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RO「ラヘル」アップデートテストプレイ&レポート。宗教国家「アルナベルツ教国」の謎と数々のクエスト
2007/06/18 14:36
ガンホー・オンライン・エンターテイメント 第二開発部 野呂 彰氏
※開発途上の段階で,特殊な設定およびキャラクターを用いて記事を制作しているため,実際のゲームとは異なる画面表示/表現も含まれています。ご了承ください。

 MMORPG「ラグナロクオンライン」(以下,RO)の大型アップデート「Episode6.0 Beginnings and Upheavals」の第1弾が,7月3日に実装される。ルーンミッドガッツ王国,シュバルツバルド共和国に続く第3の国家として「アルナベルツ教国」が登場し,その首都「ラヘル」の街が今回追加されるのである。その周辺にある「氷の洞窟」と,市街地に隣接した「フレイヤ大神殿」の奥には,新たなモンスターも数多く登場するようだ。
 ガンホー・オンライン・エンターテイメントを訪問し,第二開発部 野呂 彰氏の案内のもと,ラヘルアップデートの新要素を一通り見学してきたので,お伝えしよう。



■砂漠の都市「ラヘル」と「フレイヤ大神殿」

 ラヘルへの移動手段は三つある。イズルードまたはジュノーから飛行船(シュバルツバルド国内線)に乗る,あるいはリヒタルゼンからの徒歩ルートだ。ただし徒歩での移動ではあまり安全とはいえないエリアを通過するので,飛行船の利用が安全かつスピーディな手段といえよう。
 ラヘルの飛行船発着場は,イズルードのように街中ではなく隣接したマップにある。とはいえ,ラヘルの入り口まではとくにアクティブモンスターもおらず,時折「ドロップス」や新モンスター「スタポ」を見かける程度で安全な地域である。スタポは,その岩のような外見どおり硬いので,物理攻撃に対しては強いが,魔法攻撃ならば効率良くダメージを与えられる。飛行船の料金さえ気にならなければ,マジシャンの新たな育成スポットになるかもしれない。

 似たような自然条件にある砂漠の都市「モロク」に,よく似た街並みともいわれるラヘルは,噴水を中央として,4方向に走る道路が都市を四つのブロックに分けている。右上,左上,左下のブロックは住居エリアとなっていて,もともとこの地域に住んでいた遊牧民と,あとから入ってきた移住民がそれぞれに生活している。残る右下のブロックには「フレイヤの泉」と呼ばれる名所があり,そこは木々や草花が生い茂る憩いの場所になっている。泉の周りには,NPCも数人立っており,どうやら新たなクエストがもらえそうだ。

画面左:ラヘルのほぼ中央に位置している噴水。「ラヘル」の街並みはモロクに似ているが,モロクに比べるとラヘルのほうが全体に整備されている印象だ
画面中:プレイヤー達の憩いの場になりそうな,フレイヤの泉周辺には複数のNPCが立っている。話しかけると,何か続きがありそうな会話を持ちかけてくる
画面右:ほかの街と同様,回復/消費アイテムを販売するNPCが,あちらこちらに配置された商店街も。ちなみに2人がかぶっているのは,新頭装備の一つ「アヤム」


 アルナベルツ教国に住む人の信仰対象は「女神フレイヤ」で,街の北側には女神を祀ったフレイヤ大神殿がある。ラヘルと隣接した敷地内,「聖域」を除く神殿内部までは,誰でも制限なく出入りできる。建物の内部には豪華な装飾品が置かれ,建物の構造にも趣向が凝らされている。
 神殿の奥深くに進むと,鍵がかかった鉄格子,そして階下へ続く階段が見えてくる。ここが,本来は神しか入れないエリア「聖域」の出入り口だ。聖域に入るためにはいくつかのクエストをこなすだけでなく,祭りの費用として献金を行わねばならない。

 献金は,入ろうとするプレイヤーが所定の額を払えばよいといったものではない。ワールド単位での献金総額が必要水準に達して初めて,聖域に入れるようになるのだ。また,一度に献金できる額には上限も設定されている。野呂氏に尋ねてみたところ,「Episode6.0の実装から聖域オープンまで,最短のワールドでも1か月はかかると予想しています」とのことで,そうだとすればゲーム内経済にも影響するくらいの献金額になるのだろうか。なお,貢献してくれたプレイヤーに報いるために,献金と引き換えに,「あるアイテム」がもらえるのだとか。

画面左:こちらは神殿内部ではなく,敷地内の前庭といったところ。ここはとくに条件もなく,誰でも出入りできる
画面中:この先は神殿内部のため,クエストクリア後に出入り可能となる。扉を蹴破るという選択肢も出るが,選ぶと神殿NPCに叱られる
画面右:聖域へ続く入り口は固く閉ざされている。プレイヤーキャラが納めた献金は,女神フレイヤのためのお祭りに使われるそうだ
大理石のような白いフロアに,鮮やかなカーペットやシャンデリアがよく映える神殿内部。既存エリア「グラストヘイム古城」も,荒れ果てる前は,こういった美しい場所だったのだろうか?


聖域の1階層目は西洋の紋章をモチーフにしたようなマップデザイン。狭い通路が続くため,立ち回りが難しいことも多い
 聖域は複数の階で構成されているが,実際に入れた1階部分をスクリーンショットとともに紹介しよう。それ以外の階については,ぜひプレイヤー自身がその目で確かめてほしい。

 画面右上のミニマップを見てもらうと分かるが,フロア全体の造りがやたらと凝ったデザインで,見ていて退屈しない。聖域は神殿の手前部分と同様に美しく飾られているが,そこをうろつくのは異形のモンスター達で,女神フレイヤ信仰と神殿組織には,一筋縄ではいかない部分がありそうな雰囲気だ。
 多くのモンスターは,足が遅いものの攻撃力は高く,スキルを多用してくる傾向がある。防御に自信のあるキャラクターでモンスターをうまく誘導し,範囲魔法で一度に処理する戦い方が効率的かもしれない。


「ホドレムリン」「アイシラ」「ヴァンベルグ」といったモンスターは,フレイヤ神殿のたたずまいからは想像もできないような,禍々しい姿をしている


■内部にはクエストNPCもいる「氷の洞窟」

ラヘル周辺に生息する,ブチハイエナのようなモンスターの「ロウィーン」。怖いというより,どこかユーモラスな動きを見せてくれる
 新ダンジョン「氷の洞窟」は,ラヘルからいくつかのフィールドマップを抜けたところに,ぽっかりと口を開けている。安全だった飛行船発着場〜ラヘルとは異なり,氷の洞窟までの道のりには,遠距離攻撃を仕掛けてくる植物系モンスター「マスキプラー」「ドロセラ」,素早い動きが特徴の動物系モンスター「ロウィーン」「ガリオン」など,アクティブな新モンスターが何種類か出現し,最低でもレベル60以上の中級者向けになっている。ただしこちらはマップの広さに対してモンスターの数が少ないので,アイテム「ハエの羽」や「テレポート」スキルを使えば逃げきれるだろう。
 洞窟内部はフレイヤ大神殿「聖域」よりも,さらに細く狭い通路で構成されており,あまり大人数で動き回るのに適した場所ではない。1階は1次職後半から2次職,2階はペアならレベル60以上,ソロプレイでレベル80以上,3階はレベル80以上のパーティが適正レベルとのことである。ここで遭遇するモンスター達は,表情も動きも可愛らしい「シロマ」,氷の塊のような「ゲイズティ」「アイスタイタン」などだ。なかには防御力の高い敵もいるので,与ダメージを重視したメンバー構成で来るのがよいだろう。

 氷の洞窟3階には,とあるクエストに関連したボスモンスター「クトルラナックス」がいる。このボスは一定時間で出現するタイプではなく,前提条件を満たしたプレイヤーが遭遇するというタイプ。攻撃力,防御力ともに高く,その強さは「オーディン神殿」のMVPモンスター「ランドクリス」に匹敵する。パーティでというよりは,ギルドが全力を挙げて戦うのが適切だろう。
 また,ダンジョンの中にはクエスト関連のNPC「氷の中の男」がいる。見たとおり氷の中に閉じ込められているようだが,前提条件を満たしていないと話しかけても反応がない。一体どんなクエスト内容なのかは,実際にプレイしてからのお楽しみだ。

画面左:通路がとにかく細くマップの面積は広くないため,一か所に多くのモンスターが固まっていることもある
画面右:今回は特別にボスモンスターを召喚してもらった。左側に見える氷のトカゲのような生き物が「クトルラナックス」だ
画面左:クトルラナックスは数体の「アイスタイタン」を召喚するので,早めに勝負を着けないと厄介な相手だ
画面右:氷漬けの“彼”は服装からするにマジシャンのようだ。なぜこんな危険なダンジョンにいるのか,そして氷漬けになった理由はクエストを通して明らかになるのか?


■注目の新・頭装備

 最後に,現時点ではイラストのみが公開されている,新頭装備の一部を紹介しよう。キャラクターグラフィックスにきっちり反映される頭装備は人気が高く,おしゃれアイテムを兼ねて収集するプレイヤーが多い。
 各装備品の詳細なステータスは公式サイトにて発表されるので,とりあえずキャラクターが身に着けるとどんなふうに見えるのかを,チェックしてほしい。


上段左から「ヴァルキリーヘルム」「ベレー帽」「使道の帽子」,下段は「獅子の仮面」「花嫁の仮面」「老人の仮面」だ。


 「Episode6.0 Beginnings and Upheavals」は過去に実施された「グローバルプロジェクト」などと異なり,アップデートそのものに大きなテーマは掲げられていない。また,今回メインとなるのは追加フィールドと新ダンジョンであって,新職業の追加はない。むしろ注目すべきは新クエストの数と内容が充実している点だ。
 アルナベルツ教国のクエストを進めることでプレイヤーは,フレイヤ大神殿の内幕や,NPCのバックストーリーを詳しく知ることができる。また,リヒタルゼンではなんだかすっきりしない終わり方を迎えた,あるクエストにはストーリーの続きが用意され,今度こそ謎がはっきり解明されるなど,ストーリーには連続性や奥深さが持たせられている。

 ROの世界にまだルーンミッドガッツ王国しか登場せず,クエストそのものが少なかったころと比べると隔世の感があるが,こういった,物語を読み進み,プレイヤー自身の手で解き明かす楽しみは,今後とも充実させていってほしいものだ。
 Episode5.0の第4弾アップデートが実施されたのが,2006年の10月24日。それ以降「蜃気楼の塔」が導入されたり「200万ID突破記念キャンペーン」としてのゲーム内イベントが行われたりしているものの,Episode6.0はひさびさの大規模アップデートとなる。今までとは少し雰囲気の違う宗教国家,アルナベルツ教国の謎に迫ってみてはいかがだろうか?(ライター:麻生ちはや)


ラグナロクオンライン
■開発元:Gravity
■発売元:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■発売日:2002/12/01
■価格:プレイ料金:1500円/月(税込)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2007.06/20070618143637detail.html