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「プロ野球チームをつくろう!ONLINE」で実施されている「エキジビショントライアル」のプレイレポートを掲載
2007/05/31 22:00
 プロ野球チームをつくろう!シリーズは,コンシューマ機を中心にリリースされ,人気を博しているプロ野球チーム経営シミュレーション。この作品をPCオンラインゲーム化したものが,「プロ野球チームをつくろう!ONLINE」(以下,野球つくONLINE)である。本作では,クローズドβテストに相当する「エキジビショントライアル」が,5月16日〜6月8日というスケジュールで開催中。まだ熱いペナントレースが終わっていない段階だが,途中までのプレイレポートをお届けしよう。


■ペナントレースは自動進行で展開される

 野球つくONLINEは,自動進行型のオンラインゲームだ。プレイヤーがログインしていない間も,チームは試合を行い,レギュラーシーズンが進んでいく。このあたりは,先行してサービスが開始された「プロサッカークラブをつくろう!ONLINE」と同じである。
 なんといっても,ログイン時間をあまり取れないプレイヤーでも,十分ゲームを楽しめるシステムになっているのが嬉しい。もちろん,たっぷり時間があるならあるで,チーム構成を考えたり,ほかのプレイヤーとのトレードに精を出したり,はたまたオープン戦を楽しんだりと,やることはいっぱいある。つまり,ライフスタイルに合わせて遊べるゲームなのだ。

 本作を起動したら,まずは自分のチーム作りからスタート。チーム名や本拠地,チームロゴなど,さまざまな要素を決定していくのだ。途中,プレイヤーの好きなプロ野球チームも聞かれるが,これはのちのちさまざまな要素に絡んでくる。

ゲームを開始したら,まずはファン球団,チーム名,本拠地,チームロゴ,秘書などを次々と決定していこう。とくにファン球団は重要。ゲーム中のさまざまな部分に影響が出てくる


3種類のスターターパックの中から一つ選ぶと,チームの初期メンバーが決定する
 野球つくONLINEでは,選手はトレーディングカードのような形で表現されており,チームの初期メンバーは,25人の選手が入った「スターターパック」を選ぶことで決定される。スターターパックとして用意されているのは,「打撃力重視」「投手力重視」「ファン球団重視」の3種類。打撃力重視だと打者としての能力の高い野手が,投手力重視だと高い能力を持った投手が多くなる。そしてファン球団重視の場合は,最初に選んだ好きな球団の選手が多めになるという仕組みだ。初期チームが完成したら,いよいよゲーム開始となる。

 野球つくONLINEのレギュラーシーズンは,16チームのリーグ戦を行う「ペナント」と,ペナントでの上位入賞チーム同士が戦う「チャンピオンズトーナメント」,すべてのチームが参加する「ワールドトーナメント」で構成される。ペナントとチャンピオンズトーナメントを3回繰り返し,最後にワールドトーナメントを行うまでが一つのサイクルだ。もっとも,今回のエキジビショントライアルでは,ペナントとチャンピオンズトーナメント,それにワールドトーナメントをそれぞれ1度ずつ行った時点で終了する。
 ちなみに,レギュラーシーズンの試合を行うと,その結果に応じてポイントがたまっていく。いい試合をしたり,トーナメントで上位に入ったりすると,より多くのポイントがもらえる仕組みだ。このポイントは,選手カードやスキルブロックの購入,ポスティング入札,スキルブロックの合成などに必要となる。これらについての詳細は後述しよう。

 また,ゲーム中は自由にオープン戦を行うことができる。このオープン戦では,プレイヤー同士で戦うことも,コンピュータが率いるチームと対戦することも可能。プレイヤー同士で戦う場合は,ポイントを賭けることもできる。

●上段左:チームの中心選手は,ファン球団所属の二選手から選択可能だ ●上段右:ペナントは1日に9試合,15日間135試合にわたって開催される ●下段左:試合の結果に応じてポイントがもらえる。いいプレイが出るほど,もらえるポイントは多くなる ●下段右:オープン戦の模様。コンピュータ戦の場合は,実際のプロ球団が相手になる


■選手を集めて強いチームを目指そう

 前述のとおり,本作は基本的にサーバー上で自動的に進行し,チームはどんどん試合を行っていく。もちろん,試合そのものも自動で進行する。例えば試合途中での選手交代なども,プレイヤーは一切介入できない。つまりプレイヤーに課せられているのは,戦力を整え,オーダーを決定することのみなのである。

 オーダーはまず,スターターパックの中に入っていた25人の選手で編成することから始めよう。野手ならばスターティングメンバーを選んで,打順と守備位置を決定する。投手は先発ローテーションと抑えや中継ぎ,セットアッパーなどの役割分担を決める,といった具合だ。選手は一人一人能力や適正が異なっているので,潜在能力をフルに発揮させるためには,適材適所を心がけよう。
 また,打順や前後の打者とのつながり,バッテリーの組み合わせなどには,相性という要素も絡んでくる。そのため,ちょっと打順を入れ替えただけで,選手が発揮できる力が大きく変化することもある。このあたりは「戦力分析」コマンドで確認しながら,いろいろなパターンを試し,ベストな組み合わせを見つけ出したい。

●上段:まず一軍に登録する選手を25人選び,その中からスターティングメンバーを決めていく ●下段:打順や打線のつながり,投手と捕手の相性などで,チーム戦力は大きく変わる


オーダーによって発生するチームカラーは,設定を行って初めて有効になる
 選手オーダーの組み合わせによっては,「チームカラー」が発生することもある。発生したチームカラーを設定すると,該当選手の能力値にボーナスが付与されるので積極的に活用しよう。ちなみにチームカラーの種類としては,ピッチャーが日本人ばかりのときに発生する「和製投手陣」,年配の選手が多いときに発生する「ベテランの味」など,さまざまな種類が用意されているようだ。チームカラーの発生条件を見つけ出すのも,野球つくONLINEの楽しみの一つだ。

 さて,いくらベストなオーダーを組んでも,スターターパックに入っている選手だけでは,よっぽど運が良くない限り,好成績を残すのは難しい。理想のチームを作るためには,やはり選手を補強していく必要がある。
 選手は,ショップで「選手カード」を買うことで増やせる。ただし,ショップで買えるパックやボックスは,中にどんなカードが入っているか分からない。好きな選手が出るかどうかは運次第というわけだ。思い通りにいかずにやきもきする部分でもあるが,「いったい誰が出るのかな」と思いながらパックを買うときのドキドキ感は,トレーディングカードを購入するときのそれとまったく同じ。やきもきしながらも,欲しかった選手を引けたときなど,思わずガッツポーズをしたくなるほどに嬉しいものだ。

 ショップで望みの選手が手に入らない場合は,ほかのプレイヤーとトレードを行って,選手を獲得するという方法もある。チャットエリアでは,頻繁にトレード希望のメッセージが流れているので,いい条件を見つけたら個別に交渉してみよう。もちろん自分からトレード希望の声を上げて,反応を待ってもいい。筆者が見たところ,このテストでは強さを追求して選手を集めるというよりも,好きな選手や,ひいきの球団の選手を集めているプレイヤーが多いようだった。

●左:ショップでは選手を購入できる。投手や野手などのパックを選んで買うことも可能 ●右:ほかのプレイヤーとのトレードなら,望みの選手を手に入れやすい。好きな選手を集めよう


ポスティングは有力選手を入手するチャンス。ただしかなりのポイントが必要になる
 また,有力な選手は,ポスティングと呼ばれるオークションで入手することも可能だ。ポスティングの機会は,1回のペナントにつき1度だけ。ゲーム中に期日がくると,能力の高い選手が数人掲示されるので,プレイヤーは好きな選手を選び,ポイントを使って自由に入札する。ポスティング期間終了時に,最も高いポイントで入札していたプレイヤーが,その選手を獲得できるという仕組みだ。
 どの程度のポイントで入札するかは,自分自身やほかのプレイヤーの現有戦力,そして懐具合などを考慮する必要があるので,なかなか悩ましい。ちなみに筆者もポスティングに参加してみたが,わずかな差で広島の黒田選手を獲り逃してしまい,かなり悔しい思いをした。

 さて,ショップやトレードで手に入れた選手は,「一軍登録」することで試合に出場させられるようになる。ただし,能力が高い選手はその分「コスト」が高いケースが多いので,注意が必要だ。一軍に登録できる選手の総コスト数は決まっているため,いい選手を集めても,全員を同時に使うことは難しい。コスト内でどうやりくりするかは,オーナーとしての悩みどころ。じっくりと考えたい部分だ。

 チーム全体の強化とは別に,選手個人をパワーアップするには,「スキルブロック」を使う。スキルブロックは,選手カード同様,スキルショップでポイントを使って購入できる。パックやボックスを買うまで,どんな効果があるブロックが出るか分からないのも選手カードと同じだ。このスキルブロックを,選手個人のスキルエリアにセットすると,選手の能力値を向上させられるのだ。
 スキルブロックにはさまざまな形のものがあり,なおかつスキルエリアの広さは限られているので,セット時にはパズル感覚でうまく配置していく必要がある。スキルブロックを合成して,形を変えたり,効果を高めたりするのも有効だ。ただし,一度セットしたスキルブロックは外すと消滅してしまうので注意しよう。

●左:スキルブロックは,投手用,野手用,共通があり,それぞれS〜Dの5ランクに分かれている ●右:スキルブロックは合成もできる。うまく合成すれば,効果の高いブロックになる


■プロ野球好きにはたまらないゲーム

ファン球団別チーム成績順位表。成績が上位の球団のファンは,ボーナスがもらえる
 本作では,通常のチャットのほかに,掲示板として使用できる「コミュニティ」などが用意されており,プレイヤー同士のコミュニケーションの手助けとなる機能も充実している。
 中でも面白いのは,チームの成績が,初期設定時に決めたファン球団ごとにまとめられるという点。同じ球団をファンに持つプレイヤーの勝率が高ければ高いほど,その球団はファン球団ランキングで上位にいくのである。この順位が高い球団のファンにはボーナスポイントが与えられるので,同じ球団をファンに持つプレイヤー同士は結束を強め,協力しあってペナントに挑んでいくというのも,一つの楽しみ方である。

 クローズドβテスト相当ということで,チャットに不具合が発生したり,観戦時のグラフィックスとサウンドにズレが発生したりするなど,システム,インタフェースともに,ゲームとしてはまだちょっと荒削りな面があるのは確か。しかし現時点でも,自分の好きな選手を集めてチームを作るというワクワク感は十分に味わえた。前述のファン球団機能をとってみてもそうだが,実際のプロ野球ファンをメインターゲットに作られたゲームだということがひしひしと感じられる。
 筆者も,呼びかけに応えて選手のトレードをしただけの初対面のプレイヤーと,ついつい実際のプロ野球の話や,チーム編成の話で盛り上がり,時間を忘れてしまうことが何回かあった。同じ野球好きの人間と,ゲームを通じて時間を共有する楽しさを味わえるというのは,非常に価値があることだと思う。

 個人的には,このゲームがあれば試合がない月曜日も,物足りなさを感じずに済むので実に嬉しい。また,夜のスポーツニュースをチェックする感覚で,ちょくちょく試合結果を見るのも楽しかった。次なる展開が正式サービス開始なのか,それとも2回目のβテストなのかは明かされていないが,今後が大変楽しみである。(ライター:K.サワノフ)

同じチームのファンの団らんからゲーム情報交換まで,コミュニティではさまざまな形でプレイヤーが交流を行っている

プロ野球チームをつくろう!ONLINE
■開発元:N/A
■発売元:セガ
■発売日:2007/08/01
■価格:月額(自動継続権/30日券)980円(税込)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2007.05/20070531220007detail.html