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インディーズゲームの小部屋:Room#04「TWilight INSanity」
2007/07/27 13:50


 個人/サークル単位で制作されたオリジナルゲームを紹介する「インディーズゲームの小部屋」。第4回となる今回扱うのは,ゲーム制作サークル,永久る〜ぷの「TWilight INSanity」だ。本作は,3組の双子が主人公の縦スクロールシューティング。イベントシーンで選んだ選択肢と,シューティングステージでのプレイ内容によってエンディングが変わる,マルチエンディングが採用されている。

 コンピュータネットワーク上で,現実とは違うもう一つの生活を楽しめる仮想空間「Illnet」(イルネット)。人間の五感さえもシミュレートするこの仮想空間が構築されて10年が経った西暦2100年,Illnet上の仮想都市の一つが丸ごと乗っ取られるという事件が発生する。それに加えて,仮想空間に精神だけが取り残されてしまう「バニシングゴースト」という現象も併発し,混乱に拍車をかける。そして事件の真相を探るべく,Illnetにダイブした3組の双子の少年/少女達。このときはまだ,この事件がIllnetの未来を決める分岐点であったということを知らなかった……。



 タイトルの大文字部分を抜き出してみると「TWINS」,すなわち“双子”という意味になる本作は,仮想都市乗っ取り事件の真相を探るべく,それぞれの思惑を持ってIllnetにダイブした3組の双子が主人公の,縦スクロールシューティング。ゲームは,ステージ開始時やボス戦前のイベントシーンと,シューティングステージで構成されている。冒頭でも紹介したように,イベントシーン/シューティングステージそれぞれのプレイ内容に応じてエンディングが変わる,マルチエンディングが特徴の一つだ。

 移動速度やショットの性能が異なる3組の双子が用意されており,ゲーム開始時にどれか1組の双子を選択する。シューティングステージでは基本的に,弾幕系シューティングではお約束ともいえる「ショット」(通常攻撃)と,「ボム」(本作では“Tension”と呼ぶ)を使い分けてステージを攻略していく。また,ステージ攻略中は一部の例外を除いて,操作キャラを自由に“双子のもう片方と切り替える”ことができる。
 双子はおおむね,一方が「前方集中型ショット」,もう一方が「広範囲型ショット」となっており,前者は攻撃力は高いが攻撃範囲が狭く,後者は攻撃力が低めで攻撃範囲が広く設定されている。本作ではパワーアップアイテムは存在しないので,この「双子切り替え」がゲーム攻略の鍵となる。



 さて,本作ではマルチエンディングが採用されていると紹介したが,次にルート分岐の条件について説明しよう。ルート(とエンディング)を決める要素の一つは,イベントシーンでの選択肢だ。選んだ選択肢に応じて,その後のストーリーやステージが分岐していく。しかし,選べる選択肢は次に説明するシューティングステージのプレイ内容に応じて増減するというのがポイントだ。
 シューティングステージでは,画面上に敵がいるだけで,侵食率を示す「P-RATE」ゲージが増加していく。敵を早く倒せば倒すほど,侵食率を減少させられるが,敵を倒すのに手間取ってしまい,侵食率が100%に達してしまうとその場でゲームオーバーとなってしまうのだ。さらに,ステージクリア時の侵食率によって,その後のイベントシーンの選択肢が増減したり,自動的に特定のルートに進んだりする。いわゆる“グッドエンディング”に到達するためには,侵食率はできる限り低く抑えなくてはならない。
 そしてもう一つ,使用中の双子のうちのどちらの使用率が高いかによってもルートが分岐する。最終的なエンディング数は,2007年7月27日時点での最新バージョンであるVer2.00で,なんと32種類もある。このうち,一枚絵が存在するエンディングは22種類で,残りの10種類はいわゆる“バッドエンディング”となっており,すべてを見るとなるとかなりのボリュームだ。難易度は,「EASY」「NORMAL」「HARD」から選択可能で,「EASY」モードでもすべてのエンディングを見られるのが,初心者にとっては嬉しいところだ。



 本作は,ストーリー性/キャラクター性を持たせた縦スクロールシューティングに,さらに複雑なルート分岐を加味した,なかなかの意欲作だ。永久る〜ぷ公式サイトからは,本作の体験版がダウンロード可能なので,興味を持った人はぜひ試してみてほしい。体験版では,製品版に比べてBGMや効果音の音質が低く抑えられているが,ステージ3までを制限なしでプレイできる。また,本作の製品版は,1470円(税込)で発売中。取り扱いショップについては,公式サイトで確認してほしい。最後に,8月17日(金)から19日(日)まで,東京ビッグサイトで開催される「コミックマーケット72」で,本作のサウンドトラック「UNIversal SONority」が頒布予定であるとのこと。当日会場に足を運ぶ人は,チェックしてみるといいだろう。(ginger)

■永久る〜ぷ公式サイト
http://blue.sakura.ne.jp/~loop/main.html



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連載:インディーズゲームの小部屋
■開発元:N/A
■発売元:N/A
■発売日:2007/06/29
■価格:N/A

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http://www.4gamer.net/news/history/2007.07/20070727135058detail.html