4Gamer:
PSOにはすでに多くのファンがいますが,PSUではそれに加えて,本作から新しくオンラインゲームを始めようという人達もターゲットにしているわけですね。
見吉氏:
そうですね。ネットワークの面白さって人と人とのつながりに尽きると思うんですよ。PSUも今回,コミュニケーションの部分をかなりパワーアップしています。また,キャラクター作成の自由度といったクリエイティブな面も向上しているので,新しくプレイされる方にも,自分の個性を表現しつつ,オンラインでコミュニケーションをとりながらの,いろいろな遊びがあるという面白さを感じ取ってもらいたいですね。
4Gamer:
PSOがスタートしてからすでに5年以上経過して,日本のオンライン環境やオンラインゲーム市場などもだいぶ変化しましたが,その間に影響を受けたタイトルなどがあったりするのですか。
見吉氏:
僕は「ガンダムネットワークオペレーション」(以下GNO)ですね。個人的にGNOにはすごく影響を受けました。影響を受けたというよりは,滅茶苦茶にプレイしました(笑)。
4Gamer:
滅茶苦茶に,ですか(笑)。GNO2もありましたが,そちらではなくて?
見吉氏:
GNO2もやりましたけれど,GNOのほうにはハマリましたね。
4Gamer:
実際どれぐらいプレイされたんですか?
見吉氏:
もう,15分に一回起きてやるぐらいですね(笑)。頑張っていたときはVP(ビクトリーポイント)ランキング1位を取るくらいやっていました。
4Gamer:
PSUとGNOではゲーム性がだいぶ違いますが,GNOのどういった部分に惹かれていたんですか。
酒井氏:
ログインしなくていいところとか(笑)。
見吉氏:
GNOのライトな部分ですね。その一方で奥がすごく深くて,少し遊んでは,そのデータを見て修正して,という部分で,かなり深い遊び方ができたと思います。PSUでも,僕が酒井に言ったのは,世界がそこに存在していて,自分がログインしていなくても,常に世界が動いているものにしようということです。そしてログインしたときに,世界がどのように動いていたのかといった情報が入ってきて,そこに自分が関与していく,そういったものにしていこうと話していましたね。
4Gamer:
酒井さんには,影響を受けたオンラインゲームなどはありますか。
酒井氏:
個人的にはオンラインゲームは,一つのタイトルにのめりこんでプレイしているわけではないのですが,オンラインゲームを見ていて,MMORPGはもう頭打ちだなと感じています。かといってMOだけでも立ち行かないという部分もあって,そういったときに何をやるべきかなというところで,PSUを考えていたという部分がありますね。ただ,「ウルティマX オデッセイ」といった,PSUと似たタイプのゲームがどんどんなくなっていってしまったので,PSUのような形を採っているゲームも珍しいといえば珍しくなってしまいましたよね。
4Gamer:
今回,PSOではなくPSUとタイトルが改められましたが,ここにはどんな狙いがあるのですか。
見吉氏:
PSOシリーズはこれまでたくさん作ってきたので,ファンタシースターシリーズとして,新しいものを作ろうと。世界観も違いますし,ストーリーも違いますので,それならばタイトルを変えて新たにスタートを切るほうがいいだろうと考えました。
酒井氏:
ただの続編ではない,ということですね。また,無理にオンラインとつける必要もないという思いもありました。オンラインを意識させないものにしようと。
見吉氏:
「ファンタシースターオンライン」とオンラインを強調して言ってしまうと,オンラインに興味がないプレイヤーさんはもう見向きもしてくれないかもしれません。そうではなくて,オンラインでも遊べるけれど,ちゃんとしたオフラインのストーリーモードもある,という形を採りたかったということです。だからもうPSOとはちょっと役目が違う感じですね。
4Gamer:
PSUはパッケージ販売+月額課金というスタイルを採っていますよね。ライトゲーマーを取り込むうえで,最近のオンラインゲームで主流となっている基本料金無料や,アイテム課金といったスタイルと比べると,ハードルが高くなりませんか。
酒井氏:
そんなにハードルが高いですかねえ(笑)。しかし,実際のところ一番成功しているオンラインゲームは月額課金になっているという事実もあるかと思います。PSUの場合はとくに,プレイヤーさんが安心できるパッケージ部分として,きちんとしたストーリーモードがありますし,その上にネットワークモードでクエストを配信するという追加部分のサービスがあります。アイテムとかではなく,ゲーム全体のサービスとしてお金を払っていただくという感じですね。
4Gamer:
確かにストーリーモードも充実していますし,パッケージを買って損をしたと感じる人はいないでしょうね。そこに,プラスアルファの要素としてネットワークモードが加わったといったイメージですか。
酒井氏:
そうですね。そして,ミッションの配信やアップデートやオンラインイベントといったところにお金を払っていただくという感じです。