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FFXI,ハイレベル向けアサルト作戦「ナイズル島調査指令」実践ノウハウ
2007/05/02 23:46
ナイズル島の内部はブロックと呼ばれる単位で区切られており,それぞれに設けられた作戦目標をこなしつつ,奥へと進んでいく
 「ナイズル島調査指令」とは,「ファイナルファンタジーXI」(以下,FFXI)の3月8日の大規模アップデートで導入された,アサルト作戦の一種である。ナイズル島以外に現在40種類を数えるアサルト作戦は,“手軽に挑戦でき”“手堅く報酬を得られる”ことがプレイヤー達に広く受け入れられているが,ナイズル島はこれに当てはまらず,とんでもなく難しい。アサルトの名を冠してはいるものの,まったく別物の,コアプレイヤー向けコンテンツなのだ。

 以前に概要記事(関連記事)を執筆したときは,筆者もこの極端な難度にかなり苦労したのだが,それ以降も地道にプレイを重ねていくと,少しずつではあるものの無事にクリアできるようになってきた。そして順調にクリアできるようになると,これはこれで,ほかにはない魅力を秘めたコンテンツだということが分かってきた。
 そこで本稿では,前回の概要記事からもう一歩踏み込んで,ナイズル島調査指令への挑戦時に役立つであろうノウハウなどについてまとめてみた。ナイズル島調査指令の概要についてはここでは触れないので,どういうものかまだ知らないという人は,最初にこちらの記事に目を通してほしい。

●FFXIに初の自動生成タイプのダンジョンが登場! 「ナイズル島調査指令」プレイレポート



■作戦目標の正確な把握がナイズル攻略への第一歩

スタート/ゴール地点である“伝送の幻灯”(Rune of Transfer)に触れると,作戦目標を確認できる
 ナイズル島の攻略では,30分の制限時間内に5ブロック分のショートカットを更新することが大きな目的となる。これを実現するには,1ブロックあたり平均5〜6分で進まねばならず,そのためプレイ中は終始急かされてしまうのは覚悟しよう。

 ナイズル島の本格的な攻略にあたってまず覚えてもらいたいのは,ブロックごとに設けられた“作戦目標”の種類である。作戦目標の内容はブロックの移動直後に分かるものの,その説明は詳しいとはいえず,実際に何を行えばいいのかがよく分からない,という人もいるだろう。
 そこで,現時点で確認できている作戦目標の種類と,それぞれが実際にどのような内容を示しているのかを,ざっとまとめてみた。各作戦目標には,体感での大まかな難度を10段階(1:易しい〜10:難しい)で示しているので参考にしてほしい。

【1】殲滅系
 ブロック内のモンスターを複数体倒す,という作戦目標。
 A「敵の殲滅」【難度:7】:ブロック内のすべてのモンスターを倒す
 B「特定モンスターの殲滅」【難度:6】:“計り知れない”と表示される,ザコモンスターをすべて倒す

1-A:ただひたすらモンスターを倒すというシンプルな作戦目標。ただし,時間はそれなりにかかってしまう(画面左)
1-B:どのタイプのモンスターが対象になるかによって,難度にばらつきがある。ジョブ編成の相性によっては手こずるだろう(画面右)


【2】駆逐系
 ブロック内の特定のモンスター1体を倒す,という作戦目標。
 A「敵のヘッドの駆逐」【難度:7】:ナイズル島固有のNM1体を倒す(※Gear系/Archaic Rampartは除く)
 B「特定モンスターの駆逐」【難度:3】:“計り知れない”と表記されるザコモンスター1体を倒す(※通常のNMは除く)

2-A:ナイズル島固有のNMは,その独特な外見でそれと分かることが多い。そして多くの場合,厄介なアビリティを持ち合わせている(画面左)
2-B:同じタイプのザコモンスターでも,“計り知れない”表記と,そうでないものがある。落ち着いて強さを確認しよう(画面右)


【3】Runic Lamp系
 ブロック内のオブジェクト“Runic Lamp”を用いた作戦目標。モンスターを倒す必要はないが,実際に誰かがLampを調べるまで,下のどの種別なのかは分からない。
 A「Lampを全員が調べる」【難度:1】(※Lampは1個のみ)
 B「Lampを同時に点灯させる」【難度:3】(※Lampは複数)
 C「Lampを特定の順番で点灯させる」【難度:10】(※Lampは複数)

3-B:Runic Lamp系は各プレイヤーの待機時間が長い。この合間にヒーリングをするなど,時間をうまく利用しよう(画面左)
3-C:全員がLampを点灯させた後,順番が正しいものはしばらくの間点灯し続け,間違っているものはすぐに消える(画面右)


Gearは極力スルーしたいところだが,細い道の途中に配置されていることも。3体以上に見つかってしまうとかなりピンチ
【4】戦術目標なし
 A:直ちに次のブロックへと移動できるようになる。いわゆるボーナスだが,遭遇率はかなり低い。


 そして上記の作戦目標に加え,お邪魔モンスターの“Gear”が登場することもある。この場合は,作戦目標の後にその旨が追記されており,具体的には「ギアを壊すな!」または「ギアに注意せよ!」の2種類がある。どちらの場合も,その指示に従わなかったと判断されるとさまざまなペナルティをランダムで受けてしまい,とくに“制限時間短縮”“白魔法詠唱禁止”といったものは致命的になりかねない。ペナルティの重さも踏まえると,さきほどの難度表記でいえば,一気に3増えてしまうくらいの違いがある。

 Gearにちなんだ2種類の追記事項は,微妙に意味が違う。“壊すな!”の場合は,Gearを倒さない限りは(=HPをゼロにする)ペナルティが生じないため,例えば睡眠魔法などによる足止めが可能だ。また“注意せよ!”については,アビリティなどでこちら側からアクティブターゲットにすれば,たとえ倒してもペナルティは発生しない。



■徹底的にタイムロスを省く工夫を

 これらの作戦目標の意味を各メンバーがしっかり把握しておけば,ある程度のペースでブロックを攻略できるようになるだろう。しかし5ブロック分を踏破するには,それらに加えて,無駄を徹底的に省き,秒単位での時間短縮の積み重ねが必要となる。そこでここでは,知っておくと役に立つであろうノウハウをいくつか箇条書きで紹介していこう。


・自分が進む方角を意識する
 ナイズル島ではマップの表示機能が使えない。ランダムマップで構成されるブロックは,ときにはかなり広くそして入り組んでおり,適当に進んでいると合流時などに手間取ってしまう。そこで,画面左下に表示されるコンパスを見ながら,自分がどの方角へ進んでいるのかを大まかに覚えておくとよい。

・インビジ/スニークはいつでも使えるように
 「敵の殲滅」を除いた作戦目標の場合は,最初に“何かを探す”という共通要素がある。このときは必ずしもモンスターを倒す必要はなく,スルーできれば大幅な時間短縮が見込めるだろう。そこで,インビジやスニークといった魔法はいつでも使える準備をしておこう。前衛系のジョブも薬品類の準備を忘れずに。

・可能ならパーティを複数に分けよう
 ナイズル島に登場する多くのザコモンスターは,レベル75の冒険者にとって「丁度いい強さだ」程度のレベルである。つまり,6人編成のパーティを1体のモンスターに注力させずとも,難なく倒せるのだ。そこで,ジョブ編成によっては6人を“3人×2チーム”に分けて,別々に行動するのが有効である。あるいは,単独行動できるジョブ1名を,別働隊として動かすのもよい。
 ただし,一部の強力なNMと戦うときは6人が合流する必要があるため,その点にはくれぐれもご注意を。

・後衛ジョブはこまめにヒーリングを行おう
 移動しながら攻略することが多いため,後衛ジョブはヒーリングを行うタイミングを見つけにくく,MPの確保が難しいかもしれない。しかし,そんな中でも不可能というわけではない。
 例えばザコモンスターとの戦闘時は,弱体魔法や回復が少々後回しになってもなんとかなることが多い。また,作戦目標をクリアして次のブロックまで移動する時間にも,ヒーリングを行えるかもしれない。

・アサルト攻略中に限り効果を発揮するアイテムを活用する
 「アトルガンの秘法」の各地で得られるアイテムの中には,アサルトの攻略中に限り特殊効果を発揮するものがある。従来のアサルトは短時間で終わってしまうことから,これまでは大きな価値を見いだしてなかったかもしれないが,ナイズル島のアサルトへ本格的に挑戦するようになると,考えが変わるはず。アイテム一覧を再度チェックする必要があるだろう。

画面左:テンポラリアイテムで各種薬品類をまれに得られる。だが,誰に渡すかを相談している余裕はないかもしれない
画面中央:“Archaic Rampart”は,“計り知れない”と表示されるいかにも意味深なモンスターだが,今のところは大きな影響はないようだ
画面右:ザコモンスターが極端に強くないことから,“食事”を見直す必要があるかも。一部のNMを除き,寿司料理以外の選択肢も出てくる


■20ブロックごとにHNM級のボスモンスターと戦える!

ボスモンスターが待ち受けるフロアに到達した直後の画面。ボス以外にはArchaic Rampartが1体のみと,シンプルなブロック構成
 こういった苦労を積み重ね,無事に5ブロック分を踏破するとショートカットの登録を行え,次回はその続きから挑戦できる。そして,これを何度か繰り返し20層へたどり着くと,そこにはひときわ強力なボスモンスターが冒険者を待ち受けている。

 実際に筆者がこれまでに20層で確認できたのは,“Behemoth”“Adamantoise”“Fafnir”の3体。いわゆる“HNM”(ハイパーノートリアスモンスター)と呼ばれるものだ。今でこそ3本の拡張データディスクがリリースされ,それに伴うモンスターの追加によって最強の座を譲ってはいるものの,非常に強力な敵であることに変わりはない。
 これらのボスモンスターを見事に倒し,さらに運が良いと“アスカル”“デナリ”“ゴリアード”という3種類の特別な防具をドロップするという仕組みである。すなわち,これこそが冒険者の最終的な目標の一つだ。

 もっとも,そこまでの道のりは並大抵ではない。ボスモンスターの強さは言わずもがな,それに加え制限時間の問題がある。ショートカットの都合上,20層へは16層から挑戦しなければならないため,“4ブロックの踏破+ボスモンスターの討伐”を,たった30分以内で行わねばならないのだ。実際に,ボスモンスターを倒す直前で時間切れとなったケースを何度か体験しているが,このときの悔しさといったらない。
 ボスモンスター戦はこのコンテンツにおける最大の醍醐味であるため,本稿ではあえて攻略しない。ここまでの苦労を乗り越えてきた人なら,この模索も大いに楽しめるだろう

どのボスモンスターが登場するのかはランダムのようだ。この3体の中ではFafnirがとくに強く,その範囲攻撃の対処には悩まされるだろう


■難度は高いものの,20層まで到達できれば違った世界が見える

 現状の「ナイズル島調査指令」は,“1.時間制限がキツい”“2.NMを倒して得られるアイテムの当たり確率が低い”“3.リーダー以外のメンバーをボス戦以外のブロックに挑戦させるための動機付けが弱い”といった点が問題視されがちだ。そのためかボス戦以外のブロック侵攻時は,仮に一般公募で参加メンバーを募っても,6人を集めるのがかなり難しいという状態だ。
 未だ“万人”にお勧めできるコンテンツには成熟していない,という評価は前回の記事のときから変わってない。

 だがしかし,20層単位で待ち受けているボスモンスターとのバトルは強烈に面白く,その先にある3種類の装束アイテムの存在も,大きなモチベーションとなりうる。もっというならば,時間に追われながらブロックを侵攻し,ボスモンスターを倒すという一連の作業そのものに,独特の緊張感と魅力がある。“BCNM”“デュナミス”“リンバス”などの経験者であれば,皆が一丸となって目標を成しえたときの興奮は忘れられないと思うが,あれと同質のものをナイズル島のボス戦では得られるのだ。

20層では足,40層では脚のパーツのドロップを実際に確認できた。ちなみにアスカル/デナリ/ゴリアードによって,装備可能なジョブは分けられている


20層では足,40層では脚のパーツのドロップを実際に確認できた。ちなみにアスカル/デナリ/ゴリアードによって,装備可能なジョブは分けられている

 そして,その興奮をアサルトのシステム上で実現している,というところが個人的にとくに気に入っている。すなわち,人数さえ揃えば準備/移動時間を含め,1時間弱で極めてスリリングなプレイを満喫できるのだ。
 筆者はこの半月くらい,ナイズル島のボスに挑戦するのが日課になりつつある。装束アイテムを取れたとか取れないとかそういう問題ではなく,ナイズル島の侵攻を経たボスモンスターとのバトルそのものが,純粋に楽しい。これまで100回以上ナイズル島調査指令に挑戦し,失敗も幾度となく経験しているのに,今最も強く思うことは「アサルト用のチケットが1日にたったの1枚では足りない!」なのである。
 それにしても,そのほかのアサルト作戦に挑戦できないのは,まったくもってもどかしいばかりだ。戦績品交換アイテムの“ストームファイフ”が喉から手が出るほど欲しいのに!


 ……とまぁ少し熱くなってしまったが,ボスモンスター討伐が魅力的であるだけに,それ以外のブロック侵攻時との温度差は,このコンテンツにおける最大の問題点であろう。しかしこの温度差については,上述した1〜3の問題に関連しており,バランス調整で改善できるレベルだと思う。今後ゲームバランスが改善され,より多くの冒険者が(ブロック侵攻時も含め)参入しやすくなり,そして自分もブロックを進めやすくなることに期待したい。

 現状ではまだ手放しではお勧めできないのが残念だが,FFXIの上級者を自認するプレイヤーであれば,本稿を参考にしつつ,とりあえず20層の到達を目標にプレイしてみてはどうだろうか。もしかすると20層のボスモンスターを見た瞬間,これまでの評価が一変するかもしれない。(川崎政一郎)


上段左:NMを倒して得られるアイテムの当たり確率は,体感で1%未満と低い。こういった要素も,人を遠ざける要因の一つだ
上段中:時間切れによる強制離脱の場合は,トークンを丸ごと失ってしまう。こうなる前に,任意での脱出を行いたいところだ
上段右:トークンさえ失わなければ,ナイズル島に毎日挑戦することも不可能ではない。すなわち毎日HNMと戦えるのはとても魅力的だ
下段左:少しずつではあるが,モンスターを倒すことで経験値も得られる。こういった副産物の要素が充実してくれると,より参加しやすいだろう
下段中:プレイヤーが場数を踏んでも,ブロックの作戦目標の組み合わせによってはどうしてもダメなときもある。運が介入する要素は強い
下段右:最大の壁は,人を集めるところかも。リンクシェルやフレンドなど,身内同士でのプレイのほうが進めやすいだろう

ファイナルファンタジーXI
■開発元:スクウェア・エニックス
■発売元:スクウェア・エニックス
■発売日:2002/11/07
■価格:オープン
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2007.05/20070502234656detail.html