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新職業「忍者」「ガンスリンガー」導入。MMORPG「ラグナロクオンライン」,「フィゲル」アップデートの見どころ紹介
2006/10/20 23:55
※テスト環境での取材のため,名称や仕様は変更となる場合があります。

 MMORPG「ラグナロクオンライン」(以下,RO)では10月24日に,大型アップデート「Episode5.0 The Republic of Schwarzwald 〜シュバルツバルド共和国〜」の第4弾「フィゲル」(Hugel)が導入される。最近相次いで導入された「リヒタルゼン」や「アインブロック」「ノーグハルト」に続き,シュバルツバルド共和国の最終章に位置づけられるアップデートだ。
 今年(2006年)7月のノーグハルトアップデートでテコンキッドなどが導入されたのは記憶に新しいが,今回も新しい職業「ガンスリンガー」と「忍者」が追加される。強敵が待つ「オーディン神殿」などを含む新エリア「フィゲル」の情報とともに,見どころをお伝えしよう。

■新職業「ガンスリンガー」&「忍者」

 エピソード5では新たに二つの職業,「ガンスリンガー」と「忍者」が追加される。どちらも2次職が存在せず,代わりにジョブレベルの上限が従来の50でなく70で,多彩なスキルを使いこなせるという「特殊1次職」だ。
 忍者は名前のとおり,日本をイメージしたマップ「アマツ」生まれ。一方のガンスリンガーは外見こそ西部劇のガンマン風だが,装備可能な武器である銃のイメージを優先したのか,鋼鉄の都市「アインブロック」出身となっている。テストサーバーで両職業を操作してみた感想としては,前回のアップデートで追加実装された「テコンキッド」同様に,トリッキーかつユニークな動きとスキルが豊富に用意されており,育て甲斐のあるキャラクターのようだ。ただし,忍者が使う「手裏剣」がアマツでしか補充できないうえに一つ4Zenyからと高コストな点,ガンスリンガーがスキルを使うたびに大量に弾を消費する点を考えると,どちらかといえばキャラクター育成に慣れたベテランプレイヤーが,プレイのバリエーションを広げるのに向いた職業と感じられた。

■見た目の派手さはNo.1のガンスリンガー

 RO世界では新しい武器である銃器の扱いに特化したガンスリンガーは,既存の職業のうちではアーチャー系に近く,その攻撃力はDEX値に左右される。扱える銃には「ハンドガン」「ガトリングガン」「ライフル」「ショットガン」「グレネードガン」という5種類が用意されており,それぞれ構えたときのグラフィックスも異なる。



スキルの一つ,デスペラード。自分の周囲7×7セル内に銃を乱射する。1回のスキル使用で弾を10発も消費してしまう
 慣れないうちは,操作にとまどいそうなのが銃と弾の関係。弾はアーチャーの矢と同様に,インベントリ内に持っているだけではダメで,「装備」することにより初めて使用でき,属性が異なる弾をショートカットにセットして,瞬時に切り替えることも可能。ただし,使用する銃器と弾が合わない場合は,弾を外してから銃の装備を解除し,また違う弾を装備して……と,いささか手順が面倒だ。
 まあ,もともとSTR値を重視せず重量制限も厳しくなりがちな職業であるし,そんなに多くの銃を持ち歩かなければ,この点はたいして気にならないだろう。アーチャー系の「矢筒」と同じく,重量を軽減できる「バレットボックス」も用意されている。
 同社の廣瀬氏によれば,ガンスリンガーは1次職のアーチャーよりは無論攻撃力はあるが,単純に与ダメージだけで比較するなら2次職のハンターに劣るとのこと。しかしギャンブル要素も含むスキル「フリップザコイン」,ハンターの“罠師”的な使い方が可能な「グラウンドドリフト」,最大攻撃力1300%という「フルバスター」など,使い方次第でソロでもパーティでも楽しめるスキルを持ち合わせている。
 ジョブレベル70でも取りきれない豊富なスキルをどう組み合わせ,どんなタイプのガンスリンガーに育て上げるか,その試行錯誤自体が楽しめそうなキャラクターだ。

左:マッドネスキャンセラー。フリップザコインで作り出した,コイン4枚を使って30秒間命中率−30,回避率+30の効果を得る
中:フリップザコイン。1回1Zenyを消費してコインを生み出す。成功するたびにキャラクターの周囲にコインが増え,失敗すればコインは減ってしまう
右:グラウンドドリフト。地面設置型のスキル。狭いダンジョンなどでグレネード弾を仕込み,敵を引っ張ってくれば効果的に使えそうだ


■モンク最大の敵となるか? 阿修羅覇凰拳をも避ける「忍者」

ハイプリースト相手に一閃を試させてもらった。スキル使用後はHPが1になるため,タイミングが難しい
 アマツ生まれの忍者は,手裏剣を利用した遠距離攻撃のほかに,ハイディング状態からの不意打ちや,火・水・風の3属性に基づく忍術を使うなど,なんというか,忍者のイメージどおりのスキルを使いこなす職業だ。ユニークなエフェクトのスキルが大変多く,より遊び要素が強いといえるかもしれない。
 物理攻撃を重視するか,それとも忍術系をメインにするかで育て方が二通りに分かれるため,スキル取りとステータス値は,ガンスリンガーに比べるとやや慎重さが必要となるだろう。こちらもあくまで特殊1次職なので,2次職と比較すれば能力は劣るが,プレイヤーの腕次第ではGvGでの活躍も見込めそうである。
 例えばスキル「空蝉」は物理攻撃に限り,最大レベル5で60秒間3回までの完全回避が可能だ。対プレイヤー戦では回避時のバックステップが働かないが,モンクの一撃必殺技「阿修羅覇凰拳」すら無効にできるという。逆に自らのHPを犠牲にする代わりに大ダメージを与えられるスキル,「一閃」でのカウンターも可能だろう。一閃の効果を試すべく,ガンホー側にお願いしてPvPゾーンで試してみたところ,レベル90のハイプリースト(装備は通常購入可能な最高装備で未精錬)ならば一撃で沈められた。アスムをかけた状態のハイプリーストはさすがに無理だが,それでも5800というダメージ値だ。一閃はディレイがないため,高価な回復アイテムを惜しげもなく注ぎ込めば連続使用もできてしまう,忍者にとっての必殺技だろう。なお,両職業のスキル一覧表を用意したので,参考にしてほしい。

左:畳返し。畳に当たった敵を弾き飛ばす攻撃スキル。どこから畳を持ってきたかなんてことは,聞くだけヤボである
中:水遁。場所を問わず地面に水溜りを作り,「ウォーターボール」と「アクアベネディクタ」が使用可能に。触媒となる「氷閃石」はアマツでしか買えない
右:火炎陣。周囲5×5セルに20秒間炎を起こし攻撃する。ウィザードのファイアウォールとは異なり,ノックバック効果はない


■田園都市「フィゲル」と聖地「オーディン神殿」

フィゲルの街中には,なぜか結婚式場とおぼしき場所が。大聖堂での正式な結婚式が終わったら,2次会はぜひともこちらで
 さて,新職業をひととおり試したあとに見てみたのは,新エリアの田園都市「フィゲル」である。シュバルツバルド共和国の北方地域にあり,首都「ジュノー」から離れた田舎(?)だけあって,街の景観は実にほのぼのしているのがお分かりいただけるだろう。
 実はこれまでフェイヨンにあった「ハンターギルド」が,アップデート後はこのフィゲルに引越すことになっている。「アビスレイク」マップから繋がってはいるが,1次職のまま歩いてフィゲルに来るのはどう考えても難しい。ここは飛行船の巡回ルートにも含まれるので,転職時には素直に飛行船に乗ってしまおう。
 既存プレイヤーにとって楽しみなハイレベル向けエリア「オーディン神殿」はフィゲルの船着場から800Zenyで渡れる。

左:お引っ越ししたハンターギルドの中。緑豊かな風景はフェイヨンに少し似ている
中:フィゲルには老人の姿が多い。もしかしたら引退後に静かな生活を送るのに適した土地なのかも?
右:「アルベルタ」から渡れる既存マップ「タートルアイランド」行きの船賃10000Zenyに比べると,だいぶ費用も安くなったものである


ゴーストと区別しにくいが,中央の青みがかかったモンスターがボス「ランドグリス」である
 かつて人々が慈悲深い神を祀るために建設したというこのオーディン神殿は,マップの広さの割に高低差が激しく,狭い通路で構成されている。出現する新モンスターは,黒い悪魔のようだが聖属性の「スコグル」,仮面をかぶった不思議な男(?)「プルス」,美しい天使のような姿だが攻撃力がすさまじく高い「ランドグリスゴースト」などである。
 このエリアにはボスモンスター「ランドグリス」が出現する。複数のランドグリスゴーストに守られたランドグリスは,今のところRO世界最強のMVPボスモンスターだ。HPは驚異の350万。いったいどれだけのメンバーを動員し,時間をかければ倒せるのだろうか……。このところのレポート記事ではお約束になりつつあるが,瞬く間に倒されてしまったレベル98ロードナイトの姿をご覧いただきながら,ぜひ討伐隊を組織する計画を立ててみてほしい。

左,中:あちこちに見られる無残に崩れ落ちた神殿や彫像。狭い崖や橋が多いため,囲まれる危険性は少ないが逃げ場も少ない
左:テストサーバーで毎回活躍してくれるロードナイト。今回ももちろん,スキルも回復アイテムの甲斐もなく打ち倒された


ルティエにある「おもちゃ工場」に似た部屋
 これも新エリアとなる「キエルの部屋」と「機械人形工場」は,大企業「レッケンベル社」に繋がるバックストーリーを持ち,いくつかのクエストとも絡んでくる。クエスト進行とともに手に入るアイテムがなければ先に進めない場所も多いので,あまりレベルに関係なく,ギルドメンバーを集めて挑戦するとよいだろう。
 ガーディアンの修理/研究を行う機械工学会社「キル・ハイル社」を,若くして創設したキル・ハイル氏の工場というだけあり,モンスター達は機械人間のようなタイプが多い。あくまでテストサーバーでの話だが,モンスター発生率はさほど激しくないので,レベル70台のキャラクターでも仲間に守られつつなら,安定して遊べる場所だろう。どちらかといえば,キル・ハイル関連のエリアはシナリオやクエストを好んで楽しむタイプのプレイヤーに,人気が出そうである。

左:部屋と部屋を繋ぐドアの前では,何回かキーワードが必要となる。クエストを順番に進めていれば,必ずヒントやアイテムは手に入る
中:キル・ハイルが生み出したのだろうか? 地下の工場には機械人形とおぼしき「エリオット」や「エリセル」,毛糸玉のようなモンスター「コンスタント」が出現する
右:機械人形工場のボスモンスター「キエル-D-01」とその取り巻き達。部屋の名前にもなっているだけに,いわくがありそうだ


■一攫千金の夢をモンスターに託す「モンスターレース」

ダブルスは1,2位の出走モンスターを順不同で当てればよいのだが,予想するのは割と難しい。手堅く当てて入場料分を取り返したいなら,シングルスがお勧めかも
 最後にフィゲルの街でのお楽しみ,モンスターレースの様子をお届けしよう。モンスターレースは出走するモンスターの順位を予想して賭ける,ずばりギャンブル。1位だけを予想するシングルスと,1位と2位を予想する(順不同)のダブルスで会場が分かれており,街中に立っているNPC「エカル・イルバード」か「エカル・イルニス」に話しかけ,2000ゼニーを支払えば別マップの会場へ転送される。ただし,レースはシングルスとダブルスが別サイクルで1時間に4〜5回開催され,レース進行中には観戦モードでしか入れないので注意が必要だ。しかも,見るだけなのに500Zenyも取られてしまう……。

 まず,チケット販売員に話しかけると出走モンスターの情報を得られる。1〜6番までのモンスターには「幸運」と「体力」が設定されており,これがレースの結果に響くのだ。競馬場で出走馬の体重増減や毛ヅヤをチェックするのと同じノリだ。体力がないモンスターはレースの途中で眠り込んでしまうことがあり,また幸運が少なすぎると動かなくなったりする。両方の数値を見比べて,バランス型を選ぶか,一方のパラメータを重視するかはプレイヤー次第である。
 ダブルスならば2匹のモンスターを選んで,チケットの購入は終了。あとはレース開始を待つばかりだ。だがこのレース,予想外に長い。モンスター達は気まぐれなのか,コース半ばまで進んでおいて,いきなりスタートゲートまで逆送を繰り返したりするので,なかなか1位が決まらないのだ。
 レース終了後には景品との交換タイムが設けられ,その後,会場の全プレイヤーは強制的にフィゲルの街へ戻される。この交換タイムに間に合わなくても,フィゲルの街中には交換NPCが立っている(ほかにもいるようだ)。中には「古い紫色の箱」をはじめ,相当高価なアイテムもあるようなので,手持ちに余裕のあるプレイヤーは,一攫千金を夢見て張り込むのもよいだろう。

 新職業からモンスターレースまで,やや駆け足気味の紹介となったが,フィゲルアップデートの見どころは以上である。先に述べたとおり,全体に新規プレイヤーや初級者よりは,既存のエリアや職業で遊びつくした古参プレイヤー向けの要素が濃いように感じられる内容ではある。
 しかし田園都市フィゲル周辺のマップなどは,レベル30〜40台でも十分に遊べる難度であり,キル・ハイル関連のクエストも仲間とパーティを組めば挑戦可能である。推奨レベルなどを過度に意識することなく,ぜひ新要素を堪能してほしい。(ライター:麻生ちはや)


上段:これがレースごとに変わるモンスターのパラメータだ。今回は無難に3−6のバランス型を選んでみたが,結果はカスリもしなかった……
下段左:序盤からいきなりまったく動かないモンスターや,行きつ戻りつゴール前で突然,立ち止まってしまうモンスターあり。結果が分かるまでは数分かかることもあるようだ
下段右:見事予想をを的中させたなら,レースクイーン(?)のお姉さんが立つ景品交換所へ。レース終了後には交換のために5分程度の時間が設けられている

ラグナロクオンライン
■開発元:Gravity
■発売元:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■発売日:2002/12/01
■価格:プレイ料金:1500円/月(税込)
→公式サイトは「こちら」

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