― レビュー ―
基本料金無料+アイテム課金制を採用,ブログと連動したゴルフゲーム
ゴルトモ
Text by 川崎政一郎
2005年12月9日

 

■日本に実在する70以上のコースを収録したオンラインゴルフゲーム

 

ゴルトモは現在プレサービス中。正式サービス後も基本的なプレイは無料なので,興味を持ったらこの機会にプレイしてみてはどうだろうか

 デジタルゴルフのオンラインゴルフゲーム「ゴルトモ」は現在(2005年12月),11月19日からスタートした「プレサービス」を展開中。正式サービス開始日は未定だが,現時点でも基本的なゲームプレイは一通り可能。しかも“基本料金無料+アイテム課金制”(特別なサービスが利用可能になる月額制の有料会員も用意されそう)を採用しており,その気になったら今すぐにでもダウンロードしてプレイできる。
 まだ実装されていない機能はあるものの,ほかのタイトルにないユニークなアイデアを盛り込んでいるので,本稿では,そのあたりをチェックしていこう。

 まずはゲームシステムの概要面から。一口にゴルフゲームといっても,現在はさまざまな方向性がある。本作は「スカッとゴルフ パンヤ」のようなゲームライクなエッセンスは抑えめになっており,演出はリアル指向の内容だ。
 その象徴的な例といえるのが,日本国内に実在するゴルフ場,70か所を舞台としていること。航空写真や地上測量で採取したデータをもとに,傾斜やバンカー,そして木々などの障害物といったコースの細かいところまで,ゲーム内で忠実に再現しているのだ。このあたりはいかにも,「遙かなるオーガスタ」など正統派ゴルフゲームで名を馳せたT&Eソフトらしい展開といえよう。

 操作関連については,一般のゴルフゲームをほぼ踏襲したスタイルかつ王道なので,ゴルフゲーム経験者でなくても,比較的容易にプレイできるだろう。基本ショットは,打つ方向を決めたあとに,マウスクリックまたはスペースキーをタイミング良く3回押すだけ。
 また,ボールの叩く位置を変えることで,ドローボール(左曲がり),フェードボール(右曲がり),トップスピン(低弾道),バックスピン(高弾道)などといったコントロールショットも行える。このあたりはゴルフゲームのお約束なので,あえて説明するまでもないだろう。

 さらに本作では「スペシャルショット」という,その名のとおりスペシャルなショットが多数用意されている。ゲームプレイを重ねることで「ショットポイント」(SP)を溜めていき,これを消費して,通常より強力なショットを打てるという要素だ。スペシャルショットは,本作の中ではやや例外的にゲームライクな演出で,インパクトの瞬間に画面エフェクトが入る。
 スペシャルショットは,さまざまな種類の「アビリティーリング」というアイテムをクラブに装着することで使用可能になるものだが,プレサービスではアビリティーリングが導入されておらず,通常時よりも飛距離が10ヤード前後伸びる「パワーショット」のみ実装されている。

 

長年ゴルフゲームを開発し続けてきたT&Eソフトが携わっているだけに,ゴルフゲームとしての基本的な部分は実にしっかりできている ショット時における画面右下のバーに注目。写真のようにカーブ部分でクリックするとパワーロスとなり,勢いが削がれてしまう グリーン上は傾斜などによってボールの進み具合が変わってくる。本作ではパッティングラインが表示されるので,参考になる

 

日本全国,70以上もの実在コースデータを取り入れたのが本作の強みの一つ。実際のゴルフを楽しむ人には,シミュレータ的な遊び方もできる 画面右下にあるボールをクリックする位置によって,ボールの軌道を変えられる。ゴルフゲームとしての基本知識はだいたい使える 写真は“パワーショット”を発動した瞬間。使用回数は限られるため,ロングホールでのティーショットなど,使いどころをよく考えよう

 

 

■オフラインの相手でも対戦可能,マイペースで進行できるマルチプレイに注目

 

いつでも好きなときに,自分のペースでプレイできるメリットは非常に大きい。最初は意外に思うものの,よく考えられたマルチプレイといえる

 ゴルトモで最も注目してほしいのは,ほかのゴルフゲームとは一線を画す,ユニークなマルチプレイモードだ。

 本作で新しいのは,マルチプレイを行うとき,対戦相手がオンラインである必要性がない点だ。仕組みとしては,最初に「ストローク」で18ホールをプレイする。するとプレイ時のスコアがサーバー側に保存され,このプレイデータと別のプレイヤーが対戦を行うのだ。自分と相手がリアルタイムで対戦するわけではないので,いわば疑似的なマルチプレイといえよう。
 保存されたデータといえども,画面内の対戦キャラクターは実際にプレイヤーと共にラウンドを回るので,人間相手と同じようにゲームは進行していく。プレイ中,相手がパットを外したとすると,それは実際にそのキャラのプレイヤーが以前パットを外しており,それが再現されているのだ。

 正直なところ,プレイ前の筆者の第一印象は,「無機質なコンピュータを相手にするみたいで,味気なさそうだなぁ」といったものであった。恐らく本稿を読んでいる読者の中にも,同様に感じている人はいると思われる。だが実際にプレイしてみると,ほかのオンラインゴルフゲームにはない,さまざまなメリットがあることに驚かされた。なんといっても対戦相手を気遣うことなく,極めてマイペースでゲームを進められるのだ。

 具体的には,まずロビールームなどで対戦相手を探す手間が一切かからない。プレイ開始のボタンを押した瞬間に,自分の実力に応じた対戦相手(の保存データ)とゲームが始まるのである。また,ほかのゴルフゲームとは違って,対戦相手がショットする前のシンキングタイムも一切生じず,サクサクと進むのも嬉しい。また仮に,自分のプレイ中に急用が発生しても,好きなときに離席可能だ。それどころかいったんゲームを終了させ,いずれ気が向いたときに再開といったことも,誰にも迷惑を掛けずに行える。

 現在のところ,このユニークなマルチプレイを楽しめるのは,「ポイントバトル」と呼ばれるゲームモードだけだ。このポイントバトル,勝敗を決めるには単純にスコアを競うのではなく,ニアピンやロングパットなどのグッドショットを行うと,「ビクトリーポイント」(VP)が加算され,これの多いほうが勝利するというゲーム。そして対戦相手は3ホール単位で入れ替わるので,気が向いたときに手軽にプレイできる。短いスパンで対戦相手が登場し,ノンストップでゲームが続くため,いったいどこで止めるべきなのか悩んでしまうほどだ。

 オンラインゲームの醍醐味の一つである「チャット」についても,独特のシステムが用意されている。対戦前の挨拶に始まり,グッドショットを打ったときや,負け越したときなど,20種類弱の状況に応じた会話内容を登録できる(会話の合計登録数は57)。これを用いれば,例えば対戦相手がオフラインであっても,あたかも直接チャットを行っているような臨場感を得られるというわけだ。

 ランダムで選ばれる見ず知らずの対戦相手ではなく,友達と対戦したい! そういうときのために「コンペ」というゲームモードも用意されているが,プレサービスの時点においては実装されていない。そのほかにもイベント用の大会などが開催される「公式大会」も今後導入が予定されており,さまざまなスタイルのゴルフゲームが楽しめることだろう。
 ちなみに従来のゴルフゲームにおける,オンライン同士による対戦はないが,ストロークモードなら1台のPCを使って4人まで対戦可能だ。

 

「ストローク」で18ホールのプレイを行うと,“対戦チケット”を貰える。これがあれば「ポイントバトル」に挑戦できるという仕組みだ 対戦相手が登場! ……だが,この相手は現在オンラインとは限らない。各ホールのプレイ内容や,会話を事前に登録したデータなのだ 良いショットを行うとポイントが溜まっていき,これを競うシステム。通常の打数計算ではないため,ドローはほとんど発生しない

 

ポイントバトルでは3ホールごとに対戦相手が替わる。18ホール回ると6人が次々と入れ替わるので,相手が異常にうまくても3ホール耐えればよい ポイントバトルの途中でいきなりゲームを終了させ,時間ができたときに再開することも可能。対戦相手に気兼ねなくプレイできるのがありがたい 一歩間違えれば無機質になりそうな本作のマルチプレイだが,コメント設定によってしっかりカバーされている。マメにレスしなくていいのがラク

 

 

■ソーシャルネットワークとの連携も含めた意欲的なシステムには今後要注目

 

これがゲームと同時に起動される,自分用の「Glog」。面倒な作業を一切必要とせず,このようなページが自動的に更新されるのだ

 本作のゲームジャンルは「ソーシャルネットワークゲーム」(SNG)というもので,これに関しては詳しい説明が必要だ。ゴルトモのアカウントを登録したプレイヤーは,自動的に「ゲームリクレ」というソーシャルネットワーク内に,自分用のWebスペースが設けられるのだ。これは「Glog」(ジーログ)というもので,まるでBlogのように自分や他人の日記に書き込んだりできる。

 Glogが凄いのは,ここからだ。ストロークやポイントバトルなどでコースを回ると,その全スコアが自分のGlogに自動更新されるのである。しかもイーグルやロングパットといったナイスショットを決めたとき,ゲーム側が自動的にスクリーンショットを撮影し,しかもそれがスコアと並べられて掲載される。自分は普通にゴルフゲームで遊んでいるだけなのに,その裏では立派なGlogが着々と出来上がっていくというのは,これまでになかった実に不思議な気分である。ゲームが終わったら,自分や他人のGlogがどのように更新されているのかを確認するのも,楽しみの一つというわけだ。

 現在実装されているゲームモードは,ストロークとポイントバトルのみなので,今のところ自分の記録をGlogで振り返るくらいの用途しかない。しかし今後コンペや公式大会を行えるようになると,さまざまな展開が考えられる。例えば,ほかのプレイヤーとコンペを共にして意気投合したら,相手のGlogを訪れて再戦を約束できる。また,公式大会で上位成績を収めるようなプレイヤーのGlogには,ゲームプレイのコツも絡めた日記が公開されているかもしれず,それらに目を通してきっと損はないだろう。あくまでこれらは一例だが,ソーシャルネットワークに絡んだコミュニティの展開も,本作では大いに期待できる。

 ネットワークゲームにおける面白さの本質を考えると,リアルタイムでのチャットに依るところは確かに大きい。しかしゴルフゲームのジャンルに限っては,これらのコミュニケーションは必須でないと考える人も確かにいる。例えば「はじめまして」「ドンマイ」「ナイスバーディー」などといった形式上のチャットが煩わしく,わざわざ「ゲーム中は無言でお願いします」との約束事を決めるプレイヤーだっているほどだ。また,本作では実在するゴルフコースをシミュレートしている点もあり,チャットに馴染めない年配の人も本作に興味を持つだろう。これらを総合的に見るに,ゴルトモの割り切ったマルチプレイは,かなりのニーズがあるのではないだろうか。

 ゴルトモはT&Eソフトが制作しているだけのことはあり,基本的なシステムは手堅く丁寧にできている。しかもポイントバトルとGlogという,ほかのタイトルとの差別化もきっちり出来ているのが好印象だ。まだプレサービス中で多くの要素が実装されていない状態だが,今後の展開には大いに期待できる内容であった。

 

プレイ中にナイスショットを行うと,ついついあとでGlogを確認しに行ってしまう。画面撮影まで行ってくれるのはとても新鮮 キャラクターの外見は,性別のほかに8種類のパーツによって構成される。現在はプレサービス中のため種類は少ないが,今後に期待しよう ゲームプログラムと,Webブラウザの同時起動が前提となっている。ゴルフゲームはいくつかあるものの,ほかに類を見ない遊び方といえる

 

プレイ中のコミュニケーションには興味がない,というニーズは確かにある。この点に共感する人ならば,本作をプレイして損はないだろう コメント設定のおかげで,自分でチャットを行わずともプレイ中は賑やかな印象を受ける。この手法は意外にハマっていて面白い 現実のコースを取り入れたリアル指向と,割り切ったマルチプレイ。ちょっぴり大人のゲーマーにはピッタリな息抜きゴルフゲームだ

 

タイトル ゴルトモ
開発元 ティーアンドイーソフト 発売元 デジタルゴルフ
発売日 2006/08/01 価格 無料(アイテム課金制)
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium III/1GHz以上(Pentium 4/2GHz以上推奨),メインメモリ:256MB以上(512MB以上推奨),グラフィックスチップ:GeForce 2 MX以上(GeForce 4 Ti以上推奨) ,グラフィックスメモリ:32MB以上(64MB以上推奨)

(C)DIGITAL GOLF Inc.

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http://www.4gamer.net/review/goltomo/goltomo.shtml