4Gamer編集部(以下4Gamer):
お久しぶりです。以前会ったのはGAMA SOFTがPCパッケージゲームを開発していた頃の話なので,5,6年ぶりの取材になりますね。今日のインタビューもよろしくお願いします。
Jung, Hwan Kyoung(以下,Jung氏):
こんにちは,お久しぶりです。今日もよろしくお願いします。
4Gamer:
では早速最初の質問なのですが,RYLPart2は,前作であるRYLとどんな関連性がありますか?
Jung氏:
その質問に正しく答えるならば,RYLPart2は,前作であるRYLを,さらに遊びやすいMMORPGとしてリファインした作品です。
RYLのサービス時に,プレイヤー達から得られた貴重な意見を参考に,種族間バランスの改善や,無限製錬システムをはじめとするアイテムシステムの改善,シナリオ/マップの追加を行ったバージョンが,RYLPart2なのです。
4Gamer:
なるほど。端的に言えば,RYLをよりプレイしやすい形にし,さらによりパワーアップさせたものがRYLPart2というわけですね。
Jung氏:
はい,そのとおりです。初めてRYLPart2をプレイする人でも,手軽に遊べるような作品作りを心がけました。
4Gamer:
RYLPart2は既存のMMORPGと比べて非常にアクション性が高く,実にPvP性が高い印象を受けますが,韓国のプレイヤー達からの評価はどうですか?
Jung氏:
RYLPart2は,PvPシステムに関しては国内最高のアクション性と爽快感,スリルが感じられる作品だと評価されています。とくに,敵対し合っているヒューマン/アーカンの両種族は,クラスの特性や能力の成長具合も異なるので,緻密な戦略的戦闘が楽しめると評判です。
4Gamer:
ゲーム内容的に,PvPを活用したゲーム内イベントなども積極的に行われていそうですが,実際にはどうなのでしょうか?
Jung氏:
ゲーム専門放送局を通じてPvPトーナメント番組を放送していたことがありますが,最近ではPvPのためのゲーム内イベントは,韓国では行っていません。しかし特別なイベントを行わなくても,プレイヤー達が自発的にゲーム内で勢力争いを展開していますし,現在アメリカでは,100万ドルの賞金がかかったトーナメントイベントが進行中です。
4Gamer:
おお,それは興味深いですね。PvPが強みであるRYLPart2にふさわしいイベントのあり方だと思います。
PvPに関連した話題では,「Action RYL Battle Lohan」(関連記事は
「こちら」)が記憶に新しいですが,こちらはすでにサービスが終了してしまったのですか?
Jung氏:
Battle Lohanはユーザーサービスの一環として企画されたプロジェクトなのですが,プレイヤー自身のキャラクターで対戦するのではなく,あらかじめ用意されたキャラクターでプレイするタイプのゲームだったので,"キャラクターに対する愛着"が湧かないものでした。そういう面では,最近の「Guild Wars」も同様の悩みを抱いているかもしれませんね。
……しかし現在,Battle LohanをRYLPart2のゲーム内に実装することも計画しています。
4Gamer:
それは気になる情報ですね。もし実現すれば,MMORPGの中にもう一つのゲームが存在するという,実に贅沢なタイトルになりますね。
ところでRYLPart2は,MMORPGとしては珍しくキーボードでの操作が基本ですが,これはかなり特徴的ですよね。
Jung氏:
W/A/S/Dキーを駆使するFPSタイプの移動方式は,最近では「World of Warcraft」にも採用されていますね。
RYLのサービスが始まったばかりの2003年頃には,非常に珍しい操作系統だったので,プレイヤー達にとってハードルが高かったのは事実です。それで私達は,オープンβのときからはマウスでの操作も可能にして,プレイヤーが好みに合わせて操作系統を選択できるようにしました。
4Gamer:
でも,アクション性の高いゲームだから,マウスモードだと不便なところもありますよね。
Jung氏:
ええ。やはりアクション性が高いゲームなので,最初はマウスモードでプレイしていた人も,すぐにキーボードモードへ移行していきました。現在では,全体の70%のプレイヤーがキーボードモードでプレイしています。
また,ほかのマウス操作の韓国産MMOに移動したプレイヤー達も,RYLPart2独自のアクション性を忘れることができず,本作に復帰してくれたケースも少なくはありません。
4Gamer:
FPSタイプの操作系統というと難しそうだけど,慣れてしまえばそれほど複雑でもないですからね。
さて,そんなRYLPart2の大きな魅力であるアクション性を実現するために,開発で苦労した点はありますか?
Jung氏:
MMORPGの戦闘方式の限界を超えるために,私達は独自の3Dエンジンを開発してRYLPart2に搭載しました。もちろん現在も,絶えずエンジンの最適化作業を行っています。
開発で一番大変だった点は,次々と出てくる新しいアイデアを,ゲーム内にどう適用させるか,適用させるにはどのようなプログラミング技法を開発すればいいかという点でしたね。
4Gamer:
独自3Dエンジンまで作っているとは,気合が入ってますねぇ。
ところで,近々行われるバージョンアップによって,RYLPart2に大きな変化が生まれると聞いたのですが,具体的に変更される要素を教えてください。
Jung氏:
次期バージョンアップの最も大きな要素は,3国家から2国家への勢力再編ですね。ほかには,お互いの種族を象徴する石像を占領するために戦闘を行う"ダークカナバン"地域の実装や,2国家に再編されるギルド要塞中心のギルド戦,そして種族間のバランス調節などが挙げられます。
4Gamer:
勢力再編で敵対関係がスッキリして,PvPもより活性化しそうですね。
とはいえ,バージョンアップが行われても,プレイヤー達は常に新しいコンテンツを楽しみたがるものですよね。本作に,戦闘以外に何か娯楽的な要素がアップデートされる予定はありますか?
Jung氏:
現在,PvPシステムの完成系といえるコンテンツとして,攻城戦を開発しています。大規模攻城戦のアップデート以後も,先ほどお話ししたBattle Lohanの組み込み作業,クエストの大規模アップデート,ペットシステムの導入などを計画しています。
今後の持続的なコンテンツアップデートを通じて,プレイヤー達に「このゲームは退屈だ」と言われないよう,常に新鮮な楽しみを与えていきたいと考えています。