2006年1月12日にオープンβテストが開始され,先週末にはウリの一つともいえる「フロンティアシステム」に関する情報も公開されたMMORPG「デコオンライン」。その今後の展開について,GMOインターテインメント 代表取締役社長 中内之公氏に話を聞いてみた。
オンラインゲームで本質的に重要な事柄として「みんなで一緒に」というコンセプトを強調する中内氏。氏は,デコオンラインでまさにそこを担う「開拓団/フロンティア」システムの中身を中心に,開発元であるRocksoftの代表取締役社長 ジョ・ホンソプ氏と随時インスタントメッセンジャーで協議しつつ,アップデートの中身と予定を語ってくれた。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。現在オープンβテスト中の「デコオンライン」ですが,テスターさん達の状況,集まり具合はいかがですか?
中内氏:
具体的な数字はまだお答えできない状況ですが,毎日多くの新規加入の方に集まっていただいています。新しい話題が加わったとき,とくに多く集まっていただけているようです。
4Gamer:
なるほど。例えば2月8日には,もともとクローズドβテストで入っていたサブクラスが入りましたよね? やはりそうした大きな変化のタイミングで,集まりがよくなるという感じでしょうか?
中内氏:
ええ,そんな傾向です。ウェポンクラフトとアーマークラフトが改めて実装されたタイミングで,クローズドβテスト以来少々足が遠のいていた方が戻ってきたようです。
4Gamer:
現在はもう,クローズドβテスト段階で入っていた要素はすべてカバーされているんですよね?
中内氏:
ええ,もちろん。ただ,クラフトについては若干問題が出まして,というのも,全体に少々難しくなってしまったのです。そこで,お客様からの要望に応えて日本版独自のバランスに,順次変更していきました。
レベルの低いクラフトは成功率を高くする一方で,高度な強化ほど難しくなるというふうに,ランダム要素を弱めるバランス調整を独自に加えています。
4Gamer:
なるほど,かなり初期の段階から,プレイヤー動向に合わせたバランス調整が行われているんですね。では現状に続いて,今後の展開についてお聞きしたいと思います。今後予定されているアップデートのあらましを,まずは教えてください。
中内氏:
アップデートでまずメインにくるのは「フロンティアシステム」です。クローズドβテスト時に実施したアンケートでも,プレイヤーの方からの期待度が一番高かった要素ですね。日本ではコミュニティ重視のお客様が多いですから,これを最優先していまして,すでにアナウンスを始めているとおり,導入はこの春です。
フロンティアシステムが展開されるのは,ミレナとレインの間に広がる「レテ平原」なのですが,ここではミレナとレインによる大規模なRvRの舞台ともなります。ただし,RvRをフロンティアシステムと同時に実装するか別の日になるかは,現在検討中です。
加えて,開拓団(デコオンラインに導入されるギルド)専用のインスタントダンジョンを,レテ平原に実装します。
4Gamer:
ギルド=開拓団が独自の街を持てるというのが,以前からアナウンスされていたデコオンラインの特徴であるわけですが,これはどのギルドでも持てる感じのものなのでしょうか? それとも,競争の末に手に入れる感じでしょうか?
中内氏:
イメージとしては後者です。開拓団は誰でも一定のゲーム内通貨を費やせば作れるのですが,街=コロニーについては,限られたものを奪い合う形になります。
開拓団には,ある種の成長段階がありまして,最初は予備軍,開拓団候補から始まります。開拓団候補は,リーダーを含めてメンバー4名で作れます。
4Gamer:
規模としてはパーティと変わらないところから出発するわけですね。
中内氏:
そうです。それが正式な開拓団として承認されるためには,10人のメンバーと追加費用が必要になります。
4Gamer:
開拓団という名称についてですが,これは二つの国家がレテ平原に向けて支配地域を広げていくというイメージでいいのでしょうか?
中内氏:
そうですね,もともとクライス大陸という大陸がありまして,ミレナとレインの間にレテ平原が広がっている。ここは中立地帯というよりも,モンスターが棲むエリアです。そこに両国の勢力が進出していくわけですね。
4Gamer:
つまり開拓団が築く(手に入れる)コロニーも,レテ平原に展開していくわけですね。ちなみに開拓団には人数上限がありますか?
中内氏:
現在の仕様では30人までです。
4Gamer:
さきほどのお話からは,コロニーは限られた数しか存在しないように思えたのですが,具体的な実装予定数はどんな感じなのでしょうか?
中内氏:
作れる場所をいくつ用意するかについては,開発側で徐々に変えていくのですが,今のところ両陣営合わせて2〜10か所が予定されていまして,最初は2か所から始めようと考えています。
4Gamer:
なるほど,それは確かに,かなり限られたゲーム内リソースになりますね。少しずつ動かしてみて,予定数まで増やしていくイメージですか。ではそのコロニーの中身について,教えていただけますか?
中内氏:
普通の街を,開拓団で所有できるというというのが基本的な考え方です。
4Gamer:
RPGでよく出てくる街そのものが,まるごと手に入るわけですか。
中内氏:
そうです。コロニーにも発展段階がありまして,コロニーはまずレテ平原の鉱山マップというエリアで作ります。つまり,まずは鉱山マップを獲得する必要があります。獲得条件としては,今のところゲーム内通貨と名声値を考えています。
4Gamer:
名声値は,ギルド固有のものが設定されるのですか? それともメンバーの名声値の合計や平均になるのでしょうか?
中内氏:
メンバーのそれの合計になります。名声値そのものは,PvPなどで上げていく形ですね。それに――これは後で説明しますが――「神獣」の経験値を加えたものになります。
4Gamer:
神獣というのは,どういった存在なのでしょうか?
中内氏:
神獣は,予備軍でなく正式なものになった開拓団が1体持つことができるものです。
4Gamer:
ほかのゲームでいうと,ギルドストーン,ギルドシンボルといった感じの存在でしょうか?
中内氏:
そうです。ただし,召喚して連れ歩けるのが特徴で,フィールドでの対モンスター戦闘やギルド戦,ダンジョンでの戦闘を支援してくれます。通常の狩り,フィールドでの対モンスター戦闘には使えないのですが。
4Gamer:
ほうほう,連れて歩けるんですか。連れて歩けるギルドシンボルというのは,確かに独特で面白そうですね。
中内氏:
神獣はギルドのペットという位置づけです。神獣の召喚資格に関連するのですが,開拓団内部にはヒエラルキー(身分階層)があります。まず,発起人たるマスターがいて,その下に幹部格となる3人のMajor(メジャー)がつき,その下にAssist(アシスト)が位置します。一般のメンバーはそのまた下に位置づけられています。
4Gamer:
このアシストはこのメジャーの部下という形での,枝分かれしたピラミッド構造ではないんですよね?
中内氏:
はい,あくまで開拓団内での権限の問題です。で,このうちマスターとメジャーは神獣を召喚できます。
神獣は戦闘要員として加わるわけでなく,攻撃力を上げたり,防御を強化したりといった影響を,開拓団に与えます。影響の種類は神獣の種類によって異なります。
神獣自身も,召喚時間に応じて入る経験値で成長していき,今の仕様ではレベル5ごとに変身します。レベルと共に大きく,立派になっていきますので,育てる楽しみも味わえます。
4Gamer:
神獣の成長によって,戦闘力以外で開拓団が変わっていく要素はありますか? 例えば人数上限とか,何かへの参加資格とか。
中内氏:
今のところ,それはないですね。レベルアップのメリットは,戦闘におけるプラス要因が増していくことです。ゲーム内では「オーラ」と呼んでいます。そのオーラの効果と有効範囲が増大/拡大していきます。
4Gamer:
神獣が敵の攻撃を受けることはありますか?
中内氏:
いいえ,神獣が攻撃を繰り出すことはありませんし,ダメージも受けないようになっています。その代わり,召喚してからの時間の経過で「活力」が落ちていくので,活力が尽きて死んでしまったりしないように,たまに餌をあげないといけません。