新作紹介 : プリンセスメーカー5

「娘」を育てる大人気育成シミュレーションシリーズ最新作

プリンセスメーカー5

Text by 大陸新秩序
2007年2月26日

※この記事はメーカーから提供された評価版を元に作成しております。製品版と一部内容が変わる可能性のあることをご了承ください

 

今度の「プリンセスメーカー」は「現代日本」が舞台

 

第3作にあたる「プリンセスメーカー ゆめみる妖精」以来,約10年ぶりとなる赤井孝美氏のプリメ最新作。8年間,この娘をみっちり育て上げるのだ

 「プリンセスメーカー」シリーズは,1991年にガイナックスからPC-9801版として発売された第一作以降,15年以上にわたって代を重ねてきた息の長いタイトル。王国のプリンセス候補を,10歳から18歳までの8年間養女として育てていく,というのがその内容だった。
 そんな本シリーズの最新作「プリンセスメーカー5」が,来たる3月3日にサイバーフロントから発売される。概要は従来シリーズとほぼ同様だが,今回はインターネットも携帯電話も存在する現代日本を舞台に,「天界」「魔界」「妖精界」「星霊界」「人間界」の調和の象徴となるべきプリンセス候補を育てていくのだ。

 

今度の舞台は,なんと「現代日本」であり,教養などの各科目(能力)は家庭教師からではなく「学校」に通うことで学んでいく。イベントも学校行事が多く,ほかのキャラクターとの交流も実にさかんだ

 

 

新たに加わった三つの要素

 

●プレイヤーの性別

 本作からはプレイヤーの性別が選べるようになっており,ゲーム中では「父親」「母親」いずれでもプレイ可能。娘は13〜14歳頃から思春期に入るのだが,そのときの反応も父親と母親では異なるため,何度もリプレイしたくなるはず。

 

●MOEシステム

 Motion of Emotion(MOE)システムは,部屋の中のチビキャラの動作で,娘の状態を表すもの。ネットサーフィンをしていても,そのときの興味の違いで株式サイトを見ていたり芸能サイトを見ていたりと,細かな違いが表現されていて見逃せない。

 

●学校生活を中心とした進行

 現代日本を舞台にしたことによって,ゲームは学校生活を中心に進行する。平日の昼間,娘は学校に通っているので,プレイヤーは放課後と休日のスケジュールを組んで娘を育成することとなる。娘が通う学校は,小中高と一貫したエスカレーター式だ。

 

 

週ごとに設定できるスケジュール

 

門限ギリギリまでスケジュールを詰め込んでしまうと,ストレスがたまりやすいので適度に自由な時間を作る必要がある

 娘の育成は,毎月1日に「教育方針」を設定することから始まる。「礼儀作法」や「勉強と遊び」など,娘の行動はこの方針がベースとなる。このうち「門限」は各週のスケジュールに大きく関わる項目で,設定した時間以降は自宅で過ごすことになる。
 毎週日曜日には,その週における「習い事」と「アルバイト」のスケジュールを設定できる。習い事は主に学術的/身体的能力を上げるためのもの,アルバイトは社会性と収入をもたらすものだが,いずれも特定の能力を下げたり,ストレスがたまりやすかったりといったマイナス要因もあるので,バランスを考えてスケジュールを組まなければならない。

 

教育方針は1か月間変更できないので,習い事やアルバイトの時間が制限されてしまう門限の設定には注意が必要だ。また,学校での授業と部活,習い事とアルバイトには「よくできました」などの3段階の評価がされ,それに応じて能力が増減する

 

 

娘とのコミュニケーションを図る休日

 

 毎週日曜日は休日となる。娘と直接会話して,最近の調子や,勉強,生活などについて聞けるので,スケジュールの構成/再編に役立てよう。ただし娘の体調が悪かったり,思春期に入っていたりすると簡単に答えてくれなくなる。
 また門限までは,娘とともに街に出かけられる。街では,娘の能力を上げたり,ストレスを下げたりできる各施設が利用できるほか,各種アイテムを購入できる。そのほか,特定の期日/期間ではイベントが行われている場合もあり,タイミングよく参加できれば娘の能力とストレスに大きな変化を与えられる。休日は娘の意志に任せて「自由行動」を取らせて,独立心を養うことも可能だ。

 

休日は,娘とのコミュニケーションを図り,状態を把握する絶好の機会だ。また街の各所には「デパート」や「映画館」のほか,「メイド喫茶」や「ブランドショップ」など娘の嗜好を左右する施設もある。こうした施設で行われるイベントに参加して,娘のストレスを効率的に発散させることも可能

 

 

シリーズおなじみの要素も健在

 

現代が舞台となったことで,オタク系の施設やアイテム,イベントも大量に登場する。その最たるものが着せ替え用の「プラグスーツ」だろう

 新しい要素が追加されたり,従来のシステムが変更されたりする一方で,シリーズおなじみとなっているコンテンツもしっかりと残っている。
 「着せ替え」は,ゲーム中で入手したコスチュームを,文字通り娘に着せ替えさせるシステム。普段着やお洒落着のほか,浴衣やメイド服,さらにはプラグスーツといった某アニメに登場したコスチュームなどが登場する。
 また,ゲームの進行のさせ方によって「冒険」(武者修行)が可能になる場合もある。これは,プレイヤーと娘が暮らす「人間界」以外の世界で冒険するもの。娘の成長や能力に応じて内容が変化するため,一度クリアしたと思っていても,時間をおいて再度挑戦すると意外な展開が待ち受けていることもある。
 さらに年一度の「バカンス」は,学校生活が中心となったことに伴い,春休み中に行われるようになった。こちらは予算に応じて「海外旅行」「国内旅行」「近場で済ます」のいずれかから選択できる。

 

「冒険」では,さまざまなモンスターが娘に襲いかかる。武器や魔力による攻撃だけでなく,習い事で得たスキルも活用できる 「バカンス」は年に一度,春休みの時期に行われる。毎年の娘の成長を確認するためにも,バカンス用の予算は確保しておきたい

 

 

また,あんな娘こんな娘を世に送り出そう

 

娘が人間界へとやって来る,直接の原因となった宿敵「ガトー」。娘の能力など,一定の条件が揃うと登場する。首尾よく倒せば新展開が待っているかもしれない

 舞台が現代世界となったことで,設定や外見に多少の変更はあるものの,プレイの基本的な概念や操作は,従来シリーズと同様である。したがって,これまでのシリーズのファンであれば,すんなりとプレイできるだろう。一方,今回が初めてという人であっても,学校生活を中心に習い事やアルバイトのスケジュールを組むといった,リアルの日常生活に基づいた内容となっているので,非常に親しみやすいゲームといえる。
 ゲーム中のメッセージをきちんと読んでいると,1年間あたりのプレイ時間は約2時間といったところ。エンディングは,娘の能力や性格に加え,さまざまな条件によって細分化されているようで,単純に8年のうちの最後の1年間をプレイし直せば別のエンディングが見られるというものでもない。すべてのエンディングを見ようと思ったら,かなりのボリュームになりそうだ。この春休みに,遊び倒してみてはいかがだろうか。

 

タイトル プリンセスメーカー5
開発元 ガイナックス 発売元 サイバーフロント
発売日 2007/03/03 価格 9240円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Celeron 2GHz以上[Pentium 4/2GHz以上推奨],メインメモリ:256MB以上[512MB以上推奨],グラフィックスメモリ:32MB以上[64MB以上推奨]

(C)GAINAX (C)CYBERFRONT

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/preview/pm5/pm5.shtml