下左右左右BAのコナミコマンドですか?
メタルユーキ氏:
でももし,コナミコマンドをゲーム中に打ち込んでみたら,周りの女子生徒のスカートが一斉にめくれ上がる! とかだったら,どうする?
4Gamer:
う〜ん,やるかも?(笑)
メタルユーキ氏:
そっかー(笑)。でもね,そういう面白い仕掛けもやっていきたいね。
4Gamer:
校内に池がありますから,そこで釣りができきるようになったりはしないんですかね?
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メタルユーキ氏:
丁度良い具合に,魚影も見えてるしね。
4Gamer:
釣りのミニゲームとか,実はこっそり作っていたりするんじゃないですか? いつ導入されるのか,教えてください。
メタルユーキ氏:
さぁ,いつ入るかなぁ……。
4Gamer:
おおっ!? 今,「いつ入るかな?」って言いましたよね!? ってことは,ホントに作ってるんじゃないですか?

いやいや,「作っている」とはひと言も言ってないよ(笑)。
4Gamer:
でも,本当に導入されるのなら,釣った魚をほかの生徒にプレゼントしたいですね。
メタルユーキ氏:
そうかなぁ? そっと机の中に毛蟹とか入ってたら嫌じゃない?
4Gamer:
あはは,たしかに。そっと机の中に手紙じゃなくて,毛蟹忍ばせるのはイヤだなぁ(笑)。あ,そうだ,これは真剣な話なんですけど,個人的にラブレターをアイテムとして実装して欲しいんですよ。
メタルユーキ氏:
ああ,それはね,すごくたくさん要望があったよ。
4Gamer:
やっぱり!
メタルユーキ氏:
ラブレターという形じゃないにしても,お互い連絡を取り合いたいんだけど,どうしてもログインする時間帯がズレてすれ違いになっちゃう,という人達が多いみたいでね。伝言を残せるようなツールが欲しいという声が多かったので,それは前向きに考えてるよ。
4Gamer:
そうなると今後,もっと校内での活動が楽しくなっていきそうですね。
メタルユーキ氏:
そこが肝心だからね。それに,ゲーム中の拡張だけじゃ広がりがないからさ,次世代ゲーム機と連動や,携帯端末との連動も含めて,いろんな構想を練ってるよ。どれだけ成長させて,膨らませていけるか……。そこらへんがプロデューサーとしての腕の見せどころなんじゃないかな。
4Gamer:
それは楽しみですねぇ。
では,最後にひと言,メッセージをお願いします。
メタルユーキ氏:
先程から再三お話しさせていただいているとおり,このTMOではプレイヤーのみんなと一緒に学校を育てていきたいと思っています。だからこれからもみんなの協力と,暖かいご支援をよろしくお願いします。ゲームばかりじゃなく,マルチメディアでの展開も積極的にやっていきますから,是非期待してください。
4Gamer:
ありがとうございました。
実は当日,短い時間でインタビューするつもりだったのだが,予定していたよりも遙かに長い時間,メタルユーキ氏は語ってくれた。コナミにとって初めてのMMOタイプのゲーム,しかもときめきメモリアルシリーズの一作ということもあり,各方面から注目されている本作。β2テスト開始時や正式サービス開始時に発生したトラブルを含め,不安視する声も少なくはない。だが,メタルユーキ氏の熱さ,本気度はかなりのものであることが,お分かりいただけるのではないだろうか。
もちろん,どんなに真剣に取り組んでいても,結果が出ないケースはあるが,そのあたりは今後の運営体制やアップデート内容などによって,プレイヤーから判断されることになるだろう。
今回のインタビューで語られた,アニメや次世代コンシューマゲーム機までをも視野に入れた多角的な展開が,果たしてどう実を結ぶのか,今後も注目していきたい。











