4G:
新しい「鬼道練成」というのは,これまでのものとどう違うのでしょうか?
Yim氏:
アイテム練成では,これまで正宗に頼んでいたものを発展させた形で「鬼道練成」というものが追加されました。新しいNPCにアイテムのアップグレードを頼むことができます。
NPCのところで○○というものを持ってきてといわれて,持っていくと,次は材料を揃えて練成が行われます。「俺は絶対成功するから持ってこい」とかいわれるんですが……。
4G:
成功するんですか?
Yim氏:
いえ(笑),それでも成功するかどうかは分かりません。その前に「占い」というのがありまして,練成の前にアイテムを入れると占いをしてくれるというものです。その結果で大吉が出ると,望みのアイテムが出やすくなります。
占いの結果一覧
4G:
1日で2回占うと同じなのですか?
Yim氏:
いえ,占うたびに違ってきます。
練成をすると結果によって,頭の上にこのようなエフェクトが出る
4G:
じゃあ,いい占いが出るまで粘れますね(笑)。
Yim氏:
ただ,結果で大成功というのが出ましても,大成功のなかにもいろいろ種類があります。全体では,6000通りの結果が用意されています。
4G:
6000通りというのはどのような組み合わせなんでしょうか?
Yim氏:
「よくできたもの」「よくできなかったもの」といったものが20数通りずつありまして,それらの組み合わせで6000通りの結果となります。
4G:
鬼道練成では,アイテムに属性が付くということのようですが,4人それぞれで属性が違うと考えてよいわけですか?
Yim氏:
そうです。そして,それぞれが4か国に分かれていますが,どの国の人でもそれぞれで練成ができます。
4G:
練成でよい結果を出すためのアイテムなどはないのでしょうか?
Yim氏:
練成では,まず占いでいい結果をもらうのが先決になってきます。それでよい結果が出れば,望み通りのものができますし,悪い結果だとアイテムが壊れたり,違ったものができてくる可能性があります。占い費用はアイテムで払うこともできますが。
4G:
とにかく占いが大事そうですね。
Yim氏:
今回のアップデートで行われる拡張はだいたいこんなところですね。
ほかには傭兵酒場というものができまして,酒場に傭兵だけを預けられるようになります。ここで預けたものはどのサーバーでも受け取れるようになります。現在は一次武将,二次武将といった配置はできないのですが,次の拡張でこれも可能になります。
4G:
ゲームキャラクターも一新されますが,ゲーム内でのキャラクターの人気とかはどうなっているんですか?
Yim氏:
一番人気は日本の女の子ですね。次が中国の女の子なのですが,中国には「帰化」したプレイヤーが多いですね。これはちょっと理由がありまして,中国では法力供与術を使う傭兵を雇うことができて冥界で有利になるんです。巨商伝では国籍を変えることもできますので,冥界で使える術を実装している武将などがいる中国の人気が高くなっていますね。
4G:
それは少林寺ができたらまた状況は変わってきそうですね。
Yim氏:
そうですね。冥界と変わらなくなってしまうので。捕縛術に関しては現在調整中です。
4G:
このパッチ以降の動きはどうでしょうか?
Yim氏:
今年,巨商伝はかなり変わっていくと思います。ワールドカップとか新しいものも取り入れられてきますし。韓国のサービスと日本のサービスで,リリースを同時にできればいちばんよいと思ってはいるのですが,トラブルが起きた場合に,日本と韓国の両方のバージョンを直さなくてはならなくなります。ある程度韓国で検証したものを日本向けにローカライズしていくというのが現在のところベストですね。
また,国によってキャンペーンなどについての考え方も違いますし,このパッチはいらないよということもありますし。
4G:
パッチを抜いちゃって大丈夫なんですか?
Yim氏:
いままではそういうことはなかったのですが,韓国で先に導入されていても,あまり好評でもないものは取り入れないという方向も今後はありうるということです。
また,これまでは韓国で新しいパッチが出たから,それに遅れないようにと急いで作業して問題が出ることもありました。今後は,できるだけそういうのをなくして,ちゃんと安定して動作する形でユーザーさんに公開したいと思っておりますので,スケジュールも少し遅れることがあるかもしれません。韓国で導入された結果をよく吟味して取り入れていきたいですね。ユーザーにストレスをかけない環境を作るのは,こちらとしても最大の目標ですので。
4G:
パッチは小出しでよいと思うのですけどね。
Yim氏:
そうですね。ただ,開発元としては,海外に関してのスケジュールもあるようで,韓国で出したものから各国での変更要望があるので,できるだけまとめてやりたいというのもあるようですね。
4G:
他社では,大型アップデートがあっても一度にはやらないところもあります。その代わり,毎週なにかアップデートしていくとか。
Yim氏:
そうですね。ゲームに動きをつけるのも大事なことだと思います。ただ,その分リスクを抱えることにもなりますね。
4G:
巨商伝は,かなり早い次期からアイテム課金制で運営されていたわけですが,アイテム課金制をやってきていかがでしたでしょうか?
Yim氏:
アイテムモールをやった結果としては,十分に成功しているのではないかと思います。
4G:
最初はどうだったんでしょう? ユーザーのほうもよく分からなかったんじゃないかと思うのですが。
Yim氏:
そうですね。どのように課金されるのかユーザーさんもよく分からなかったでしょうし,どう課金すればよいのかもこちらも難しいところはありました。
そうこうしているうちに,こちらもユーザーさんも慣れてきて,どういうスケジュールでアイテムを出せばいいのかとか分かってきて,ユーザーさんに喜んでもらえるものを出すノウハウがだんだん分かってきたというところです。
アイテム課金でゲームをやっていこうという動きが出てきてそう長くはないので,こういうアイテムが必要だとか,開発元はこれでいいと思っていても,こちらの判断で違うアイテムが必要だとか,いろいろやり取りを繰り返して,だんだんよいものができてきました。
4G:
海外ではアイテム課金はどうなんでしょうか?
ちょっぴりリスキーな競売システムも搭載される
Yim氏:
主流になってきているとは思うのですが,技術も必要ですし,市場を読む力も必要です。ユーザーを取り込むために「無料」というのを前面に出すのはインパクトがあってよいのですが,もしそれを目当ての人が9割を占めてしまうと,結局,残り1割のユーザーに負担をかけてしまうわけですね。それを多くのユーザーにちょっとずつ出してもらうようにするにはどうすればいいのか,頭を悩ませている部分のようです。
4G:
各社ともそのあたりは大変みたいですね。
Yim氏:
国によってもいろいろ差があります。同じアイテムを開発しても売れる国と売れない国が出てきたりするわけです。
4G:
なるほど。巨商伝は経済を取り入れたゲームとして独自の位置を占めていたのですが,最近はほかにも経済を取り入れたものがいろいろ出てきました。そのあたりはどうお考えでしょうか?
Yim氏:
確かに最近,似たシステムのゲームも出てきていますね。こちらは元祖経済ゲームとしての自負もありますし,ユーザーとの対話もなど積み重ねてきたノウハウもあります。
4G:
それはどのようなものでしょうか?
Yim氏:
たとえば,アイテムモールで「こういうものを出しますよ」と事前告知すると「じゃあ,こういうものの値段が上がるだろう」ということで,先に買い占める人が出てきたり,ゲーム内が一気に動き出します。あるものが単体で効果を持っているということではなくて,それがどういう効果を持っているとなると,その周辺で値段が上がるものを見きわめて商売をすると。高レベルのユーザーさんだとそこまで読んできます。その部分でユーザーと対話しているような感じもありますね。
ですので,アイテムモールの情報を事前に公開するかしないかをどうしようかと悩んでいる部分があります。最近は情報を出すものと出さないものを交互にやっています。
4G:
まあ,そういうのも含めて,一つのゲームとなっている部分もあるんでしょうね。
Yim氏:
巨商伝では,アイテムモールをうまく活用すれば,ばーんと資産を増やすことも不可能ではありません。
4G:
先物取引ですよね(笑)。
Yim氏:
普通,アイテムモールといえば課金のためのシステムですが,巨商伝にとっては単なる課金システムだけではなくて,ゲームそのものの要素となっている感じですね。
4G:
それは面白いですね。
Yim氏:
一度に自分の装備を揃えたい人がアイテムモールを使うんだろうとよくいわれますが,そうじゃなくて,アイテムモールで大きく儲けるようなこともできます。
4G:
ただ,その域にまで到達しているプレイヤーと初心者との格差が大きくなりすぎていませんか?
Yim氏:
ゲームの先を読む力があるかどうかで,巨商伝の面白さはかなり変わってきます。それを読む力をつけるのを手助けをするのが我々の仕事でもあるわけですが,正直,それについてはちょっと怠っていた部分もあると思います。
現状では,生産施設の空きがないとか国が少ないとか,高レベルのプレイヤーで独占されている部分があります。今回のパッチが当たってユーザーが活性化してくれば,タイミングを見て新しいサーバーという話も出てくると思いますので,そうなれば状況も改善されてくると思います。