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RYLPart2はどこへ向かうのか? GAMA SOFTのCEO Jung, Hwan Kyoung氏にインタビュー

Text&Photo by Kim Dong Wook

 アトラス小池氏へのインタビュー(「こちら」)に続いて,今度はRisk Your Life Part2のデベロッパGAMA SOFTのCEO,Jung Hwan Kyoung氏にインタビューを行った。RYLPart2の韓国での評判や,GAMA SOFTから見たアトラスの印象,同作の日本展開に期待するものなど,なかなか興味深いインタビューになったので,ぜひ目を通してみてほしい。

 

 PCパッケージゲームの時代からオンラインゲーム時代への急激な変化の波は,韓国の多くのデベロッパ達を飲み込んでいった。それゆえ,現在韓国のゲーム市場をリードしているメーカーには,近年のオンラインゲーム時代に生まれた"風雲児"が多い。しかし「Risk Your Life Part2」(以下,RYLPart2)のデベロッパであるGAMA SOFTは,PCパッケージゲーム時代から現在まで生き残っている,業界でも数少ないサバイバーのうちの一社である。
 GAMA SOFTは,PCパッケージ全盛の時代に,韓国では馴染みのなかったシミュレーションRPGジャンルでスマッシュヒットを飛ばしている。また,元々はPCパッケージゲームとして企画されていた「Risk Your Life」(以下,RYL)を,果敢にもMMORPGとして作り直し,"アクション系MMORPGの名門"としての企業イメージを定着させた。
 そんなGAMA SOFTの新作であるRYLPart2が,アトラスを通じて日本展開を開始。すでにオープンβテストに入っており,日本での知名度も徐々に高まってきている。
 4Gamerでは,RYLPart2を生み出したGAMA SOFTのCEO Jung, Hwan Kyoung氏に会い,同作の今後や,日本展開にかける思いについてインタビューを行った。「こちら」のアトラス小池氏のインタビューと併読し,RYLPart2の未来を占ってみよう。

 

Jung, Hwan Kyoung
(32歳 / GAMA SOFT社 CEO)

大学で土木環境工学を学んでいた頃,たまたま応募したゲームシナリオ公募展で受賞したことをきっかけに,1998年に同級生達と共に開発チームを結成。PCパッケージゲームを作り始めた。1999年にはGAMA SOFTを設立し,今まで同社の3タイトルのゲーム開発に直接関与している,クリエイター兼CEOである。これは余談だが,彼の奥さんも現在某ゲームデベロッパでグラフィックスを担当しているらしい。

 

よりプレイしやすく改良された,対人戦特化型MMORPG

4Gamer編集部(以下4Gamer)
 お久しぶりです。以前会ったのはGAMA SOFTがPCパッケージゲームを開発していた頃の話なので,5,6年ぶりの取材になりますね。今日のインタビューもよろしくお願いします。

Jung, Hwan Kyoung(以下,Jung氏)
 こんにちは,お久しぶりです。今日もよろしくお願いします。

4Gamer
 では早速最初の質問なのですが,RYLPart2は,前作であるRYLとどんな関連性がありますか?

Jung氏
 その質問に正しく答えるならば,RYLPart2は,前作であるRYLを,さらに遊びやすいMMORPGとしてリファインした作品です。
 RYLのサービス時に,プレイヤー達から得られた貴重な意見を参考に,種族間バランスの改善や,無限製錬システムをはじめとするアイテムシステムの改善,シナリオ/マップの追加を行ったバージョンが,RYLPart2なのです。

4Gamer
 なるほど。端的に言えば,RYLをよりプレイしやすい形にし,さらによりパワーアップさせたものがRYLPart2というわけですね。

 

Jung氏
 はい,そのとおりです。初めてRYLPart2をプレイする人でも,手軽に遊べるような作品作りを心がけました。

4Gamer
 RYLPart2は既存のMMORPGと比べて非常にアクション性が高く,実にPvP性が高い印象を受けますが,韓国のプレイヤー達からの評価はどうですか?

Jung氏
 RYLPart2は,PvPシステムに関しては国内最高のアクション性と爽快感,スリルが感じられる作品だと評価されています。とくに,敵対し合っているヒューマン/アーカンの両種族は,クラスの特性や能力の成長具合も異なるので,緻密な戦略的戦闘が楽しめると評判です。

4Gamer
 ゲーム内容的に,PvPを活用したゲーム内イベントなども積極的に行われていそうですが,実際にはどうなのでしょうか?

Jung氏
 ゲーム専門放送局を通じてPvPトーナメント番組を放送していたことがありますが,最近ではPvPのためのゲーム内イベントは,韓国では行っていません。しかし特別なイベントを行わなくても,プレイヤー達が自発的にゲーム内で勢力争いを展開していますし,現在アメリカでは,100万ドルの賞金がかかったトーナメントイベントが進行中です。

 

4Gamer
 おお,それは興味深いですね。PvPが強みであるRYLPart2にふさわしいイベントのあり方だと思います。
 PvPに関連した話題では,「Action RYL Battle Lohan」(関連記事は「こちら」)が記憶に新しいですが,こちらはすでにサービスが終了してしまったのですか?

Jung氏
 Battle Lohanはユーザーサービスの一環として企画されたプロジェクトなのですが,プレイヤー自身のキャラクターで対戦するのではなく,あらかじめ用意されたキャラクターでプレイするタイプのゲームだったので,"キャラクターに対する愛着"が湧かないものでした。そういう面では,最近の「Guild Wars」も同様の悩みを抱いているかもしれませんね。
 ……しかし現在,Battle LohanをRYLPart2のゲーム内に実装することも計画しています。

4Gamer
 それは気になる情報ですね。もし実現すれば,MMORPGの中にもう一つのゲームが存在するという,実に贅沢なタイトルになりますね。
 ところでRYLPart2は,MMORPGとしては珍しくキーボードでの操作が基本ですが,これはかなり特徴的ですよね。

 

Jung氏
 W/A/S/Dキーを駆使するFPSタイプの移動方式は,最近では「World of Warcraft」にも採用されていますね。
 RYLのサービスが始まったばかりの2003年頃には,非常に珍しい操作系統だったので,プレイヤー達にとってハードルが高かったのは事実です。それで私達は,オープンβのときからはマウスでの操作も可能にして,プレイヤーが好みに合わせて操作系統を選択できるようにしました。

4Gamer
 でも,アクション性の高いゲームだから,マウスモードだと不便なところもありますよね。

Jung氏
 ええ。やはりアクション性が高いゲームなので,最初はマウスモードでプレイしていた人も,すぐにキーボードモードへ移行していきました。現在では,全体の70%のプレイヤーがキーボードモードでプレイしています。
 また,ほかのマウス操作の韓国産MMOに移動したプレイヤー達も,RYLPart2独自のアクション性を忘れることができず,本作に復帰してくれたケースも少なくはありません。

 

4Gamer
 FPSタイプの操作系統というと難しそうだけど,慣れてしまえばそれほど複雑でもないですからね。
 さて,そんなRYLPart2の大きな魅力であるアクション性を実現するために,開発で苦労した点はありますか?

Jung氏
 MMORPGの戦闘方式の限界を超えるために,私達は独自の3Dエンジンを開発してRYLPart2に搭載しました。もちろん現在も,絶えずエンジンの最適化作業を行っています。
 開発で一番大変だった点は,次々と出てくる新しいアイデアを,ゲーム内にどう適用させるか,適用させるにはどのようなプログラミング技法を開発すればいいかという点でしたね。

4Gamer
 独自3Dエンジンまで作っているとは,気合が入ってますねぇ。
 ところで,近々行われるバージョンアップによって,RYLPart2に大きな変化が生まれると聞いたのですが,具体的に変更される要素を教えてください。

Jung氏

 次期バージョンアップの最も大きな要素は,3国家から2国家への勢力再編ですね。ほかには,お互いの種族を象徴する石像を占領するために戦闘を行う"ダークカナバン"地域の実装や,2国家に再編されるギルド要塞中心のギルド戦,そして種族間のバランス調節などが挙げられます。

4Gamer
 勢力再編で敵対関係がスッキリして,PvPもより活性化しそうですね。
 とはいえ,バージョンアップが行われても,プレイヤー達は常に新しいコンテンツを楽しみたがるものですよね。本作に,戦闘以外に何か娯楽的な要素がアップデートされる予定はありますか?

 

Jung氏
 現在,PvPシステムの完成系といえるコンテンツとして,攻城戦を開発しています。大規模攻城戦のアップデート以後も,先ほどお話ししたBattle Lohanの組み込み作業,クエストの大規模アップデート,ペットシステムの導入などを計画しています。
 今後の持続的なコンテンツアップデートを通じて,プレイヤー達に「このゲームは退屈だ」と言われないよう,常に新鮮な楽しみを与えていきたいと考えています。

 

 

 

 

タイトル Risk Your Life Part 2
開発元 GAMA SOFT 発売元 アトラス
発売日 - 価格 N/A
 
動作環境 OS:Windows 98/Me/2000/XP(+DirectX8.1以上),CPU:Pentium III/1GHz以上[Pentium 4/2GHz以上推奨],メインメモリ:256MB以上[512MB以上推奨],グラフィックスチップ:GeForce 2またはRadeon 7000以上[GeForce FXまたはRadeon X600以上推奨),空きHDD容量2GB以上

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