インテル Core 2 Duo / Extreme プロセッサー発表記念ベンチマーク・コンテストを告知するインテルのキャンペーンページ
2006年8月25日正午,インテルはCore 2 Duo/Extremeプロセッサーの購入者を対象としたキャンペーン「インテル Core 2 Duo / Extreme プロセッサー発表記念ベンチマーク・コンテスト」(以下Core 2 Duo/Extremeベンチコンテスト)をスタートした。
Core 2 Duo/Extremeベンチコンテストで競うのは,「Vana’diel Bench 3」として知られる「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」(以下FFXIBench3)の,高解像度設定(High Resolution)におけるハイスコアだ。
Core 2 Duoプロセッサーのリテールパッケージ
参加条件はズバリ「Core 2 Duoプロセッサー,あるいはCore 2 Extremeプロセッサー搭載PCを使用すること」。逆にいえば,Core 2 Duo/Extremeプロセッサー搭載のPCを使っているなら,誰でも参加できる。
「ベンチマークコンテスト」と聞いて,ガスや液体窒素などといった,マニアの世界を想像して尻込みした人がいるかもしれないが,この点はご安心を。というのも,Core 2 Duo/Extremeベンチコンテストには,CPU以外,制約は何もない,まさにオーバークロック/ベンチマークマニア向けの「アドバンスクラス」と,もう一つ,オーバークロック禁止というレギュレーション(規定)の「スタンダードクラス」が用意されているからである。
コンテストの対象ベンチマークアプリケーションとなるFFXIBench3
両部門とも,最高スコアを獲得した人には,Intelの次世代クアッドコアCPU「Kentsfield」(ケンツフィールド,開発コード名)の10万円分購入券がプレゼントされる。Intelのデスクトップ向け最上位モデルは999ドルに固定されており,国内の販売価格はたいてい12〜13万円。「提供できる製品は10万円まで」という景品法の関係で,無料プレゼントとまではいかないが,最高スコアを叩き出した人は,ミドルクラスのCPU程度のコストで,クアッドコアCPUをゲットできるのだ。
もちろん,賞品を手に入れられるのは1位だけではない。2位や3位の人には,クアッドコア対応のIntel製マザーボードや,NVIDIA製GPU(グラフィックスチップ)を搭載したグラフィックスカードなどが提供される。
また10/20位というキリのいい順位の人には,メインメモリやネットワークメディアプレイヤーが贈られるから,こちらを狙ってみるのもいいだろう。参加者全員の中から各10名に抽選でIntelのオリジナルグッズが当たるチャンスもある。
さらに,4/14/24位の人には,4Gamerからゲーマー向けマウスやジョイスティックをプレゼントする。詳細は
表を参照してほしい。
というわけで,ここからは具体的な参加方法を説明していきたい。FFXIBench3は4Gamerのミラーページからダウンロードできるので,入手していない人はどうぞ。また,本文の最後にインストール&実行方法の解説を用意したので,使い方が分からないという人は,そちらを参照してほしい。
デジタルカメラでディスプレイを撮影した例。このように,スコアが見えていればいい
Core 2 Duo/Extremeプロセッサーを搭載したPCからFFXIBench3の高解像度モードを実行し,「応募用スコア」を取得するというのはすでに述べたが,スコアは,デジタルカメラなどで撮影した画像データを用いる必要がある。
もっとも,難しく考えなくても大丈夫だ。撮影に当たっては,右の写真のように,文字が判別できるようになっていればOK。画面全体を撮影しなくてもかまわない。
なお,携帯電話のカメラ機能を使っても問題はないが,多くの場合,なかなか撮影しにくいので注意しておこう。できれば手ぶれ補正機能付きのデジタルカメラなどを用意したいところである。
CPU-Zの配布ページにある「Download Latest version」から,CPU-Zの最新版はダウンロードできる
また,Core 2 Duo/Extremeベンチコンテストへ参加するに当たっては,スコアの写真のほか,システム情報のスクリーンショットも必要だ。
システム情報のスクリーンショットは,「インテル プロセッサー識別ユーティリティー」や,4Gamerでもよく利用している「CPU-Z」といった,フリーウェアを使うといいだろう。日本語環境で簡単にキャプチャするなら前者を,インストールの手間なしでさっと処理したいなら後者がお勧め。CPU-Zについては,右にダウンロードのヒントを示した。また,キャプチャすべきウィンドウについては,下に示したので参考にしてほしい。キャプチャを行うキーは,[Alt]+[PrintScreen]だ。
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インテル プロセッサー識別ユーティリティーは,ダウンロードしたファイル「pidjpn09.msi」を実行してインストールすると利用できる。名称や動作クロックなど,プロセッサー情報の表示された左のようなウィンドウが現れたら,キャプチャして保存しよう |
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こちらはCPU-Zの実行ファイル「cpuz.exe」を実行したところ。やはりCore 2 Extremeプロセッサー X6800の情報を取得したところで,動作クロックやキャッシュ容量などの情報が見て取れるが,CPU-Zを利用する場合,事務局に提出する必要があるのは,CPUのロゴが写っているこのウィンドウだ |
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FFXIBench3とシステム情報,これら2点の画像が用意できたら,いよいよコンテストへの参加登録である。
冒頭で紹介したキャンペーンサイトから「Entry」ページを開き,「Step5」の「コンテストに応募する」ボタンをクリック。必要事項を入力できる状態でメールソフトが起動するので,適切に入力して送信すると,参加受付は完了となる。送信に当たっては,参加に必要な画像2点(フォーマットは何でもかまわない)がきちんと添付されているかご確認を。
なお,メールソフトによっては,ボタンをクリックすると,本文などが文字化けした状態で送信ウィンドウが開いてしまう場合がある,そのときは,下に挙げる必要項目に正しく回答して申し込めば問題ない。項目はコピー&ペーストして,回答はコロン(:)の右側に続けてほしい。メールのタイトルは,「[応募]ベンチマーク・コンテスト」だ。
<お客様情報>
- 公開用のニックネーム:
- お住まいの都道府県:
- 連絡先のメールアドレス:
<システム情報>
- 応募クラス(アドバンスorスタンダード):
- 使用CPU:
- 使用マザーボード:
- 使用グラフィックス・カード(枚数):
- 使用メモリー(枚数&合計容量):
●アドバンスクラス
アドバンスクラスで挑戦できることの例。CPUをガス冷し,GPUはドライアイスで冷却……なんてことも,(保証外だが)許可される
続いて,クラスごとの参加条件を説明していこう。まずはアドバンスクラスからだが,前述したとおり,こちらの場合,制約はまったくない。Core 2 Duo/Extremeプロセッサーを利用してさえいれば,あとはどんな仕様でも構わないのだ。
ガスや液体窒素などを用いてCPUなどを冷却したり,マザーボードを改造して,より高い電圧供給を行えるようにしたりといったスキルを持っている人は,ぜひ極限に挑戦してほしい※。CPUは,定格以下だけでなく,定格以上にも動作倍率を設定できるCore 2 Extremeプロセッサー X6800を利用するのが,いうまでもなくベストだ。
※ただし,オーバークロックはインテルをはじめとしたメーカーや販売店の保証外になる。また,何らかの改造を行った結果として,CPUやマザーボードが破損しても,すべては自己責任となるので要注意。アドバンスクラスは「何をしてもいい」が,「何をしても保証される」わけではないことは,肝に銘じておきたい。
●スタンダードクラス
Intel P965 Expressチップセットを搭載する某マザーボードのBIOS設定画面。この製品では「OverClock Navigator」から「Automatic Overclock」に設定すれば,自動オーバークロック機能が有効になる。このように,自動オーバークロック機能を利用するのは,ルールの範囲内だ。なお,言うまでもないことだが,ここで「Manual」を選択すると不正になるので注意
スタンダードクラスのレギュレーションは「市販されているパーツのみの構成で,定格内利用で実施ください」(原文ママ)。さまざまな解釈が可能なように思えるが,インテルに確認したところ,「手動によるオーバークロック設定は認められない」とのことだった。つまり,BIOSやWindows上から,FSB設定(FSBクロック)や動作倍率,動作電圧などを変更したりするのは“アウト”である。もちろん,メインメモリやGPUなどの動作クロックを手動で変更するのも禁止だ。
Core 2 Duo/Extremeベンチコンテストのコンテスト事務局では,CPU-Zの情報とスコアを照らし合わせて,明らかな不正があったと判断された場合にはスコアを無効にするとしている。コンテストの公正さに関しては安心していいだろう。
ただ,このレギュレーションで,一つだけ規制されていないものがある。それは,マザーボードやグラフィックスカードが持つ自動オーバークロック機能だ。BIOSやWindowsから,システムの負荷に応じた動的なオーバークロック機能を利用できる製品は少なくないが,こういった製品/機能は「市販されているPCパーツの構成」に含まれる。このため,なるべくハイエンドの構成にするのはもちろん,自動オーバークロック機能を駆使すると,より高いスコアを得られるはずだ。上位を狙う人はぜひ覚えておきたい。
4Gamer読者の多くはスタンダードクラスに“参戦”することになると思う。レギュレーションの間隙を突く方法は上で紹介したが,より高いスコアを得るためのヒントをいくつかお知らせしておきたい。
まずハードウェアについて。FFXIBench3は基本的にCPUのパフォーマンスがスコアを左右しやすいが,メインメモリやグラフィックスカードも,できる限り高速なものを用意したほうが,スコアは出やすい。
メインメモリは,レイテンシの短いものを選ぶのがお勧めだ。FFXIBench3の場合,メモリ容量は1GBもあれば十分なので,予算と時間が許すのであれば,レイテンシを気にしてメモリモジュールを探すといい。
電源オプションのプロパティからEISTを無効化した例。ちなみに,EISTを有効にするには,BIOSから当該項目を有効にした後,ここで「ポータブル/ラップトップ」もしくは「最少の電源管理」を選べばいい
Core 2 Duo/Extremeプロセッサーに関して言うと,システムの負荷が低いときに動作倍率&電圧を下げる「拡張版Intel SpeedStepテクノロジ」(Enhanced Intel SpeedStep Technology,EIST)には,気を配っておきたい。
EIST自体は非常に意味のある機能で,PCを静かに,電気をなるべく“食わず”に運用するにはもってこい。しかし,ベンチマークテストで高スコアを狙うときには,ふとした瞬間に動作クロックが下がってしまうのを避けるためにも,無効化しておくべきだ。
自作PCの場合は基本的に,EISTは標準で無効になっているはずだが,ショップブランドPCなどでは,有効になっているかもしれない。Windows XPのコントロールパネルから「電源オプション」→「電源設定」タブへと進み,「電源設定」を「常にオン」にしておくと,EISTは無効化できるから,念のため確認しておこう。
続いて,気をつけておきたいのはグラフィックスカードのドライバ。誤解を恐れずに換言すれば,CatalystやForceWareのバージョンだ。FFXIBench3はデュアルコアCPUに対応していないが,CatalystやForceWareは部分的にデュアルコアCPUへの最適化が行われており,(基本的に)バージョンアップに合わせて最適化も進んでいる。もちろん,いくつかバージョンを試して,一番良い結果が出たものを使うのが理想だが,迷ったら最新ドライバと覚えておけば,失敗しないはずだ。
最後に,FFXIBench3について。同ベンチマークテストは,一度シークエンスを再生し終えるとループして,再び頭からデモを再生(=ベンチマークを開始)するようになっている。そして,ループするごとにスコアは微妙に変化する。このため,最高のスコアが出た時点で,スクリーンショットを撮るのが求められるわけだが,では起動から何回めのスコアが高くなるのだろうか?
答えはズバリ「1回め」だ。FFXIBench3の場合,ほとんどの環境において,最初のスコアが一番高く出やすい。念のため,最初に3〜4回ループさせてみるのもいいが,こちらも迷ったら1回めのスコアを選ぶのがいい。
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いずれもFFXIBench3起動直後だが,拡大して見比べてもらえば分かるように,右側には「LAST SCORE = 6173-H」と入っている。2周め以降はこのように,1周前のスコアが掲載されるから,撮影はこの間に行おう |
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各クラスで優勝を狙うのはなかなか大変だが,“キリ番”や抽選での賞品もあるので,Core 2 Duo/Extremeプロセッサーをこれから購入する人なら,参加しない手はない。また,これを機に,「どういう手を講じればPCのパフォーマンスはアップするのか」を考えてみるのも面白いと思う。
応募〆切の10月31日23時59分までには,より今高速なGPUや,レイテンシの短いメモリモジュールなどが登場してくる可能性もある。期間中は何度でも応募できるから,レギュレーションの範囲でPCを少しずつグレードアップしてみるのもアリだ。
とにもかくにも,一般のユーザーより,パフォーマンスにこだわってPCパーツを選ぶゲーマーのほうが有利なのは確か。この夏から秋にかけて,Core 2 Duo/Extremeプロセッサーでゲーム用PCを組む予定がある人は,クラス最速を目指して,ぜひチャレンジしてみよう。最終結果は,2006年11月上旬に,キャンペーンサイトやインテルの公式サイトで発表される予定となっている。